しんぶん赤旗 2005年3月4日
人工島・住民投票条例を
人工島・住民投票請求署名8万3千 法定必要数の3.8倍
福岡市の人工島事業継続の賛否を問う住民投票を求めた「人工島・住民投票条例を求める会」の直接請求署名は8万3千人、必要数の3・8倍になりました。
「署名に集約された市民の熱い思い」にこたえて福岡市議会は住民投票の制定を—。「求める会」は1日、声明を発表し、強く求めました。
「市民の熱い思い」は、人工島事業への相次ぐ公金投入への批判であり、市財政や福祉を圧迫する人工島継続への疑問の声でした。
造成した土地が売れず、果てしなく続く公金投入、そして、自民党政治家と市幹部が公金を食い物にしたケヤキ・庭石事件…。
さらに福岡市は昨年末、第3セクター博多港開発から埋立権を399億円で買い取って、こんごの工事費約300億円とあわせて、新たに700億円の借金をして、市直轄化にする方針を打ち出しました。
「継続していいか市民の声を聞け」。市民は昨年12月に「求める会」を結成し、声をあげました。
「人工島に予算をとられ、福祉も教育も切り捨てられ、公共料金も値上げ。特別養護老人ホームや児童館増設など、切実な願いをはばんでいるのも、人工島だ」
こんな共通した思いが全市で広がり、署名は南区では有権者比10・0%の約1万9千人、東区では8・9%の約1万8千人にのぼりました。
こんご選挙管理委員会の審査を受けた後、山崎広太郎市長に本請求します。
市長は、請求から20日以内に議会に同条例案を提案しなければいけません。4月には、議会で住民投票条例案が審議されることになり、各党派の態度があらためて問われます。
市が提案した人工島の直轄化については、自民・公明も、民主も社民も賛成。日本共産党市議団(6人)とふくおかネットワークは反対し、住民投票運動にもとりくみました。
「求める会」は、「運動はこれから」として、市長、市議会の動きを注視しています。
議会は真摯に審議を 請求代表者3氏が語る
8万3千人余の署名を提出した請求代表者の嶽村久美子、安東毅、石村善治の3氏は1日、記者会見で次のように語りました。
嶽村氏「みんな税金のこととか怒っています。暮らしを良くしたいという市民の強い思いを感じました。次は住民投票の本番でしょ、と期待されています」
石村氏「福岡市民の地方自治に対する思いの強さを感じた。市外の人、外国人、在日の人たちの関心の広がりもあり、8万3千人の数以上のものがこの運動にあった」
安東氏「以前から人工島問題に取り組んできましたが、今回は本当に市民の関心が高く、とくに財政問題、環境問題の2つの関心が寄せられた。議会は8万3千人の重みを受けとめて真摯(しんし)に審議してほしい。80点以上とりました。準備期間が短い中、大いに奮闘したと自負しています」