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2025年6月議会

中山郁美市議の一般質問 発言と答弁全文 全文

音声をもとに党市議団が文字起こししたものです

  1. 「隠れ教育費」の負担軽減
  2. 女性差別撤廃条約の具体化
  3. 沖縄からの住民避難計画

中山市議私は日本共産党市議団を代表して義務教育における「隠れ教育費」の負担軽減について、女性差別撤廃条約の具体化について、「台湾有事」を想定した沖縄からの住民避難計画について一般質問を行います。


「隠れ教育費」の負担軽減

中山市議まず、「隠れ教育費」についてです。本市においては2学期から、保護者や関係者が切望していた学校給食の無償化が実施されます。議会請願においては、紹介議員になったのは政党では我が党だけであり、また、自民、公明、維新の会などは、請願採択に背を向けてきました。それでも大義を掲げ、粘り強く実現運動に取り組んでこられた関係各位に改めて敬意を表するものであります。給食無償化にあたってはいくつかの課題も残っており、その点から質してまいります。

まず、不登校状態になっている児童・生徒については、その多くが自宅での昼食となるため、給食費は納入しておりません。そこでこれら保護者に対しては、給食費に匹敵する昼食代補助は行うのか、答弁を求めます。以上で、1問目終わり、2問目以降は自席にて行います。

教育長不登校などで給食を喫食していない児童・生徒の保護者につきましては、国の動向とともに他都市の状況についても注視しつつ、福岡市における対応について検討してまいります。以上です。

中山市議検討していくということですけれども、ではアレルギー等の理由で給食が食べられないため弁当を持参している子どもの家庭への昼食費補助はどう考えているのかお尋ねいたします。

教育長アレルギーなどの理由で給食を喫食していない児童・生徒の保護者につきましても、国の動向とともに他都市の状況についても注視しつつ、福岡市における対応について検討してまいります。以上です。

中山市議今後の検討だと。この問題では昨年12月議会で髙島市長が無償化を表明した翌月、今年の1月22日、不登校になっている子どもの保護者やフリースクール関係者等が共同で市長宛てに要望書を出されています。そこでその内容と受け止めについてお尋ねいたします。

教育長要望書につきましては2点の要望がございます。1点目は給食を喫食していない児童・生徒の家庭には所得制限なく給食費相当額の支給を求める内容であり、2点目は給食費相当額の支給を受けている家庭の子どもが登校した場合には予備の給食があれば提供し、後日支給額を精算する仕組みを求める内容でございます。給食を喫食していない児童。・生徒への対応については、国の動向とともに他都市の状況についても注視しつつ、福岡市における対応について検討してまいります。以上です。

中山市議これは先送りしてはいけない問題だと思うんですね。無償化の目的について教育委員会のホームページには「子育て世帯の経済的負担を軽減するため」と明記されております。給食を食べるか食べないかによって、負担軽減策を受けられるか否かが差別されることがあってはなりません。他都市の例で言うと、東京都杉並区は不登校の子どもはもちろんアレルギーのため一度も給食の提供を受けていない場合や、国立学校や私立学校に通っている子どもの保護者にも申請により全て給食費相当額の給付金を支給しております。同様の給付金は他都市でも実施がひろがり始めています。したがって実施している他都市にならい、すべての小中学生について給食費無償化もしくは昼食費補助が2学期当初から実施できるよう手立てをとるべきだと思いますが、ご所見を伺います。

教育長給食を喫食していない児童生徒の保護者への対応につきましては、繰り返しになりますが、国の動向や他都市の状況なども踏まえつつ、福岡市における対応について検討してまいります。以上です。

中山市議国の動向を見ていたらできませんよ。せっかくの給食無償化が欠陥を抱えたままスタートしないよう早急な実施決断を求めておきます。給食費以外にも保護者は修学旅行費や中学校の制服代、学校が徴収する教材費などの経済的負担をしています。これらも給食費と同様に、あるいはそれ以上に重い負担になっていると思いますが、教育長の認識を伺います。

教育長学校徴収金につきましては、教育効果を高めるために必要なものについて、一定額を保護者に負担いただいております。各学校には、保護者の負担が過重なものとならないよう指導しております。以上でございます。

中山市議過重にならないようにとおっしゃいました。具体的に確認していきますが、修学旅行費の保護者負担は小学校・中学校それぞれどのくらいになるのか、答弁を求めます。

教育長修学旅行費の上限額につきましては小学校が2万6180円、中学校が6万2300円となっております。以上です。

中山市議現場ではこの負担が重いため払えず、修学旅行に子どもを参加させることができない保護者もおります。教育の機会均等を阻んでいる実態について、問題ないとお考えなのか、ご所見を伺います。

教育長修学旅行費につきましては、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しましては、就学援助や特別支援教育就学奨励費による支援を行っております。以上です。

中山市議中学校では給食費よりも重い負担です。この負担軽減のために全児童・生徒を対象に補助に踏み出している自治体が増えております。そこで修学旅行費の補助を実施している自治体について実態を把握していればお示しいただきたいと思います。

教育長修学旅行の費用について補助を行っている自治体につきましては、確認している範囲では東京都の葛飾区、品川区、荒川区、足立区、墨田区がございます。以上です。

中山市議東京23区のうち、今お示しされたいくつかの自治体がやっておりますし、墨田区と荒川区については修学旅行の他、移動教室なども無償化しています。これらにならい本市においても修学旅行費について無償化すべきだと思いますが、ご所見を伺います。

教育長修学旅行の経費につきましては交通費や食事代など児童・生徒個人に直接かかるものであることから保護者に負担いただいております。なお経済的な理由により支援が必要な世帯に対しましては、就学援助や特別支援教育就学奨励費による支援を行っております。以上でございます。

中山市議就学援助や生活保護の対象にならない世帯でも経済的困窮が広がっているんです。行かせることができない保護者や参加できない子どもたちの気持ちを考えるべきです。では中学校の制服について保護者負担はどれぐらいなのか、答弁を求めます。

教育長中学校の標準服につきましては、販売店等のカタログによりますと上下セットで5~6万円台で販売されております。なおメーカーや生地、機能により価格が異なることになっており、購入者が選択できるようになっております。以上です。

中山市議5~6万円ということで、これも給食費に匹敵する負担です。制服代についても、中学校入学時に全生徒を対象に補助している自治体があるようです。実態を把握していればお示しください。

教育長制服の費用について補助を行っている自治体につきましては、確認している範囲では、北海道北斗市、奈良県香芝市、東京都品川区、熊本県南小国町、御船町がございます。以上です。

中山市議品川区は、先ほどの修学旅行費だけでなく、制服代も来年度から無償化する予定になっている。子育て世帯の負担軽減のためとして実施する給食無償化に続き、それ以上の経済的負担となっている修学旅行費および制服代について補助制度をつくるべきではないかと思いますが、ご所見を伺います。

教育長標準服を含め生徒が個人で使用するものにつきましては、保護者に負担していただいていただくようにしております。なお、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しましては入学補助金として生活保護や就学援助、特別支援教育就学奨励費による支援を行っております。以上でございます。

中山市議これも必要な家庭には就学援助があると言われます。あなた方が就学援助の要件を厳しくしてきたために受けたくても受けられない家庭が生み出されています。昨今の物価高騰は就学援助を受けられない家庭にも困窮を拡大していますので、検討を求めておきます。

次にその他の保護者負担についてです。授業で使うドリルなどの教材費や卒業アルバム代などが徴収されています。それらの負担額は小学校・中学校それぞれいくらになっているかお尋ねします。

教育長学校徴収金につきましては、標準規模の学校における平均額になりますが、各学年に共通する教材費などが小学校で年間約1万3000円、中学校で年間約1万6000円となっております。また自然教室の費用が小学5年生で3600円、中学1年生で約1800円、卒業アルバムの費用が小学校6年生で約4900円、中学3年生で約2900円となっております。以上です。

中山市議1万5千円から2万円程度の負担になっており、いずれも無条件で徴収されることになっています。授業で活用するためのドリル代などの経費や社会科見学費、自然教室の経費等については必要経費ならば「義務教育は無償」と定めた日本国憲法に基づいて本来国や自治体が負担すべきものではないかと思いますが、ご所見を伺います。

教育長学校徴収金につきましては、児童・生徒が共同で使用する文具や材料は基本的に学校予算で対応しておりますが、個人で使用する教材などは必要最小限になるよう厳選し、保護者への負担をお願いしているところでございます。以上です。

中山市議その考え方そのものが問題ですよね。憲法に照らして、これは齟齬があると言わなければなりません。それを言い訳の材料にすべきではないと思います。これも品川区は中学校の制服代や修学旅行費と合わせて年間5億円もの予算をつけて補助しています。この他にも東京23区のうち7区で教材費等の補助を行っています。あなた方の言い訳は通らないわけです。本市でも教材費補助を実施するよう求めておきます。また中学校においては、先ほどの教材費とは別にフクトの業者テストがほぼ全校で行われていると聞いております。その理由と、保護者負担額について説明を求めます。

教育長業者テストにつきましては、生徒が自分の学習状況を確認し今後の目標を設定するために実施しているものでございます。なお保護者負担額につきましては学校や学年によって回数等は異なりますが1回あたり1500円前後でございます。以上です。

中山市議中学校における業者テストについては「禁止する」という文部事務次官通知が1993年時点で出されています。その内容についてお尋ねいたします。

教育長平成5年の文部科学省通知は高等学校入学選抜について、公立および私立高等学校における多様な選抜方法の実施、業者テストの偏差値を用いない入学者選抜の改善や中学校における進路指導の充実などについて示されております。以上です。

中山市議進路指導のあり方を歪め、業者と教員の癒着を生むなどの理由であります。しかし、現場ではこの中身が生かされず、フクトの学力テストは続けられてきました。これを本市教育委員会は30年以上も黙認してきたのです。重大な問題です。他都市から転勤してきた先生から「福岡市は未だにこんなことをやっている、おかしい」との告発もありました。年間7千円程度の保護者負担にもなっており、早急に廃止する方向で現場と協議すべきではありませんか、答弁を求めます。

教育長業者テストの実施につきましては、生徒の学習の振り返りや取り組みの参考になるものとして今後も各学校において検討し判断されるものと考えております。以上です。

中山市議国の通知もお構いなしという姿勢には驚きますが、これ是正すべきですよ。見てきたように義務教育は無償とされながら小学校では教材費や自然教室、卒業アルバム代、修学旅行費などで4万円前後、中学校では同様の7万円前後に加え、5~6万円の制服代まで加わり12万円程度の保護者負担が強いられております。教育委員会が把握している以外にも体操服、体育館シューズ、学校指定のバッグなども保護者負担で備えなければなりません。文部科学省による2023年度「子どもの学習費調査」によると、公立小学校で年8万753円、公立中学校で15万747円となり、その5年前の調査と比べて小学校で約1.3倍、中学校でも約1.1倍になっています。その後さらに物価高騰の影響を受け、この総額は増えております。義務教育は無償という日本国憲法に照らして大きく逸脱するいわゆる「隠れ教育費」については現状のまま放置することは許されず、他の自治体にならい補助を行い保護者負担をなくすべきではないかと思いますが、この問題の最後に、高島市長の答弁を求めます。

市長子育て世帯の負担の軽減を図り安心して産み育てられる環境づくりに取り組むことは大変重要であると認識をしています。福岡市では今年度の2学期から学校給食費の無償化を実施するとともに、経済的な理由により支援が必要な世帯に対しては生活保護や就学援助等による支援を行っています。今後ともすべての子どもたちが心身ともに健やかに成長できるように、教育委員会と連携をして取り組んでまいります。以上です。

中山市議現状でよしとせず、真摯に検討することを求めておきます。


女性差別撤廃条約の具体化

中山市議次に、女性差別撤廃条約の具体化についてです。我が国が女性差別撤廃条約を批准して今年は40年の節目となります。しかし日本社会の到達はジェンダーギャップ指数ランキングで146カ国中118位という位置にとどまっており、昨年10月に行われた国連女性差別撤廃委員会でも、日本への数々の勧告が行われました。日本政府の後ろ向きの姿勢に追随するのではなく、自治体として積極的な目標を掲げ、取り組みを前に進めることが求められます。そこで本市の実態について、いくつかの角度で質してまいります。まず、本市職員における管理職の男女比についてお尋ねいたします。

総務企画局長福岡市職員の管理職の男女比については、令和6年5月1日現在が最新値であり、男性職員が79.9%、女性職員が20.1%でございます。以上でございます。

中山市議女性管理職はわずか20%。これほど遅れている理由についてお尋ねいたします。

総務企画局長管理職に占める女性職員の割合は、特定事業主行動計画において令和7年度までに20%程度を目標としており目標値を達成しております。なお、女性職員の割合が20.1%となっている理由といたしましては、管理職の昇任対象となる年代に女性職員の割合が少ないことや、昇任したいと考える女性職員の割合が低いことなどが影響していると考えております。以上でございます。

中山市議目標自体が低すぎるわけですよ。国も消極的な姿勢に変化がなく、内閣府では2030年までに30%という目標にとどまっています。SDGsの考え方に基づけば、本市の管理職における男女比目標は50%50%にすべきだと思いますが、ご所見を伺います。

総務企画局長今後の管理職に占める女性職員の割合については、令和8年度から12年度までを計画期間とする次期特定事業主行動計画を策定する中で適切な目標を検討してまいります。以上でございます。

中山市議これもね先送りは駄目ですよ。消極的な国の指標を参考にすることなく、国際水準で考えるべきです。それでは、正規職員における男女の平均給与の差はどうなっているかお尋ねします。

総務企画局長女性活躍推進法に基づく職員給与の算定では、令和5年度の男性職員の平均が702万4325円、女性職員の平均が624万85704円でございます。以上でございます。

中山市議この差について問題だという認識はあるか、ご所見を伺います。

総務企画局長本市の給与制度は男女で違いはございません。平均給与に差が生じる要因としては、管理職に占める男性の割合が高いことや男性職員の年齢層が高いこと、男性職員に扶養手当を支給している場合が多いことなどが影響していると考えております。以上でございます。

中山市議給与が同じだっちゅうのは当たり前の話でね。その上で差が出てるっていうことを問題だと思わない。まさにジェンダーまみれの答弁をされました。賃金格差を埋めるためには、女性の管理職比率を抜本的に高めるとともに、産休や育休の取得によって女性の昇給に影響が出ない仕組みを構築することが必要だと思いますが、ご所見を伺います。

総務企画局長男女の平均給与の差は管理職に占める女性の割合が高くなることで小さくなると考えており、特定事業主行動計画に基づき女性管理職の登用を進めてまいります。なお、産休や育児休業の取得については、昇任にあたって不利益な要素とはなりません。昇任については引き続き男女の別なく、職員の能力・意欲に基づいて行ってまいります。以上でございます。

中山市議そう言われるなら目標と具体的取り組みを明確にすべきです。次に、公務労働でありながら低賃金でワーキングプアさえ生み出している会計年度任用職員の問題についてお尋ねします。本市の会計年度任用職員における男女比はどうなっているか、答弁を求めます。

総務企画局長令和6年5月1日現在の会計年度任用職員の男女比については、男性20.8%、女性79.2%でございます。以上でございます。

中山市議7割以上と圧倒的に女性の比率が高くなっています。我が党がたびたび指摘してきたように、放課後児童クラブの支援員やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、図書司書など数々の専門職が非正規待遇となっています。専門職であっても女性の比率が高い職種は非正規で賄うというのは明らかにジェンダー問題であり、是正すべきだと思いますが、ご所見を伺います。

総務企画局長会計年度任用職員の採用については、応募者の中から性別に関わらず公平公正に先行しており、給与制度も男女で差はございません。引き続き、地方公務員法に定める平等取り扱いの原則および成績主義に基づいて適切に対応してまいります。以上でございます。

中山市議正当化されますけれどもこれが問題なんですね。女性差別撤廃条約では、性別に関係のない基準や慣行を適用した結果、一方の性別が不利な影響を受ける場合にこれを間接差別と定義されています。本市では、大事な専門職を含む会計年度任用職員の7割を女性に委ね、低賃金の状態で働かせています。非正規で低賃金の働かせ方の多くを女性に押し付けている。これこそが条約で解消すべきと掲げられている。間接差別に当たると思いますが、ご所見を伺います。

総務企画局長会計年度任用職員に女性が多くなっていることについては、様々な社会的背景があると考えております。採用にあたっては、繰り返しになりますが応募者の中から性別に関わらず公平公正に先行しており、給与制度も男女で差はございません。以上でございます。

中山市議そんな言い訳はね、通用しないんですよね。会計年度任用職員については、もう一つ重大な問題があります。年限による雇い止め問題です。公募によらずとも1年ごとに雇用を更新し、上限4回に達したら再度の任用をしない、つまり、雇い止めにするというひどい運用が行われてきました。昨年の5月1日の時点で上限が4回に達した職員が1495人とのことでしたが、このうち今年度も結果的に同じ職種で任用されたのは何人か答弁を求めます。

総務企画局長1495人のうち継続任用を希望して選考試験を受験された人数および職種は不明ですが、令和7年5月1日時点で925人が7年度も継続任用されております。以上でございます。

中山市議結局詳細は調べてもないわけですね。どこに配属されたかわからない。多大な貢献をいただいた方々を無慈悲に放り出すなど悪質な雇用だと言わなければなりません。厳しく是正を求めたいと思います。男女の賃金格差是正及びジェンダー平等の観点から、会計年度任用職員については抜本的な処遇改善を図るとともに、原則正規職員とすべきだと思いますが、ご所見を伺います。

総務企画局長会計年度任用職員については、勤務内容や勤務形態などの業務の特性に応じて適切に配置するとともに、勤務条件についても国が示した運用の考え方や他都市の状況なども踏まえながら、地方公務員法に基づき適切に対処してまいります。以上でございます。

中山市議これまでのやり方が不適切だから改善を求めておきたいと思います。次に生理の貧困解消についてです。公共施設における生理用品の配備および配布について行っているところがあれば、その目的と主な施設名並びに方法について答弁を求めます。

市民局長市民局で行っております生理用品の提供についてお答えをしますと、令和3年度に拡充をされました国の交付金に基づく支援事業として、新型コロナウイルス感染拡大による望まない孤独・孤立で様々な困難や不安を抱えた女性に対して相談窓口を設置するとともに公共施設等で生理用品の配布を行うこととしたものでございます。配布を行っている公共施設は、福岡市男女共同参画センターアミカス、福岡市立ひとり親家庭支援センター、福岡労働局のマザーズハローワーク天神でありまして、職員への申し出の他、女子トイレに設置をしております配布カードを職員に提示するなどの方法で提供しております。以上です。

中山市議当初と比べて何も前進していません。極めて限定的です。学校現場ではトイレに常備しているのかお尋ねいたします。

教育長学校における生理用品の配布につきましては、一部の学校ではトイレに配置しておりますが、大部分の学校においては保健室に常備しており、児童・生徒から申し出や相談があった際には個別にお渡しをしております。以上です。

中山市議これも何も前進していません。そもそも配備している箇所が少ないし、アミカスでは窓口で申請して受け取る、学校でも保健室でお願いしてもらう。これでは女性や子どもたちの権利を尊重したやり方とは到底言えないと思いますが、ご所見を伺います。

市民局長生理用品の提供につきましては、国の交付金に基づく「つながりサポート」型の事業として、孤独・孤立で困難や不安を抱える女性に対する相談支援の一環として行っているものでありまして、引き続き希望される方への配布を行ってまいります。以上です。

中山市議後ろ向きの答弁に終始されますけれども、時代の流れはわかっておられませんね。内閣府が2021年から自治体での生理用品の無償配布の取り組みを調べています。これはコロナで「生理の貧困」が顕在化したことがきっかけです。今年2月公表の調査結果では過半数の926自治体が取り組んでいます。理由は住民の要望があったことなどとなっています。担当者は「さらに広がってほしい」と語っているそうです。この調査の中で全小中学校のトイレに設置している自治体は295に上ることがわかっています。15県の県庁所在地が全小中学校に設置しています。また庁舎トイレに生理用品を置いている自治体は近隣の熊本市など121自治体に上っています。全区立小中学校のトイレで無料配布している東京都杉並区の岸本聡子区長はXで「トイレットペーパーと同じように必要な人が入手できるようにという気持ち。すべての人が尊厳を持って生理期間を過ごせるように取り組んでいく」と発信しています。このような取り組みが大きく広がりつつある中、思考停止に陥っている本市の取り組みは極めて不十分です。したがって他の自治体にならい「生理の貧困」打開へ、すべての公共施設のトイレに生理用品を配備すべきではないか、ご所見を伺います。

市民局長本事業は「つながりサポート」を趣旨とするもので、不安を抱える女性が社会との「絆・つながり」を回復するための相談支援の一環として行っているものでありまして、引き続き現行の相談支援を行う施設などにおける配布を行ってまいります。以上です。

中山市議矮小化すべきではありません。拡充を求めておきます。次に、女性差別撤廃条約の根幹ともいえるジェンダー平等と深い関わりのある包括的性教育についてその理念と必要性についてご所見を伺います。

教育長包括的性教育につきましては、人権を基盤に置いた性をめぐる様々な要素を含む教育であり、本市では思春期における体の変化や生殖に関わることに加え、性感染症や性暴力の防止、ジェンダー平等や性の多様性を認める態度の育成などについての学習を行っております。以上です。

中山市議重要だということですが、それが実現されているかどうか検証していきたいと思います。昨年12月、ジェンダー平等と女性の権利向上を目指し活動する「プラン・ユースグループ」が全国1000人の高校生を対象に行った「性的同意」についての認識を問う調査において、約7割の高校生が「知らない」「聞いたことがあるが説明できない」という結果が出ています。そのメンバーの1人は理解が進まない原因に性教育の授業の進め方や内容に問題があると述べています。そこで、この調査結果についてどう感じられるのか、ご所見を伺います。

教育長お尋ねのプラン・ユースグループの調査につきましては、文部科学省や内閣府など国に対して提言がなされていると聞いており、今後調査結果などを確認してまいります。以上です。

中山市議教育長は当たり障りのない答弁をされましたが、別の問題についてお尋ねします。性感染症である梅毒の感染が、本市においても若年層で広がっているようです。10代、20代の感染者について3年間の推移をお尋ねします。

保健医療局長福岡市における梅毒の感染者数のうち、10代は令和4年が11人、5年が18人、6年が20人。また20代は令和4年が139人、5年が180人、6年が177人となっております。以上です。

中山市議若年層での急拡大の原因について、ご所見を伺います。

保健医療局長若年層における梅毒の拡大は全国的な傾向であり、国が発生動向の調査・分析を強化しておりますが、現在のところ明確な原因は特定されておりません。なお、感染拡大の一因としましては、梅毒の症状は自覚しづらく早期発見・早期治療につながりにくい結果本人が気がつかないうちに感染を広げていることが考えられます。以上です。

中山市議明確ではないということですが、性感染症についての認識が不十分なまま性行為に及んだ可能性が高いと思われます。高校生の中で性的同意の認識が薄い問題や若年層における性感染症拡大の問題だけを見ても性の問題についてトータルで考え、多様な性に対する認識を深める教育の充実が求められていると思いますが、ご所見を伺います。

教育長性に関する教育につきましては、性感染症や性暴力の防止、ジェンダー平等や、性の多様性を認める態度の育成など、包括的に取り組んでおります。以上です。

中山市議これについては否定されませんけれども、教育現場では極めて問題のある対応がされています。学習指導要領の「歯止め規定」に基づいて「妊娠の経過は教えない」という枠がはめられており本市においてもこれに追随し科学的・包括的な性教育が行われていないという問題です。この時代錯誤のやり方については昨年秋、国連女性差別撤廃委員会から包括的性教育を公教育に取り入れるよう改めて日本政府に対して勧告がなされています。そこで、日本政府の頑なな時代遅れの姿勢に無批判に従っているのは問題だという認識はないのか、ご所見を伺います。

教育長性交に関する指導の取り扱いにつきましては、学習指導要領において中学校段階までは取り扱わないと示されております。なお生徒1人1人の状況により、指導が必要な場合には適切に対応しております。以上です。

中山市議従来の考え方に固執する答弁をされました。しかしこれでは今や女性の人権とジェンダー平等前進に逆行しているという批判は免れません。国際基準に沿って、本市においても、従来からの姿勢を改めて、年齢に即した包括的性教育を実施すべきではないかと思いますが、ご所見を伺います。

教育長包括的性教育につきましては、本市では思春期における身体の変化や生殖に関わることに加え、性感染症や性暴力の防止、ジェンダー平等や、性の多様性を認める態度の育成などについての学習を行っており、今後とも指導の充実に努めてまいります。以上です。

中山市議国連の女性差別撤廃委員会は年齢に応じた包括的性教育を通常の授業で政治家や公務員による干渉を受けることなく行うことを求める勧告、これを日本政府に行っています。この国際水準こそ遵守すべきことを指摘しておきます。次に国会で28年ぶりに法案審議が始まった選択的夫婦別姓についてです。この間の各種世論調査では一貫して賛成が多数となっており主要政党では自民党だけが反対するという状況になっております。そこで、髙島市長の選択的夫婦別姓についてのご所見を伺います。

市長選択的夫婦別姓制度の導入につきましては、婚姻制度や、また家族のあり方と関係する重要な問題であり、国におかれては国民の意見を丁寧に酌み取りながら検討を行っていただきたいと考えております。以上です。

中山市議明言をされません。自民党への気遣いでしょうか。今や夫婦同姓の強制がアイデンティティの喪失や経済的不利益をもたらしていることが明らかとなり、選択的夫婦別姓が広範な国民の強い要求になっているにも関わらず、自民党は明治憲法下の家父長的家族感を国民に押し付けています。経団連も早期実現を求めており、全国首長への共同通信の調査でも反対はわずか17%となっています。したがって、市長は国に対して選択的夫婦別姓の早期実現を求めるべきではないか、ご所見を伺います。

市民局長選択的夫婦別姓制度の導入につきましては、まずは国において議論・検討するべきものと考えておりまして、福岡市といたしましてはその検討状況を注視してまいりたいと考えております。以上です。

中山市議国が道理のない態度をとっていても、ものを言わないというのは問題です。もう一つ国との関係でお尋ねします。女性差別撤廃条約選択議定書については20年来批准を求められているのに、日本政府は検討中として棚上げにしています。この選択議定書には通報制度と調査制度があり、個人を救済する道を開くことで条約の実効性を高めるものです。既に115カ国が批准していますが、日本政府は批准を拒み続けています。そこで、批准の意義と日本政府の態度についてどのように捉えているか、ご所見を伺います。

市民局長女子差別撤廃条約選択議定書の批准につきましては、国会において選択議定書で規定されている個人通報制度は条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度であるとの政府の認識が示されております。なお国の第5次男女共同参画基本計画において、選択議定書については諸課題の整理を含め早期締結について真剣な検討を進めるとされており、今後とも国の動向を注視してまいります。以上です。

中山市議これも国任せですね。政府と同じ立場に身を置く情けない姿勢だと言わなければなりません。いくつかの観点で女性差別撤廃条約が本市の市政に生かされているかを検証してきましたが、残念ながら前向きな変化が見られません。現在、本市は第5次男女共同参画基本計画の策定中ですが、この中でSDGsが掲げるジェンダー平等の視点が生かされているのか極めて不安になります。そこでこの計画案の段階でジェンダー平等に関わってどのような計画を立てているのか、お示しいただきたいと思います。

市民局長第5次福岡市男女共同参画基本計画につきましては、現在男女共同参画審議会にお諮りをしているところですが、お尋ねのジェンダー平等に関しましては第4次計画におきまして、性別に関わりなく個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会、その実現を目指して取り組んできたところでありまして、第5次計画におきましてもこの理念を引き継ぎながら策定を進めてまいります。以上です。

中山市議未だにジェンダー平等と男女共同参画を混同した答弁をされるわけです。間違ってるんですね。「ジェンダー平等」は男性と女性だけでなく、性自認や性的指向に関わらず、すべての人が平等な機会を持つことです。一方「男女共同参画」は、男女が社会のあらゆる分野において対等に参画し、意思決定に関与することを促進することです。いつまで誤った認識でいるのかということであります。いい加減にして欲しいと思います。この6月議会には新しい政策推進プランが配布されました。昨年の6月議会で、私は当時策定中だった福岡市基本計画にジェンダー平等の問題が欠如していることを指摘し、盛り込むべきだと求めましたが、「今後策定する政策推進プランの中で反映させる」と答弁されていました。しかしこのプランに目を通す限りジェンダー平等の規定はどこにもありません。一体どういうことなのか説明を求めます。

市民局長お尋ねのジェンダー平等に関しましては、政策推進プランの「政策1-1多様な市民が輝くユニバーサル都市・福岡の推進」において男女共同参画意識の浸透を位置づけております。以上でございます。

中山市議やっぱり同じ答弁されるんですね。なぜこんなことになるのかと。それは男女共同参画の土台となるジェンダー平等について、髙島市長の中にその認識がなく国際水準を無視し続けているからです。このままでは人権後進自治体、ジェンダー平等に無関心な自治体とのそしりを免れません。したがって策定中の男女共同参画基本計画においては、SDGsを紹介するだけでなく、本市の計画としてジェンダー平等の項目を起こし、具体的な目標と取り組みを明記すべきではないか。髙島市長の答弁を求めます。

市長第5次福岡市男女共同参画基本計画につきましては、引き続き、あらゆる施策に男女共同参画の視点を反映させるよう審議会に諮問し、検討を進めているところでございます。今後とも1人1人が性別に関わりなく様々な場で個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現を目指して取り組んでまいります。以上です。

中山市議このままでは「ジェンダー後進自治体」から抜け出せません。市長には認識を改めるよう求めておきます。


沖縄からの住民避難計画

中山市議次に「台湾有事」を想定した沖縄からの住民避難計画についてです。内閣府は今年3月、「沖縄県の離島からの住民避難・受け入れに係る取り組み」という文書を公表しました。これは武力攻撃予測事態つまり「台湾有事」が勃発したことを想定し、沖縄県の先島諸島からの住民避難が必要となる場合に11万2千人余を九州・山口で受け入れる体制を整えるためのものです。本市はどの地域から何人受け入れることになるのか、また輸送方法はどうなるのか、答弁を求めます。

市民局長まずお尋ねの計画につきましては、国民保護法に基づく沖縄県国民保護訓練が令和8年度に予定されており、国からこの訓練の想定上の避難先に設定をされました九州・山口各県に対して、避難住民受け入れに必要な事項等を整理した受け入れ基本要領の作成依頼があり、その検討の初年度である令和6年度に避難当初の約1ヶ月間を対象とした計画である初期的な計画が作成されたものでございます。この福岡県が作成した初期的な計画によりますと、福岡市は沖縄県石垣市の住民約2万7千人を受け入れ、移動については航空機を使用して福岡空港に輸送される想定となっております。以上です。

中山市議2万7千人といえば、本市で大規模地震の際の避難者想定数2万5千人を上回る人数です。この人数が1日当たり航空機で22便、6日間かけて福岡空港に運ばれてくる。こうなると一般航空機の離発着と合わせて大混乱するのではないか。答弁を求めます。

市民局長訓練想定上の避難先の自治体が作成します初期的な計画には受け入れ空港からの輸送手段の確保について整理することとされておりまして、避難住民にかかるる航空機や空港の具体的な運用につきましては、今後国が沖縄県等と協議をしながら検討することとされております。以上です。

中山市議今は承知していないという驚くべき答弁なんですが、では受け入れる2万7千人の方々の宿泊場所はどういう手順で割り振るのか、ホテルなら他の宿泊客は追い出すのか、また、不足する場合の受け入れはどこで行うのか説明を求めます。

市民局長訓練を想定した初期的な計画におきましては、避難住民の宿泊は市内のホテルでの受け入れを基本としまして、福岡空港に到着した避難住民を避難先連絡所で受け入れ、受付後、事前に行った割り振りに従って貸切バスでホテルへ輸送することとなっております。また市内のホテルが不足する場合には公営住宅や民間の賃貸住宅への受け入れを考慮することとなっております。なお国は避難先地域への入域の自粛要請をかけるため、ホテルは全室空室となることを計画作成の前提条件としております。以上です。

中山市議避難先連絡所は総合体育館になるそうですが、そこからホテルを割り振り、不足すれば公営住宅を割り振る。総合体育館で連絡所が不足すれば、マリンメッセや南体育館なども活用するなど、各方面に大きな影響をもたらす中身です。では、食料や物資の提供は本市が行うのか。これも弁当や食品を扱う業界が総動員され市民生活への多大な影響が生じるのではないかと思いますが、ご所見を伺います。

市民局長初期的な計画におきましては、食事はホテルによる提供を基本とし、給食設備がない場合はホテルが弁当を手配することとなっております。また生活必需品については、避難元自治体におけるニーズ調査の結果を踏まえ国や県と協力して調達することとなっております。なお本計画はあくまで令和8年度の訓練の想定に基づき作成する計画であり、特定の有事を想定したものではなく、また有事の際に九州・山口各県で受け入れることが確定しているものではありません。以上です。

中山市議そんならもうやめた方がいいですね。こんな無責任な答弁されるわけですが、あなた方本当にこんなことが可能だと考えているのか、答弁を求めます。

市民局長初期的な計画につきましてはあくまで訓練上の想定として国が定めた前提条件に基づき整理したものでありまして、今後国においては九州・山口各県および沖縄県等と協議をしながら、初期的な計画の更なる具体化や避難の中長期化を見据えた検討を進めていくこととされております。以上です。

中山市議ナンセンスな計画なんですね。そもそも沖縄県が危険な状態になったときに、九州や福岡市は安全などというのは机上の空論です。避難民を受け入れる時点で相手国は、本市を攻撃対象に加えることになります。そういった場合、我々福岡市民はどこに避難するのか、ご所見を伺います。

市民局長武力攻撃事態等の発生に際し、国は国民保護法に基づき要避難地域や避難先地域を指定の上、避難措置の指示を行うこととされておりますが、その地域をどう設定するかについてはそのときの実際の情勢などに応じて国が総合的に判断するものとされております。以上です。

中山市議全く荒唐無稽な計画です。そもそもこんな酷い計画がなぜ出てくるのか。先島諸島への自衛隊基地強化により反撃対象となることへの住民の不安、反発を抑え込むために国がつくっているものです。自衛隊が米軍と一体となり先制攻撃戦略をとる中で、「またも沖縄県を捨て石にするのか」と住民との矛盾が拡大しています。ことさらに中国や北朝鮮などとの関係について危機感をあおり、軍事体制に九州・福岡を巻き込むものであり、このような計画づくりに本市が加担するのは重大な問題だと思いますが、ご所見を伺います。

市民局長初期的な計画につきましては、あくまで国民保護法に基づく訓練の想定に基づき作成する計画でありまして、特定の有事を想定したものではなく、また、有事の際に、九州・山口各県で受け入れることが確定しているものでもございません。以上です。

中山市議こんな苦しい答弁をね、局長がせないかんということ自体が問題なんですよ。「有事」というのは戦争です。それを前提に戦時体制に本市の市民や企業、様々な団体、そして行政を巻き込む計画と準備が大がかりに進められようとしているのがこの計画です。米国と一体となった憲法違反の政府の計画が荒唐無稽でないという市長の姿勢は以上であり、粛々と付き従っていくことは、自治体の長としての資格が厳しく問われるものだと言わなければなりません。したがって、無謀で、現実のものにしてはならない。本計画の即時中止撤回を国に求めるとともに、本市として撤退を表明すべきだと思いますが、市長の答弁を求めて、私の質問を終わります。

市長我が国として万が一の事態に備えて、平素から国や地方など関係機関が連携をして様々な検討を行っていくことは重要であると認識をしています。今回の計画は国民保護法に基づく訓練の実施に係る計画であることを踏まえまして、福岡市としても国や県などに協力をしながら避難住民の受け入れに係る計画の作成を進めてまいります。以上です。

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2025年6月議会 一覧

「隠れ教育費」負担軽減と女性差別撤廃条約具体化を求め、沖縄からの住民避難計画についてただす(2025年6月11日 中山郁美市議の一般質問)

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