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議会報告
2023年度決算特別委員会
9月・10月議会を終えて
2024年11月12日 日本共産党福岡市議団
国の悪政ストップへ、福岡市から声をあげる
2023年度決算特別委員会を含む第4回定例会(9月・10月議会)が閉会しました。
わが党は、今議会に「相次ぐ米軍構成員等による女性への性的暴行事件の再発防止と関係自治体への迅速な情報共有の徹底を求める意見書」および「政治資金パーティー券購入を含む企業・団体献金の全面禁止を求める意見書」をそれぞれ立案しました。どちらも自民党、公明党などが反対し、否決されましたが、国政を揺るがす大問題について市議会の中で声をあげ、各会派の態度を問いただしたことは重要でした。
今議会に提案された紙の保険証の新規発行終了に伴う条例等の改定について、わが党は、マイナ保険証の利用率低迷、相次ぐトラブル、医療機関や自治体の負担について指摘し、紙の保険証存続を国に求めることを市長に迫りました。
国が進める「戦争する国づくり」に追随する市の姿勢も問題です。わが党は、市が毎年若者の個人情報を自衛隊に提供している問題や自衛隊による公共施設でのルールを無視したリクルート活動などの問題を指摘し、自衛隊の特別扱いはやめよとただしました。また、10月23日から11月1日の間に行われる過去最大規模の日米共同演習「キーン・ソード25」についても決算特別委員会の分科会で質問し、市として反対するよう求めました。
大失敗した世界水泳や今後の大型開発の問題をただす
今議会では昨年開催された世界水泳福岡大会の「余り金」約19億円を「基金」として積み立てることが提案されました。わが党は、この基金は新たな大規模スポーツイベントの火種になること、そして世界水泳は大企業には大もうけさせた一方で市民に多大な負担を押し付けたものであることを改めて批判し、「余り金」は市民の暮らしに還元するよう求めました。また、世界水泳で使われたことにより年間50万人も利用者が減ったマリンメッセの損失を市が全く考慮しておらず、経済波及効果はごまかしだらけであったことをわが党は指摘し、大型イベントに偏向した市のスポーツ行政のあり方を見直すよう要求しました。
市は「都市交通基本計画」の改定に向けた検討にあたり、6年前の市長選で大問題になった博多駅からの「ロープウェイ」のようなものや2年前の市長選後に大問題になった地下鉄の空港国際線延伸などを試算していますが、どれも莫大な費用がかかるとんでもない計画です。わが党はこれらの計画は市民のためではなく、観光客などの利便性向上と民間大企業の利益最優先の提案であり、コミュニティバスの実施こそ計画せよと迫りました。
今年4月、住友商事を筆頭としたJR九州や西鉄、西部ガスなどが参加する企業グループが九大箱崎跡地開発を担う優先交渉権者に選定されましたが、そのグループが提案する「スマートサービス」は、企業が個人情報を握りそれをもとに商売するためのものです。わが党は、情報流出の懸念もあるこの提案を批判したうえで、不透明な優先交渉権者の選定過程の情報開示と住民要求を基本に据えた跡地利用を求めました。
市民・中小業者切り捨ての路線見直せ
福岡市が策定中の第10次基本計画にあわせて素案が提案されている「財政運営プラン」は「選択と集中」と言って市民負担を増やす一方、大型開発には指一本触れない計画になっています。また、同じく素案が提案されている「政策推進プラン」では、SDGsを掲げているにも関わらずその一丁目一番地である「貧困をなくす」も「ジェンダー平等」も書いておらず、一方で地場中小業者にはほとんど恩恵のない観光・MICEやスタートアップ(起業)支援については具体的です。わが党は、これまで市長が進めてきた大企業の儲け最優先、市民の暮らし切り捨ての路線から何も変わっていない素案だと批判し、社会保障充実や中小業者応援で地域循環型経済を発展させる計画にするなど全面改訂を求めました。
全国的には生活保護受給者が増えているにも関わらず、窓口対応の問題と広報・啓発が弱いことで、市の生活保護率は逆に下がっています。わが党はこのことを指摘し、丁寧な窓口対応やSNS等を活用した広報・啓発の強化、そして物価高騰に見合っていない生活保護費を補てんするために夏季見舞金や下水道料金減免の復活・拡充を求めました。また、高すぎる介護保険料を引き下げるために一般会計からの繰り入れを行うこととあわせ、必要な介護サービスを維持するために訪問介護事業所への支援と介護職の処遇改善のため市独自の補助金を出すよう要求しました。
わが党はコロナと物価高騰の影響で苦境に立たされている中小業者への支援強化、公契約条例の制定や総合評価方式の改善でまともに生活できる賃金を労働者に保障すること、有機農業の推進と農業予算の増額で農業振興を図ることなどを提起しました。
市民の切実な要求を掲げて奮闘
わが党は今議会でも、様々な市民の切実な要求を掲げて奮闘しました。
市内小・中学校の校舎増築に関わって過大規模校の問題をただし、児童数や生徒数が多い地域の開発規制を求めました。また、スクールソーシャルワーカーなどの専門職が低賃金の非正規市職員であり「5年で雇い止め」になる問題をとりあげ、待遇改善と雇い止め撤回を要求しました。さらに、市内の認可外保育所で働いていた保育士からの告発を受け、保育園での子どもの虐待や不適切保育の根絶、保育士の負担軽減のための市独自の配置基準見直しなどを求めました。
その他、遅れているバリアフリー化の推進や民間住宅の断熱促進などについても質問しました。
大失敗した世界水泳福岡大会と無謀な都市交通基本計画、自衛隊に対する特別扱いについてただす
市の財政運営プランと政策推進プラン、生活保護行政についてただす
保育園での子どもの虐待根絶、中小業者支援、有機農業推進を求める
以上