議会報告
2025年予算議会
九大ファンド、中小企業や福祉施設等の物価高騰対策、
こども誰でも通園制度を問う
2025年2月17日 堀内徹夫市議の議案質疑

日本共産党の堀内徹夫市議は、2025年2月17日に福岡市議会の議案質疑に立ち、九州大学に5億円もの税金を投入する「九大ファンド」について、中小企業や介護・福祉施設、保育所の物価高騰対策について、保育関係者に不安の声が広がっている「こども誰でも通園制度」について質疑をおこないました。
福岡市は「新たな産業や雇用の創出につなげる」といって、九州大学から求められるままに、九州大学の子会社が設立した「九大イノベーションチャレンジファンド」に5億円もの市民の税金を出資しようとしています。市は、出資によって民間資金を呼び込み、半導体など「成長性の高い」研究開発型のスタートアップを持続的に創出するといっていますが、そもそも「スタートアップ事業」は雇用や税収の成果が不明瞭であり、地域経済への影響もわからないものです。堀内市議は、そのような不確かなものに市民の税金を投入することは問題があると批判。また、仮に大学への支援だったとしても、「九大だけ」「成長性の高い分野だけ」に限定したものであり、不平等だと指摘し、大学への支援というならば、学生の学費や奨学金の返済にこそ支援すべきだと主張しました。市は「新たな産業や雇用の創出につなげる」と繰り返すのみで、批判に一切耳を傾けようとしませんでした。
物価高騰に苦しむ中小業者や介護・障害者施設、保育所などに対し、市は国の交付金を使って電気代などの価格高騰分の支援を行おうとしています。しかし、資材や食材など様々なものが値上がりしている現場の実態からすればあまりにも少ない金額です。また、堀内市議が調査したところ、介護・障害者施設や保育所への支援について、その価格高騰分の算定根拠は県に準じるとなっていますが、その県の算定はすでに物価が大きく上昇していた昨年3月と昨年夏を比べたものであったことが判明。堀内市議は、まったく実態に合っていないと批判し、国に対して大幅な追加支援を求めるべきだと要求しました。また、堀内市議は、2024年度の税収が想定以上に増えており、そのうちの80億円を市有施設の維持管理の財源に積み立てようとしていることを指摘し、不要不急の積み立てよりも、緊急に必要な物価高騰対策に振り替えるなどして、市独自の支援を拡充すべきだと求めました。市長は、必要に応じて国に要望すると答弁しました。
保護者の就労状況に関わらず保育所などを週1回程度利用できる「こども誰でも通園制度」に対し、保育関係者の中に不安の声が広がっています。この制度によって、毎日通園している在園児の集団の中に日替わりで新しい子が入ることで、預けられる子どもにとっても、在園児にとっても、保育士にとっても、大きなストレスが生じます。さらには、今回提案された条例案では、資格を持つ保育士は職員の半分以上でよいとされており、これでは子どもたちの命を預かり発達を保障することができなくなります。堀内市議はこのことを指摘し、現状のままではこの制度を開始できる状況にはなく、実施すべきではないと質しましたが、市長は何も問題がないかのような態度に終始しました。