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議会報告

2002年3月臨時議会

日本共産党の代表質問(回答つき)

2002年3月5日 比江嶋俊和議員

目 次

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一、二〇〇二年度施政方針と予算案について

私は、日本共産党市議団を代表して、山崎市長の施政方針と二〇〇二年度予算案、及びその他の諸議案について、市長並びに教育委員会に質問いたします。

日本経済はいま、所得、消費、生産が連鎖的に落ち込み、物価下落が同時に進む、かつて経験のない、いわゆる「デフレの悪循環」の危機に陥っています。昨年の企業倒産は一万九千四百四十一件に及び、完全失業率は昨年末には過去最悪の五・五%となりました。サラリーマンの賃金は名目で前年比一・二%減、全世帯の消費支出は二・七%減で九年連続マイナスなど、国民生活関連の指標は過去最悪を更新し続けています。小泉内閣が「構造改革」と称して、倒産、失業、社会保障きりすてなどの激痛を国民に押しつけていることが、こうした景気の悪循環をいっそう深刻にしているのであります。

小泉内閣が誕生して十ヶ月が過ぎますが、経済政策だけでなく、外務省疑惑にフタをする政治姿勢でも、アメリカ追随の外交、テロを口実にした有事法制推進でも、「自民党を変える」どころか、自民党政治をよりいっそう危険な方向へ推し進めようとしているのが実態であります。

日本共産党は、人間を人間として大切にする社会をつくるために、雇用を守る社会的責任を企業に果たさせること、持続可能な社会保障制度のための財政支出、直接税中心の総合・累進課税、生計費非課税を原則とする税制の民主的再建などを提案しておりますが、こうした方向への転換こそ、国民生活を守り日本経済を再生させる道ではないでしょうか。

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1 市民生活を守り地域経済をたてなおす立場から、政府予算案の組み替え要求を

そこで、まず最初に、二〇〇二年度政府予算案についてお尋ねします。

小泉内閣の二〇〇二年度政府予算案は、医療費を中心に社会保障費を削り国民に負担を押しつけ、文教費や中小企業対策費は削減する一方、従来型公共事業を継続し、軍事費を増額、大銀行支援の七十兆円枠も温存するなど、大企業・大銀行応援、暮らし冷遇の予算となっています。また地方交付税の削減や地方自治体への借金押しつけをすすめています。小泉内閣は不良債権の早期最終処理と大企業のリストラ応援で倒産と失業を増大させ、さらに消費税の引き上げを検討するなど、経済も財政もいっそう悪化させる道を突き進もうとしています。これでは、消費不況から抜け出すことはできません。今日の経済危機を打開するためには、経済運営の軸足を、国民の暮らしと営業に置く方向に転換することが求められているのであります。

したがって市長は、市民生活を守り、地域経済をたてなおす立場から、政府に対し、「構造改革」をきっぱり中止し、むだな公共事業をやめるとともに、税制の民主的再建で歳入の改革も行い、雇用と暮らし、福祉、介護、年金、教育など国民生活予算を充実し、地方交付税など必要な地方財源を確保し、景気回復と財政再建にふみだす予算に抜本的に組み替えるよう要求すべきだと思いますが、ご所見をお尋ねします。併せて、消費税の大増税には反対すべきだと思いますが所見を求めるものであります。

平成十四年度の政府予算案につきましては、現在国会において審議中でありますが、その編成過程において、本市といたしましても、市民生活の豊かさを高め、魅力ある都市づくりを進めていくため必要な種々の提言を行ったところであり、国会審議の推移を見守ってまいりたいと考えております。

また、消費税につきましては、国の財政収支、税制など政策全般のなかで、国において総合的に検討されるべきものと考えております。

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2 市長の施政方針と予算案について

次に市長の施政方針と予算案について、お尋ねします。

市長は所信表明で「市政の舵取りを任せていただいてから三年有余が経過し、この間、「市民のために、市民とともに」という基本姿勢の下、市政の運営に取り組んでまいりました。」などと述べられました。しかしながら、市民のためと言うなら市民への約束、公約の遵守こそが求められているものであります。ところが、あなたはスタート時から、公約を投げ捨て、市民を欺き続けてきたというのがこの三年間の実態ではありませんか。「開発行政からの転換で生活優先の市政を実現する」「腐敗の一掃と財政再建に取り組む」この市民への約束は市政のどこに生かされたでしょうか。市民が否定したはずの「アジアの拠点都市づくり」を継続し、一方で敬老パスなど市民生活を切り捨てる「第二次行財政改革」を断行する。さらに経営管理手法の導入などといって本来、市がやるべき清掃工場などは民間委託し、今度は博多港開発というディベロッパーまがいの三セクを逆に公共事業に取り込んでいく。まさに理念も哲学もないやり方です。DNA運動では職員の意識改革が進むどころか、木山事件をはじめ相次ぐ汚職腐敗に対する幹部職員の態度はまさに、腐敗を温存する体質を見せつけただけでした。開発行政の継続に加え、国の従来型景気対策にも追随し、市長の四年間で借金は三千六百四十七億円も増えるのであります。まさに、公約放棄、市民への裏切りにほかなりません。

こうした中で、新年度、市長がやろうとしていることは、破綻した人工島や博多リバレインに人も予算も集中し将来に渡る負担を市民に押しつけるなど、開発破綻を救済し、なりふりかまわず開発行政の拡大へと突き進むことであります。新年度予算が発表された直後の新聞各紙は「新年度予算三セク関連重く、生活へしわ寄せ懸念」「目立つ市債残高」などと報じました。「市民のため、市民とともに」どころか、銀行やゼネコンなど大企業のためということが色濃く打ち出されているのが最大の特徴であります。企業も市民も経営と暮らしを切り詰め、本市においても税収が減額の一途をたどっている中、なお拡大基調で進む市長の施政方針は、まさに破綻にむかって突き進むものであり、地域経済と市民生活にいっそうの困難がもたらされることは明白であります。

したがって、市長は、銀行やゼネコンをパートナーとし、福岡市を開発会社と化すのでなく、市民が主人公を名実ともに実行し、「住民の安全、健康、福祉を保持する」自治体本来の姿に転換すべきだと考えますが、市長の所見をお尋ねいたします。

施政方針についてであります。

私が市政の舵取りを任せていただいてからの三年有余の間、「市民のために、市民とともに」という基本姿勢の下、市政の運営に取り組んでまいりました。

この間、DNA運動など職員の意識改革を進め、行政全般にわたる見直しなどにより、財政の健全化にも取り組み、また、地域経済対策や子ども行政の充実など掲げていた公約につきましても、市議会を始め市民の皆様のご理解とご協力を賜って、着実に実施しており、一定の成果を挙げているものと考えております。

今後とも、豊かな市民生活を実現するため、水、交通などの生活基盤の整備や、福祉、教育など市民生活に密着した施策を着実に推進するとともに、国際化への対応や都市活力の向上など、総合的なまちづくりを推進してまいります。

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3 市予算案の基調について

次に二〇〇二年度、予算案の基調についてお尋ねします。

新年度予算案の特徴は、限られた財源の中で、福祉や教育など生活関連予算は抑制・削減する一方、最大の開発である人工島へ予算を一極集中させるものであり、「あとは野となれ」とでも言うべき破滅型予算となっていることであります。

一般会計予算案は、三年ぶりの増額となりましたが、その主な要因は商工金融資金や博多港開発への低利融資の償還金など諸収入の増、基金のとりくずし、臨時財政対策債などであり、市税や利子割り交付金の減額など税財源の減少が顕著であります。市債は五・三%の減となっていますが、市債残高は一般会計だけでも一兆三千百九十三億円にのぼり、起債制限比率は前年比で一ポイント以上上昇し、一七・七%にものぼる危険な状態であります。

歳出面では子ども総合センター建設や子ども行政の一元化などにより保健福祉費ののびはあるものの、多くの待機者を抱える特別養護老人ホーム整備費は新規がわずか三カ所分、保育所整備費も増築二カ所にすぎません。教育費はまたも削減され、一般会計に占める構成割合は八・二%と過去最低を更新し続けています。さらに国保が医療・介護合わせて一・八三%の値上げ、また、市立高校等授業料も値上げするなど市民負担増も押しつけられています。一方、人工島には他局の予算も集中し、過去最高の三百四十三億円、区画整理六事業で百三十三億円、都市高速道路に六十三億円など大型開発には莫大な予算がくまれ、さらに国際会議場建設など従来の公共投資が委託金に姿を変えてゼネコンの仕事づくりが行われているのであります。また、イベント予算も膨れ上がっております。この結果、年度末の借金総額は三会計合計で二兆五千九百三十二億円となり、市民一人当たり百九十一万円にものぼるのであります。まさに、とどまるところを知らない借金地獄と言わなければなりません。

市長はこうしたゼネコン浪費の破滅型予算案を抜本的に見直し、暮らし、福祉、介護、医療、教育、環境を最優先する市民本位の予算に改めるべきだと思いますが所見のほど、お尋ねいたします。

平成十四年度の予算案につきましては、「市民のために、市民とともに」という基本姿勢の下、八つの柱に沿って重要施策の推進を図るとともに、地域経済の活性化などにも十分配慮するため、経常的経費の見直しや、PFIなどの民間経営手法の積極的導入、投資の重点化・効率化などの創意工夫に努めることにより、必要な事業の財源を確保したところであります。

DNA運動の取組みの中で職員の意識改革は着実に進んでおり、こうした創意工夫の積重ねにより、厳しい財政状況の中でも、本市を取り巻く課題の解決に大胆に取り組み、本市の未来を切り拓く布石づくりを行ったものであります。

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二、当面の最重要課題について

次に本市の将来をも左右する当面の最重要課題についてお尋ねします。

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1 人工島推進など、開発行政からの転換を

質問の第一は、全庁あげて人工島建設を推進する市長の異常な開発行政についてであります。本市最大の事業である人工島事業については、新生銀行による博多港開発株式会社への融資打ち切りなど、開発破綻が明らかになっております。こうした中で、市長は博多港開発の債権を担保せよという銀行団の要求に応じ、増資や二百億円の低利融資、土地の買い上げなど、銀行支援の事業見直しを行ったのであります。開発者負担である道路や公園を、三百億円を超す市費を投入して肩代わり整備し、さらに、上物整備などリーディングプロジェクトの名で巨額の市費を投入する計画であります。新年度は人工島整備に過去最高の三百四十三億円の予算を計上する一方、推進本部を総務企画局にもうけ、環境局、都市整備局、土木局、建築局、経済振興局など各局予算も総動員し事業を急テンポで進めようとしています。こうしたやり方が、何千億円というあらたな負担を市財政に及ぼすとともに暮らしや福祉の切り捨てにつながることは明白です。また、すでに六百五十億円を超す市費を投入している下川端再開発でも、SBC破綻救済策として新年度八億円余の予算を組み、地下二階を賃貸して今後、年間一億三千万円もの家賃を払い続けることを提案しているのであります。さらに、新空港の推進、国際会議場建設、香椎駅周辺など六つの区画整理事業、九大を核とした学術研究開発拠点づくりなども進めようとしています。これらは、自らの公約を反故にし、前桑原市政から引き継いだ「アジアの交流拠点都市づくり」をいっそう肥大化させて市政を開発優先に特化させるものであり、本市の財政危機をいよいよ深刻にするものであります。これはまさに、自民党政治そのものであり、市長選挙の今年、銀行やゼネコンなど経済界の支援を得たいがための大判振る舞いではないかとの声がだされるのも当然であります。市政の主人公は市民です。市長は、破綻救済と開発行政の拡大をやめ、真に生活優先の市政への転換をはかるべきであります。したがって人工島など大規模事業については住民投票などにより市民の判断を仰ぐとともに市民参加で再度、事業の点検を行い、中止や縮小を含む見直しを行うべきだと思いますが、市長の所見をお伺いいたします。

大規模事業の点検につきましては、市政を取り巻く諸状況を考慮し、これまで以上に厳しい視点に立って、様々な角度から点検を行ったもので、その際、市民からの意見、提案も参考にしながら取りまとめたものであります。

大規模事業につきましては、計画段階から完成まで長期にわたることから、その時々の社会経済情勢の変化に対応しながら、常に事業の見直しを行ってきており、今後とも、情報の公開を積極的に図り、市民の皆様の意見を踏まえながら、取り組んでまいります。

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2 借金生む大型開発予算やめ、真の財政再建と行財政改革を

質問の第二は真の財政再建と行財政改革についてであります。

昨年の敬老パスの縮小・廃止などに続き、今年は民間保育園への補助金の大幅削減、市立高校授業料等の値上げ、また、国保料など各種料金の値上げも提案されています。行財政改革の名で生活関連予算が次々に削られていますが、本市の借金は減るどころか、増える一方であります。借金のおおもとにある開発・イベント行政にメスを入れることなしに財政危機を克服できないことは明白であります。市長は起債発行額と償還額の均衡を図り、プライマリーバランスは実現したと言われましたが、外郭団体等で行っている国際会議場や東部清掃工場建設、さらに臨海工場のPFIによる余熱施設の建設費など「かくれ借金」でごまかし、さらに、国の景気対策等に応じた補正予算で実際の借金残高は膨れ上がるのであります。したがって市長は「行財政改革」の名でツケを市民に回すことをやめ、借金の根本原因である大型開発予算にメスを入れるとともに、繰り上げ償還や低利借り換えの促進、また大企業・高額所得者優遇の不公平税制を是正する新規税源など真の財政再建に取り組むべきだと思いますが、所見のほどお尋ねいたします。

財政健全化につきましては、引き続き厳しい財政状況が見込まれる中、鋭意取り組んでいるところであります。

今後とも、分権時代における自治・自立の実現に向け、将来にわたって安定的に機能する持続可能な財政構造を確立する必要があり、行財政全般にわたる見直しや施策の選択と集中などの重点化、従来の枠組みにとらわれない経営の視点に立った新たな手法の積極的導入を行い、財政の健全化に努めてまいります。

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3 汚職・腐敗の一掃と再発防止を

質問の第三は汚職・腐敗の一掃と再発防止についてであります。

木山総務企画局長の逮捕に続き、浜田副議長の逮捕など、本市の公共事業をめぐり相次いで汚職腐敗事件が発覚しました。開発行政のもとで作り出された政・官・業構造癒着の一掃は市政の正常化に欠かすことのできない緊急課題であります。しかるに市長の対応は、真相究明は地検や警察まかせ、発注当事者としての責任は棚上げで、まさに腐敗体質を温存する姿勢に終始していると言わなければなりません。市長は事件の真相解明に特別の手だてを尽くし、構造癒着を一掃すべきだと思いますが所見をお伺いいたします。また、入札制度変更後も談合がなくならない現状を改善するため、談合情報があった場合には、当該企業を外すとともにクジで半数に減らして入札を実行する、横須賀市などのように予定価格に抽選制を導入する、指名業者の事前公表はしない、地場中小企業の保護のために逆ランク制を導入するなどを行うべきではないかと思いますが所見を伺います。併せて、不正を許さない職場づくりのため、市長、三役をはじめ幹部職員がその姿勢を改めることこそ求められていると思いますが所見のほどお尋ねいたします。

事件の真相解明につきましては、これまで、多数の職員や業者から事情聴取を行うなど必要な調査を実施して事実関係の把握に努め、これを踏まえて、入札制度の改革、公務員倫理条例の制定を鋭意行ってきたところであります。くじの導入につきましては、談合情報の悪用や、意欲のある業者が排除されるおそれがあり、また、予定価格の抽選制につきましては、すでに予定価格の事前公表を実施しており、導入の必要はないと考えております。

また、指名業者の事前公表につきましては、発注者の裁量の余地が大きい指名競争入札において、指名業者名及び指名理由を公表することにより、発注者の恣意を排除し、透明性を確保するものであり、必要であると考えております。

逆ランク制の導入につきましては、現行のランク制度は、工事の規模に応じて対応するランクの業者に発注することを原則としたものであり、地場中小企業の受注機会の確保に資するものであると考えております。

不正を許さない職場づくりにつきましては、今後、さらに、研修の充実、不正な行為を求める働きかけに組織的に対応する仕組みづくりを行うなど、再発防止に全力を挙げて取り組んでまいります。

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三、くらし、医療・福祉、雇用、営業を守る諸問題について

次に、市民のくらし、医療・福祉、雇用、営業等を守る諸問題についてであります。

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1 雇用を守るとりくみを

質問の第一は、雇用対策についてです。

昨年一年間の有効求人倍率が〇・五九倍、福岡地区ではそれを下回る〇・五一倍となるなど、雇用・失業問題は社会と経済にかかわる深刻な事態となっています。小泉「構造改革」のもと、倒産、リストラ、失業が加速し、市民は将来不安におびえています。そこで、市長は、一方的な解雇禁止、希望退職、転籍などの強要をやめさせる「解雇規正法」や「サービス残業根絶法」など、実際に雇用拡大につながる法的措置を国に求めるべき、と思いますがご所見をお伺いします。また、本市職員の削減をやめ、長時間、過密労働の常態化を解消するため職員を増員するとともに、市内の主要企業に雇用拡大の働きかけを行うべき、と思いますがご所見をお伺いします。

雇用対策についてでありますが、一方的な解雇やサービス残業の強要は、法律や判例などにより制約されているものと認識いたしております。

しかし近年では、解雇や勤務条件などに関して労使間の紛争が増えていることから、これらの迅速かつ適正な解決を図るため、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が平成十三年十月より施行され、また、これと併せて、総合労働相談コーナーが福岡労働局などに設置されたところであります。

本市としましては、これらの推移を見守ってまいりたいと考えております。

職員配置につきましては、業務量の平準化に向けた業務内容の見直しや、所属を越えた連携の強化などを行うとともに、情報化・委託化の推進やスクラップ・アンド・ビルドの徹底などにより、今後とも、職員定数の適正化に努めてまいります。

また、主要企業への雇用拡大の働きかけにつきましては、国において採用枠の拡大要請なども行われておりますので、今後とも、国に対し、機会あるごとに、要望してまいります。

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2 中小企業の支援を

質問の第二は、本市経済を支える中小企業の振興についてであります。

長期に及ぶ不況に加え、小泉内閣が進める、「構造改革、不良債権処理」によって、本市中小企業はいっそう苦境に追い込まれ、企業倒産も過去最悪の水準で推移しております。全事業所の九九%を占める中小企業を守ることはまったなしの課題となっています。こうした中、中小企業対策費はペイオフに伴う制度変更分を除けば、ほぼ前年並みにとどまり、一方で、人工島を対象とした企業立地促進制度や博多リバレインでのにぎわい広場事業など開発破綻救済、大企業支援の新規事業とその予算が提案されています。全く逆立ちした経済振興策と言わなければなりません。市長は、経済振興策の基本を開発破綻救済や「構造改革」路線におくのでなく、既存産業の保護を基本とし独自の「地域振興計画」を策定すべきと思いますが所見を伺います。具体的には中小企業向け官公需発注比率の七〇%以上への引き上げ、親企業の倒産など下請け保護策や大型店廃業に伴う零細テナント対策の強化、空き店舗対策など商店街対策の充実、全庁あげた中小企業の仕事起こしなどに取り組むべきだと思いますが市長の所見を伺います。また、制度融資について予算は増額されていますが、貸し渋りなどで実際には必要な融資を受けられないというのが現実であります。したがって、「一般の金融機関から融資を受けることが困難なものへの資金提供」を目的とする信用保証協会本来の役割を発揮させるとともに、本市の制度融資に対する貸し渋りをやめさせる具体策を実行すべきと思いますが明確な答弁を求めるものであります。

中小企業振興に向けた「地域振興計画」の策定につきましては、中小企業の振興を市政の重点施策として位置付け、商工金融資金制度の充実、下請相談及び官公需情報の提供を始めとする受注の促進、公共工事などの分離・分割発注による受注機会の増大、商店街の活性化など地場中小企業の支援に取り組んでいるところであります。平成十四年度は、中小企業サポートセンターを開設し、ワンストップサービスの強化を図るなど、中小企業者の自主的努力を助長するための施策を積極的に推進してまいります。

さらに、このような取組みも踏まえ、都市の活力を支える多様な経済活動を支援し、福岡の個性を伸ばす新たな産業の育成や創業しやすいまちの実現などが重要であると考えており、長期的視野に立った産業振興の方向性については、現在策定中の「新・基本計画」で、また、短・中期的には、経済振興局で取りまとめている指針を基にした新たな産業振興ビジョンで明らかにしてまいります。

制度融資につきましては、資金需要に対応できるよう十分な融資枠を確保するとともに、不況対策特別資金の創設や融資条件の緩和など、中小企業者の立場に立った、きめ細かな、利用しやすい制度の充実を図ってまいります。

また、制度融資は信用力、担保力に乏しい中小企業者の金融の円滑化を図ることを目的とするものであり、今後とも信用保証協会など関係機関に対し、この趣旨に沿った取扱いをしていただくよう協力要請を行ってまいります。

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3 農業の再建を

質問の第三は農業の再建についてであります。

コメの輸入自由化や輸入野菜の急増容認など政府による日本農業の切り捨てによって、本市農業も衰退の一途をたどっています。したがって市長は、農産物の完全輸入自由化に反対し、実質的輸入規制の導入、下落した米価や野菜価格の下支え制度の確立を国に要求するとともに、減反率を少なくとも県平均とし、所得保障を含む市独自の農業育成、助成策を講ずるべきと思いますが所見を求めます。

農業についてでありますが、農産物の輸入規制や米価などの問題につきましては、国において、食料・農業・農村基本法の趣旨に基づき、食料の安定確保などの観点から、各方面の意見などを踏まえ実施されるものであります。減反率の問題につきましては、本市の転作配分率が他市町村と比較して高くなっているため、今後とも、県に対して配分の平準化を強く要望してまいります。

なお、本市農業の振興につきましては、新しい農林業総合計画に基づき、「都市と農業との共生」を基本理念として、その振興に努めてまいります。

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4 医療大改悪をやめるよう政府に求めよ

質問の第四は、政府の医療大改悪から市民の健康を守る問題についてです。

政府は、高齢者医療を原則一割負担とし上限を引き上げ、六ヶ月を超える入院費用の一部保険はずしなどを二〇〇二年度から、さらに、健康保険本人の三割負担を二〇〇三年四月から実施しようとしております。これらが強行されれば、市民は負担増に耐えかね受診抑制が急増し、かえって病気の悪化を招き本市の国保財政をも圧迫することになるのは必至であります。いま緊急に求められているのは、国の負担を増やし、高い薬価にメスを入れ、支払い能力に応じた保険料負担とし、医療を受けやすくするなど、早期発見・早期治療に努めることであります。したがって、市長は、国に対し患者負担増と保険はずしなどの医療大改悪をやめるよう、直ちに要求すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。

医療保険制度につきましては、高齢化の急速な進展により医療費が増大していく中、世代間の負担の公平を図り、将来にわたり制度を堅持していくことが重要であり、早急なる改革が必要であると考えます。

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5 国民健康保険料を引き下げ、保険証の原則交付を

質問の第五は、本市の国民健康保険行政についてであります。

市長は、高過ぎて払えない国保料の滞納者から保険証を取り上げ、全国最悪の一万二千件にものぼる「資格証明書」を発行して市民の医療を受ける権利を奪ってきました。こうしたなか、二〇〇二年度もまた保険料の値上げが提案されており、介護分と合わせて、前年度比一・八三%増の年額一人当たり八万六千四百八十円にもなるものです。深刻な不況やリストラのもと、政府の医療改悪と合わせた今回保険料引き上げはいっそう滞納者を増やして医療を受ける権利を奪い、皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の崩壊を招かざるをえません。したがって、市長は、保険料の二〇%分にとどまらず市費を大幅に繰り入れて保険料を引き下げるとともに、国民健康保険法第九条三項にも反する資格証の発行は直ちにやめ、保険証は原則交付し、生活保護基準の一三〇%の所得までは全額減免できるように減免制度を改善するなど、市民が安心して医療を受けることのできるようにすべきだと思いますが、明確な答弁を求めます。

国民健康保険行政につきましては、毎年多額の市費を繰り入れ、保険料の軽減や低所得者のための減額・減免に努めているところであります。

資格証明書の発行につきましては、被保険者間の負担の公平を図るためにはやむを得ないものと考えております。

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6 介護保険制度の改善、高齢者福祉の充実を

質問の第六は、介護保険制度の改善、高齢者福祉の充実についてであります。

(1) 保険料、利用料の独自減免制度を

制度発足二年を経た介護保険は、保険料の満額徴収や重い利用料負担等により必要な在宅サービスが制限され、特別養護老人ホームの待機者も二千九百人以上にのぼるなど、いよいよその深刻な実態が明らかになってきています。こうしたなか、高齢者が安心してサービスが受けられるよう保険制度の改善と福祉の充実が求められております。本市は介護給付費準備基金積立金を十一億円余も有しており、市長は、今こそ、多くの自治体が実施している住民税非課税世帯など低所得のお年寄りに対する保険料や利用料の独自減免制度を創設するとともに、生活保護「境界層」の減額措置制度を拡充して必要なサービスが受けられるようにするべきではないかと思いますが、ご所見をお伺い致します。併せて、介護保険外の周辺サービスの予算を増額して要介護度別の制限撤廃や助成限度額の引き上げなど一層サービスを拡充すべきではありませんか。市長のご答弁を求めます。

介護保険制度は、全国一律に実施されるものであり、所得に応じた段階別の保険料や利用料の上限額が設けられるなど、低所得者への配慮がなされております。さらに、利用料につきましては、訪問介護利用者に対する経過措置や、社会福祉法人が行う利用料軽減への助成も実施しております。

制度上の低所得者への配慮につきましては、今後とも、国に要望するとともに、保険制度内での減免につきましては、次期介護保険事業計画策定における研究課題の一つと考えております。

介護保険外の周辺サービスにつきましては、配食サービスを拡充するなど、身体や世帯の状況に応じたサービスを提供してまいります。

(2) 特養ホームの整備を

また、二〇〇二年度の特養ホーム整備は新規が三ヶ所二百四十人分しか計画されておらず、待機者を早急に解消するため、予算を大幅に増額すべきではないかと思うが、市長の所見をお伺いします。併せて、早良消防署跡地など高齢者施設の「市有地無償貸与」による建設を促進すべきと思いますが、所見を求めます。

特別養護老人ホームにつきましては、介護保険事業計画に基づく整備目標の早期達成に向け、整備を進めることとしており、必要な予算を計上しているところであります。

特別養護老人ホームなどの高齢者施設の整備につきましては、民設民営を基本としておりますが、民間による整備が進まない場合においては、適正配置に配慮しながら、市有地を有償貸与した整備も行っているところであります。

(3) 在宅介護の拡充を

在宅介護については、低介護報酬のもとでケアマネージャーやホームヘルパーは過酷な労働実態におかれ、お年寄りの在宅サービスが充分に行き届いたものになっておりません。したがって、市長は、市民福祉サービス公社が「最後のよりどころ」となるよう、独立採算制の一事業所扱いを改め、必要な市費を持ち出してヘルパーの増員や労働条件の改善を図るなど、体制拡充をおこない公的責任を果たすとともに、国に対して介護報酬等の改善を要求すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。

市民福祉サービス公社につきましては、介護保険の一事業者として運営する体制を整備し、利用者のニーズに応じた質の高いサービスを提供するよう努めております。

また、介護報酬などの制度上の改善につきましては、国に要望してまいります。

(4) 敬老無料パス、渡船無料制度をもとに戻して拡充を

次に、個人給付事業については、お年寄りいじめの敬老無料パスや渡船無料制度の縮小・廃止、老人医療費助成制度の所得制限などを、もとに戻して高齢者の福祉を拡充すべきだと思うが、市長の答弁を求めます。

個人給付事業についてでありますが、まず、高齢者の交通費助成制度は、世代間及び利用の公平などの観点から、また、市営渡船の無料運賃制度は、受益者の公平な負担の観点から、さらに、老人医療費助成制度は、年金制度などの社会保障制度の充実状況などから、制度を改めたものでありますのでご理解願います。

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7 生活保護行政の改善を

質問の第七は、生活保護行政等についてであります。

長引く不況や失業の増大、雇用の悪化のもとで、市民の「最後のよりどころ」である生活保護の充実が緊急に求められています。こうしたなか、本市においては、市長の冷酷極まる保護行政のもと、「面談」と称して市民の申請を受け付けず、南区で手遅れ死亡事件が起こりました。市長は、今こそ、憲法二十五条に基づき困った人がいつでも申請できるように保護申請書等を窓口カウンターに置くとともに、人権侵害に及ぶ扶養義務や就労の強制、「同意書」や辞退届の強要をやめ、また廃止した福祉見舞金を復活するなど、本市の冷たい生活保護行政を改善すべきだと思うが、明確な答弁を求めるものであります。

さらに、中嶋学資保険裁判については、福岡高裁判決を受け入れて直ちに上告を取り下げるべきではありませんか。市長の答弁を求めます。

また、不況・リストラによるホームレスは本市でも激増し深刻な社会問題となっております。市長は、生活保護の適用を「住所不定」を理由に拒否する違法な運用を改め、抜本的なホームレス自立・支援対策を早急に講じるべきではないかと思いますが、お尋ねをいたします。

生活保護の運用に当たりましては、法令などに基づき、適正な保護の実施に努めているところであります。また、学資保険裁判につきましては、生活保護法の解釈などに重大な誤りがあることから、国と慎重に協議の上、上告を行ったものであり、取り下げる考えはありません。

ホームレス対策につきましては、生活保護の相談機能の強化、結核対策、公園などの不法占用是正対策の基本的施策を引き続き実施し、その状況を踏まえながら、今後とも総合的に取り組んでまいります。

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8 障害者施策の充実を

質問の第八は、障害者(児)の対策についてであります。

本市の身体・知的障害者は増加の一途をたどり、重度・重複化の傾向とともに、高齢化が進み、また、精神障害者も急激に増加しております。障害者が地域社会の中で普通に暮らし、自立、社会参加していくため、新たな対応が必要であります。

したがって、養護学校卒業生の通所授産施設の増設や貴重な就労の場である小規模作業所への市の助成の増額、拡充をすべきと思いますが、所見をお尋ねいたします。

また、東部障害児療育センターを早急に整備するとともに、西部障害児療育センターは、作業・理学療法士など専門職員等を増員配置すべきと思いますが、市長の所見をお尋ねします。

今日、精神に障害がある人の増加に対応する適切な施策が急務となっており、精神保健福祉センターの増設をすすめること、また介護保険の施行により、障害者の六十五歳以上に対するホームヘルプサービスが後退しないよう自己負担なしの上乗せ制度をつくることについて、併せて、所見をお伺い致します。

通所授産施設の増設につきましては、保健福祉総合計画に基づき、計画的に整備を進めてまいります。

小規模作業所につきましては、障害者の就労も含めた社会参加の場として一定の役割を果たしており、助成の充実を図ってまいります。

東部療育センターにつきましては、保健福祉総合計画におきまして平成二十二年度までに整備をすることといたしておりますが、全市的な療育体制の早期整備の観点から、平成十七年度以降のできるだけ早い時期に開所できるよう努力してまいりたいと考えております。

また、西部療育センターにつきましては、重度・重複の障害児に対して適切な療育ができるように、医師を始め作業療法士や理学療法士などの専門職を配置することとしております。

精神保健福祉センターは、本市の精神保健福祉に関する中核的・総合的技術センターとして、市民のこころの健康づくり及び精神障害者の社会復帰の支援を推進しており、内容充実に努めてまいります。

六十五歳以上の障害者に対するホームヘルプサービスにつきましては、全身性障害者や要介護認定において「非該当」と判定された視覚障害者、聴覚障害者などに対しまして、世帯の所得額に応じた自己負担によりサービスを提供しているところであります。

(駅をバリアフリーに)

バリアフリー化のため、JRなどの既存駅についてもエレベーター、エスカレーターの設置を促進すべきと思いますが、お尋ねをいたします。

既存駅のバリアフリー化につきましては、平成十三年度策定の「交通バリアフリー基本方針」に基づき、市民や公共交通事業者などと一体となって推進してまいります。

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9 保健・衛生の機能強化を

質問の第九は、市民の保健・衛生と保健所行政についてです。

市長は昨年、「保健福祉センター」の名で保健所を福祉事務所と統合し、専門職員の削減等で保健・予防・衛生の仕事を大きく後退させました。こうした中、結核や食中毒の急増、相次ぐ院内感染、狂牛病や雪印食品事件など市民の安全や保健・衛生をとりまく環境は危機に瀕しており、保健所の機能強化が求められております。したがって市長は、保健所本来の機能と役割が果たせるよう、医師をはじめ保健婦や診療放射線技師、食品衛生検査技師等を増員配置して、市民の健診・相談・指導や食品監視体制等を強化・拡充すること。また国に対し輸入食品検査・食品添加物等の規制強化と表示義務化、HACCP制度の是正など、食品衛生法等の抜本改正を求めるべきだと思いますが、所見をお伺いします。

保健福祉センター設置に当たっては、これまで保健所と福祉事務所が担ってきた法的権限、機能、役割を保持し、保健師を増員するなど、必要な職員配置を行い、保健・医療・福祉の連携強化や地域における保健福祉活動の支援などの充実を図ったものであります。

食品衛生法などの抜本的改正につきましては、輸入食品の検査体制の強化や食品添加物の規格基準の見直しなどが必要に応じて行われていることから、国の動向を見守りたいと考えております。

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10 青年の雇用、文化・スポーツについて

質問の第十は、青年の雇用、及び文化・スポーツの問題についてであります。

青年の雇用問題は極めて深刻であります。県内の新規学卒者の就職内定率は、昨年十二月末現在、大学・短大・高等専門学校あわせて四九・二%にとどまっています。高校生の就職については五四・五%と昨年同月比で五・一ポイント下回っており、昨年に続いて過去最悪を記録しようとしています。特に女子高校生は男子生徒より二〇ポイントも低く、厳しい状況にあります。市長は、市内の企業に採用枠の拡大を要請するなど、緊急に特別な手立てを取ること、同時に、女子学生に対する就職差別の実態調査と是正の申し入れをおこなうべきと思いますが、ご所見をお伺いします。また、市として教育、福祉、防災分野の市職員の拡充、嘱託職員の正職員への採用、教員採用増などを検討すべきです。併せてご答弁を求めます。

青年の雇用対策につきましては、国において、学生職業センターにおける就業支援事業の実施とともに、就職面談会の開催や企業主に対する採用枠の拡大要請も行われております。

特に、新たに創設された求職活動援助地域に福岡地区が平成十三年十一月に指定され、より積極的に取り組むこととされております。

本市におきましても、青年の雇用対策は重要であると認識しており、今後とも福岡労働局などに対し、機会あるごとに要望してまいります。

なお、性別による就職差別につきましては、いわゆる男女雇用機会均等法で禁止されているところであり、本市としても市内企業への啓発に努めているところであります。

また、職員配置につきましては、現在、適正に行っているところであり、新たな雇用の確保を職員定数の増員として行うことには、市民の理解が得られないと考えます。

(文化・スポーツ施設を)

青年のための文化・スポーツ施設は、その利用のニーズにこたえ、青年が集える施設を各区につくるべきと思いますが、ご所見を伺います。

文化・スポーツ施設についてでありますが、各区にある市民センターの音楽室など既存文化施設の利用促進を図るとともに、地区体育館の効果的な活用を図るなど、青年を始め市民の文化・スポーツ活動を支援してまいりたいと考えております。

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四、子どもの健やかな成長と教育の問題について

次に、子どもの健やかな成長と教育の問題について質問いたします。

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1 保育所の新設、無認可保育所の認可化で待機児解消を

質問の第一は、保育行政についてであります。

長引く不況の下で、働く女性が急増し、保育行政の充実は緊急な課題となっております。市長は、他都市並に市費を繰り入れ、保育料を引き下げるべきではないかと思いますが、ご所見をお伺い致します。同時に、保育士の労働条件や保育の質の低下につながる、民間保育園への補助金の大幅削減をやめるべきだと思いますが、併せて答弁を求めます。

保育所待機児は七百三十人と、減少するどころかいっそう増加しており、市長は、児童福祉審議会答申まちをやめ、三苫や姪浜など、必要な地域に保育所を新設するとともに、補完的役割を果たしている無認可保育所について条件の整った所を直ちに認可し、待機児の解消を行うべきと思いますが、所見をお伺いいたします。また、全ての無認可保育所への助成制度を創設するとともに、要求の強い産休明け保育の実施に踏みきるべきだと思いますが、併せて答弁を求めます。

保育行政についてでありますが、保育料は、国の徴収基準額の二十パーセントを市費で負担し、保護者の負担軽減を図っております。

民間保育所への補助金につきましては、今後とも必要な額を助成してまいります。

保育所の新設及び認可外保育施設の認可につきましては、本年二月に児童福祉審議会において、その検討を急ぐよう、中間答申が出されたところであり、その主旨を踏まえ、早急に対応してまいります。

また、認可外保育施設への助成及び産休明け保育につきましては、現在審議中の審議会の答申を踏まえ、検討してまいります。

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2 乳幼児医療費は初診料も無料に。外来も就学前まで拡充を

質問の第二は、乳幼児医療費助成制度についてであります。

乳幼児医療費助成制度は貴重な子育て支援であり、全都道府県、全市区町村で実施されており、さらに政令市の多くは初診料の自己負担分への助成を行っております。市長は直ちに初診料を無料にするとともに乳幼児医療費助成は、入院だけでなく通院治療も就学前児童まで拡大すべきだと思いまが、ご所見をお伺いします。 また、国として乳幼児医療費助成制度を早期に創設するよう要求すべきだと思いますが、併せてご答弁を求めます。

乳幼児医療費の助成につきましては、子育て支援対策の大きな柱の一つとして、平成十二年度から通院医療費については四歳未満児まで、入院医療費については就学前児童まで拡大し、所得制限を設けることなく助成しているところであり、今後もこの制度で運営してまいります。

また、国に対して乳幼児医療費助成制度に対する財政援助の確立を今後も要望してまいります。

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3 留守家庭子ども会はこれまでどおり教育委員会で充実を

質問の第三は子ども行政についてであります。

市長は、新年度から子ども行政を一元化するとしています。しかしながら、今回、保健福祉局に移管される留守家庭子ども会事業や校庭開放事業などは、学校とのかかわりが深くもともと社会教育分野でやってきたものであり、混乱をもたらすことは明らかであります。特に留守家庭子ども会事業は、三十年間、市教育委員会・行政と市民が育て、設置率と学校内設置については全国的にも先進的な事業として高く評価されてきたものであります。同事業を保健福祉局に移管すれば、留守家庭子ども会と学校との関係が希薄になることは明らかです。また、保育事業と同じように指導員の人件費や施設費などを保護者負担とすることは許されません。したがって、留守家庭子ども会の事業内容の後退につながる、保健福祉局への移管はすべきでないと思いますが、市長と教育長の明確な答弁を求めるものであります。併せて、指導員を増やすなど態勢を整え、土曜日も開設すべきと思いますが、答弁を求めます。

留守家庭子ども会につきましては、事業を移管することによって、運営主体や事業形態が変わるものではなく、従来どおりに家庭・学校・地域が一体となった、子ども会の自主的な活動に対し、必要な助成を行ってまいりたいと考えております。

また、土曜日の開設につきましては、指導員の勤務体制や学校施設の管理、また、各運営委員会・育成委員の方々のご理解とご協力が不可欠であり、今後の研究課題と考えております。

(児童扶養手当について)

また、児童扶養手当の切り下げをしないよう国に対して、強く要求すべきではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

児童扶養手当につきましては、制度の拡充を引き続き、国に要望してまいります。

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4 福岡ドームへの場外馬券場設置問題について

質問の第四は、子どもに悪影響を及ぼす場外馬券場設置等に関してであります。

福岡ドームへの場外馬券場設置については、文教地域のまん中で、すぐそばには市立中央養護学校や、こども総合相談センターもあるため、地元の住民やPTAをはじめ多くの市民から「青少年への悪影響が懸念される」等反対の声がおこっております。市長はこれらの市民の声に応え、キッパリと反対を表明し、三競馬組合、ダイエー福岡ドーム、農水省へ設置しないよう働きかけるべきだと思いますがご所見をお伺いいたします。併せて、博多駅前の場外車券場についても、設置しないよう国に働きかけるべきと思いますが、所見を求めます。

場外馬券売場及び場外車券売場の設置につきましては、市民の方々から請願が提出され、現在審査が行われているところであります。このような状況を国の関係省庁にお伝えするとともに、主催者などの関係者に対し、地域住民の方々への十分な説明と慎重な対応を要請しているところであります。

今後とも、議会のご意見なども踏まえながら対応を検討してまいります。

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5 児童館を小学校区ごとに

質問の第五は、児童館建設についてであります。

本年四月からの学校五日制の完全実施を前に、子どもたちに「休息・余暇」の権利を保障するための抜本策が求められております。「児童に健全な遊びを与え、健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする」児童館は、児童健全育成の拠点として、国もその設置をすすめているものであります。神戸市には百十六ヶ所設置されておりますが、福岡市は一ヶ所しかありません。市長は学校五日制に対応した美術館等の無料開放、また公民館で組まれる自主企画に参加するなどにより対応するとしていますが、公民館は児童館の代わりにはなり得ず、子どもたちが自由に出入りでき、安心して仲間と楽しめる児童館の建設は市の重要な課題であります。

したがって、市長は、子どもと親の願いに応え、早急に専門職員のいる児童館を小学校区ごとに設置すべきだと思いますが所見をお伺いいたします。

児童館の建設につきましては、子どもを健やかに育むためには、家庭、学校、地域がそれぞれの役割を果たすことが必要であり、地域における子ども育成環境づくり推進事業や地域子育て交流支援事業などを展開するとともに、公民館の建替えの際には、子どものためのスペースを確保しているところであります。今後も、地域施設の活用や子どもを育む仕組みづくりに取り組んでまいります。

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6 児童相談所の充実、児童養護施設の増設を

質問の第六は、児童虐待を含む相談体制等についてであります。

本市の児童虐待に関する相談件数は、二〇〇一年度、十二月末で二百七十一件へと激増しております。児童虐待に総合的に対応するために、児童相談所に心理療法士や児童福祉司などの専門職員を増員、配置し、相談事業の充実と対策を推進すること、また、不足している一時保護所や児童養護施設について、施設の増設をすべきではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

児童虐待に関する相談などにつきましては、児童相談所に虐待の専任組織を新設し、迅速で的確な対応を推進するとともに、心理療法士などによる心のケアを充実してまいります。

また、施設入所児童の増加に対応するため、乳児院の整備と一時保護所の定員枠の拡大を図ってまいります。

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7 学校教育について

質問の第七は、学校教育についてであります。

(1) 三十人以下学級の早期実現を

一点目は、子どもたちの成長と発達を保障する学校づくりについてであります。

子どもと教育の現状は、学級崩壊、非行、いじめ、体罰、不登校の増加等々いっそう深刻になっております。このような中、新年度から学校週五日制とともに系統性を欠く新「学習指導要領」も完全実施されます。多くの国民は受験中心の教育制度を温存したままの、授業時数の大幅削減等に危惧と不安を抱いています。また奉仕活動の強制や教員管理の強化、児童生徒の出席停止措置等いわゆる教育三法や、政府による中教審への教育基本法見直しの諮問などは、競争と管理の教育政策を一段と強化するものに他ならず、これは「高度に競争的な」教育制度の改善を求めた国連の勧告にも反するものであります。子どもと教育の深刻な状況を克服するには、憲法・教育基本法、さらに子どもの権利条約に則り、「真理と平和を希求する人間の育成」のため過度の競争教育を改め、基礎的な学力の保障など、すべての子どもたちの成長、発達を中心に置いた学校教育に改めるべきだと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

またその実現のためにも、いま緊急に必要なことは、三十人以下学級を速やかに実施することであります。国立教育政策研究所の調査等でも、少人数学級の方が子どもの理解が深まるという結果が出ております。いまや自治体決議は過半数を突破し、署名は全国千八百万人、県下で五十一万人余に及ぶなど行き届いた教育のための少人数学級はまさに国民要求となっており、新年度実施を含めると、京都や大阪府をはじめ少なくとも十七道府県、さらに市町村等が何らかの独自措置を行うのであります。市長は三十人以下学級の即時実現を国・県に強く要求するとともに、その実現までの間は、仙台市のように本市自身の責任において年次的にでも実質三十人以下学級を実施すべきだと思いますが、所見をお尋ねいたします。

子どもたちの成長と発達を保障する学校づくりについてでありますが、学校は全ての子どもの発達段階に応じて、適切な教育を行い、健全なる人間の育成を図るところであります。

新学習指導要領については、完全学校週五日制のもと、ゆとりの中で生きる力を育むために、教育内容を厳選し、少人数授業や課題別学習など、個に応じた指導を示したものであると理解しております。

今後とも、新学習指導要領に即して、学校教育が推進できるよう努めてまいります。

少人数教育につきましては、国において、学級編制の標準を四十人としたうえで、教科などに応じ、少人数授業を行うための教員の加配措置などを内容とする、第七次の定数改善計画を、平成十三年度より実施しているところであります。

本市といたしましては、今後とも、この計画に沿った教職員定数の改善が円滑に実施されるよう、国・県に要望してまいります。

(2) 保護者や子どもたちの意見をいかす民主的な学校づくりを

二点目は、民主的な学校づくりについてであります。

本市の「学校サポーター会議」は、職員会議やPTAを超えて校長の一方的学校支配をサポートするもので、かえって学校運営やPTA活動に支障をきたす等の問題も出ております。勉強がわかる楽しく安全な学校づくりのためには、何よりも職員会議を上意下達の場にするのでなく、教職員の合意形成を尊重するとともに、保護者や子どもたちの意見が学校運営にいかせる体制をつくることこそ必要であると思うが、教育長のご所見をお伺いいたします。

学校づくりについてでありますが、学校サポーター会議につきましては、学校教育法に基づき、校長が学校経営に関し、学校外の意見を聞くための仕組みとして、各学校に設置できることとなった学校評議員の福岡市版であります。

今後とも、学校サポーター会議を適切に運営するとともに、職員会議で職員間の意思の疎通を図りながら、開かれた学校づくりを進めてまいります。

(3) 市立高校、幼稚園の値上げはやめよ

三点目は、市立高校等授業料値上げと学校指定用品についてであります。

長引く不況で、今でも子どもたちの教育を受ける権利が侵害されており、これ以上市立幼稚園や高校授業料の引き上げで保護者に過重な負担を強いるべきでないと思いますがご所見をお伺いいたします。また、学校指定用品は、多くの学校で品目が一方的押し付けで増やされ、安価な市販品での代用は許されず、実態は保護者に「過重負担」を押しつけるものになっております。しかも特定業者との癒着も生みかねず、市教委は早急に実態を調査し、学校指定用品は基本的に廃止すべきだと思いますが所見をお伺いいたします。

市立高等学校の授業料につきましては、従来から国及び県との均衡を考慮しながら改定しているところであります。幼稚園の保育料につきましても、私立幼稚園や他都市の状況などを勘案しながら改定するものであります。

また、学校指定用品につきましては、保護者の負担過重とならないよう、必要なもののみにとどめております。

その選定については、今後とも、各学校において、複数の業者からの見積りに基づき、適正かつ公正に行われるよう努めてまいります。

(4) 障害児の教育権保障へ介助員配置、エレベーター設置を

四点目は、障害児教育についてであります。

障害児教育については、子どもと保護者の選択権を重視し、障害児が安心して通学できるよう、すでに多くの自治体で実施している介助員制度を導入すること。また、西長住小学校だけでなく、当仁小をはじめ肢体不自由児が通う学校へエレベーターを早急に設置すべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。

障害児教育につきましては、障害の種類や程度に応じたきめ細かな教育を行うため、養護学校や特殊学級などを設置し、専門的な指導ができる教員や校内での移動の援助などを行う介助員を配置しております。

また、肢体不自由特殊学級のある西長住小学校については、三学年にわたる児童が、二階以上に移動することが、多くなっていることなどから、平成十四年度にエレベーターを設置することとしております。

当仁小学校については、設置する場合の建物構造上の問題など、検討すべき課題があり、今後とも、調査・研究に努めてまいります。

(5) 私学助成、奨学金の充実、定時制高校設置を

五点目は、高等教育を受ける権利の保障についてであります。

県内私立高校の学費滞納率は三年連続で全国最悪であり、長引く不況のもと、経済的理由での退学や修学旅行不参加が激増するなど深刻な事態が広がっております。なかでも私学に大きく依存してきた本市での影響はいっそう深刻であり、学ぶ権利の保障のためにも早急な公的援助が求められております。県に授業料補助の大幅増額と、奨学金の充実を行うよう要求するとともに、市の奨学振興会の高校奨学金については貸付対象枠を拡大し、年度途中の希望者も含め、全員採用するよう充実を図るべきだと思いますが、教育長の明確な答弁を求めるものであります。また、働きながら学べる定時制高校への進学希望者は増加し、近年市周辺の定時制含めても対応できておらず、市が早急に通学に便利な場所に普通科の定時制高校を設置するとともに、県にも設置を要求すべきだと思いますがお尋ねをいたします。併せて、小泉内閣による大学の日本育英会奨学金・無利子貸与枠の一万六千人分削減は、高等教育の機会を奪うものであり、撤回するよう国に要求すべきだと思いますが所見をお伺いいたします。

市教育振興会の高校奨学生採用枠につきましては、社会経済情勢などを勘案し、平成十四年度、八十名の採用増を予定いたしております。

年度途中の希望者の対応につきましては、福岡県奨学会とも連携を図りながら検討してまいります。

また、経済的理由で授業料が払えない保護者に対しましては、授業料免除の制度がありますので、制度の周知徹底を図ってまいります。

県と日本育英会の奨学金制度につきましては、その充実が図られるよう、市長会などあらゆる機会をとらえ要望してまいります。

次に、定時制高校につきましては、全日制志向が高まる中で全国的に生徒数が減少し、福岡地区においても小規模化した定時制高校の再編が行われたところであります。

その再編の一つとして、生徒の実態に即した魅力ある教育を提供するために県立博多青松高校が設置されております。

今後とも、高校への進学希望者の進路が保障されるよう、中学校における進路指導の充実に努めてまいります。

(6) 老朽校舎の改善、教室暖房実施を

六点目は、安全で快適な教育環境の実現についてであります。

老朽校舎の改善は子どもたちの安全のためにも切実な問題であり、改修・改築計画の策定を急ぐとともに、緊急箇所の補修等については即時実施すること。大規模校である姪浜中の分離や、内浜小などの児童急増校の施設整備など早急に実施すべきだと思いますが明確な答弁を求めます。また小中学校の教室暖房について、調査を理由に何年も先送りすることは許されず、即時実施すべきだと思いますがお尋ねをいたします。

学校施設の整備につきましては、校舎などの改修を年次的に進めるとともに、中長期的観点に立った校舎改築計画策定のため、基礎的調査を引き続き行ってまいります。

なお、緊急を要する修繕などにつきましては、速やかに対応してまいります。

姪浜中学校の分離につきましては、今後の生徒数などの動向を見守ってまいります。

内浜小学校などの児童急増校の施設整備につきましては、必要に応じて対処してまいります。

また、小中学校の教室暖房につきましては、昨年に続き調査しているところであり、これらの結果も併せて総合的に検討してまいります。

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五、都市づくりの諸問題について

次に都市づくりの諸問題についてお尋ねします。

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1 人工島は埋め立てを凍結し、計画の縮小を

まず質問の第一は、人工島建設であります。

同事業については、先に述べたように、本市の将来に重大な被害を及ぼすことは明白であります。市長は、破綻した人工島建設の推進をこの際、きっぱりとやめるべきです。新たな埋め立てや浚渫工事を凍結し、計画を縮小すべきではありませんか、答弁を求めるものであります。また、竣工した土地については、巨額の市費投入をやめ、その利用を市民参加、市民本位で見直すべきだと思いますが、所見をお尋ねします。博多港開発については、二期工事をやめ、同事業部門を廃止するとともに、現行資産の活用と管理のみの会社に整理縮小すべきだと思いますが、併せてご所見を伺います。

アイランドシティ整備事業につきましては、国際的にも競争力ある港湾整備を行うとともに、九州・アジアを視野に入れた新しい産業集積拠点や先導性の高い住環境の形成を進めるなど、本市の新たな都市活力の創造を図るために必要な事業であります。

今後とも、社会経済情勢の変化など、その時々のニーズに的確に対応しながら、環境面にも配慮し、着実に事業を推進してまいります。

博多港開発株式会社につきましては、本市と一体となってアイランドシティ整備事業を推進しているところであり、今後とも、本市の指導のもと、博多港の発展のために必要な役割を担わせていきたいと考えております。

(博多湾・和白干潟のラムサール条約登録を)

また、市長は市民や環境省への抵抗をやめ、博多湾・和白干潟を国設鳥獣保護区特別保護地区に指定し、「ラムサール条約」登録湿地とすべきだと思いますが、所見をお尋ねします。

博多湾はシギ、チドリなどの渡り鳥の重要な飛来地であると認識しております。

国設鳥獣保護区については、国と協議を行っていくこととしております。

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2 博多リバレイン・エスビーシーへの税金投入は許されない

質問の第二は、下川端再開発事業の開発破綻救済等についてであります。

本市が出資もしていないエスビーシーに税金を投入する市長のやり方は全く異常であります。したがって、エスビーシー破綻処理は経営者責任で行わせ、博多リバレイン地下二階へ三施設を入居させる新たな負担は撤回すべきだと思うが、市長の明確な答弁を求めるものであります。併せて、「都市未来ふくおか」から出資を引き上げ、解散を要求するとともに、渡辺通一・三丁目市街地再開発計画は中止すべきだと思いますが、お尋ねをいたします。また、開発型第三セクターは経営破綻やその恐れが強く、縮小・廃止すべきだと思いますが、ご所見を伺います。

下川端再開発事業につきましては、市は、事業主体であった再開発組合に対し指導・監督を行っており、事業の完結としての組合の解散や、博多部の振興という観点から責任を果たす必要があると考えております。

公的施設の導入は、高い利便性を活かし、幅広い多くの市民に利用されることにより賑わいを創出し、博多部だけでなく地域全体の活性化に寄与するとともに、新たな情報発信機能を有した複合施設として、本市の魅力を高めるものと考えております。

都市未来ふくおかにつきましては、既成市街地のまちづくりに参画し、地域社会の発展に貢献していくことを目的に設立されたものであり、その事業の公共性から出資しているものであります。

また、渡辺通一・三丁目地区につきましては、道路などの公共基盤や防災面でも課題を抱えており、また、地下鉄三号線の建設も進んでいることから、地元と充分話合いを重ねながら取り組んでいるところであります。

外郭団体、出資団体につきましては、第二次行財政改革大綱などに基づき、統廃合を含め、見直しに取り組むとともに、外郭団体経営委員会などにより適切な指導・監督を行ってまいります。

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3 緑化フェアやロボカップなどイベント行政について

質問の第三は、市長のすすめるイベント行政についてです。

新年度、イベント行政がさらに拡大されようとしています。人工島の開発破綻救済が目的で巨額の市費を投ずることとなる都市緑化フェアは中止するとともに、従来からのアジアマンスやロボカップなどイベント行政を改めるべきだと思いますがご所見をお伺いします。また、姉妹都市交流など莫大な税金を投入して行われる国際交流事業についても、この際見直すべきではないかと思いますが、併せてお尋ねをいたします。

全国都市緑化フェアにつきましては、市民との共働により、緑の大切さを認識するとともに、緑を守り、ふやし、育てるための知識を得るための花と緑の祭典として、平成十七年秋にアイランドシティにおいて開催するための準備を進めてまいります。

アジアマンスにつきましては、アジアへの理解を深め、友好交流を促進することを目的に実施しているものであります。

また、ロボカップにつきましては、科学技術を通して子どもの夢を育むとともに、海外との交流・連携強化や新産業の創出を目指し開催するものであります。

今後とも、これらの事業を通し、市民が美しい緑の空間や、多様な国際交流、あるいは最先端の科学技術などを体験し、参加することにより、市民との共働を一層深め、魅力と活力にあふれた豊かなまちづくりを推進してまいります。

国際交流事業の見直しにつきましては、本市の基本構想などを踏まえ、都市の活性化と豊かな市民生活の実現を目指してアジアの国際交流拠点都市づくりを市政の柱の一つに掲げ、国際交流事業を推進しているところであります。今後とも、市民に身近な姉妹都市交流を始めとした国際交流事業の充実に努めてまいります。

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4 「新福岡空港構想」は撤回を

質問の第四は、「新福岡空港構想」についてです。

市長は、新福岡空港の早期実現にむけて、約一億円の予算を計上しました。しかし、一兆五千億円といわれる建設費の本市や国、県の負担割合は未定で、本市が巨額の負担を求められるのは明らかです。空港建設先にありきの「新福岡空港構想」は撤回し、国の責任で佐賀、新北九州両空港への分散や政策誘導など、現福岡空港の当面する需要増大への対応を国と協議・具体化するとともに全ての情報を公開し、市民・県民の広い議論にゆだねるべきではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

福岡空港は、西日本における拠点空港として、本市はもとより、福岡都市圏、九州・山口地域の発展に大きく貢献している都市基盤でありますが、旅客数及び離着陸回数ともに増加しており、容量限界に近づきつつあります。

大交流時代を迎え、今後も増大が見込まれる航空需要に対応するため、新福岡空港の早期実現が強く求められるところであります。

このためには、まず、国の次期空港整備計画において採択がなされ、現空港の取扱いや近隣空港との連携及び事業費の確保などの課題を踏まえ、早急に調査がなされることが喫緊の課題であります。

今後とも、官民一体となり、国など関係機関への働きかけを一層強めるとともに、市民を始め幅広く合意形成を推進するなど、積極的に取り組んでまいります。

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5 香椎駅周辺土地区画整理事業は白紙に戻せ

質問の第五は、香椎駅前の区画整理事業についてであります。

地価下落のおり、市街地での区画整理については、多大な問題をひきおこしており、もともと住民の多くが反対している香椎駅周辺土地区画整理事業については、この際、白紙に戻して、まちづくり計画を協議すべきだと思いますが、市長の答弁を求めるものであります。

香椎駅周辺土地区画整理事業につきましては、交通拠点性の強化・既存商業の高度化及び居住環境の向上を図るため、地元関係者のご意見・ご要望などを踏まえて事業計画を決定し、現在、減歩緩和のための用地の先行取得を進めております。

今後とも、事業実施の各段階での地元へのきめ細やかな対応とともに、まちづくりニュースなどによる情報の提供を積極的に実施し、地権者などで構成される土地区画整理審議会や住民の皆様のご意見を反映したまちづくりに努めてまいります。

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6 国際会議場は計画見直せ。自然動物公園構想は撤回を

質問の第六は、国際会議場と自然動物公園構想についてであります。

公約違反の国際会議場については、周辺施設を含め、計画を見直すべきであります。市長の所見をお尋ねします。

国際会議場につきましては、コンベンションシティづくりに不可欠な施設でありますので、平成十五年三月の開館に向けて、緑道など周辺施設と併せて、建設を進めてまいります。

(自然動物公園構想について)

また、自然動物公園構想は、自然破壊、巨額の財政負担、市民犠牲を伴うものであり、きっぱり取りやめるべきであります。併せて、現動物園については、存続し計画的にリニューアルを行うべきだと思いますが、市長の明確な答弁を求めるものです。

自然動物公園構想につきましては、平成十四年度中に再点検を行い、結論を出すことといたしております。

また、現動物園の取扱いにつきましても、併せて検討してまいります。

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7 九大移転に市費投入するな

質問の第七は、九大移転等についてであります。

九大移転については、本来、九大と国の負担で行われる事業であり、必要もない演習林の購入など九大の移転にかかる九大側の資金計画破綻の救済はやめるべきであり、バブルの計画に過ぎない「九州大学学術研究都市構想」の推進はすべきでないと思いますが、ご所見を伺います。

また、九大跡地を含めた六本松のまちづくりについては、住民参加・住民合意を徹底し、情報は常に公開すべきだと思いますが、所見をお尋ねします。

九州大学の移転につきましては、本市の新たな学術研究開発拠点づくりの核となる重要な事業であることから、今後とも、円滑な移転が行えるよう協力・支援を行ってまいります。

「九州大学学術研究都市構想」につきましては、地元産・学・官で構成する「九州大学学術研究都市推進協議会」での広域的な調整や役割分担を図りながら、計画的・段階的に推進してまいります。

また、九大跡地を含めた六本松のまちづくりにつきましては、幅広く地域の方々のご意向を伺いながら、地域と行政との共働によるまちづくりを推進してまいります。

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8 交通渋滞の解消にむけて

質問の第八は、交通対策についてです。

東部や西南部に加え、都市高速と西九州道の直結による天神地区の交通渋滞の解消は緊急の課題であります。市長は、天神一極集中の是正、国道四九五号線の拡幅と博多バイパスの延伸、福岡外環状線の整備を早急に実施すること。併せて、西鉄宮地岳線と地下鉄との直通運転を三苫まで延伸すべき、と思いますがご所見をお伺いします。

交通対策につきましては、多核連携型都市構造の実現や、大量交通機関を主軸とする総合交通体系の確立により、都心部を始めとする交通渋滞の解消を図るため、公共交通機関の機能強化や基幹道路網の整備などに取り組んでまいります。

なお、東部地域につきましては、交通ネットワークの形成に不可欠な国道三号博多バイパスや国道四百九十五号などの主要幹線道路の整備を推進してまいります。また、西鉄宮地岳線と地下鉄との直通運転化の早期実現を目指してまいります。

西南部地域につきましては、福岡外環状道路などの幹線道路の体系的な整備を推進してまいります。

なお、国の直轄事業である福岡外環状道路及び国道三号博多バイパスにつきましては、国と一体となって早期完成に向け、取り組んでまいります。

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9 水需給計画を抜本的に見直すべき。海水淡水化事業の中止を

質問の第九は、水問題についてであります。

本市はもともと水資源に恵まれておらず、そのもとでの福岡一極集中の都市づくりが、周辺市町村にまで被害を及ぼしているのであります。

したがって、開発による水需要の増大を抑えること、節水策の強化をはかること、この両面で限られた水資源を有効に利用することこそ求められています。市長は、これ以上の人口、水需要を拡大する都市開発・膨張策を改め、新基本計画の策定にあたっては、制御機能を明確に盛り込むとともに、水需給計画を抜本的に見直すべきだと思いますが、お尋ねいたします。

また、海水淡水化事業は、実施例のないプラント施設でつくる水を日常の飲用水に使うなど安全性は軽視され、コストが高くなるにもかかわらず、強引にすすめられており、市長は、企業団とともに海水淡水化事業を中止して、見直しを行うこと、なお、工業用水の水道用水への転用の促進や、五ヶ山ダムの工事を凍結し、必要性について再検討するよう、県に要求すべきだと思いますが、ご所見を伺います。

水問題につきましては、水の安定供給を図るため、近年の不安定な降雨状況などを勘案し、必要な水資源開発を進めるとともに、節水型都市づくりを基本とした水需給計画を検討しております。

また、福岡都市圏にとりましても、水の安定供給は共通の課題でありますので、都市圏とともに、海水淡水化や五ヶ山ダムなどの水資源開発の早期完成を国、県に強く働きかけてまいります。

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10 乱開発から住環境・緑を守るために

質問の第十は、相次ぐ乱開発から住環境・緑を守る問題についてです。

各地でマンション建設等の開発がおこなわれ、周辺の住環境、日照障害、交通問題、自然環境破壊など、近隣住民との紛争が多発しております。市長は、建築紛争条例に「市民の住環境を守る」ことを「市の責務」と定めるなど、条例を強化するとともに、用途地域等の見直しにあたっては、建築物等の高さ制限の規制強化をはかること。また、開発行為により都心部の緑が激減しており、緑地保全の地区指定を促進するとともに、予算を大幅に増額し、市民との共同で都市緑地の保全・買取を積極的に推進すること。また、風致地区の本市の基準はすべて第三種で規制が弱く、第一種、第二種に指定し直し、開発に対する基準を強め、緑の保全に努めるべき、と思いますが、ご所見をお伺いします。

建築紛争条例につきましては、安全で快適な居住環境の保全及び形成を目的として定めており、今後とも、この目的に沿って建築紛争の未然の防止に努めてまいります。

また、用途地域などの見直しにつきましては、全市的な観点や地域の特性などを踏まえ、適切に行ってまいります。

都心部における緑地の保全につきましては、「緑の基本計画」に基づき、緑地保全地区などの指定により、積極的に保全を図っているところであり、緑地の買取りについても計画的に進めております。今後とも、市民の皆様の協力を得ながら、より多くの緑を未来の子どもたちに引き継いでいけるよう努めてまいります。

また、風致地区の種別の規制強化につきましては、現行規制の下で既に市街化が進んでおり、多くの既存不適格建築物が生じることになるため、困難であると考えております。

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11 市営住宅は大幅に増やし、高齢者単身住宅も増やすべきい

質問の第十一は、市営住宅対策の充実についてであります。

市営住宅の入居希望者は増え続けているにもかかわらず、市長の新規住宅抑制政策によって市営住宅の不足がいっそう深刻になっております。公募倍率は一九九七年度二・三六倍と比べて五倍の一一・八〇倍にも跳ね上がり、高齢者単身住宅の倍率は四三・九三倍にも急増しているのであります。したがって、市民が住宅に困窮している今こそ、市長は「住宅は福祉」の観点に立ち、新規市営住宅を大幅に増やすとともに、高齢者単身住宅の戸数を早急に増やすべきであります。併せて、住宅供給公社が博多港開発の破綻救済のために土地を買い取るなどの住宅政策は、低廉な住宅を求める市民ニーズとは相反するもので、許されるものではないと思いますが答弁を求めるものであります。

市営住宅の整備につきましては、住宅審議会の答申を踏まえ、管理戸数は現状程度にとどめ、建替えや全面的改善などをストック総合活用計画に基づき推進しているところであります。

高齢者向け住宅につきましては、新規に建設する住宅の二十パーセント程度を整備するとともに、既存住戸の高齢者向け改善などに努めてまいります。

また、アイランドシティにおきましては、良質で先進的な住宅開発のため、本市の住宅政策の実施機関としての役割を担う住宅供給公社の参画を検討してまいります。

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12 環境行政について

質問の第十二は、環境行政についてであります。

(1) ごみ収集の有料化はやめよ

一点目は、ごみ収集の有料化問題についてであります。

「循環型システム研究会」は、負担の公平やごみ減量などを理由に家庭ごみの有料化を打ち出しました。しかしながら、ごみ処理は自治体の責任で行うべき事業であります。しかも、ごみの有料化がごみ減量につながらないことは、すでに伊達市や出雲市などの実績から見ても明らかであります。したがって、家庭ごみの有料化はすべきでなく、粗大ごみ収集ももとの無料に戻すべきと思いますが、所見のほどお尋ねいたします。また、家電リサイクル法の施行によって、不法投棄や家庭内滞留が増加しております。国に対して、製造者責任を明確にするなど法の抜本改正を求めるとともに、市として低所得者のための助成制度を設けるべきだと思いますが、市長のご所見をお伺いします。

ごみ収集の有料化につきましては、「循環型システム研究会」の最終報告が出され、家庭ごみの有料化などで得られた財源を基に「環境市民ファンド」を創設し、ごみ減量・リサイクルの促進に充てるなどの提案がなされました。

この報告を踏まえ、平成十四年度には、「ごみ処理基本計画」を改定することとしており、その中で「環境市民ファンド」を含め、具体的施策について検討してまいります。

粗大ごみの有料化につきましては、大きな減量効果があったものと考えており、現行どおりで対応してまいります。

家電リサイクルにつきましては、再商品化費用の前払い制など、制度の改善について機会をとらえて国に要望しております。

また、この制度は国の施策として実施されるものであり、低所得者のための助成制度につきましては、国において検討すべきものと考えております。

(2) 大野城・太宰府両市からのごみ受け入れするな

二点目は、ごみ処理基本計画の改定についてであります。

新年度、ごみ処理基本計画の改定が行われる予定となっております。ごみ減量の基本は、ごみの排出抑制、リユース、リサイクルであり、見直しに当たっては、ごみ処理における市の責任を明確にするとともに、ごみ増量ではなく、実際に減量になるように見直すべきであります。市長の所見をお尋ねします。また、臨海清掃工場への他都市からのごみ持ち込みは設立の経過と住民合意に照らして絶対に許されるものではありません。もともと、一般廃棄物は区域内処理が原則であります。したがって大野城・太宰府両市からの臨海工場へのごみの受け入れはやめるべきと思いますが、市長の明確な答弁を求めるものであります。

「ごみ処理基本計画」の改定につきましては、平成十二年度に比べ、平成二十二年度の要ごみ処理量を十パーセント減量する提案が「循環型システム研究会」からなされております。

この減量目標を踏まえ「ごみ処理基本計画」を改定してまいります。

また、大野城・太宰府両市からの臨海工場へのごみの受入れにつきましては、循環型社会を構築するという観点から広域的な取組みが求められており、その視点から検討を進めてまいります。

(3) 新東部清掃工場の増設は見直しを

三点目は、東部清掃工場建て替えなど施設整備のあり方についてであります。

東部清掃工場建て替えに伴う三百トンもの増設は、現在の可燃性ごみの処理実績が計画を大きく下回っていることや臨海工場の低すぎる稼働率を見るなら、その必要は全くなく、施設規模は大幅に縮小見直しをすべきであります。同時に、ごみが増えることを前提とした施設整備のあり方はこの際抜本的に見直すべきではありませんか、ご所見をお伺いします。併せて、福岡クリーンエナジーへの清掃工場委託はやめ、直営で行うべきだと思いますが、市長の答弁を求めます。

東部清掃工場の建替えにつきましては、ごみ要処理量の長期推計から施設規模を決定したものであり、現計画どおり建設を進めてまいります。

また、施設整備のあり方につきましては、「ごみ処理基本計画」の改定に当たり、減量目標に対応した将来の施設計画を併せて検討してまいります。

事務事業の執行に当たりましては、民間の資金、技術、経営ノウハウの活用など効率的・効果的な事業手法を選択することが重要であり、福岡クリーンエナジーへの委託が最も適切な手法であると考えております。

(4) 地球温暖化対策について

四点目は、地球温暖化対策など足元からの環境対策についてであります。

新年度、地球環境対策の推進として、低公害車の普及などの施策が提案されております。しかしながら、一方でヒートアイランドに拍車をかける自然環境破壊の人工島建設を推進するなどしており、この是正こそ必要であります。したがって、市民参加のもとでエネルギーの浪費や公共事業の無駄を無くし、低エネルギー生産・消費構造の転換を図るなど、実行ある施策を確立すべきではありませんか、ご所見をお伺いいたします。

地球温暖化対策などの環境対策につきましては、「第二次地球温暖化対策地域推進計画」における温室効果ガス削減目標の達成に向け、市役所として省エネルギーを率先実行するとともに、市民・事業者・行政の共働による地球温暖化防止市民協議会などと連携し、具体的な省エネルギー行動の普及啓発を推進してまいります。

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13 新マスタープランは市民本位で

都市づくりの最後に、新マスタープランに関してであります。

本市は、これまでの開発行政のもとで、自然環境破壊とともに、様々な都市問題をひきおこしてきました。今回マスタープランの策定にあたっては、都市膨張政策を根本的に改め、水や自然と調和し、環境、交通、住宅、福祉などを重視した市民本位のまちづくりへ転換すべきだと思いますが、市長の所見をお伺いします。

新・基本計画の策定に当たりましては、急速な少子高齢化の進行や経済状況の変化、IT革命の進展など大きな時代の転換期の中で、市民生活の豊かさを高め、魅力と活力にあふれる街とするため、水、交通など生活基盤の整備や、福祉、教育など市民生活に密着する施策の充実を図るとともに、国際化への対応や都市活力の向上を図ることが重要であると考えております。

そのため、平成十四年度から総合計画審議会を設置し、十分な議論を頂きながら、将来に向けた本市の進むべき基本的方向性を明確にする新・基本計画を策定してまいります。

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六、清潔、公正、平和の行政推進について

次に、清潔、公正、平和の行政推進についてお尋ねします。

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1 政官業構造癒着の根を断つ措置を

質問の第一は、清潔、公正な市政を実現する課題についてであります。

本市の公共事業をめぐって河本建設談合・贈収賄事件をはじめ、副議長あっせん収賄事件、「念書」事件など汚職・腐敗事件がたて続けに発覚し、政官業の構造癒着の根深さが明らかになりました。これらの事件は鈴木・外務省疑惑と同様、議員・政治家と業界そして行政が一体となって進めた醜悪な腐敗そのものであります。公共の利益を守り、市民の福祉向上に力を尽くすべき市議会議員が、法を犯して秘密の情報をとり、業者に教え、謝礼を受け取る、また自らの利益のために口利きやハコモノ行政を誘導するなどは、絶対に許されるものではありません。したがって、政官業構造癒着の根を断つため、政治倫理条例に企業・団体献金の禁止を盛り込むとともに、退職幹部の外郭団体や民間企業への天下りを規制する措置を講ずるべきだと思いますが、市長のご所見をお伺いします。また、行政の透明性、公開性の確保を図るために情報公開条例については、非公開対象を縮小し、相手先、場所など全て公開すべきだと思いますが、併せて答弁を求めます。

企業・団体献金につきましては、政治資金規正法に規定されているところであり、同法に基づき対応してまいります。

民間企業などへの再就職に関する規制につきましては、地方公務員法上、再就職に関する制限が設けられていない中で、本市が独自に規制を設けることは、憲法上保障された職業選択の自由の観点から問題があると考えております。

しかしながら、市政の運営に当たりましては、市民の批判を招くことのないよう、公正に行ってまいります。 情報公開条例につきましては、新しい条例において、非公開情報の範囲が必要最小限となるよう、規定を整備しておりますが、今後とも、情報公開の一層の推進に努めてまいります。

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2 同和特別対策はきっぱり廃止を

質問の第二は、同和問題についてであります。

(1) 「人権・同和行政基本方針」の撤回を

三十二年にわたる同和特別対策によって部落問題は基本的に解決しました。国はこの事態を踏まえ、いっさいの同和特別対策の終了を明確にし、そして全国的にも終結・廃止が大きな流れになっています。ところが市長は、差別が残っているとして「福岡市人権・同和行政基本方針」を定め、新年度の同和対策では、現在の百三事業のうち廃止は十八事業にすぎず、一般行政に取り込んでも実質同和特別枠として残す三十二事業、さらに特別対策としてそのまま残す四十二事業、十一事業の経過措置を含めて八十五事業は継続するのであります。同和予算は二十四億四千八百万円も計上されており、前年度比十四%の削減にしかなっていないのであります。これは同和問題の普遍化、永久化につながるもので時代逆行も甚だしいと言わざるをえません。したがって、市長は、「福岡市人権・同和行政基本方針」を直ちに撤回し、同和特別対策は全面的に廃止するとともに、解同市協議会への団体補助金四千九百三十万円は全額削除すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。

本市の同和行政につきましては、同和対策協議会答申を尊重し、平成十三年十二月に「人権・同和行政基本方針」を策定いたしております。この方針に基づき、残された課題解決のために施策を講じるとともに、同和問題解決への取組みをあらゆる人権問題の解決へと広がりをもった取組みに発展させてまいりたいと考えております。

また、部落解放同盟福岡市協議会に対する補助金につきましては、これまでの協力関係によって得られた成果を踏まえて、今後も同団体の自主的活動を支援することとしておりますが、今回の見直しにより、補助対象の明確化を図ったところであります。

市民啓発につきましては、差別意識の解消を図るため、重点的に取り組む必要があると認識いたしております。

このため、同和問題を人権問題の重要な柱として明確に位置づけ、より一層効果的な啓発事業に取り組んでまいります。

(2) 同和教育の廃止を

質問の第二点は、同和啓発、同和教育についてであります。

今日では、同和地区住民との社会交流や結婚など各分野で国民融合が大きく前進しております。したがって、本市が行う行政主導の同和啓発は逆に部落問題を固定化させるものであり、直ちにやめるべきだと思いますが、所見をお伺いします。また、同和地区の児童生徒の不就学、進学の格差などは基本的に解消しており、同和教育は廃止するとともに、同和教育の継続を図る「人権教育基本方針」の策定は行うべきではないと思いますが、併せてご所見をお伺いします。

同和教育につきましては、「同和対策協議会答申」にありますように、同和地区児童生徒と地区外児童生徒の学力格差、高等学校・大学進学率の格差など、解決すべき課題が残されており、引き続き必要な施策を推進してまいります。

なお、今後の同和教育の推進に当たりましては、仮称でございますが「人権教育基本方針」を策定し、同和教育を人権教育の重要な柱としてとらえたうえで、同和問題を始め、あらゆる人権問題解決に向けた人権教育として再構築してまいります。

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3 博多港と福岡空港の軍事利用は許されない

質問の第三は、博多港と福岡空港の軍事利用を許さない問題であります。

米国が、テロ根絶を看板にして報復戦争をアフガニスタン以外の世界に広げる動きを強め、北朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸国」だと決めつけ軍事力行使を示唆するとともに、今年を「戦争の年」にするとし、また、日本政府がこれを容認・追従する立場に立っていることは極めて重大な問題であります。市長は、自衛隊に米軍の武力行使と一体不可分の輸送・補給活動を押しつけるテロ対策特別措置法の廃止及び、有事法制定をしないよう国に要求すべきだと思いますが、所見をお尋ねいたします。また、福岡空港は、米軍機の軍事利用が強化されつつあり、市長は市民の願いである板付基地の全面返還を強く要求するとともに、博多港については、「友好・親善」「休養」「補給」など、いかなる目的であれ、米軍による博多港・港湾施設の軍事利用を許さず、「非核神戸港方式」を適用すべきだと思いますが、明確なる答弁を求めるものであります。

テロ対策特別措置法及び有事法制の制定につきましては、基本的には国防の問題であり、国の専管事項でありますが、今後の国の動向を注意深く見守るとともに、市民の安全を最優先に対応してまいりたいと考えております。

福岡空港内の米軍基地の全面返還につきましては、市議会、市、自治会、婦人会、労働団体などで組織している板付基地返還促進協議会を通して、基地の全面返還を国に対して要望しているところであり、今後も引き続き要望してまいります。

米軍艦の港湾施設の利用につきましては、入港目的が国際間の友好親善、乗組員の休養などで商船の荷役に支障がない場合は、これまでどおり対応したいと考えております。

核兵器の有無につきましては、国の基本政策である非核三原則により措置されていると考えております。

以上、私は、山崎市政の三年間を問うとともに、百三十五万市民のくらし、福祉、営業、教育、環境、平和等を守るため、「人間が人間らしく大切にされる市政」への転換を要求し、質問してまいりました。市長並びに教育長の誠意ある、かつ明確なご答弁を求めるものであります。長時間のご清聴に感謝し、日本共産党市議団の代表質問を終わります。

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