2022年予算議会
予算議会を終えて
2022年3月25日 日本共産党福岡市議団
ロシアのウクライナ侵攻を非難する決議を全会一致で採択
2月16日から始まった福岡市議会が3月25日閉会しました。
議会開会中の2月24日に、ロシアのウクライナ侵攻が開始され、福岡市議会はこれに抗議し、無条件即時撤退などを求める決議を全会一致で採択しました。ロシアの侵略に反対する国際包囲網の一環として重要な意義を持ちます。わが党は決議の提起、文案の提示を行い、他の会派と協議の上で修正・提案されるなど、議決に積極的役割を果たしました。
ロシアによる原発・病院・学校への攻撃や民間人殺傷などの非人道的行為が繰り返されるとともに、核戦争の危険が高まっており、わが党はロシアの侵略をやめさせ、核使用を許さないために全力を尽くします。
立場の違いを超えて予算の組替え動議を提案
わが党と髙島市長との間には大型開発や市民施策をめぐって根本的な対立がありますが、コロナ対応・気候危機打開・ジェンダー平等の3つについては、その違いを脇において緊急に取り組むべき課題です。わが党はこの立場から、今議会でもこの3課題で市政全体を見直すよう市長に求めつつ、コロナ禍で苦しむ子育て世帯への学校給食費の負担軽減という一点に絞って市長予算案を組み替える動議を提案しました。緑とネットが賛成したものの、他の会派・市議が反対し否決されましたが、わが党は引き続きこうした緊急課題での共同を追求します。
学校給食については、無償化を求めてわが党として質問も行いました。
コロナ対応・気候危機打開・ジェンダー平等を求める
わが党はこの3課題を議会質問でも取り上げました。
コロナ対応では高齢者がかかりつけ医でワクチン接種できるようにすること、検査数の抜本増と目標設定、保健所職員の大幅増、保育士や学童保育支援員の処遇改善を要求しました。気候危機打開では、市内の8割の温室効果ガス排出をカットできる購入電力と輸送燃料の改革を求め、断熱効果のある住宅リフォーム助成や省エネ・再エネの専門アドバイザーなどを提案しました。ジェンダー平等では、痴漢根絶を市政の課題として取り上げること、科学と人権にもとづく包括的性教育を福岡市の小・中学校でも行うことを迫りました。
わが党の追及に対して、教育委員会は学童保育の補助員の報酬引上げを表明しました。また、市長は「地球温暖化の取組みは環境の分野にとどまらず、施策事業を計画実施するにあたって、市政全般において検討が必要」との重要な答弁をしました。引き続き3課題での前進にむけ、取組みを進めます。
髙島市政の問題点を検証し、市民の切実な要求実現を迫る
代表質疑・補足質疑・総会質疑などで髙島市政の問題点を検証するとともに、市民の切実な要求の実現を迫りました。
非課税世帯への給付金の給付事業は、民間企業に業務委託されていますが、電話がつながらないなど市民の苦情が殺到しています。委託企業が市との契約をまともに実行していないのではないかとわが党は追及しました。また、公園などの樹木剪定で多数の業者が不正を行っていた問題が発覚しましたが、調査も終わってないのに早々に甘い処分で幕引きを図り、刑事告発もしようとしないことなどをわが党はただしました。
コロナ禍で推進され続けるウォーターフロント開発・「天神ビッグバン」・人工島事業などの大型開発とともに、コロナで延期が繰り返されている巨大イベント・世界水泳福岡大会をきっぱり中止するよう市長に厳しく要求しました。
教育の問題では、子どもたちの学びや成長に重大な影響を与える過大規模校の解消を求めるとともに、年度当初から4割の中学校・特別支援学校で教員不足が起きている問題を取り上げ、早急な解決を迫りました。あわせて、長時間労働にさらされる教員の抜本的な増員も求めました。
福祉の問題では、全国で広がっている加齢性難聴者の補聴器購入補助を要求しました。また、医療的ケア児・肢体不自由児の保護者の就労保障、看護師雇用の補助増額などを取り上げ、取組みを迫りました。
国民健康保険料について、市長は法定外繰入を減らした上で、介護分の引下げにとどめており、わが党は不十分であるとしてさらなる引下げを求めました。
町内会などについての条例が提案され、会への加入を市民に強制したり、会の活動を縛ったりしかねない条項が盛り込まれ、他方で市の公的責任を明記した条項がない問題をわが党は指摘し、自由で自主的な地域の活動を支援する方向への転換を提案しました。
市民の切実な願いも一部反映
市民の切実な願いも新年度予算に一部反映されました。
教育分野では、35人以下学級は全学年での本格実施が決まり、わが党はそれにふさわしい教員の抜本的増員を今議会でも要求しました。また、スクールソーシャルワーカーや学校支援員の増員、特別教室へのエアコン設置、公立夜間中学の開校、自閉症・情緒障害の特別支援学級新設などが実現しました。
福祉分野では、わが党が論戦して切り開いてきたヤングケアラーの支援事業が拡充され、また、重度障害者グループホームの受入事業、地域生活支援事業などが充実しました。
地域課題では、わが党が議会質問で求めてきた南区・源蔵池の治水対策に予算がつき、東区・奈多小などにエレベーター設置が決まりました。
国保・保育についての意見書で野党共闘
わが党は、国民健康保険の財政基盤の強化、保育士などの処遇改善を国に求める意見書を立案しました。野党共闘を進める立場から、市民クラブや緑とネットとともに共同で提案し、与党会派の中にも賛成が広がりましたが、自民党・公明党などの反対で否決されました。市民の願いを踏みにじることは許されません。
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わが党は今後も切実な市民要求の実現、緊急課題のための共同に奮闘するとともに、旧ソ連時代からロシアの覇権主義とたたかってきた党として、侵略戦争反対、核兵器のない世界の実現へ全力を挙げる決意です。
教育長人事案件についての反対討論 (2022年3月25日 中山郁美議員)
2022年予算諸議案に対する意見開陳(2022年3月24日 堀内徹夫議員)
教員不足解消と障害児・医療的ケア児への支援強化を求め、植木剪定等委託における不正問題をただす(2022年3月22日 中山郁美市議の総会質疑)
痴漢根絶、町内会についての条例、大規模業務委託のあり方をただす(2022年3月18日 綿貫英彦市議の総会質疑)
包括的性教育の推進、過大規模校対策を求める(2022年3月7日 松尾りつ子市議の補足質疑)
脱炭素転換、補聴器の購入補助、学校給食の無償化を迫る(2022年3月4日 倉元達朗市議の補足質疑)