議会報告
2025年予算議会
避難所等の改善求め、「みどり豊かなまちづくり」のあり方や
都心開発による住居確保困難問題を問う
2025年3月19日 中山郁美市議の総会質疑

日本共産党の中山郁美市議は、2025年3月19日に条例予算特別委員会の総会質疑に立ち、避難所環境と被災者支援策の抜本改善を求め、市が推進する緑化事業などの「みどり豊かなまちづくり」のあり方や都心開発による地価上昇が家賃高騰を招いている問題についてただしました。
福岡西方沖地震から20年。この間、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、全国で大規模災害が頻発していますが、市の避難所環境や被災者支援策はその教訓が生きるものにはなっていません。能登半島地震では発災当初、人口比で24%の人が避難しましたが、市の地震の想定避難者数は人口比でわずか1.5%。その数を元にしている食料や水、トイレ、ベッド、プライバシー確保のためのパーティションなどの備蓄数はあまりにも不十分です。市は足りない分は協定を結んでいる企業や他自治体、国から送られてくると言いますが、地震で道路が寸断されればそれも期待できません。中山市議は、早急に避難者数の想定を見直し、避難所環境を改善することを要求。あわせて、国の支援が何もない、一部損壊した被災家屋について市の独自支援を創設することを求めました。
髙島市長は今年度予算の目玉施策として「みどり豊かなまちづくり」を掲げています。都市の緑化を推進すると言いますが、この間、街路樹や公園樹木の大量伐採が進み、逆に緑が減っています。中山市議は質疑の中で、市が緑化の目標を持っていないことを明らかにし、この施策は本気で樹木を増やすことが目的ではなく、イメージ戦略の一つにすぎず、天神ビッグバンなどの巨大ビル開発による環境破壊をごまかす隠れ蓑にすぎないと喝破。わずかな緑化で市民を欺くことは許されないと指摘しました。また、市長が前のめりで進めようとしている「福岡フラワーショー」について、緑や花を観光客集めや市の知名度アップの手段にしていると批判し、緑化や「一人一花運動」は真に環境に寄与し市民生活の向上につながるものにすべきだとただしました。さらに中山市議は、緑や花を利用した都心開発を進めるうえで、造園業界との不適切な関係が生じる懸念を表明。税金の詐取事件などの問題を繰り返し起こしている造園会社が多数の公共事業を受注している事実を暴露し、これは政治資金パーティー券を買ってもらうなど市長と「馴れ合い関係」だからではないかと指摘しました。市長は「適切」だと言いながらも疑惑に対してまともに答えず、中山市議は、市長の思惑で市政を特定の業界優先にゆがめることは許されないと批判しました。
天神ビッグバンなどによって巨大ビル建設が誘導され、都心開発が進んだ結果、この10年間で市内の地価は住宅地で1.8倍、商業地で2.5倍に跳ね上がっています。それに伴い固定資産税や家賃が高騰し、市民から悲鳴があがっています。中山市議は、大企業応援と都心開発に偏重した高島市政のもとで、福岡市が「庶民は住めない街」に変えられてしまったと指摘。安価な市営住宅を抜本的に増やし、家賃補助制度の抜本的拡充を図ること、そして市民から住まいを奪う根本原因となっている天神ビッグバンなどの都心開発路線をやめるよう求めました。市長は市営住宅増設や家賃補助拡充に背を向け、引き続き都心開発路線に突き進む姿勢をあらわにしました。