議会報告
2025年6月議会
6月議会を終えて
2025年6月23日 日本共産党福岡市議団
福岡市の6月議会が18日に閉会しました。わが党は、髙島市長が提出した議案23件中20件に賛成し、市民の立場に立った論戦を展開しました。
市民の暮らしや命と健康を守る施策など提案
物価高騰で市民の暮らしがますます苦しくなっているにも関わらず、6月の福岡市議会には「商店街プレミアム商品券」の追加予算以外の経済・物価高騰対策が何も提案されませんでした。わが党は高齢者乗車券制度の拡充や上下水道料金減免など、市民の可処分所得を増やすための対策を追加提案するよう求めましたが、市長は冷たく拒否しました。また、今年も熱中症被害が心配されるなか、エアコン未設置の生活困窮世帯への補助や電気代の支援など具体的な熱中症対策を求めましたが、市長はあくまで啓発を中心とした対策に固執しました。
市内各地で西鉄バスの減便や路線廃止が相次いでおり、日常生活に大きな影響が出ています。わが党は、市が西鉄に減便等の撤回を要求するとともに、市の責任でコミュニティバスを走らせるよう迫りましたが、市は「運転手不足対応のため」など西鉄の肩を持つような答弁に終始しました。
胃ろうや痰(たん)の吸引、人工呼吸器といった医療的ケアや医療機器とともに生きる障害児・者である「医療的ケア児・者」を在宅でケアしている家族は、基本的に24時間つきっきりであり、相当な心身への負担がかかっています。今議会に、ケアする家族の休息(レスパイト)を保障する事業と相談体制の拡充が提案されましたが十分なものにはなっていません。わが党は当事者の切実な声を紹介し、さらなる支援強化を要求。また、強度行動障害がある人の家族への支援強化についてもより一層の拡充を求めました。
その他わが党は、倒産・休廃業が相次いでいる医療機関を維持するため、診療報酬の改定と緊急支援を行うよう国に求める意見書を起案し、全会一致で採択されました。
子育て世帯応援、給食の質改善について論戦
市は「子育て世帯の経済的負担を軽減するため」として学校給食の無償化を2学期から実施しますが、不登校やアレルギーなどで給食を食べていない児童・生徒の保護者は何の恩恵も受けません。また、修学旅行費や中学校の制服代、学校が徴収する教材費などのいわゆる「隠れ教育費」が保護者に重い負担を押し付けている実態も問題です。わが党は他都市の事例も示し、「隠れ教育費」に対する補助をおこない、保護者負担をなくすべきだと要求しました。
不登校児童生徒の選択肢の一つであるフリースクールは子どもたちの大事な居場所となっていますが、保護者の経済的負担が大変です。わが党は大野城市など県内他都市の事例も示し、フリースクールに子どもを通わせている保護者への経済支援を要求。また、厳しい経営を強いられているフリースクールそのものへの支援も求めましたが、教育長は「県が支援している」など言い訳に終始しました。
SNSなどで話題となり、市長が「写真を見て大変ショックでした」などと無責任な発言を行った「唐揚げ1個の学校給食」問題について、わが党は現状の学校給食の在り方についての検証をおこない、教育こども委員会で事実に即して論戦しました。今後、現場の声を注意深く聞きとりながら、無償化にともなって給食の質が落ちないようにするとともに、地産地消やオーガニック給食の実現など、さらなる充実を求めていきます。
平和、ジェンダー平等などについてただす
国は「台湾有事」を想定し、沖縄県の先島諸島から九州・山口各県に11万2千人余、そのうち石垣市から福岡市に約2万7千人の避難住民を受け入れさせる計画を立てていますが、市内のホテルを全室空室にして受け入れるなど、あまりにも実現不可能な内容となっています。わが党は、このような計画を立てる背景には先島諸島の自衛隊基地強化により反撃対象となる事への住民の不安・反発を抑え込むためのものであると指摘。戦時体制に市民や企業、行政などを巻き込むこのような荒唐無稽な計画に加担せず、市として撤退を表明すべきだと求めましたが、市長は国の戦争準備に加担する姿勢を崩しませんでした。
日本が女性差別撤廃条約を批准して40年が経ちますが、ジェンダーギャップ指数ランキングで118位という「ジェンダー不平等」な状況が続いています。わが党は、ジェンダー平等と「男女共同参画」が違う概念であるにもかかわらず市が混同している問題を批判。市職員の男女賃金格差の解消や女性管理職比率の抜本引き上げ、すべての公共施設のトイレに生理用品を配置するなどの「生理の貧困」解消、包括的性教育の推進など具体的な提案を行い、策定中の男女共同参画基本計画にジェンダー平等を位置づけるよう求めましたが、市長は後ろ向きの答弁に終始しました。
正副議長職の「たらい回し」を厳しく批判
今議会において、自民党と公明党の議員が地方自治法で4年と定められている正副議長職を途中で辞しました。事実上、同じ会派の別の議員に同職を「たらい回し」したもので許されません。わが党は、政治資金パーティーの問題などそもそも議長として問題あるふるまいがあったことについて代表者会議等で指摘しつつ、「たらい回し」については厳しく批判して反対しました。
以上
保育士不足解消、熱中症対策、不登校児童生徒の保護者支援、西鉄バス減便対策など求める(2025年6月12日 綿貫康代市議の一般質問)
「隠れ教育費」負担軽減と女性差別撤廃条約具体化を求め、沖縄からの住民避難計画についてただす(2025年6月11日 中山郁美市議の一般質問)