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議会報告

2024年12月議会

12月議会を終えて

2024年12月23日 日本共産党福岡市議団

市民の運動と党の論戦が動かす――市長が学校給食費無償化を表明

福岡市の12月議会が開かれ、19日に閉会しました。今議会で髙島市長は、自民党議員の一般質問への答弁で、学校給食費について「無償化を含むより踏み込んだ子育て世帯支援」に取り組むことを表明しました。市長はこれまで、わが党が給食費無償化を求めても拒否し続け、自民党も無償化を求める市民請願の採択に同意してきませんでした。しかし今回、市長も自民党もその態度を180度変えた背景には、先の総選挙での自民党への国民の審判があり、その新しい政治プロセスのなかで国民の要求を取り入れざるを得ないという状況があります。また、この動きは市民の中で大きく広がる無償化実現を求める運動とわが党の論戦の成果でもあります。完全無償化を速やかに実現するために、引き続き奮闘します。

(声明)市長の学校給食費無償化の表明について


暮らし・福祉重視の市政への転換や中小企業の人材不足解決を求める

長引く物価高騰が市民の暮らしに深刻な打撃をもたらしているなか、今議会に国の非課税世帯への3万円(プラス子ども1人あたり2万円)の給付金支給に関する予算が提案されました。給付時期は未定で年末年始には間に合わず、対象は非課税世帯のみという不十分なものであり、わが党は市独自に早々に支給し、対象を広げることを提案しました。また、暮らし応援のための国の交付金を活用し、下水道料金減免などの実施を迫りましたが、市長はこれらの提案に応えることはありませんでした。

物価高騰に合わせて賃上げが求められていますが、最低賃金の引き上げは中小企業にとって大きな負担であり、賃上げもままならず、大企業と中小企業の待遇格差がひろがり、人材不足の一因となっています。また、他業種よりも約16%も賃金が安く、就労時間も長い建設業ではさらに人材不足が深刻です。わが党は、国がすべての建設労働者に適正な賃金を支払うための仕組みを整えようとしていることを紹介し、市は現場任せにせず、人材不足解消に努めるよう求めました。さらに、賃上げした中小企業を市独自に支援することを求めましたが、市は企業努力にゆだねる態度に固執し、拒否しました。

今議会に提案された市の「第10次基本計画」は、SDGsを掲げているにも関わらず、「貧困をなくす」も「ジェンダー平等」も書いておらず、具体的数値目標ではなく「市民の意識」という主観的な指標だけを掲げ、市民生活向上にはつながらない従来通りの「都市の成長」路線を引き続き推進するものとなっています。わが党は素案の段階からこのことを指摘し、今議会でも抜本的な見直しを求めましたが、市長は市民切り捨ての従来路線にしがみつきました。

その他、不足しているケアマネージャー支援を市独自に行うことを求め、国で議論されている「103万円の壁」見直しについて、地方税収減で行政サービス切り捨てにならないよう国に求める意見書を提案。意見書は全会一致で可決しました。


子どもの願い実現へ、文化・教育行政の充実を要求

市は拠点文化施設「福岡市民ホール」の整備を来年3月末開館予定で進めています。施設の設置者と活動団体等が相互に連携協力することがうたわれている「劇場法」を踏まえて運営すると市は言いますが、設計や運営等について地元の文化・演劇団体関係者や専門家の意見は取り入れていません。しかも、2016年度末に廃止され、貴重な中規模ホールをもっていた「少年科学文化会館」の代わりとして期待されていましたが、2倍の料金となっており、利用しづらいものとなっています。わが党は、これらのことを指摘し、これでは集客・インバウンドのためのただの「貸館」になっていると批判しました。わが党は運営に利用当事者が日常的に参画できる仕組みをつくり、使用料を引き下げるとともに文化団体への減免制度を拡充するよう要求しましたが、市長はこれに応えず、文化・演劇関係者の切実な要求に背を向けました。

今議会では、わが党が福岡県建設労働組合や新日本婦人の会などのみなさんとともに構成している「公共施設を考える会」が毎年行っている学校ウォッチングで見つかった学校施設の要改善箇所の問題についてもただしました。今年の学校ウォッチングでは13校を調査し、230か所以上の要改善箇所が見つかりましたが、教育委員会が学校に報告させている「学校施設改良等要望」では、2024年度は1校あたり3~4箇所しか出されておらず、本来改善が必要な箇所が除外されています。わが党は、学校が報告できる数や内容に教育委員会が制限をかけているとしか思えず、破損して危険なアスベスト含有建材も放置されたままであると批判し、早急な学校施設の改善と教育予算の増額を求めました。しかし教育長は早急な対応を約束せず、市長は予算の増額に背を向けました。


福岡空港オスプレイ飛来など平和の問題をただす

11月14日に福岡空港に米軍のオスプレイが初めて飛来しました。オスプレイは墜落事故を繰り返し、専門家からも構造的な欠陥があると指摘されています。わが党は危険なオスプレイの飛来について、「福岡空港の軍事利用に反対」している「板付基地返還促進協議会」の立場からも、米軍に抗議すべきだと迫りましたが、市は「オスプレイの設計と構造に問題は無い」と驚くべき答弁を行いました。また、わが党はオスプレイ飛来について米軍に抗議することを求める国への意見書も提案しましたが、自民党や公明党などの反対で否決されました。このオスプレイ飛来をめぐってわが党は、飛来翌日の15日には市に対して、18日には田村貴昭衆議院議員とともに九州防衛局に対して申し入れを行いました。また複数の市民団体が市に対して申し入れを行い、さらに11月末には100人の市民が天神に集まり抗議行動を行っています。市長はこれらの動きも受けて「オスプレイ飛来に対して不安を感じる市民がおられることは認識」していると答弁しましたが、今回の飛来について何ら問題がないという態度に終始しました。わが党は、10月末に行われた日米共同統合実働演習で福岡空港が使用された問題含め、市民の命と安全を守るためにも軍事利用にきっぱり反対せよと迫りました。

(申し入れ)福岡空港への米海軍オスプレイ飛来についての緊急申入れ


議長の「不適切」な政治資金の支出について申し入れ

11月30日付西日本新聞が、福岡市議が代表を務める自民党支部がパーティーにコンパニオンを呼ぶという「不適切」な政治資金の支出をしていたと報道しました。わが党が公開された政治資金報告書を確認したところ、議長が代表を務める自民党支部が、議長自身が経営する会社に対して「コンパニオン」代金23万1千円を支払っていたことが判明しました。わが党はこの問題について12月18日に議長への申し入れを行い、①政治資金でパーティーにコンパニオンを呼ぶことは目的外使用であること、②主に女性で構成されているコンパニオンは外見のみを重視する風潮を助長するものでありジェンダー平等に反すること、③税金を原資とする政党交付金が含まれていれば税金の還流行為であることを指摘し、議長自身が問題を公表し、適切な対応を行うよう要請しました。しかし議長は「問題だとは思わない、申し入れ自体を遺憾に思う」と答え、全く反省する気がありませんでした。

(申し入れ)議長の「不適切」な政治資金の支出についての申入れ


わが党は先の総選挙で示された「国民が自民党政治に代わる新しい政治を模索し、探求する、新しい政治プロセス」を前に進めるために、今後も市民要求の実現へ全力をあげる決意です。


3万円給付金、市の基本計画、新「市民ホール」についてただす(中山郁美市議の議案質疑)

中小企業の人材不足対策を求め、福岡空港軍事利用についてただす(倉元達朗市議の一般質問)

学校施設改善とケアマネージャー不足対策を求める(綿貫康代市議の一般質問)

12月議会反対討論(堀内徹夫議員)

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