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議会報告

2020年9月議会

9月議会を終えて

2020年9月24日 日本共産党福岡市議団

福岡市の9月議会が終わりました。今議会でも一般会計補正予算案が提案され、そのうち新型コロナウイルス感染症対策の事業の多くは一刻も早く市民に届けるべきものでしたが、それ以外の部分には不要不急の事業などが含まれていました。わが党はその部分の削除を市長・教育長に求めましたが、応じなかったので反対しました。


◆少人数学級が来年度全校・全学年で暫定実施へ 恒久実施や教員増などを要求

補正予算案には、少人数(35人以下)学級を来年度全校・全学年で実施するために教室整備を行うことが盛り込まれました。髙島市政は長年拡大を拒否してきましたが、わが党の論戦と市民の運動の前に重い腰を上げざるを得なくなったものです。他方で、この措置はコロナ感染症対策のための暫定実施であり、教員を増やさずに対応しようとしているので、わが党は議案質疑で恒久実施、教員の増員、今年度中の分散登校などの手立てを取るよう求めました。その上で30人・20人以下学級を展望すべきだと提案しました。

介護・障害者の施設で働く人のPCR検査を助成する補正予算案も提案され、一歩前進であるとしましたが、1万円の自己負担が必要であり、わが党は早急に無料にして定期的に受けられるよう改善を求めました。加えて、感染者数が減少してきた今こそ検査を抜本的に増やして感染を抑え込むべきだとして、感染拡大地域や病院・福祉・学校施設での住民への定期無料検査を要求しました。また、検査拡充を求める市民の声で、市が医師会と契約を結び、新たに市内200か所の医療機関でコロナの検査ができるようになりました。

今議会で、市は多子世帯の国民健康保険料の均等割を減免する方針を打ち出しました(第2子半額、第3子以降全額)。子どもの均等割軽減を求めた署名運動やわが党の論戦が大きな力になったものです。


◆「天神ビッグバン」のゆきづまりがあらわに――不要不急の事業など削除・見直し要求

市役所の東を走る道路・天神通線を北に延伸するための補正予算案が出されました。この延伸は約60億円かかり、渋滞緩和は口実で、実際には容積率の緩和など特定企業を優遇するのが真の狙いであるとともに、規制緩和でオフィスビルを大量に作り出す「天神ビッグバン」構想と一体のものです。わが党は、テレワークなどの普及で福岡をはじめ世界全体でオフィスビル需要が急激にしぼんでおり、この構想はゆきづまりがあらわになっていると指摘し、構想の中止と、補正予算案からの事業の削除を求めました。

また、補正予算案では、クルーズ船受入事業やMICE誘致推進事業などが減額になっているものの、その大もとにあるウォーターフロント再開発計画そのものは「聖域」のままです。わが党は計画を中止し、税金の使い方を変えるよう迫りました。

西区元岡地区は髙島市政の無計画な開発で人口が急増し、学校がパンク状態です。そのため、中学校の新設をわが党も求めてきましたが、教育委員会はため池を半分埋め立てて用地とする案を提案してきました。しかし、行政内部のみの選定であり、専門家によるリスク検証や保護者からの意見聴取もなく、他の用地の検討状況も不明であることがわが党の質問で明らかとなりました。そのため、外部の識者などを入れた選定委員会をつくり、急いでやり直すよう提起しました。


◆避難所、マンション紛争、横断歩道、飲食店支援などホットな市民要求を掲げる

今議会では、市民の間で切実な要求となっているホットな問題を取り上げて、質問しました。

感染症対策で距離を取ることが新たに求められる中で、避難所に入れない市民が続出しました。また、避難所に間仕切りも段ボールベッドもなく、市が協定を結んでいるという民間業者にどれくらい在庫があり、いつ届くかも全く市が把握していないことがわが党の質問で判明し、避難所体制の充実を強く求めました。

髙島市長の開発優先の行政のもとで、中央区輝国・城南区松山・早良区城西など市内各地でマンション紛争が起きており、わが党は、業者の無法に対して市がまともな指導をせず業者よりの対応に終始している実態を暴露し、住民合意などを盛り込むよう建築紛争予防条例の改正を求めました。

塗装が剥げ、消えかけた横断歩道が市内全域にあり、住民が要望しても数年待たされる実態があります。わが党は校区の半分で塗装が薄くなっているデータなどを突きつけ、早急な改善を要求しました。

コロナのもとで飲食店の倒産が過去最悪になっており、わが党は中小業者団体からの聞き取りをもとに月10万円の給付を3ヶ月行う支援を提案しました。


◆自民党市議の虚偽申告問題で引き続き真相究明を

自民党の市議が接客を伴う飲食店に出かけコロナに感染しながら、保健所の調査に対し「店には行ってない」と虚偽の報告をした事件で、「もうろう」とした中で調査されたため間違った説明をしたとする同市議と、調査の方法は適正だったとする市側とが大きく食い違っていました。わが党は感染症対策行政の信頼にかかわる問題であり、真相を調査することを自民党市議団に働きかけるよう議長に申し入れてきましたが、同市議が自民党の調査に対し、引き続き「もうろう」としていたと供述しつつ、根拠もなく「保健所に瑕疵はない」と述べました。わが党は矛盾が逆に深まったとして、今議会中に代表者会議で自民党をただしましたが、自民党は調査の打ち切りを表明したため、引き続き調査をして真相を明らかにするよう声明を出しました。わが党の立場はテレビや新聞でも注目され、取り上げられました。


*    *    *


安倍首相が辞任に追い込まれ、「安倍政治」を継承するとうたう菅・自公政権が発足しました。「安倍政治」とのたたかいの決着は総選挙でつけるとともに、引き続く決算特別委員会で、市政転換と市民の切実な要求の実現に全力をあげます。


以上


少人数学級、天神通線延伸、オンライン授業、元岡での中学新設を質問

消えかけた横断歩道改善、地元中小飲食店支援、コロナの社会的検査へ転換を

コロナ禍における避難所体制の確立、マンション紛争防止へ条例改正を求める

申し入れ「新型コロナへの感染が確認された鬼塚昌宏市議の説明に関する申入れ」

声明「説明の矛盾が深まった鬼塚昌宏市議及び自民党市議団は引き続き事実の究明と公表をせよ」



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