議会報告
2025年6月議会
「隠れ教育費」負担軽減と女性差別撤廃条約具体化を求め、
沖縄からの住民避難計画についてただす
2025年6月11日 中山郁美市議の一般質問

日本共産党の中山郁美市議は、2025年6月11日に福岡市議会の一般質問に立ち、修学旅行費や教材費など「隠れ教育費」の負担軽減、市職員の男女賃金格差是正や「生理の貧困」解消などの女性差別撤廃条約具体化を求め、「台湾有事」を想定した沖縄・先島諸島からの住民避難計画の問題点についてただしました。
福岡市では「子育て世帯の経済的負担を軽減するため」として学校給食の無償化が2学期から実施されますが、不登校やアレルギーなどで給食を食べていない児童・生徒の保護者は何の恩恵も受けません。また、修学旅行費や中学校の制服代、学校が徴収する教材費などのいわゆる「隠れ教育費」が保護者に重い負担を押し付けている実態も問題です。中山市議は、給食を食べていない児童・生徒の保護者への昼食費補助や「隠れ教育費」に対する補助が他自治体でひろがっている実例を紹介。「義務教育は無償」という憲法に照らして大きく逸脱している現状を放置することは許されず、市として補助をおこない、保護者負担をなくすべきだと要求しました。
日本が女性差別撤廃条約を批准して40年が経ちますが、ジェンダーギャップ指数ランキングで148カ国中118位という「ジェンダー不平等」な状況が続いています。中山市議は、日本政府の後ろ向きの姿勢に追随するのではなく、市としてジェンダー平等の積極的な目標を掲げ、取り組みを前に進めるよう要求。市職員の男女賃金格差や「生理の貧困」の解消、包括的性教育の推進などで具体的な提案をおこないました。また、市の基本計画にも、その具体化である政策推進プランにも「ジェンダー平等」が掲げられておらず、さらには違う概念である「男女共同参画」と混同している問題を批判し、策定中の男女共同参画基本計画にジェンダー平等を位置づけるよう求めましたが、市長は後ろ向きの答弁に終始しました。
国は「台湾有事」を想定し、沖縄県の先島諸島から九州・山口各県に11万2千人余の避難住民を受け入れる計画を立てています。福岡市には、沖縄県石垣市からの避難住民約2万7千人を受け入れさせるという計画であり、1日22便の航空機で6日間かけて輸送し、市内のホテルを全室空室にして受け入れ、足りない場合は公営住宅や民間賃貸住宅などにも受け入れるという、あまりにも実現不可能な計画です。中山市議は、沖縄県が危険な状態になったときに、九州や福岡市は安全と考えるのは机上の空論であり、そもそもこの計画は先島諸島への自衛隊基地強化により反撃対象となる事への住民の不安・反発を抑え込むためのものだと批判。戦時体制に市民や企業、行政などを巻き込むこのような荒唐無稽な計画に加担せず、国に中止撤回を要求し、市として撤退を表明すべきだと求めました。市長は国の戦争準備に協力する姿勢をあらわにし、市民の平和の願いに背を向けました。