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2024年度決算特別委員会

綿貫康代市議の総会質疑 発言と答弁全文

音声をもとに党市議団が文字起こししたものです

  1. 舞松原地域の水害
  2. 子どもの貧困問題
  3. 保育士配置基準と保育調理員待遇改善

綿貫市議私は日本共産党市議団を代表して、舞松原地域の水害について、子どもの貧困対策について、保育士配置基準・保育調理員の待遇改善について質問を行います。


舞松原地域の水害

綿貫市議まず初めに、東区舞松原地域の水害についてです。8月9日から断続的に降り続いた雨は、10日の夕方には線状降水帯が発生し85mmの雨量となりました。この地域は、2023年7月の豪雨で浸水しています。私は、その年の9月議会で、2009年以降の12年間に4回にわたり浸水や道路冠水が繰り返されている地域であるとして、対策を求める質問を行いました。そこでお尋ねしますが、舞松原地域の水害対策の決算額を伺います。

道路下水道局長舞松原地区における浸水対策の令和6年度決算額につきましては、雨水幹線内の土砂浚渫のための清掃業務委託費として約3680万円、浸水対策の検討業務委託費として約2070万円となっております。以上でございます。

2025年8月10日/舞松原地域で内水氾濫

綿貫市議ここで写真を紹介します(パネル)。これは8月10日の舞松原地域で内水氾濫により道路が川のようになっている様子です。撮影されたのは、ご自身の店舗が床下20cmの浸水被害に遭われた布団屋さんです。30cm以上水位が上がっており、まともに歩けない状況です。お尋ねしますが8月10日の舞松原地域において、このような内水氾濫が起きたことを把握しているのか、答弁を求めます。

道路下水道局長舞松原地区における8月10日の浸水被害の聞き取りにつきましては、状況につきましてはですね、現地調査や地元住民への浸水状況の聞き取り、市への通報等により把握をしておりまして、9月17日時点で住家の床下浸水6棟、店舗浸水22件の他、道路冠水などの浸水被害を確認しております。以上でございます。

綿貫市議被害状況を正確につかむ努力がされているとは言えないと思います。現地で私が状況を伺った飲食店は、松崎第1雨水幹線と松崎第11雨水幹線に挟まれた場所にあるのですが、両方の雨水幹線からの溢水で玄関の浸水と、一番奥の部屋にある掘り炬燵式の席の中にまで水が入り込みました。厨房の中にある排水路からも水があふれたとのことです。その隣の電気屋さんも同じく両方の雨水幹線からの溢水で倉庫が浸水する被害に遭っています。そこで何度も起きている地域ですから、本気で対策を講じる上でも、1軒1軒訪問してお話を伺い、住民の被害の把握に努めるべきと思いますけれども、ご所見を伺います。

道路下水道局長浸水被害の把握につきましては、浸水エリアや深さなどを把握し、浸水原因の特定や今後の浸水対策を検討していくことを目的として、現地調査や地元住民等への聞き取りを実施しております。また、市に通報のあった浸水被害に関する情報を確認・精査するなど、浸水被害状況の把握に努めております。以上でございます。

綿貫市議物理的には水害の全体の状況を把握すること、これ当然なんですけれども。繰り返す災害による住民の生活へのダメージも、行政としてつかむ必要があるのではないでしょうか。関係局が連携して被害の把握に取り組まれることを求めておきます。またこの地域はこれまで何度も水害に見舞われているのに、ハザードマップには掲載されていません。なぜなのか答弁を求めます。

道路下水道局長福岡市では浸水に関わるハザードマップとして現在、洪水、高潮、津波のハザードマップを公表しており、当該地区については高潮ハザードマップで浸水地区と示されているところでございます。また、令和7年度末までに福岡市内の公共下水道区域全体を対象として、内水ハザードマップの元となる最大規模の降雨を想定した浸水想定区域図を作成することとしております。なお、当該地区を含む過去の浸水の履歴につきましては、福岡市ホームページでの公表に加えて、市役所での閲覧も可能としております。以上でございます。

綿貫市議私は2年前に被害にあった放課後デイサービスの施設の方から、「ハザードマップではわからなかった、水害常習地帯とわかってたら、ここで開業しなかった」との訴えがあったことを質問で紹介をしました。この地域の内水ハザードマップを急いで作るべきと思いますが、ご所見を伺います。

道路下水道局長内水ハザードマップにつきましては、今後作成される浸水想定区域図をもとに、避難所や避難方法等の情報を加え、校区ごとに作成することとしております。以上です。

綿貫市議ようやく内水ハザードマップ作るということですけれども、遅すぎる対応です。内水氾濫は河川が近くにない場合でも起きる都市型の水害です。何度も水害を繰り返す地域や、またはその地域に住居や職場を移す市民にとって大事な災害情報です。急ぎ作成し、関係地域への周知を行うべきと求めておきます。では今後、この地域の水害を防ぐためにどのような対策を行おうとしているのか、答弁を求めます。

道路下水道局長舞松原地区につきましては平成11年6月の浸水被害を受けて「雨水整備Doプラン」の重点地区に位置づけ、雨水幹線などの整備を行うとともに、更なる浸水被害の軽減のため、これまで水路に設置されたスクリーンの目幅を広くする改良や、雨水幹線内に堆積した土砂の撤去などを行ってまいりました。その後、令和5年7月の浸水被害を踏まえ、早急に追加対策の検討を行い、現在、一部の雨水の排水経路を変更する工事を進めております。以上でございます。

綿貫市議松崎第13雨水幹線の改良工事をね、行っていると伺っています。2本の雨水幹線が新たに作られるということですが、これがどのような効果があるのかお尋ねをいたします。

道路下水道局長雨水の排水経路を変更することで、浸水エリアを流下する雨水幹線への流入量、これを削減する効果があります。以上でございます。

綿貫市議松崎第13、雨水幹線の改良で、今回被害のあった地域の浸水は防げるのか、お尋ねをいたします。

道路下水道局長舞松原地区につきましては、地形的に今回浸水したエリア周辺に水が集まりやすくなっているところでございます。この浸水エリアへの雨水流入量を削減する対策が有効と考えております。そのため現在進めている工事により、この地区の浸水被害の軽減が図られるものと考えております。以上でございます。

綿貫市議いろいろ言われましたけれども、防げるという確証はありません。足りないということだと思いますけれども、さらに対策を講じなければならないと思います。例えば舞松原小学校や若宮小学校などのグラウンドや公共の土地、また、協力してくれる民間の土地を利用して、雨水流出抑制を行うべきではありませんか、ご所見を伺います。

道路下水道局長雨水流出抑制につきましては、平成20年度に雨水流出抑制指針を策定しており、道路や公園、学校など福岡市の公共施設全体を対象に各施設管理者が新設や再整備を行う際に、雨水流出抑制施設を積極的に導入することとしております。民間用地につきましては、開発行為に該当する場合は、福岡市開発行為の許可等に関する条例に基づき、開発区域下流側の水路や河川の排水能力に応じて、調整池や浸透枡などの雨水流出抑制施設の設置を義務づけております。また、雨水流出抑制施設助成制度に基づき、市民や事業者に対し、雨水貯留タンクや雨水浸透施設を設置する費用の助成を行っております。引き続き、雨水流出抑制施設の導入を促進してまいります。以上でございます。

綿貫市議雨水流出抑制の効果について否定されませんでしたけれども、具体策はありません。これでは来年、再来年とまた同じことを繰り返します。早急に行うべきです。このように繰り返される被害は直接暮らしや営業に打撃を与えています。先ほど紹介した布団屋さんは、床下20cmの浸水で直接商品に被害はありませんでしたが、掃除や消毒のため3日間店を閉めました。多々良中の交差点近くの八百屋さんは、同じく床下浸水ですが、商品の多くが被害に遭い、5日間店を閉めざるを得ませんでした。大幅な収入減です。そこでこのような被害に遭った場合、本市の災害見舞金の適用あるのか、答弁を求めます。

福祉局長災害見舞金につきましては、自然災害や火災などによりお住まいに被害を受けた市民に対しお見舞いとして支給しているものであり、今回の大雨に伴う災害においても、被害の程度に応じて全市で3件支給しております。以上でございます。

綿貫市議床下浸水では何もありません。つまり私が紹介した被害を受けた方々はどなたも災害見舞金の対象外です。しかし先ほど述べたように、日々の暮らしと営業に損害をこうむっています。床下浸水であっても、行政として支援を行うべきと思いますけれども、ご所見を伺います。

福祉局長災害見舞金につきましては、床上浸水や半壊・全壊などの被害を対象としており、福岡県や他の政令指定都市においても同様の取り扱いとなっております。以上でございます。

綿貫市議繰り返される災害に、市民生活を支援しようという気が全くない冷たい答弁です。見てきましたように8月10日の舞松原地域の水害は、2年前に被害に遭った方々がまたもや同じ被害に遭うという事態になっています。2009年から6回も浸水被害が繰り返されているのに、雨水流出抑制は新設や改良の時期になどと言って対応してこなかったために、新たな被害を生んでいます。何度も繰り返す浸水被害をその都度役所に訴えてきたと話す地域の皆さんは、人災だと憤っておられます。しかし本市には抜本的な対策も市民への独自の支援もありません。そもそも市長は香椎川の氾濫の件でも現場に任せっきりで、被災者に寄り添う気持ちは全く見られません。舞松原地域のことも全て被害者任せで、自ら何かやろうという気持ちが全くうかがえません。災害対策基本法で市町村の責務は「住民の生命、身体および財産を保護するため」として、「市町村の有する全ての機能を十分に発揮するように努めなければならない」と定めています。市長の対応は、このような事例からは程遠いものだと言わざるを得ません。したがって、被害の正確な実態把握を行うとともに、水害を防ぐための雨水流出抑制などの抜本的な対策、災害見舞金などの市独自の支援に直ちに取り組むべきと思いますが、市長の答弁を求めます。

市長近年集中豪雨は全国的に増加傾向にあり、市民の安全・安心を守るため、豪雨災害への対策は大変重要であると認識をしています。福岡市では「雨水整備Doプラン」や「レインボープラン」によって浸水対策に取り組み、浸水の安全度を着実に向上させているところでございます。なお災害見舞金につきましては、被害の程度に応じて支給をしております。今後とも、下水道による浸水対策を推進するとともに、雨水流出抑制施設の導入を促進するなど、災害に強いまちづくりに着実に取り組んでまいります。以上です。

綿貫市議水害常習地帯の方々の苦労や切実な要望に応えるべきです。支援を強く求めて、子どもの貧困問題に移ります。


子どもの貧困問題

綿貫市議厚生労働省の調査によれば、子どもの相対的貧困率は11.5%で、およそ9人に1人が貧困状態にあり、特にひとり親世帯では44.5%と高くなります。認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンの調査によると「1日2食以下」の子ども、長期休みは2.5倍に増加という結果が出ています。食事の確保を給食に頼っている家庭では、「食のセーフティーネット」が失われることで食事の回数が減り、子どもの成長などへの影響も心配をされています。そこでまず、子どもの貧困対策の推進に関する決算額はいくらで、その内訳はどのようなものですか。答弁を求めます。

こども未来局長こども未来局における主な事業の決算額でお答えいたしますと、子どもの食と居場所づくり支援事業2923万円余、貧困の状況にある子どもを支えるネットワーク構築1500万円、子ども習い事応援事業3億8142万円余となっております。以上でございます。

綿貫市議本市が2022年に行った「子どもの生活状況等に関する調査」では、世帯収入が低いほど「経済的理由で支払いができなかった」問題が浮き彫りになっています。収入が300万未満の世帯で、「塾・習い事の月謝」が経済的理由で払えなかったとする回答が33.5%にも上っており、次いで「子どもに必要な衣類」が22.9%、「スポーツクラブの月謝」が15.1%、さらに注目すべきが「家族が必要とする食料」が14%で、他の収入別世帯と比べても群を抜いています。そして、ひとり親とふたり親の世帯で比べた場合も、ひとり親の方が極めて高い数値になっているのが特徴です。ある4人の子育て中のシングルマザーの方は、就学援助を受けていたが、修学旅行費は一旦立替払いをしなければならず、それができないためにお子さんを修学旅行に行かせてやれなかったと話しており、さらに同じような世帯が学年に数人いるとも話していました。したがって、市内でも少なくない子どもがこのような貧困に喘いでいると思いますが、本市のご所見を伺います。

こども未来局長物価高騰の影響は長期に渡っており、支援が必要な家庭は依然として厳しい状況が続いていることから、引き続き、関係局が連携して子どもの貧困対策に取り組んでいくことが重要と考えております。以上でございます。

綿貫市議本市でも子どもの貧困は本当に深刻な問題です。幼児から中学生まで3人の子育てをしているシングルマザーの方は、アルバイトをしながら自立を目指し美容師の資格を取りましたが、正規採用がなく、パートと児童扶養手当で生活しています。生活に困窮しているのでダブルワークを始めたのですが、体を壊しそうになり断念したため、困窮から抜け出せておりません。本市にはこのような子どもの貧困が多々あります。実態調査などは行われているのか、ご所見を伺います。

こども未来局長貧困には様々な側面があることから、生活実態に即した施策を展開していくことが重要と考えており、平成28年度と令和3年度において「子どもの生活状況等に関する調査」を実施しております。引き続き実態等の把握に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

綿貫市議2022年以降は、調査はされていないということだと思います。市が自ら実態を把握し対策につなげる必要があります。世田谷区では子どもの貧困率や実態の調査を行い、子どもの貧困対策計画の方向性を示しています。世田谷区子ども・若者総合計画(第3期)に内包されています。その中で、貧困層を規定する「生活困難層」という考え方を示して、1つ目に低所得、2つ目に家計の逼迫、3つ目に子どもの体験や所有物の欠如という3つの要素から捉え、2つ以上当てはまれば困窮層、1つならば周辺層、当てはまらなければ一般層として定義しています。このことにより貧困が可視化され、具体的な支援につながりやすくなります。本市でも世田谷区のような貧困対策に特化した実態調査をもとに計画を立て、改善に向けて取り組むべきと思いますが、ご所見を伺います。

こども未来局長子どもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律において、都道府県等は子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努めるものとされており、福岡市においては令和7年3月策定の「第6次福岡市こども総合計画」を当該計画と位置づけており、計画に基づき、貧困対策を推進していくこととしております。以上です。

綿貫市議計画はあると言われますが不十分です。世田谷区のように子どもの貧困の本質に迫った調査は何もありません。では本市が行っている貧困対策について検証するために質していきたいと思います。まず子ども食堂への支援についてです。決算では、2024年度で75団体に合計約3000万円の支援を行っていますけれども、子ども食堂への補助金について具体的にどのような支援なのか、答弁を求めます。

こども未来局長子どもの食と居場所づくり支援事業につきましては、食事の提供に加え、遊びや学習支援などの居場所づくりを行う民間団体等を支援するため、開催頻度に応じて設定している上限額の範囲内で、対象経費の3分の2を補助するものでございます。以上です。

綿貫市議子ども食堂を運営する団体には事業費の3分の2を支援するものです。毎月2回100人ほどに食事提供やパントリーを行っているある子ども食堂は、物の値段が上がっているので、同じ金額では子どもたちを支援する食料や食材は減らさざるを得なくなっているとのことです。さらに「今の制度では、運営の3分の1は手出ししなければならず、負担が重い」と話しています。したがって、物価高騰に合わせて補助額や補助率を上げ、運営側に負担を課す「3分の2の支援」を全額補助に切り替えるべきだと思いますが、ご所見を伺います。

こども未来局長子ども食堂への補助金につきましては、これまで様々な拡充を行っており、令和5年度には補助率や補助上限額の引き上げなどを実施したところでございます。引き続き運営団体のご意見なども踏まえながら、活動の支援に取り組んでまいります。以上でございます。

綿貫市議本来行政が行うべきことをボランティアの善意任せで行っている事業です。そこに自己負担まで求めるのかということです。貧困で困っている人たちへのパントリーや食料支援の回数も減らさざるを得ないことや、企業からの寄付も減っているという現場の声も出始めています。それでも現状のままでいいとお考えなのか、本市のご所見を伺います。

こども未来局長子ども食堂につきましては補助金の交付に加え、食材確保のための仕組みづくりや寄付のつなぎなど、様々な支援の充実に取り組んできたところであり、引き続き安定的、継続的に運営できるよう支援に取り組んでまいります。以上でございます。

綿貫市議全くもう無責任です。補助の充実を重ねて求めておきます。ではこのような支援が本当に必要とされる子どもに届いているのかという問題です。子ども食堂は月に1回や2回、多くても週1回程度の開催です。現在は全市で75団体にすぎません。そこで貧困世帯の子どもたちに食料支援などの恩恵がどれだけ渡っているのか、ご所見を伺います。

こども未来局長子ども食堂の開催頻度や活動内容などは、運営団体が各地域の実情に応じて決めているところでございますが、支援が必要な子どもにつきましては、学校のスクールソーシャルワーカーや、地域の児童委員などと連携いたしまして、個別の声かけを行っており、引き続き子ども食堂の周知・広報にも努めながら、利用につなげていきたいと考えております。以上でございます。

綿貫市議結局貧困世帯にどれだけ行き届いているかということはね、つかまれていないということだと思います。それでは不十分です。冒頭に指摘したように、長引く物価高騰の中で収入が300万未満世帯やひとり親世帯は逼迫しています。「一番安い食材を買っている」「毎日何を食べさせたらいいかと思う」「果物は既に何年も買っていない」「食材がなくなったのでフードバンクを紹介して欲しい」「保護費の支給前に生活費がなくなった」など、このような実態は常態化しています。そこで貧困世帯には食料を届けるなどの直接支援を行うべきと思いますが、答弁を求めます。

こども未来局長子どもの貧困対策につきましては、これまで教育の支援、生活の安定に資するための支援、保護者への就労の支援、経済的支援など総合的に施策を推進してきたところであり、引き続き関係局と連携しながら支援に取り組んでまいります。以上でございます。

綿貫市議緊急に支援することを求めておきます。次に子どもの貧困対策のうち重要な施策である就学援助についてです。就学援助の決算額はいくらかお尋ねします。

教育長就学援助の令和6年度決算額につきましては22億7803万円余でございます。以上です。

綿貫市議就学援助とは子育て中の困窮家庭へ補助を行うもので、その額や対象は自治体に委ねられている制度です。見てきましたように貧困が広がる中、就学援助の役割はますます大きくなっています。そうした中、本市の就学援助を受けられる世帯の所得の基準は、生活保護費の1.25倍となっています。ここで線を引くということは、受けたくても受けられない世帯を増やす厳しい基準だと思いますが、答弁を求めます。

教育長就学援助の認定基準につきましては、多くの自治体で生活保護基準をもとに定められております。生活保護基準は各自治体によって異なることから一概に比較できるものではございませんが、政令指定都市の20市の状況で申しますと、生活保護基準の1.2倍以下の都市が12市となっており、1.25倍相当の収入としている本市の基準は低い水準ではないと考えております。以上です。

綿貫市議物価高騰に苦しむ子育て世帯の実態を見ない冷たい答弁です。賃金は少しずつ上がっていますが、それ以上に物価が上がっています。実質賃金が下がるのに、就学援助の対象外になってしまうなどの状況も生まれています。県内の就学援助の実施基準を見てみますと、2024年度の就学援助実施状況では、生活保護基準の1.25倍はわずか4自治体です。1.3倍の自治体が32自治体と一番多く、それ以上の自治体が10自治体あります。そのうち7自治体は1.5倍となっています。本市も県内の他都市にならい基準を引き上げるべきではありませんか。答弁を求めます。

教育長就学援助の認定基準につきましては、他の政令指定都市と比較して低い水準ではないと考えております。就学援助については、基準内の世帯に確実に制度を利用していただくことが重要であると考えており、本市では学校から保護者への申請書配布やメールでの案内など様々な機会を捉え制度の周知を図るとともに、申請書記載事項の大幅な削減など利便性の向上に取り組んでいるところでございます。以上です。

綿貫市議もう基準が低すぎて支援されるべき世帯の多くがね外されていると、そういう実態があります。本当に基準の見直しを引き続き求めておきます。次に就学援助の支給項目が十分なのか見ていきます。文科省が示している補助対象品目の例の中には、クラブ活動費やPTA会費、生徒会費が含まれています。また、横浜市や鎌倉市には眼鏡の購入補助もあります。本市では以前水着も対象でした。したがって、就学援助の項目については、PTA会費や生徒会費、クラブ活動費、眼鏡購入費についても追加するとともに、以前対象であった水着も対象にすべきと思いますが、答弁を求めます。また、入学準備金については、物価高騰のもと学用品費も値上がりしており、増額を行い、併せて修学旅行費についても、立替払い方式を事前給付方式に改めるべきと思いますが、ご所見を伺います。

教育長就学援助の支給項目につきましては全ての児童生徒に関わるもの、保護者の負担が大きいものを中心に選定しております。ご指摘の費用を就学援助の対象としている政令市は一部に限られており、現状においては対象としておりません。次に、入学準備金などの支給額につきましては国の就学援助の国庫補助単価に準じて定めており、国の動向を注視してまいります。また就学援助における修学旅行費につきましては、バスの実際の利用人数によって金額の変動が生じるなど、その制約上実費の精算が必要なことから事後払いとしておりますが、小学校の修学旅行費は令和7年度から旅行業者との協議に基づき実費相当額を市から業者に直接支払うことができる制度を設けるなど、保護者の負担軽減に取り組んでおります。以上です。

綿貫市議どれも切実な本当に要求なんですよね。それにも関わらずやると言われないと。本当冷たい答弁です。これも求めておきます。見てきましたように本市の子どもの貧困対策はそもそも子どもの貧困の実態をつかむ姿勢が弱く、そのため支援が行き届いているかどうかもわからない状況です。貧困対策事業と銘打っている子ども食堂は、わずかな予算でボランティア任せであり、運営側の善意によって支えられています。ただ、求められる支援とは、予算も規模もかけ離れています。子ども食堂の「名付け親」であり長年にわたって子どもの貧困解消に取り組んできた近藤博子さんは、「せめて子どもや親を直接支援すればいいのに」と指摘し、「厳しい状況にある方たちを行政が直接支援せず、子ども食堂などに任せている現状はもう限界」と訴えておられます。貧困対策をボランティア任せにせず、自治体の責任として取り組む必要があります。したがって子どもの貧困の実態をつかみ、解決のための計画を立て、子どもの貧困世帯へ支援が届くように抜本的な見直しを行うべきと思いますが、市長の答弁を求めます。

市長子どもはその1人1人が未来を作っていくかけがえのない存在であり、全ての子どもたちが自分の夢や希望に向かって進んでいけるように経済的に困難を抱える子どもたちを支援していくことは大変重要なことであると認識をしています。これまで学習支援や食と居場所づくり、ひとり親家庭への支援など、子どもたちの生活状況を踏まえながら、総合的に施策を推進してまいりました。今後とも、全ての子どもが健やかに成長できる環境づくりを推進してまいります。以上です。

綿貫市議子どもの貧困をなくすための実態ある施策を強く求めておきます。


保育士配置基準と保育調理員待遇改善

綿貫市議次に保育士の配置基準改善と調理員の待遇改善について質問します。まず初めに保育給付費の決算額についてお尋ねします。

こども未来局長令和6年度の教育・保育給付費等の決算額は639億6159万円余でございます。以上です。

綿貫市議昨年度実に76年ぶりに3、4、5歳児の配置基準が改善されました。今年度は1歳児の配置基準が6:1から5:1へと改善されます。保育現場では低すぎる国の基準では子どもの命と発達は守れないと独自に国基準以上の配置を行っているところがあります。そこで今回新たな基準になって、1歳児の5:1の配置の実施に踏み出した施設の数をお尋ねいたします。

こども未来局長令和7年度に新設された1歳児配置改善加算につきましては、現在各園から申請が行われている段階であり、今後確認をして参りますが、年度当初に各園から提出された4月1日時点の職員名簿により、1歳児5人に対して保育士1名の割合で職員を配置予定としている認可保育所等は、302施設中152施設となっております。以上です。

綿貫市議約半数が実施しています。加算がつく条件とはどういったものですか、答弁を求めます。

こども未来局長1歳児改善加算の適用につきましては3つの要件があります。まず、公定価格において職員の処遇改善等加算を設けていること。次にICT機器の導入により、保育園への登園時間等の管理、保護者への通知や連絡、キャッシュレス決済などに取り組んでいること。そして職員の平均経験年数が10年以上であること。これらの要件全てを満たす施設が対象とされております。以上です。

綿貫市議現場からは、「補助金が出るとはいえICTを導入する費用が高い」など加算のハードルが高いとの声もあります。そもそも5:1の配置を行うことと、ICTを導入することは別問題ではないかという反発も招いています。全職員の経験年数10年以上という条件も、本市の平均勤続年数6~7年という実態に照らせば、大変高いハードルです。このように高すぎる国の条件が、配置基準の改善という目的達成の障害になっているのではないかと思いますが、ご所見を伺います。

こども未来局長加算要件につきましては、国において保育現場の環境改善の推進に向けて設定されているものと認識しております。経験豊富な職員による保育の質の向上、ICT導入による環境改善、保育現場のモチベーションの向上につなげていくという考え方がある一方で、保育の現場から要件の緩和を求める声があると認識をしております。福岡市といたしましては、各施設において当該加算の取得が進むよう、ICT機器の導入補助を始め、各園への支援に努めるとともに、加算制度がより利用しやすいものとなるよう保育現場の声を国に届けていく必要があると考えております。以上でございます。

綿貫市議自腹で5:1の対応をしているのに加算が付かないなどというのは理不尽です。したがって条件がクリアできずに加算を受け取れない施設に対しては本市が補助を行い、1歳児の全ての配置基準を5:1にできる手立てを取るべきだと思いますが、答弁を求めます。

こども未来局長保育士の配置基準については保育制度の根本であり、国において検討され制度化されていくべきものと考えており、福岡市におきましては、各施設が加算の要件を満たせるよう支援に努めるとともに、更なる保育現場の環境の向上に向け、国に要望してまいりたいと考えております。以上でございます。

綿貫市議本当にね、冷たい答弁です。強く求めておきます。次に保育所の調理員の待遇改善について質問します。まず調理員と保育士の給与は公定価格の積算の中でどのように設定をされているのか、答弁を求めます。

こども未来局長国が保育所の運営等に要する費用を定める公定価格においては、保育の実施に必要となる人件費が国家公務員給与表に定める俸給表を用い積算されており、職種や役職により基本となる基準額が設定されております。こども家庭庁の通知によりますと、令和6年度の公定価格において、保育士は福祉職俸給法1級25号で本俸額は24万2148円、調理員は行政職俸給表に1級21号で本俸額は21万6600円とされております。以上でございます。

綿貫市議保育士と調理員とではですね、このように年収ですると61万円もの格差があります。なぜこのような格差がついているのか、答弁を求めます。

こども未来局長答弁の前に先ほどの答弁を修正させていただきます。こども家庭庁の通知による公定価格なんですが、保育士は福祉職俸給表1級25号というふうにお答えしましたが、正しくは1級29号でございます。お詫びして訂正いたします。ただいまの質問に対する答弁でございますけれども、公定価格の積算に当たり、適用されている保育士と調理員の俸給表等については、その職務の特性や資格要件に応じて、国において検討され設定されているものでございます。以上でございます。

綿貫市議職種は違いますけれども、調理員は一人ひとりに合った食の提供を通して子どもの成長と発達を支えています。調理員の果たす役割は重要だと思いますけれども、ご所見を伺います。

こども未来局長保育所等において、安心安全で美味しい給食を提供するために、調理員が果たす役割は重要であると考えております。以上でございます。

綿貫市議ではこのような処遇でいいのかという問題です。調理員は食物アレルギーの子どもや宗教食への個別対応と0歳児一人ひとりの発達に合った離乳食づくり、障害を持った園児や体調不良の園児への個別対応など、業務に関する責任や負担は保育士と変わりません。現場では調理員はともに保育を支える仲間であるのに、給与や手当に保育士との格差があるのはおかしいとの声が上がっています。調理員さんも当局との懇談で、食の提供や食育の観点から、同じように保育に携わっているのに、この格差がなぜなのかと涙ながらに訴えておられました。そこで、保育所の調理員と保育士の公定価格の差を埋めることを国に求めるとともに、国が行うまでの間は、市独自の調理員への補助を行うべきと思いますが、答弁を求めます。

こども未来局長公定価格の積算にあたり適用されている職員の俸給表等については、その職務の特性や資格要件に応じて国において検討され設定されているものでございます。保育の現場における処遇の改善は重要な課題であり、国においては保育士だけでなく、調理員も含め、保育現場の給与改善を進めており、令和6年度は過去最大となる10.7%の給与の改善が行われたところでございます。また、福岡市独自に行っている初任給調整措置費や勤続手当について、調理員も助成の対象としているところであり、引き続き支援に取り組んでまいります。以上です。

綿貫市議いろいろ言われますけれども、切実な声を受け止めない冷たい答弁と思います。さらに調理員の配置基準の問題です。国の配置基準は、子どもが40人以下で1人、41人から150人以下で2人、151人以上で3人です。急な体調不良で欠員が出た場合に対応できる人員が確保されていません。体調不良であっても休むことを躊躇してしまうなど、厳しい環境に置かれています。そこで現在の国の調理員の基準では、安全な食の提供はできないのではないかと思いますが、ご所見を伺います。

こども未来局長調理員の配置基準については、国において安全な給食の提供に必要な基準が設定されていると認識しております。保育所等における給食の質の向上や食育の推進を目的として、管理栄養士または栄養士を活用している場合には栄養管理加算が設けられており、それぞれの保育所等においてはこのような加算も活用しながら、給食の安心と安全が確保できるように適切に運営されているものと認識しております。以上でございます。

綿貫市議現場の実情を見ていません。ある保育園では最近調理員さんが産休に入られ、代替を募集していますけれども見つかりません。仕事の大変さに比べ処遇が低すぎるために人が来ないのです。この保育所では驚くことに、調理員さんのヘルプに保育士が入ることもあったそうです。綱渡りのような運営を行わざるを得ない状況です。保育協会からは2024年の要望書で「調理員配置基準の見直しと給食の向上について」として、「食文化への配慮やアレルギー対応、園児の体調に応じた給食の提供には多大な労力がかかっており、現行の配置基準では十分な調理員の配置が厳しい状況」だとして、福岡市独自の配置基準見直しを求めています。そこで、保育所の調理員の配置基準を改善するために、本市独自の支援が求められると思いますが、ご所見を伺います。

こども未来局長調理員につきましては、定員100人以上の保育所等に対し福岡市独自に非常勤調理員を雇用する費用を補助しているところであり、引き続き支援に取り組んでまいります。以上でございます。

綿貫市議配置基準や処遇の低さが人手不足の状況を生み出している実態を見ない答弁です。引き続き求めておきます。また本市は保育士不足を解消するために、保育士への家賃補助と奨学金返済補助を行っています。この制度を調理員に適用しないのはなぜなのか、答弁を求めます。

こども未来局長正規保育士に対する家賃補助と奨学金返済支援につきましては、福岡市における保育所等の整備推進に伴う保育士需要の高まりなどを踏まえ、保育士の就職促進や離職防止を図り、資格職である保育士の安定的な確保を目的として実施していることから、調理員は対象としておりません。以上でございます。

綿貫市議国だけでなくあなた方も調理員を差別しています。保育士の不足と同じように保育所の調理員の不足も深刻な問題です。そこで、保育士に適用している家賃補助、奨学金返済支援を調理員に適用すべきと思いますが、答弁を求めます。

こども未来局長繰り返しになりますが、家賃補助および奨学金返済支援につきましては、保育士の安定的な確保を目的として実施しているものでございます。以上です。

綿貫市議保育士と調理員の間に支援の格差を持ち込むと、こういうことは許されません。早急に是正を求めておきます。見てきましたように、全ての施設で1歳児の5:1の配置を実現するための支援について市は背を向けています。また保育所調理員の働く環境の改善についても、何も手を打とうとしません。児童福祉法24条1項は、市町村の保育実施責任と保育の公的責任をうたっています。子どもたちの成長・発達の面からも保育士が安心して保育ができるゆとりある保育基準と保育士の待遇改善が必要です。それは国と自治体の責任です。同じことが、配置基準や調理員の待遇改善にも言えます。したがって、1歳児の5:1の配置基準を全ての園で実施できるよう国に加算のハードルの引き下げを求めるとともに、実現するまでは、本市独自の支援を行うこと、また、調理員の低すぎる配置基準の改善を国に求めるとともに、実現するまでは、本市独自の支援を行うべきと思いますが、最後に市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。

市長誰もが安心して子どもを産み育てられる環境をつくるため、保育の質の向上や安全な給食の提供は大変重要であり、福岡市独自に職員雇用に関する助成を始め、処遇改善策などを様々な支援を実施しております。本来これらの人員の配置に関する基準等は国において充実されるべきものであることから、引き続き国に対して保育士や調理員の処遇の改善とともに、更なる充実を要望してまいります。今後とも子どもたちが健やかに成長していけるように、保育と給食の質の向上に取り組んでまいります。以上です。

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2024年度決算特別委員会 一覧

舞松原地域の水害対策、子どもの貧困対策と保育環境の改善求める(2025年9月22日 綿貫康代市議の総会質疑)

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