トップ > 議会報告 > 議会での発言と答弁 全文 > 倉元達朗市議の補足質疑 発言と答弁 全文

議会報告「発言と答弁」全文

>>> 「議会での発言と答弁全文」一覧へ

2026年予算議会

倉元達朗市議の補足質疑 発言と答弁 全文

音声をもとに党市議団が文字起こしし、順番などをわかりやすく組み替えたものです

  1. 教育データ連携基盤
  2. 保育
  3. 住宅政策

倉元市議私は日本共産党市議団を代表して、わが党の堀内徹夫議員の代表質疑のうち、教育データ連携基盤の構築、保育、住宅政策について補足して質疑を行います。


教育データ連携基盤

倉元市議まず、教育データ連携基盤の構築についてです。このシステムは、子どもの詳細な個人データを一元管理し活用する仕組みであり、個別最適な学びと効果的な教育施策の立案を推進するために開発されているとのことです。新年度予算には1億1970万円を計上し、小学校7校、中学校6校、特別支援学校1校で試験運用を行おうとしています。しかし、プライバシー侵害のリスクが大きいなど多くの問題があるため、わが党は中止すべきと教育長に問いただしましたが、拒否されました。本事業は、子どもの個人情報・プライバシーを大規模に集約するものであり、さまざまな問題をはらんでいるにもかかわらず、教育長はその重大性を軽くお考えのようですので、以下、質してまいります。


個人情報が守られるのか(1問目、2問目)

倉元市議まず、第一に、児童生徒の人権や個人情報が守られるのか、という問題です。当局の資料によると、このシステムは、児童生徒の学習状況や出欠、保健室の利用状況、心の健康観察などの生活面のデータを集約し、表やグラフで一覧表示するというものです。そこで、教育データ連携基盤はどのようなデータを収集するのか、答弁を求めます。

教育長教育データ連携基盤の構築についてお答えいたします。収集する教育データにつきましては、校務や学習システムなど既存のシステムから、定期テストの結果やデジタルドリルの学習状況、授業の振り返り、出欠状況、心の健康状態などを収集することとしております。

倉元市議このシステムにはさまざまな児童生徒のデータが収集されることが教育長の答弁で明らかになりました。この中で、児童生徒の「日常所見」をデータ化するということは極めて問題です。教育委員会が私に提出した、教員が見る画面のイメージ図を見てみますと、こう書いてあるんですね。「作文コンクールで大賞を受賞」「キャプテンになりました」「授業中に寝ていることがある」という記述が例として載っています。もう一つ項目があって、「日々の様子」というのを入れるところがあるんです。そこには「いじめ」とか「金銭トラブル」とか「地域トラブル」といった事例が記載されております。つまり、褒められたことだけでなく、誰がいじめた、誰が問題行動を起こしたということまでデータ化されるっていうことなんです。そこで、このような子どもの詳細な個人データを一元管理することは、プライバシー侵害のリスクがあると思いますが、ご所見をお伺いします。あわせて、データ漏えいが起こった場合、取り返しのつかないことになると思いますが、明確な答弁を求めます。

教育長児童生徒の人権や個人情報の保護につきましては、個人情報保護法をはじめとする関係法令や国の教育データ利活用に関するガイドラインなどを踏まえ、適切に運用してまいります。また利用する端末には起動時の顔認証やパスワード入力など複数認証を行い、収集するデータに関しては暗号化処理を施すなど、セキュリティ対策に万全を期すことにより個人情報の適切な管理を徹底してまいります。

倉元市議当然のことながら、未成年のデータは慎重に扱うべきであり、「教育のため」だからといって収集範囲が拡大していくことが簡単に許されていいわけではありません。EUの「デジタル環境における子どもの権利の尊重、保護及び充足のためのガイドライン」では、子どもの最善の利益に合致するなどの例外を除き、教育現場での子どものプロファイリングを禁ずべきとしています。そこで、今後さらに収集項目が増え、子どものありとあらゆる情報が一元化されることはないのか。答弁を求めます。

教育長今後のデータ収集項目については、データの活用状況や教育現場のニーズを踏まえ、必要に応じて適宜追加することも検討してまいります。


教育のあり方をゆがめるのでは(1問目、2問目)

倉元市議第二に、教育の過度な「データ化・管理化」が教育のあり方をゆがめる、という問題です。当局資料によれば、教育データ連携基盤に「分析システム」を付与することにより、複数のデータをかけあわせて、変化の要因や傾向を分析し、児童生徒の変化を把握し、適切な指導や支援に結びつけるということです。そこで、具体的にどのような事例を想定しているのかお尋ねします。

教育長分析システムについては、収集した学習面や生活面などの複数のデータを掛け合わせ、傾向や関連性を把握するための分析、いわゆる相関分析等を行うことを想定しております。例えば、定期テストの結果とデジタルドリルの学習状況との関連性を分析することで、学力の変化について、どのような学習状況との関連が見られるかを把握したり、出席状況と心の状態の変化との関連性を分析することで、長期欠席につながる恐れのある変化に早期に気づくといった活用を想定しております。このように単独データでは見えにくい状態の変化に気づくことで、子どもたちの生活状況や学習状況に応じた指導や支援につなげていくことを目的としております。

倉元市議児童生徒のデータを収集して、具体的に何をやろうとしているのかについて、教育長は欠席の多い子どもをこのシステムが知らせてくれるなどの例を述べました。しかし、一元化していない現在でも教員は、誰が休みがちで、誰が不登校の恐れがあるということは把握できるんじゃないんですか。学習の振り返り機能も同様で、今のシステムでも十分できる。むしろICT化の政策に注意を促しているのが、2023年の「ユネスコ報告」です。学校現場での過度なICT利用が、子どもの学習とその成果に影響を与えると指摘しています。欧米ではICT教育自体を見直す流れが広がっています。そこで、現在のシステムで特段不自由があるわけでもなく、情報の一元化は必要ないのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

教育長教育データ連携基盤の構築については、教育現場に散在する情報を適切に整理集約することで、児童生徒一人ひとりの状況を総合的に把握することが可能となり、より適切な指導や支援につなげることができると考えております。

倉元市議「図書館に通う回数が多い子どもには国語を伸ばそうとAIが推奨する」。こういった事例も教育委員会から受けたレクチャーで私、聞きました。しかし、数学が好きな子だって、図書館に通います。おかしな話です。データに基づいて教育を行えば、子どもの意思と違った指導が行われる可能性が出てくるのではないでしょうか。教育が人間的な関わりよりデータ中心になることを私は強く懸念します。今回、教育委員会がやろうとしていることは、学力や行動などを数値化しすぎるものです。先に述べたように、子どもの日常行動までデータ化するわけですから、子どもの権利の観点からも、看過できない問題です。まさに、子どもを「管理対象」にしてしまうものであります。教育は本来、子どもの個性や成長を大切にするものであり、データ分析に頼りすぎてはいけません。したがって、情報の一元化による教育のデータ化・管理化は、教育のあり方をゆがめてしまうのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

教育長教育データの集約についてはこれまで教員の経験に基づいて行ってきた児童生徒への指導や支援の方法にデータによる裏付けが加わることになるものと考えております。このノウハウを教員の間で共有することにより、児童生徒へのきめ細かな指導や支援が可能となるとともに、個別最適な学びと効果的な教育施策の立案にも寄与するものと考えております。


教員の負担はどうなるのか(1問目、2問目)

倉元市議第三に、教員の負担についてです。日本の教員は、世界的に見ても労働時間が長く、現在でも1日10~11時間勤務が普通であり、月80時間以上の残業も一定数いると言われており、教員の働き方の改善は急務であります。このような状況のもと、新しいシステムが学校に導入され、その負担はどれほどのものなのか、不安の声が現場から上がってきております。そこで、教育データ連携基盤の導入で、教員にシステム入力やデータ管理の仕事、データ活用における負担が増えるのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

教育長教育データ連携基盤については、教員に新たな業務を求めるものではなく、既存の校務や学習システムに既に入力されている情報を活用することで、今まで気づかなかった児童生徒の学力の変化や心の状態の変化が早期に発見できることになります。さらに情報の共有が容易になることで、管理職や養護教諭など複数の体制でより充実した支援ができることから、教員の負担軽減にもつながるものと考えております。

倉元市議システム構築に際しての教員の負担について、教育長は「逆に負担が減るんですよ」というご答弁をされましたが、この計画を聞いた教員は「夕方4時までは子どもたちが普通に学校にいる。それから残務を行うが、仕事が終わらない。職場全体で残業が当たり前になっている。さらに仕事を増やすのか」と怒ってらっしゃいました。現場の実態がわかっていないのではないでしょうか。教育のデータ化・管理化は、教員の物理的な負担を増やすだけでなく、教員のやりがいを奪っていく可能性があります。データに基づいてAIが「この生徒にはこうした方がよい」「この児童にはこんな学習を」と、次々と推奨という名の指示が出され、それに基づいて教員が授業や指導を行う。こんなことをやるために教員になったわけではない。もっと子どもたちと直接対面して教育を行いたいと思っている教員は少なくないと思います。したがって、教育のデータ化・管理化は、教員から教育の自由とやりがいを奪うことになると思いますが、ご所見をお伺いします。

教育長教育データ連携基盤については、客観的なデータを参考とすることで、児童生徒一人ひとりの理解状況や課題をより的確に把握することが可能となり、教員のやりがい向上にも寄与できるものと考えております。以上でございます。


データ連携やめるべき(3問目)

倉元市議教育長は子どもの人権について、国のガイドラインに基づいてやっておられると答弁されたんですが、国のガイドライン自体が国際的なガイドラインに比べてきわめて緩い。このことを踏まえて答弁していただきたいと思います。また、詳細な子どものデータについて漏えいすることはないとの答弁ですが、近年相次ぐデータ漏洩事件を見れば「絶対に漏れない」と断言することはできません。漏えいしたデータが進学や就労の際に利用されることがあれば、その子どもの人生を左右しかねない事態となります。教育長の答弁は、きわめて無責任な姿勢だと言わざるを得ません。また、今後データ収集項目が拡大する可能性について、これから必要に応じて増やしていくという重大な答弁をされました。子どものデータ収集は必要最小限にすべきであり、これを拡大することがあってはいけません。子どもの人権そして漏えいの危険、これを考えたらね、増やすなんていうような答弁は絶対にやっちゃいけません。さらに、データ化・管理化が教育をゆがめるという懸念についても、問題がないとのことです。また、教員の教育の自由とやりがいを奪う懸念についても同様です。まさにICT活用ありきの思考に侵されていると言わなければなりません。これまでの学校や家庭での学習記録データから、おすすめの問題が提示される仕組みを「個別最適な学び」と位置づけているようですが、子どもを対象にしたターゲティング、プロファイリングを規制・禁止する国際的動向を踏まえれば、慎重であるべきです。一人ひとりの子どもに応じる最適な働きかけは、日々の子どもの状況を受け止め、その場にいる教師によってこそ実現されるものです。データは、現場の教師が有益と判断した場合に限って補助的に活用されるべきであり、AIアルゴリズムに基づくデータ処理を前提とするプログラム構築は教育のあり方を根底から変質させます。したがって、教育データ連携基盤の構築は、教育を過度にAI主導へと変質させる恐れがあり、教育の根幹である「人格の完成」という目的をおびやかすものであり、中止すべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

教育長教育データ連携基盤は、教育データを活用することによって、教員が児童生徒一人ひとりの変化にいち早く気づき、学習指導や生徒指導などの場面において、適切な支援を行うことが可能となる重要なツールであり、福岡市の教育に大きな役割を果たすものであると考えております。今後とも、児童生徒の人権や個人情報の保護、セキュリティ対策に万全を期すとともに、令和8年度は先行運用校で検証を行うなど、9年度の本格運用に向けて取り組みを進めてまいります。以上でございます。


保育

倉元市議次に、保育についてです。2025年8月、こども家庭庁は、保育人材確保の実情を把握するために初めて実施した全国調査の結果を公表しました。保育施設の80.3%が、保育士の人材不足を感じていて、全体のうち25.3%が人材不足によって子どもを定員まで受け入れられなかった経験があると回答しています。本市でも深刻な保育士不足が続いており、背景には保育士の賃金の低さがあります。わが党は国に公定価格の引き上げを求めるとともに、実現するまでの間は、市独自で補助を行い、保育現場で働くすべての職員の賃金の底上げを市長に求めました。市長は、国が大幅に改善した、福岡市も独自の助成を行っているとの答弁をされましたが、それで十分とお考えならば、あまりにも現場の声を聞いていないと言わざるを得ません。国や本市が保育士の処遇改善を怠り、保育士不足が慢性化している中で、今、保育の質の低下が危ぶまれております。


スキマバイト保育士(1問目、2問目)

倉元市議そこで第一に、保育所等における「スキマバイト」についてです。長期契約を結ばずに自分の都合の良い「スキマ」の時間に働く人を「タイミーさん」と呼ぶ事業者が少なくないそうです。2017年に設立された。有料職業紹介会社「株式会社タイミー」が語源です。「タイミー」のアプリをダウンロードし、働きたい分野をクリックすると、同日以降の募集が閲覧できる。個人情報を登録して応募すると、メッセージが届いて、当日の持ち物や注意事項等が伝えられ、事前の手続きは完了。そして当日決められた時間、与えられた仕事をして終了すると、その日のうちに賃金が振り込まれるとのことです。そこで、このような単発・短時間労働で保育士が働いた場合、子どもとの信頼関係が構築できなくなり、保育の質の担保が取れないのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。また、このような雇用形態で働く保育士は本市にどのくらい存在するのか、答弁を求めます。

こども未来局長保育についての質問にお答えいたします。スポットワーク、いわゆる「スキマバイト」については、国の通知によりますと、「スポットワークについて、病気等のやむを得ない事情により、当日の欠勤が急きょ出た場合に活用すること等は一概に妨げられるものではないものの、子どもとの安定的・継続的な関わりが重要であるという観点からは、保育士について1~2日程度の短期の雇用を長期かつ継続的に繰り返すことは、保育所等の運営に当たって望ましくないものと考えています」と示されているところです。スポットワーク、「スキマバイト」における保育士の数についてのお尋ねでございますが、福岡市においては把握をしておりません。

倉元市議「スキマバイト」と言われる単発・短時間労働で保育園等で働く人の数について、本市は把握しておりません。しかし、今回私が保育関係者から聞いた限りでは、当たり前になりつつあるとの印象を受けています。需要と供給がともに存在するわけですから、今後増えていく可能性は避けられません。問題は、保育の質を保てるかということです。局長も、国も推奨しているわけじゃありませんという趣旨の答弁をされたんですけれども、この雇用形態は様々な問題を抱えています。保育は「信頼関係」がとても大事です。毎回違う保育士が来ると、子どもが安心しにくくなったり、特に小さい子どもは不安になることがあります。また、保育現場では、子どもの性格、アレルギー、けがの注意点、保護者との約束などを細かく把握する必要があります。単発で来る保育士は十分に情報共有できないことがあり、事故のリスクが高まる可能性があります。そこで、単発・短時間労働では子どもとの信頼関係が構築できず、安全管理上の重大な欠陥が生じるのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

こども未来局長スポットワークに関しては、国の通知に示されている趣旨について、引き続き各保育所等に周知をしてまいります。


地域限定保育士・保育士処遇改善(1問目、2問目)

倉元市議第二に、地域限定保育士についてです。議案第56号ないし58号、61号ないし65号はこれまでの条例に「地域限定保育士」を加える等の改正案であります。地域限定保育士は、待機児童の多い特定の自治体で実施される、3年間その地域内のみで働ける保育士資格であります。試験内容は通常と同じですが、実技試験が講習受講で免除され、3年経過後は全国で勤務可能です。そこで、今回なぜ地域限定保育士を本市も導入しようとしているのかをお尋ねします。

また、述べたように正規の保育士と比べて実技試験が免除されているために、保育の質が保てなくなる恐れがあると思いますが、ご所見をお伺いします。

こども未来局長地域限定保育士の導入理由については、保育士の確保が困難な中で、福岡県が令和8年度から地域限定保育士試験を実施することから、福岡市においても地域限定保育士が保育現場で活用できるように条例の規定を整備するものでございます。なお、実技試験については、保育技能の一部を確認するものであり、これを免除することのみをもって、保育の質が低下するものとは考えておりません。地域限定保育士試験は実技試験に代えて実技講習などを含む実習の受講が義務付けられており、適切な指導監査や各種研修などと合わせ、保育の質の向上を図ってまいります。

倉元市議地域限定保育士導入の理由について、保育士不足を挙げられました。しかし、これまで本市は「定員は確保できている施設もある」「採用努力で対応している」「制度改善が進んでいる」などとして、保育士不足の問題はあるものの、そこまで深刻化していないという認識でした。いよいよそうも言っていられなくなり、今回の条例改正とならざるを得なかったのではないでしょうか。対応が遅すぎると言わざるを得ません。ただ、これでいいのかという問題です。地域限定保育士導入によって、保育の質は保てるのかという問いに、局長は問題ないと答弁されましたが、先に私が述べたように、実技試験が免除されているのが地域限定保育士であり、正規の保育士と比べればスキルが落ちるのは当然です。これを問題がないと言われるのであれば、局長自身が、保育の質に対するこだわりがないと言われても仕方がありません。「保育士不足をどうやって解決するか」については、そもそも何が原因なのかを直視する必要があります。保育士不足の原因は低賃金、長時間労働、人手不足による負担増とされています。そのため、今回のように新しい制度を導入して人数だけ確保するやり方ではなく、待遇改善を行わなければ根本的な改善にはなりません。したがって、今回の地域限定保育士の導入は「対症療法」に過ぎず、抜本的に保育士の待遇を改善しなければ保育士不足は解決できないと思いますが、ご所見をお伺いします。

こども未来局長保育士の処遇改善については、近年の国による大幅な公定価格の引き上げの対応に加えて、福岡市独自に勤続手当の支給を始め、家賃補助や奨学金返済支援などの支援を行っているところでございます。

倉元市議では、新年度の取り組みで保育士不足が解消できるのか、見ていきたいと思います。市内の保育所や企業主導型保育施設等で勤務している保育士に対して、家賃や奨学金の返済支援など、保育士の人材確保に係る助成を実施するとしています。しかし、この家賃補助制度は正規保育士しか受けられず、非正規には適用されないという問題点を、わが党は以前から指摘してきました。また、先ほど住宅政策のところで述べましたが、家賃は高騰しています。今までと同じ1万円という助成額のままでよいのかが問われています。そこで、家賃補助制度は現行のままでは保育士確保策として不十分であり、拡充が必要だと考えますが、ご所見をお伺いします。

こども未来局長家賃補助を拡充すべきとのお質しについてでございますが、民間保育所で働く保育士の賃金や住宅手当などについては、本来、国が定める公定価格による給付費において賄われるべきものでございますが、家賃補助などについては、保育人材確保の観点から、福岡市独自に上乗せで助成を行っているものです。保育士の処遇につきましては、引き続き国に改善を求めてまいります。


保育園への物価高騰支援つよめよ(2問目)

倉元市議保育士の賃上げのためには、保育園の経営を安定させることが不可欠です。今、止まらない物価高騰で経費がかさみ、経営が苦しい保育園も少なくありません。物価高騰対策支援事業として、給食に係る食材費の価格高騰相当分を支援するとのことで約10億円の予算が計上されています。しかし、物価が高騰しているのは給食費だけではありません。人件費や光熱費も同様に上昇しています。そこで、物価高騰対策が給食費のみを対象としている現状は、実態と合っておらず不十分ではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

こども未来局長保育所の光熱費等については、国において物価上昇等の状況を考慮し、公定価格の引き上げが行われているところでございます。これを超える物価上昇分への対応として、これまで必要に応じ国の交付金等を活用し、支援を行ってきたところであり、引き続き国の動向や各施設への影響を注視してまいります。


市長答弁(3問目)

倉元市議この間、いわゆる「スキマバイト」と呼ばれる単発・短時間労働で保育園に従事する保育士の方に話を伺ってきました。「どんな子どもなのかわからないので、どこまで関わっていいのか判断に迷った」。この意見のように、保育の質や安全面で子どもと保育士に不安と懸念を与えています。こども家庭庁でさえ通達を出して注意喚起を行っています。しかし福岡市はどれだけそういう実態があるのかさえ掴んでないんですね。そして「保育園に注意を促していきます」っていうだけしか、今局長の答弁では、そのような到達点なんです。事実上、このようなものを容認しているのは、深刻な保育士不足が根底にあります。保育士の処遇改善には国が公定価格を大幅に引き上げることが不可欠です。局長も新年度公定価格が上がりますよということを言われたんだけれども、調べてみますと、年額平均20万円程度。月になおしたらわずかですよ。これまでの異常な保育士の低賃金から見れば、きわめて不十分です。また、本市独自の取り組みである家賃補助についても拡充するつもりはないとの答弁です。本市では、一般的なワンルームや1LDKの家賃は4万5千円から9万円前後が相場です。現在の月額1万円の補助では、保育士確保策としての実効性や魅力が薄れているのではないでしょうか。さらに、保育園への物価高騰対策についても、食料品以外は対象にしないということです。またこれまで補正で数々の国の交付金を使って援助してきたと言われるんだけど、その都度私たちも議会で議論してきましたが、私も保育園で実際に園長先生とかに聞いてきたけど、「この支援だけじゃとても足らない」っていう声がいつも出されるわけですよ。現場の実態をみていない答弁だと言わなければなりません。これまで国と本市は、保育士が足らなくなれば規制緩和を行い、根本的な解決ではなく、対症療法でごまかしてきました。そのツケが保育の質の低下を招き、子どもにとっても保育士にとっても何一つ良いことがない状態が続いています。この悪循環を断ち切ることが必要です。したがって、国に公定価格の引き上げを求めるとともに、実現するまでの間は、市独自で補助を行い、保育現場で働くすべての職員の賃金の底上げを図るとともに、家賃補助事業、物価高騰対策の拡充に取り組むべきと思いますが、市長のご所見をお伺いします。

市長誰もが安心して子どもを生み育てられる環境づくりにおいて、保育の質の向上は大変重要であり、保育人材の処遇改善のため、国による公定価格の大幅な引き上げの対応に加えて、福岡市独自に勤続手当の支給や家賃の助成などの支援を行ってきたところでございます。引き続き、保育人材の処遇改善や保育所等の物価高騰対策について国に対し必要な要望を行ってまいります。今後とも次代を担う子どもたちが健やかに成長していけるように、子育て環境の充実に努めてまいります。


住宅政策

倉元市議次に、住宅政策についてです。民間のレポートによれば、福岡市の家賃は2025年頃、前年比で10%以上上昇するケースが報告されております。また、2026年初め時点では、2025年から約15~17%上昇したという分析もあります。さらに、不動産調査でも福岡市は全国主要都市の中で家賃上昇が目立つ都市とされています。こうした中、「家賃の上昇が家計を圧迫している」という相談をよく耳にするようになりました。代表質疑でわが党は市長に「収入が年金のみの世帯、学生を含む低所得の単身者、高齢単身女性、シングル子育て世帯等に対しての家賃補助制度を創設すべき」と求めましたが、冷たく拒否されました。その上で、新年度に市長が提案しているのが「子育て世帯市内引越し応援事業」「三世代同居・近居住替え支援事業」であります。市内在住の子育て世帯が市内で住み替える場合に、住居取得費や家賃、引っ越し費用を助成する制度であり、建築費の高騰や地価上昇で手が出しづらくなっているマイホームの取得を後押ししようというのが理由であります。


地価高騰の要因は(1問目、2問目)

倉元市議そこでまず、この制度創設の一因となった地価の高騰は、市長が自ら推進してきた天神ビッグバンなど都市政策によるものだと思いますが、ご所見をお伺いします。

住宅都市みどり局長住宅政策に関するご質問にお答えいたします。住宅価格の上昇につきましては全国的な状況であり、その要因としては建築資材や人件費、地価の上昇などがあると認識しております。福岡市の地価の上昇には、人や企業の流入、景気の回復、交通インフラの拡充など様々な要因があると認識しております。また、天神ビッグバンをはじめとする都心部のまちづくりについては、耐震性の高い先進的なビルへの建て替えを促すことで災害に備えると同時に、新たな雇用や空間、税収を生み出し、福岡市の成長を牽引するものであり、安定的な財源が確保されることで持続的な市民生活の質の向上に寄与するものと考えております。

倉元市議地価上昇を招き、福岡市を住みにくいまちにしてしまったのは誰なのかという問いに対し、いろいろと言い訳をされました。しかし、市長が進めてきた天神ビッグバンや博多コネクティッドなど、都心の再開発、規制緩和、企業誘致が地価上昇を加速させたことは明らかです。にもかかわらず、福岡市に住みにくくなったことへの対策として、「子育て世帯市内引越し応援事業」や「三世代同居・近居住替え支援事業」を行うというのは、自らの都市政策によって生じた問題を、別の支援策で埋め合わせしようとしているものと言わざるを得ません。したがって、このような支援策を打ち出す前に、まず市長自ら進めてきた都市政策そのものを検証し、見直すことこそ必要ではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

住宅都市みどり局長福岡市の施策につきましては多くの市民とともに策定した福岡市基本計画に基づき市民ニーズや社会経済情勢の変化等も踏まえ実施することといたしております。「子育て世帯市内引越し応援事業」と「三世代同居・近居住替え支援事業」については住宅価格や家賃が上昇している状況などを踏まえ新たな支援を行うこととしたものでございます。


子育て世帯以外への住居支援策は(1問目、2問目)

倉元市議支援対象の子育て世帯で経済的に厳しく、支援を求めておられる方が一定いることは承知しますが、他にも、子育て世帯以外にも住居を維持することに困難を抱えている人たちが大勢いらっしゃいます。したがって、子育て世帯や三世代同居世帯に限定している今回の支援対象はきわめて狭く、不十分であると思いますが、ご所見をお伺いします。

住宅都市みどり局長子育て世帯につきましては、子どもの成長や子どもの数の増加等により住宅の取得などの住み替えを考える機会が多い中、住宅価格や家賃の関係から福岡市に住み続けられるかどうかを心配する声もございます。福岡市に住み続けたい子育て世帯が住み続けられることは重要と認識しており、住み替えに当たり福岡市に住み続けるという選択を後押しするため支援の対象としております。

倉元市議子育て世帯を支援すること自体は重要ですが、それだけでは著しい不公平が生まれるのではないでしょうか。実際に家賃の高騰や住居費の負担に苦しんでいるのは、単身世帯、高齢者のみの世帯、低所得の若者などです。単身世帯はこの福岡市内で52%と半数を超えています。また、福岡市では低所得世帯が4割にのぼるとも言われています。こうした方々への支援こそ必要ではないでしょうか。しかも今回の事業は、持ち家取得を前提とした制度であり、比較的経済的に余裕のある層に向けられた制度となっています。そこで、住居費に困っている人に対する支援や、賃貸世帯も含めた公平な住宅支援こそ求められていると思いますが、ご所見をお伺いします。

住宅都市みどり局長住まいの確保につきましては、世代や属性を問わず福岡市に住み続けたい世帯が住み続けられることは大切なことだと認識しております。今回の事業は、住み替えを考える機会の多い子育て世帯に安心感をもたらすことができるものと考えております。高齢者や低額所得者などの住宅確保要配慮者の住まいの確保に当たっては入居を断らないセーフティネット住宅をはじめ、見守り付きの居住サポート住宅の供給促進や経済的支援、住まいサポートふくおかなどによる入居支援や生活支援など幅広く支援しており、引き続きしっかりと取り組んでまいります。


三世代同居は特定の家族観の押し付けだ(1問目、2問目)

倉元市議三世代同居・近居を条件にした理由について答弁を求めます。

住宅都市みどり局長三世代同居・近居は核家族化や地域コミュニティの希薄化などにより、孤立した子育てが増加していることを踏まえ、子育てを手伝える体制づくりが重要と認識しており、住宅施策における取り組みとして支援の対象としております。

倉元市議三世代同居・近居を条件にした理由については、子育ての孤立を防ぐためなどの説明がありました。しかし、三世代同居や近居を促す制度は、家族のあり方を行政が一定の方向に誘導しているようにも見え、強い違和感を覚えます。また、家族に介護や子育ての役割を押し付けようとしているのではないかという懸念もあります。そこで、三世代同居の誘導は特定の家族観を前提とした政策であり、行政が進めることとして適切なのか、改めてお伺いします。

住宅都市みどり局長三世代の同居・近居につきましては、国において住生活基本計画の見直しが検討される中で、子育てをしやすい居住環境の充実に資する施策の一つとして位置づけられております。また核家族化や地域コミュニティの希薄化などにより、子育てが孤立しないよう福岡市として様々な施策に取り組む中での選択肢の一つとして、祖父母等が子育てを手伝える体制づくりは重要と認識しており、三世代の同居・近居を希望する世帯に対し支援を行うものでございます。


市長答弁(3問目)

倉元市議三世代同居の誘導への懸念について否定されますが、子育てや介護は公的サービスを基本に行われるべきであり、間違ったメッセージを市民に送ることがないように釘を刺しておきます。さて、先日70代の方からお話を聞きました。「最近まで仕事をしてきたが、体調が思わしくなく、年金だけが収入となった。家賃は月5万円。住居費が大きく、これからが不安だ」と語っておられました。また30代の女性の方も「家賃の負担が大きい。いつ家賃値上げの話が来るか不安」と言われていました。このように、住居にまつわる不安を多くの市民が抱えています。にもかかわらず、新年度の予算にはこのような課題に対応する施策は見られません。子育て世帯への支援を否定するものではありませんが、高齢者や若者など支援が必要な層に対して支援がなされていない。まるで意図的に分断を煽るかのようなやり方はやめるべきです。そこで、支援の必要がある人に向けた住宅政策を行うために、収入が年金のみの世帯、若者・学生を含む低所得の単身者、高齢単身女性、シングル子育て世帯等に対しての家賃補助制度を創設すべきだと思いますが、最後に市長のご所見をお伺いして、私の質疑を終わります。

市長住宅確保要配慮者の居住の安定につきましては、住宅市場全体で対応しており、引き続き居住支援協議会における入居支援や生活支援、住替え助成などの様々な支援に取り組んでまいります。令和8年度からは、セーフティネット住宅と同じく、居住サポート住宅にも家賃低廉化補助を含む経済的支援を行うとともに、子育て世帯が福岡市に住み続けられるよう、「子育て世帯市内引越し応援事業」と「三世代同居・近居住替え支援事業」を新たに実施することとしております。今後とも、高齢者や低額所得者、子育て世帯など、特に配慮が必要な皆様の状況を踏まえながら、誰もが安心して住み続けられる住環境づくりに取り組んでまいります。以上です。

>>>「議会での発言と答弁全文」一覧へ戻る

2026年予算議会 一覧

教育ゆがめるデータ一元化の中止、保育士処遇改善と家賃補助求める(2026年3月6日 倉元達朗市議の補足質疑)

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ