議会報告
2025年予算議会
学校司書の全校配置、教員の長時間労働是正、
加齢性難聴者の補聴器購入助成、非核平和都市宣言を求める
2025年3月21日 堀内徹夫市議の総会質疑

日本共産党の堀内徹夫市議は、2025年3月21日に条例予算特別委員会の総会質疑に立ち、資格を持った学校司書を全校配置すること、教員の長時間労働是正のために抜本的増員を行うこと、認知症予防などのために加齢性難聴者の補聴器購入助成制度を創設すること、被爆者の悲願である非核平和都市宣言をおこなうことを求めました。
福岡市の小中学校の図書室には週に1回ほどしか学校司書が来ません。司書がいなければ、子どもたちが図書室を十分に活用することができず、読書の習慣も定着しません。新年度、市は司書を増やすと言っていますが、全校配置にはなっておらず、「無資格」で専門性を持っていない司書も認める方針です。堀内市議は、学校司書に専門性がなければ、子どもたちが適切な図書館教育を受けられないと指摘。そして、司書をサポートする「支援員」を入れるというが、有償ボランティアで週に1回しか入らず、根本的な解決にはならないと批判し、資格を持った司書を正職員として雇用し早急に全学校に配置すべきだと要求しました。教育長は無資格でも問題ないという無責任な答弁を繰り返しました。
教員の長時間労働が社会問題となっています。福岡市の中学校教職員では2023年度、平均残業時間が1日1時間半、過労死ラインをはるかに上回る月100時間を超える方が8%もおられました。新年度から若干給与が改善されますが、残業代が全く出ないという「定額働かせ放題」状態は変わりません。堀内市議は、市が新年度予算で拡充するとしているスクールソーシャルワーカーや不登校生徒を支援する教育支援員についてただしましたが、大事な職種であるにもかかわらず、わずかな人員増であり、教員の長時間労働の是正には役立たないことがわかりました。堀内市議は、長時間労働是正へ、教員自体の人数を抜本的に増やし、教員一人当たりの授業のコマ数を減らし、1クラス30人、さらには20人へと少人数学校を実現するべきだと求めました。教育長は小手先の対応策ばかりを並べたてながら、国任せの姿勢に終始しました。
高齢になり難聴が進むと、人付き合いがおっくうになってきます。また、認知症のリスクも高くなります。この加齢性難聴に有効なのが補聴器ですが、高額であり、購入をためらう人も多い状況です。そこで、全国では東京都と381自治体で購入助成がおこなわれています。しかし、福岡市は「誰の身にも起こりうること」という理由で実施を拒んでいます。堀内市議は、山形市などが国の交付金を使って購入助成をおこなっている例を示し、今こそ加齢性難聴者の補聴器購入助成をやるべきだと求めました。市長は国の動向を注視すると述べるにとどまり、購入助成実施には背を向けました。
日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞し、世界的に核兵器廃絶の運動が大きく高揚しています。しかし福岡市は、被爆者や市民、高校生が繰り返し求めているにも関わらず、いまだに非核平和都市宣言を拒否し続けています。堀内市議は予算議会で、市長が拒否する3つの理由について、それぞれただしました。①市議会が「平和都市宣言に関する決議」をあげているからというが議会と行政は別であること、②市の「アジア太平洋都市宣言」にある「平和」という文言に核兵器廃絶という意味があるというが「平和」と「核兵器」は別問題であること、③市の基本構想に書かれた「日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献」が「非核平和都市宣言」と同じだというのは詭弁であること。いずれも従前の屁理屈を繰り返しているだけにすぎず、全く理由になっていないことがこの質疑で明白になりました。堀内市議は、世界の核兵器廃絶に向けた流れをさらに大きくするためにも直ちに非核平和都市宣言をするべきだと訴えましたが、市長は理由にもならない言い訳を繰り返し、被爆者の悲願である宣言を冷たく拒否しました。