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議会報告
2024年度決算特別委員会
トラブル続きのマイナ保険証や不十分な市の防災体制ただし、
ヘイトスピーチ対策求める
2025年10月6日 堀内徹夫市議の総会質疑

2025年10月6日、日本共産党の堀内徹夫市議は2024年度決算特別委員会の総会質疑で、市が国と一体となって推進しているマイナ保険証が医療機関の窓口などで多大な混乱をもたらしている問題についてただし、東区香椎川の洪水対応で明らかとなった市の防災体制の不十分さについて指摘し、本市で行われた外国人へのヘイトスピーチの実態を示して踏み込んだ対策を求めました。
市は国と一体となってマイナ保険証を推進していますが、医療機関の窓口では様々なトラブルが起こるなど混乱が広がっています。マイナンバーカードの身分証明データ(電子証明書)が更新されておらず、病院から医療費10割負担を求められたために、患者が診察を受けずに帰ったという例も報告されています。堀内市議は福岡県保険医協会が行ったアンケート結果も使ってこれらの問題点を指摘し、多くの医療機関が紙の保険証でトラブル対応していると回答していることを紹介。市としてすべての国保加入者に資格確認書を交付し、国に対して紙の保険証復活を求めるよう要求しました。市長はマイナ保険証のメリットばかりを並べ立て、現場の混乱にはまったく目を向けない無責任な態度をとりました。
8月の豪雨により洪水被害が起こった東区の香椎川では、8月10日の午後から「高齢者等避難」を発令すべき「避難判断水位」を何度も超えていたにも関わらず、市は全く避難情報を出していませんでした。それどころか、17時半には「避難指示」を発令すべき「氾濫危険水位」を超えたのにすぐに避難情報を出さず、1時間後になってようやく「避難指示」を発令するありさまでした。堀内市議は、市の地域防災計画には河川の水位が上昇し基準に達したら避難情報を出すべきだということが明確に書かれていることを指摘し、今回避難指示をすぐに発令しなかったのは市の重大なミスであると告発しました。また、堀内市議は防災体制強化を要求するとともに、豪雨災害の最中に、災害警戒本部の責任者である高島市長も危機管理監もほとんど市役所を不在にしていた問題について、責任者不在が今回のミスを引き起こしたことを猛省すべきだと求めましたが、市長は全く反省しませんでした。
福岡三大祭りの一つである放生会(ほうじょうや)会場の近くで、極右団体によるイスラム教徒に対するヘイトスピーチが行われました。ヘイトスピーチはそれを受けた人の尊厳を傷つけるだけでなく、放置すれば社会的排除や暴力を正当化することにもつながってしまいます。堀内市議はこのことを指摘し、市長自ら「ヘイトスピーチは許さない」と宣言し、規制する条例をつくるなど、市として踏み込んだ対策を行うよう求めました。市長は「全ての人の人権が尊重される街の実現に向けた取り組みを進める」と述べるにとどめ、「許さない」とは宣言せず、規制する条例制定にも踏み込みませんでした。