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議会報告

2022年予算議会

2022年度予算議会の代表質問

2022年3月3日 綿貫英彦市議

私は日本共産党市議団を代表して、髙島市長の市政運営方針と2022年度予算案及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会等に質問いたします。

質疑に入ります前に、一言申し上げます。ただいま「ロシアによるウクライナ侵略に抗議し、恒久平和を求める決議」が、全会一致で議決されました。決議にあるように、ロシアによるウクライナ侵略は、国連憲章および国際法に違反し、世界の安全保障と国際秩序を脅かす侵略であり、断じて容認できない暴挙であります。また、プーチン大統領による「核抑止力を特別態勢に移行」させる命令は、核兵器による威嚇であり、我々は被爆国の国民として断じて許すことはできません。ロシアに対し、武力行使の即時停止、ウクライナ領土からの軍隊の即時完全撤退を強く求めます。

では、質疑に入ります。


初めに、2022年度の政府予算案への態度、および市長の市政運営方針と予算案についてお尋ねします。


新型コロナウイルスのオミクロン株による感染拡大から国民の命を守ることは最優先の課題です。また、岸田首相が認めたように、新自由主義の弊害から脱却し、気候危機やジェンダーの問題に対応しながら、「やさしく強い経済」をつくることが求められています。そこで、ワクチン3回目接種の加速化への最大限の支援、重点的な検査と大規模検査のさらなる拡充、「事業復活支援金」の少なくとも持続化給付金並みへの増額、最低賃金の時給1500円への引上げ、消費税の5%への減税、石炭火力発電の廃止、男女賃金格差の公表と是正の企業への義務づけを国に求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。

コロナ対応、気候危機打開、ジェンダー平等はいずれも社会や政治のありようを根本から見直すことを迫っている課題です。ところが、市長の市政運営方針には枕詞としてコロナに言及があるだけで、気候危機についても自ら掲げた、2040年に温室効果ガス排出の実質ゼロを達成する具体策は一切なく、ジェンダー平等に至ってはジェンダーの「ジェ」の字もありません。市長は旧態依然のやり方を、目くらましの横文字を使って続けるのみで、目の前の危機や時代の新しい流れに対応できていないと言わざるを得ません。本市の新たな基本計画の策定が迫っておりますが、これらの課題を市政の戦略の根本に据え、全ての市の施策や計画を大もとから見直すべきだと思いますが、答弁を求めます。


次に、大型開発と規制緩和についてです。


第1は、「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」についてです。

「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」は、規制緩和によって民間投資を呼び込むとして、ビルの床面積を大幅に増やすものであり、「賑わい創出」と称した地下道など関連施設や道路延伸へすでに数十億円が投入されています。コロナ禍に伴う企業の業績悪化やテレワークの普及でオフィスを縮小する企業が増えるなかで、規制緩和などと言って、巨大なビル建設を主体としたまち壊しを続けるのは無謀です。多額の税金投入、特定企業への不当な優遇などを行い地価の暴騰、住民や中小業者の追い出し、渋滞・ラッシュ・災害混乱などのインフラのパンクを引き起こし、市民や零細企業には何の恩恵もない「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」は中止すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。


第2は、ウォーターフロント開発についてです。

ウォーターフロントの再整備計画は、もともと莫大な税金を投入し、呼び込み頼みの危険な計画だったところ、市は感染症の影響により計画を見直さざるを得なくなったように事実上、破綻しています。しかしながら、この計画「見直し」は中央ふ頭北側について見直すだけで、それ以外については温存し、財界に新たな絵を描かせて拡大を目論んでいます。コロナを経験した世界は、たとえパンデミックが収束しても単純に元の状態に回復することはなく、観光のあり方や働き方をはじめ、すべてが大きく様変わりすることは明らかです。特に、「外需頼み」「インバウンド頼み」という呼び込み型経済政策の脆弱さが浮き彫りとなり、地域の中小企業や市民の家計を応援する経済政策に切り替える必要性がいよいよ鮮明になっています。したがって、ウォーターフロント開発計画そのものを完全に中止すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。


第3は、人工島事業についてです。

人工島の土地処分については、立地交付金というプレゼントをつけた上に、原価割れで叩き売りをして最大421億円の大赤字を残す見込みになっています。このような破綻した事業に毎年毎年、100億円以上の税金を注ぎ込み、自らの失敗を反省しない市長の姿勢は恥ずかしいばかりです。これ以上の税金投入はムダづかいであるとともに人工島だけを特別扱いする不適切な支出はやめるべきではありませんか、明確な答弁を求めます。


第4は、福岡空港・高速道路についてです。

福岡空港は、コロナによる入国拒否や渡航制限を受け旅客数が激減し「東アジアトップクラスの国際空港」にすることを謳い文句にして、30年後に旅客数を現在の1.5倍にし、路線数を倍加させるなどといった見込みも破綻しています。また、航空業が気候変動に与える影響は大きく、地球環境を保持する観点からも矛盾します。こうした無謀な計画から手を引き、国・県に見直しを求めるとともに滑走路増設をやめるよう要求すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

都市高速道路の福岡空港への延伸は、国交省の資料でも空港口交差点は現状でも将来でも、渋滞しないことが明らかとなっています。延伸わずか1.8kmに532億円の途方もない公費を投入する高速道路延伸計画は直ちに中止すべきと思いますが、答弁を求めます。


第5は、国家戦略特区についてです。

「グローバル創業・雇用創出特区」は、この間、まち壊しにつながるビルの高さ制限の緩和や解雇指南など市民を守るルールを壊す規制緩和となってきました。本市の特区指定を返上すべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。


第6は、髙島市長の外からの呼び込み施策についてです。

都市ブランド力を高めるためなどという、外から人を呼び込む経済のあり方は、コロナ禍で、持続可能ではないことが明らかとなりました。世界水泳選手権福岡大会はコロナ感染の収束が見通せない中、開催すべきではないという市民やわが党の意見を無視し、開催強行に突き進んできました。その結果、大会費用を当初の90億円から180億円へと2倍に膨れ上がらせ、現在まで87億円もの税金を投入しています。コロナ感染の収束が見通せない状況のもと、来年の開催もできるかどうか不透明な中、さらなる税金投入は許されません。従って、市として大会の中止を提起するとともに、大会運営から手を引くべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。G 7サミットは、誘致した場合、本市にも莫大な財政負担が求められるのは明らかです。財界・大企業への仕事づくりに市民の血税を投入するのは許されず、誘致をきっぱりやめるべきと思いますが、答弁を求めます。


次に、新型コロナ対策、医療、介護、生活保護、高齢者、障害者福祉など、社会保障についてです。


第1に、新型コロナ対策についてです。

オミクロン株による感染第6波は市民の命や健康に重大な影響をひろげております。市長は感染抑止のために、3回目のワクチン接種の遅れを打開し安全・迅速にすすめる手立てをとるとともに、いつでも誰でも身近なところで無料のPCR検査を受けられるようにすべきではありませんか、ご所見を伺います。また、陽性者のうち無症状者や軽症者に対する「原則自宅療養」方針の撤回を国に求めるとともに、臨時の大規模医療施設の設置と宿泊療養施設の抜本的な体制拡充を県と協力し進めるべきではありませんか、答弁を求めます。また、コロナ禍における医療逼迫の教訓を踏まえ、医療費抑制や病床削減路線を中止し、医師・看護師の抜本的増員へとかじを切るとともに、医療機関の減収補てんと財政支援、医療従事者の待遇改善を行う手立てを取るよう国に強く求めるべきではありませんか、ご所見を伺います。医療現場とともに逼迫し崩壊寸前となっている保健所は職員の過労死ラインを大幅に超えた自己犠牲により成り立っていますが、感染者をつかむことも、必要なサポートをすることも困難になっております。市長は保健所予算を2倍以上に増やし抜本的な人員増と体制強化を図るべきだと思いますが、ご所見を伺います。


第2に、国民健康保険及び後期高齢者医療等の改善についてです。

市長は今年度、史上最高の保険料を被保険者に押しつけているにもかかわらず、新年度の保険料については、介護分だけのわずかな引下げにとどめようとしており、コロナ禍のもとで極めて不十分であります。一般会計から国保会計への法定外繰入れについて、国は県単位化の下でも自治体独自の判断だとしており、機械的な削減をやめ、必要額を確保し保険料の大幅引下げを行うべきだと思いますが、答弁を求めます。子どもの均等割については国の一部軽減措置で良しとせず、第一子から全額免除すべきだと思いますが、ご所見を伺います。また、滞納者への保険証取上げ、短期証への切替えや問答無用の差押えをやめるべきだと思いますが、ご所見を伺います。あわせて、高い保険料の要因となっている均等割と世帯割について公費を1兆円投入して廃止するよう国に求めるべきだと思いますが、答弁を求めます。国保法第44条にもとづく窓口負担減免制度を適用しない姿勢を改め、活用を推奨すべきではありませんか、答弁を求めます。

後期高齢者医療については、広域連合に125億円積まれている運営安定化基金などを活用し軽減特例の縮小・廃止等で引き上げられた保険料を大幅に引き下げるよう広域連合に求めるとともに、国に対して、軽減措置を元に戻し、年収200万円以上、370万人の窓口負担の2倍化は中止するよう求めるべきではありませんか、お尋ねいたします。

新型コロナ対応で逼迫しているこども病院並びに市民病院については、正規職員を抜本的に増員し、感染症パンデミックにも対応できる体制へ改善するよう指導すべきと思いますが、ご所見を伺います。


第3に、介護保険についてです。

介護職員の低処遇・長時間労働・人手不足はもともと大問題となっていましたが、コロナ危機のなかで職員の過重労働はいっそう苛酷になり、「コロナ離職」も相次いでおります。市長は、全産業平均より月10万円低いとされる介護職員の低処遇を解決し、人材を確保するために国に対し、介護報酬の引上げをはじめ、介護福祉士や調理員等介護現場で働く全ての労働者の抜本的なベースアップの対策をとるよう求めるとともに、人件費の補助を行う独自制度を設けるべきではありませんか、答弁を求めます。

新型コロナ感染症の影響を受けた事業所への、減収補填を国に求めるとともに、市独自に感染防護具や施設の改修など、感染拡大防止の取組みにかかる経費を含む財政支援を行うべきではありませんか、答弁を求めます。併せて、介護施設の入居者・利用者全員が、必要な時にPCR等の検査を受けられるよう手立てをとるべきではないか、お尋ねします。

昨年8月から強行された施設利用者への「補足給付」の要件改悪により対象から漏れた利用者が退所に追い込まれる事態も起きております。要件を元に戻すよう国に求めるとともに、当面市として負担増の補てんをおこなうべきではありませんか、ご所見を伺います。

史上最高額となっている介護保険料については8期途中でも引き下げる手立てをとり、特別養護老人ホーム整備については、厳しい入所制限をやめ、公共用地を無償貸与し、早急に待機者解消を図るべきだと思いますが、答弁を求めます。

また、いわゆる「ヤングケアラー」については専門部署をつくり実態を総合的に把握するとともに関係機関の連携と当事者支援を担う地域ソーシャルワーカーを必要数配置すべきだと思いますが、ご所見を伺います。


第4は、生活保護並びに貧困対策についてです。

自民党政権が強行してきた生活保護基準の連続引下げにより食事は1日2食、子どもの服が買えないなど、生存権さえ否定される事態が常態化しております。市長は国に対し削減してきた各種扶助費を元に戻すよう求め、市独自の下水道料金減免、夏季・年末見舞金を復活させるべきではありませんか、お尋ねします。また、保護申請をためらわせる要因となっている親族等への扶養照会については原則行わない運用へと改めるべきではありませんか、ご所見を伺います。また、病気や年齢等の状況を無視した機械的な就労の強要や財布の中身を調べる等の誤った資産調査等を根絶すべきではありませんか、答弁を求めます。ケースワーカーについては、100件以上を担当する過重負担解消のために大幅に増員し、きめ細やかな支援を可能にすべきだと思いますが、ご所見を伺います。


第5は、障害児・者福祉についてです。

障害者施設の多くは恒常的な資金難に加え、新型コロナ感染症による影響で大打撃を受けており、本市独自に運営費補助や利用者への支援体制の充実を図るとともに、労働者の賃金引上げのための助成金をつくるべきではありませんか、お尋ねいたします。

不足している児童発達支援センターはさらに増設するとともに、学齢期前の肢体不自由児が単独で利用できる児童発達支援事業所を市の責任で設置すべきではありませんか、答弁を求めます。また、自主的に預かり事業を行う事業所や保育所への補助金を創設すべきではありませんか、ご所見を伺います。

手話言語条例の制定を急ぐとともに、精神障害者の運賃割引についてJRに実施を強く求め、各種交通機関の料金割引を療育手帳Bにも広げる手だてを取るべきだと思いますが、ご所見を伺います。


第6は、高齢者施策についてです。

加齢性難聴によって認知症悪化や社会参加の妨げとなることなどが指摘されており、補聴器購入費の補助を求める声は切実です。他都市にならい、障害認定のない高齢の難聴者などへの補助制度をつくるべきだと思いますが、ご所見を伺います。高齢者乗車券については、所得要件を廃止し、タクシー等も含めてICカードに一本化するとともに、上限額を撤廃し必要な時に使えるようにすべきだと思いますが、ご所見を伺います。


第7は、住宅施策についてです。

憲法25条が保障する生存権の土台として、住宅確保に公的責任を果たすことが求められているものの、市営住宅の応募倍率は高止まりしており住宅セーフティネット施策も全く不十分であり、家賃補助物件はわずか10戸です。「戸数は増やさない」とした「市営住宅ストック総合活用計画」を抜本的に見直して、新規建設を含め大幅に管理戸数を増やすとともに、若者の単身者世帯枠をつくるべきではありませんか、答弁を求めます。また、URや民間の賃貸住宅を借り上げて市営住宅にするなど、多様な供給方式の具体化を行うとともに、低所得の若者や高齢者への家賃補助制度を創設・充実させるべきだと思いますが、ご所見を伺います。


次に、子育て支援・教育について質問いたします。


第1は、保育行政についてです。

新型コロナは、子どもたちに拡大し、市内で休園する認可保育所が急増しています。保育現場では、接触や「3密」を避けることは困難であり、日常の業務に加え、感染対策と子どもの発達の保障を両立させるための様々な努力が行われてきました。保育は、社会の土台を支えるケア労働のひとつであるにも関わらず、保育士の賃金は全産業平均より月7〜8万円近く低い状況となっております。このような中、月額9000円の賃金引上げでは、到底足りず、公定価格を抜本的に見直し、直ちに月5万円引き上げるよう国に求めるとともに、市独自に手立てをとり大幅に賃金を引き上げるべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。あわせて、家賃の一部を補助する保育士家賃助成事業は助成額を少なくとも毎月3万円に引き上げ、非正規や給食調理員にも適用すべきと思いますが、ご所見を伺います。

コロナ禍の中、現在の保育士配置基準や面積基準が、現場の負担をさらに増大させています。配置基準の改善を国に強く要請するとともに、独自に基準を引き上げている他都市にならって、配置基準をさらに改善し保育士を増やすべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。あわせて、1947年以来変わっていない面積基準の改善に踏み出すよう国に求めるとともに、本市独自にも一層の改善を図るべきではありませんか、お尋ねします。さらに、2021年10月1日時点で、未入所児童は1465人、待機児童は32人と、依然として希望する保育所に入れない子どもたちがいます。大規模化をもたらす増築や企業主導型保育事業を推進するやり方ではなく、こども病院跡地をはじめ公共用地を活用して、適正規模の認可保育所を抜本的に増やすべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。また、医療的ケア児が、すべての保育所に家族の付添いなしで通園できるように、必要な保育士や看護師を配置する費用助成の予算を抜本的に増額するとともに、常に医療機関等と連携できる体制を市の責任で整えるべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。


第2は、子どもの医療費についてです。

コロナ禍で、子育て世代に経済的困難が広がっており、子ども医療費の自己負担は軽いものではありません。経済的事由に左右されずに医療を受けられるようにすることは政治の責任です。ひと月あたりの自己負担額500円を正当化する市長の姿勢は許されず、通院時の自己負担をゼロにし、早急に子どもの医療費は高校卒業まで完全無料とすべきと思いますが、答弁を求めます。


第3は、留守家庭子ども会についてです。

コロナ対策として「3密」を避けながら、子どもの発達・成長を保障するためにも、支援単位については「1クラス30人程度」とすべきではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。支援単位ごとに放課後児童支援員を複数配置するとともに正規化すべきではありませんか、答弁を求めます。また、国が重ねて要請している、月9000円の賃上げを拒否する差別的な取り扱いをやめ、新年度、専門職にふさわしい労働条件への改善を行うべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


第4は、児童館についてです。

人口160万の本市に児童館は1か所しかなく、国の児童館ガイドラインが定める拠点性や地域性が発揮できません。20年以上にわたって、児童館の増設を求める約30万筆以上の請願署名を無視する異常な姿勢をあらため、早急に幼稚園・学校・こども病院・ゆめアール大橋の跡地など公有地を活用してすべての行政区に計画的に増やすべきではありませんか、ご所見をお伺いいたします。


第5は、児童虐待についてです。

コロナ禍が長期化する中、虐待の数が増え続け、さらに虐待の潜在化も指摘され、死亡する子どもたちが増え続けています。本市においても児童虐待の相談対応件数はこの5年間全国の倍以上のペースで増え続けています。児童相談所設置基準案である「管轄人口50万人に1か所」に準拠し、児童相談所を増やすべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。また、親身な相談活動ができるように専門職である児童福祉司、児童心理司、弁護士資格をもつ職員を大幅に増員すべきと考えますが、ご所見を伺います。さらに児童相談所内への児童心理治療施設の設置により、児童相談所の一時保護所の定員が40から10へと減らされ、平均で14人、多い時で26人の子どもを受け入れたこともあったのであります。不足する児童相談所の一時保護所の定員を増やすべきと思いますが、答弁を求めます。


第6は、ひとり親家庭への支援についてです。

とりわけ母子世帯の半数以上が貧困状態に置かれ、一般社団法人「ひとり親支援協会」の調査によれば、コロナの影響で73.2%が「収入が昨年より減った・減る見込み」と答えています。ひとり親家庭に対する家賃補助などの直接支援や、児童扶養手当の抜本的増額を国に求めるとともに、当面市独自の加算を行うべきと思いますが、ご所見を伺います。


第7は、学生への支援についてです。

文部科学省の全国調査によると昨年8月末時点で、新型コロナを理由とした大学生の中退者が前年より82%も増加し、休学者も65%増加しています。アルバイト収入が激減し、実家からの支援も厳しい学生は、困窮状態に追い詰められています。困窮する全ての学生に給付金を支給するよう国に求めるとともに、市独自の「学生支援特別給付金」の対象を広げ、再度支給すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


第8は、教育行政についてです。

1点目は、学校における新型コロナ感染症への対応です。子どもたちの学ぶ権利を保障しながら、感染対策の抜本的強化が求められています。学校で感染者が出た場合は、学級閉鎖等を行うだけでなく、該当する学年やクラス単位で子ども、教職員ならびにその家族全員にPCR検査を行うべきではありませんか、答弁を求めます。また、抗原検査キットを家庭に無料配布するなど必要な時に検査を行えるよう手立てをとるべきと思いますが、ご所見を伺います。

2点目は、少人数学級と教員の増員についてです。文科省の調査によると、昨年5月1日時点で本市の中学校の約20%で教員不足となり、定数に対し19人不足していました。産休や育休、精神疾患などで休職する教員の代替配置も遅れ、現場はさらに疲弊しています。そこで新年度の35人以下学級の本格実施と、教員の長時間労働を是正するために、市独自に必要な予算を確保し、正規教員を抜本的に増員すべきと思いますが、答弁を求めます。

3点目は、ICT教育についてです。教育におけるICTの活用は必要ですが、現場では、クラウド上の学習動画の視聴やAIドリルの活用など、教育の画一化とICTの研修など教員の負担は増大しています。教育委員会は、子どもの健康への影響に配慮しながら、実態に合わせた教員の主体的な授業づくりこそ奨励し、タブレット端末の使用を強制とせず、個々の教員の判断に委ねるよう指導・助言すべきと思いますが、ご所見を伺います。

4点目は、過大規模校についてです。東区の千早小学校は、2027年度には児童数が1200人を超え、42学級となる見込みです。このような過大規模校が新年度、小学校で23校、中学校で5校となるなど年々増加しています。過大規模校の速やかな解消のための手立てを直ちに講じるとともに、教育の機会均等を図る立場から、教育委員会の責任で必要な地域では開発行為を抑制する条例等を制定すべきと思いますが、答弁を求めます。

5点目は、教育環境の整備です。築30年以上経過しても未だに大規模改造に着手していない学校が残されています。また、教室があるフロアにトイレがひとつも無い学校もあります。学校の改修ペースを抜本的に引き上げ、未実施の大規模改造にとりくむとともに、必要なトイレを増設すべきと思いますが、答弁を求めます。車いすを常時使用するなどの要配慮児童生徒が在籍する学校へ直ちにエレベーターを設置し、全ての小・中学校への設置計画を立てるべきと思いますが、ご所見を伺います。

6点目は、教育を受ける権利についてです。コロナ禍で特に子育て世帯に経済的困窮が広がり、就学援助の重要性は一層高まっています。就学援助基準を引き上げ、支給額を増額すべきではありませんか、答弁を求めます。4月に開校予定の公立夜間中学校について、関係団体との協議会などを設置する必要があると思いますが、ご所見を伺います。また、学生の2人に1人が奨学金を借り、その返済のために生活困難に苦しんでいます。そこで、市独自に給付奨学金を創設すべきではありませんか、答弁を求めます。

7点目は、教育のあり方についてです。教育委員会は、各中学校へ「校則検討委員会」等の設置を促し、下着の色の指定や特定の髪型禁止などの校則見直しにとりくんでいますが、一部の学校では教員のみで検討したところもあります。生徒主体での校則の見直しとなるよう各学校の実態をつかみ指導するとともに、人権侵害の校則を一掃すべきと思いますが、答弁を求めます。

8点目は、学校給食についてです。兵庫県明石市が中学校給食を無償化し、政令市で初めて大阪市が新型コロナ経済対策として無償化に踏み出しました。コロナ禍の下、子育て世帯の経済的困窮が広がる中で、本市においても学校給食費は無償とすべきと思いますが、ご所見を伺います。

9点目は、特別支援教育についてです。川崎市や横浜市などは自閉症・情緒障がい特別支援学級を全ての学校に設置していますが、本市はわずか9.8%にとどまっています。全ての小・中学校に自閉症・情緒障がい特別支援学級を設置すべきではありませんか、答弁を求めます。また、特別支援学校に入学して最初の数か月は保護者の付添いが当たり前に求められ、保護者の就労を妨げています。教職員や専門スタッフの増員を行い、障害児が単独で通学できるように合理的配慮を行うべきと思いますが、ご所見を伺います。


次に地域経済の振興と雇用等について質問いたします。


第1に、中小企業・小規模企業者対策についてです。

2年経っても未だ続くコロナ禍のなか、中小業者はすでに限界の状態です。政府が用意した新たな制度である「事業復活支援金」の支給額は「持続化給付金」の半分にすぎません。こうしたなか、コロナ禍における本市の経済対策は、制度から漏れる業種・業者がまだまだ少なくないとともに、支給金額も不十分です。コロナで苦境に喘ぐ中小零細業者の事業継続、経営回復のためにきめ細やかな支援策を早急につくるべきと思いますが、ご所見をお伺いします。また、中小企業政策を創業・急成長型のベンチャー支援など特定の業種に重点化せず、本市の経済と雇用を支えている現存する中小企業を守ることに改めるともに振興予算を抜本的に増やすべきと思いますが、答弁を求めます。

地場中小企業・小規模企業の仕事づくりにつながる、用途の制限がない住宅リフォーム助成制度や商店リフォーム支援制度を創設すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

中小企業にとっても、脱炭素の取組みは光熱費・燃料費削減などのコスト面だけでなく売上の拡大、融資獲得といった事業の成長につながります。「省エネ投資」のための融資制度の創設など脱炭素の取組みを支援すべきと思いますが、答弁を求めます。

「令和3年度官公需に関するアンケート調査結果」によると地場中小企業・小規模企業者にお金が落ちていません。実態調査を行うとともに公共事業を地元中小企業、特に小規模企業者へ優先して発注すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

市発注の公共事業の下請・孫請の賃金について、国から依頼された調査結果を準用して設計労務単価が支払われているかを抜き打ちを含め調査するとともに公契約条例の制定をすすめるべきと思いますが、答弁を求めるものです。


第2は、雇用・労働についてです。

過酷な労働条件・雇用環境で労働者を使い捨てにする企業が少なくありません。労働問題を県や国に任せるだけでなく、専門職員を配置した労働相談窓口を各区につくるなど相談体制を充実すべきではありませんか、答弁を求めます。また、違法・脱法的な働き方をなくすために調査・相談・啓発を網羅した条例をつくるべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


第3は、農林水産業についてです。

コロナ禍での減収対策としても野菜、花きの価格安定制度の改善・拡充は大切であり、国に要望するとともに、市の「野菜花き生産安定事業」も拡充すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。本市の農家戸数及び農業従事者数の減少に歯止めがかかりません。農家の後継者づくりのために、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、新規参入者を増やすべきと思いますが、答弁を求めます。コロナ禍のもと、漁価の下落、販売量の低迷などで暮らしと経営が悪化している漁業者に対して支援を行うべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


次に、環境・まちづくりについて質問いたします。


第1は、気候危機打開についてです。

異常な豪雨・猛暑・森林火災など気候危機とよぶべき非常事態が起こっており、その打開はまったなしです。本市は国よりも10年早い温室効果ガス排出実質ゼロを掲げていますが、市長の市政運営方針にも対応する具体策・目標は全く示されておらず、これでは「やってるポーズだけ」と言われても仕方がありません。現在策定中の「2040ゼロカーボンチャレンジ 第1次計画」に省エネルギーの中間目標と具体策を早急に盛りこむとともに、再生可能エネルギー普及の中間目標を抜本的に引き上げるべきと思いますが、答弁を求めます。また、取り返しのつかない大災害をもたらす原発は気候危機打開に使ってはならず、直ちに廃止するよう国と九州電力に求めるべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


第2は、災害対策についてです。

コロナ禍での災害避難において、避難者のソーシャル・ディスタンスやプライバシー確保のために一時および指定避難所を抜本的に増設するとともに、他市で行なっているようにホテルや旅館に避難した際に宿泊費を補助すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。また、福祉避難所が被災する可能性を考慮し、その指定箇所数を抜本的に増やすべきではありませんか、答弁を求めます。障害者や高齢者など「避難行動要支援者名簿」にもとづく個別避難計画は未だ5%しか作成されておらず、地域に丸投げされて事実上放置されており、早急に市の責任で作成すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


第3は、マンションの建築紛争についてです。

髙島市政の開発優先行政のもとでマンション建築紛争が大きな問題となっています。住民が求めた場合の説明会開催や、参加者全員の確認署名を付した議事録の提出などを義務づけるよう、建築紛争予防条例を改正すべきと思いますが、答弁を求めます。


第4は、コミュニティ・町内会への支援についてです。

市長は市政運営方針において露骨に自助・共助を目玉にした「見守り、支え合う、共創の地域づくり」を打ち出し、今議会に「共創による地域コミュニティ活性化条例案」を提出しています。町内会は最高裁判決に示されているようにあくまで住民の親睦のための任意団体であり、その活動に介入したり、福祉や防災の仕事を押しつけたりすることは許されません。同条例案に住民への市の公的責任を明記するとともに、町内会や市民への役割の押しつけを削除するなど根本的な見直しをすべきと思いますが、ご所見をお伺いします。


第5は、地域交通についてです。

西鉄が市内各地でバスの減便を強行しているため、通院や買い物など住民の日常生活に大きな支障をきたしています。早急に増便を図るよう西鉄に強く求めるとともに、市が責任を持って公共交通不便地にコミュニティバス等を運行すべきだと思いますが、答弁を求めます。また、市営地下鉄とJR筑肥線の乗継割引については、住民請願の採択を踏まえ早急に実施する手立てをとるべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。


第6は、アスベスト対策についてです。

2月に建設アスベストをめぐる九州の裁判が終結し、国とともに建材メーカーの責任が確定しました。不作為による石綿の飛散など絶対にあってはならず、防止対策の強化が求められています。「民間建築物アスベスト除去等の補助制度」を抜本的に拡充するよう国に求めるとともに、市独自に対象・金額などを拡大すべきと思いますが、答弁を求めます。


第7は、公有地等の跡地利用についてです。

九州大学箱崎キャンパス跡地については市長が「尊重する」と言ったキャンパス周辺の4校区が長年にわたって、住民の要望をまとめた「4校区提案」の方向性や精神を踏まえ防災公園をつくるとともに地元住民から請願も出されている元寇防塁を歴史遺跡として保存・整備すべきと思いますが、答弁を求めます。あわせて、貝塚公園は分割することなく現機能を残すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。また、こども病院の跡地については民間売却をやめ、住民要望の強い特別養護老人ホームや公園を建設すべきと思いますが、答弁を求めます。冷泉小学校跡地については、地元の声にもとづいた利用をすべきであり、住民要望もないホテル建設など許されないと思いますが、ご所見をお伺いします。


第8に、盛土対策についてです。

福岡市の山林でソーラーパネルの無許可開発などにより盛土が造成され、住民の不安を引き起こしています。罰則の強化や住民説明会の義務づけ、土砂災害特別警戒区域等における埋立て等の禁止を盛り込むなど、「土砂埋立て等による災害発生の防止に関する条例」を改正すべきと思いますが、答弁を求めます。


次に、行財政運営・平和・民主主義について質問いたします。


第1は、ジェンダー平等についてです。

本市の課長級以上全体に占める女性の割合は16%とあまりにも低い状況であり、管理職への登用の強化、昇任などの差別を一掃する手立てをとり、女性比率を大幅に引き上げるべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。

ジェンダー不平等の大きな要因は男女間の賃金格差です。市として市内事業所が男女別の賃金を調査・公表し、その是正計画策定を義務づける条例をつくるべきだと思いますが、答弁を求めます。

性暴力・性犯罪、望まない妊娠などをなくしていく上でも、人権・ジェンダー・科学の視点に立って性的な自己決定の能力を高める包括的な性教育が必要です。本市として、中学生までに、性交の過程や避妊・中絶に関する科学的情報も含めた包括的性教育を進めるべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。


第2は、市の業務委託のあり方についてです。

本市は特別定額給付金事業で、委託先のパソナがやるべき業務に市職員を大量に動員し、住民監査請求も行われ、“事務処理上の不備が多く、市の契約行為に関する意識が著しく低い”という厳しい意見が監査委員会から出されました。また、再委託や労働者賃金の中抜きも行われており、このような大企業への大規模業務委託は縮小・廃止し、労働者の適切な賃金や待遇を保障する直接雇用に転換すべきだと思いますが、答弁を求めます。


第3は、急速なデジタル化や「スマートイースト」についてです。

昨年9月に施行されたデジタル関連法は、行政機関などが保有する個人情報を企業のもうけのために利活用する仕組みづくりであり、自治体独自の個人情報保護の仕組みを抑制するものです。利用・提供の制限を定めた本市の個人情報保護条例第10条などを国言いなりで改定することは許されず、個人情報の自己決定権・プライバシー権を強化し、自己の情報提供を望まない場合には提供情報から除外できる「オプトアウト」規定を盛り込むなど、必要な独自規制を維持・充実させるべきと思いますが、ご所見をお伺いします。また、市長が九大箱崎跡地で推進しようとしている「スマートイースト」は、AI等の最先端技術を使って個人情報を勝手に利用する住民監視のまちづくりに他ならず、やめるべきだと思いますが、答弁を求めます。


第4は、外国人の人権についてです。

本市では日本以外の出身者への差別をあおる宣伝活動やデモを、ヘイトスピーチと認定しておらず、許されません。市長が根絶宣言を行うとともに、ヘイトスピーチをなくすための条例を制定すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。また、外国人居住者の人権や生活を守るために、気軽に相談できる市独自の相談窓口をつくるとともに、総合的な多文化共生推進計画をつくるべきと思いますが、答弁を求めます。


第5は、自衛隊への名簿提供についてです。

市長は昨年も市民の反対を押し切り、対象者本人が知らないうちに自衛隊への名簿提供を強行しました。自衛隊は憲法が禁じる集団的自衛権の行使を容認され、海外で「殺し殺される関係」に投げ込まれる危険があり、本市の青年をそのような場に送り出すことは認められません。自衛隊への対象名簿の提供をやめるべきだと思いますが、答弁を求めます。


第6は、名義後援についてです。

「平和のための戦争展」などの名義後援について本市が拒否・取消しをしていることは、表現の自由を脅かし、文化芸術基本法に背くものであり、許されません。「特定の主義主張」と断じて市民の自由な表現を制限する「名義後援の承諾に関する取り扱い要領」を抜本的に見直すべきと思いますが、答弁を求めます。


第7は、平和の課題についてです。

昨年、世界の圧倒的多数の政府と市民社会が共同し核兵器禁止条約が発効しました。市長が、首相に対して直接、条約批准を求め、本市として非核自治体宣言を行うべきではありませんか、ご所見をお伺いいたします。本市議会に公立の平和資料館の設置を求める3万筆を超える署名が提出されました。戦争の悲惨さ、被爆の実相を伝えていくために常設の平和資料館を建設すべきと思いますが、答弁を求めます。

本市は福岡空港の滑走路増設に伴う米軍板付基地の施設移転費の一部負担をした上に、米軍による土壌汚染の調査・対策に要した費用まで負担しています。直ちに税金の投入をやめ返金を求めるとともに、板付基地の即時全面返還と福岡空港の軍事利用中止を国と米軍に対して強く要求すべきと思いますが、答弁を求めます。あわせて、博多港への米軍艦等の入港を拒否すべきではありませんか、ご所見をお伺いします。

自民党をはじめ、改憲をめざす勢力が進める憲法9条の改定に反対し、憲法の理念が生かされる市政を目指すべきと思いますが、答弁を求めます。


以上、市長および教育長等の誠意ある、かつ明確な答弁を求め、長時間のご静聴に感謝し、日本共産党市議団の代表質疑を終わります。


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