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議会報告「発言と答弁」全文

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2024年12月議会

倉元達朗市議の一般質問 発言と答弁 全文

音声をもとに党市議団が文字起こししたものです

  1. 中小企業の人手不足支援
  2. 福岡空港へのオスプレイ飛来
  3. 日米共同統合実働演習

倉元市議私は日本共産党市議団を代表して、中小企業の人手不足対策福岡空港へのオスプレイ飛来日米共同統合実働演習について質問いたします。


中小企業の人手不足支援

倉元市議質問の第一は中小企業の人手不足対策です。コロナ禍以後、中小企業を巡る環境は激変しています。アベノミクスの量的緩和政策による円安誘導や、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う農産物やエネルギーなどの世界的な供給危機といった複合的な要因による物価高に加え、日本国内では労働力不足が顕在化しています。今、いかなる中小企業支援が必要なのか。本市では現在「第3次福岡市中小企業振興プラン」が策定中であり、本議会中に経済振興委員会に素案が報告される予定です。そこで10月の決算特別委員会総会に引き続き論じていきたいと思います。まずはじめに、本市が行った「中小企業振興に関するアンケート」において「今後の事業展開における課題」で一番多かった回答についてお尋ねいたします。以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて行います。

経済観光文化局長令和6年に福岡市が行いました「中小企業振興に関するアンケート」調査では、今後の事業展開における課題として人手不足と回答した事業者の割合が62.3%で最も多くなっております。以上でございます。

倉元市議人手不足は2年連続で1位であり、昨年の53%から62%へと約10ポイントも増えています。アンケート結果では「人手不足」について71%の中小企業が感じており、今年8月に行われた福岡市中小企業振興審議会においても委員から「人手不足・後継者難が深刻な課題となっている」という意見が出されています。そこで、どうして本市の中小企業が人手不足に苦しめられているのか。その原因と影響について、ご所見をお伺いします。

経済観光文化局長日本が人口減少社会を迎え少子高齢化が進展する中、全国的に様々な分野で人手不足が生じているものと認識しております。以上でございます。

倉元市議では、策定中の「第3次プラン」では、人手不足についてどのような政策を位置づけようとしているのかお尋ねします。

経済観光文化局長現在策定しております「第3次中小企業振興プラン」におきましては、人手不足の対策と生産性の向上を3つの取り組みの柱の一つとして掲げ、人材の確保や定着、デジタル化の促進による生産性の向上などの支援に取り組むこととしております。以上でございます。

倉元市議「第3次プラン」の素案には人材不足対策として取り組みの成果、残された課題、今後の方向性と具体的に述べられています。観光、クリエイティブ関連、介護など分野別にも分析、提言がなされています。しかし、アンケート結果を見ますと建設業において「人材不足」「人材の育成」を経営課題として挙げている割合が他の業種に比べて高いことがわかります。また人員体制についても「過不足なし」と答えた割合が運輸業、宿泊業と並んで建設業は他業種に比べて低いこともわかります。したがって、建設業における人手不足問題は、他業種に比べて深刻だと思いますが、ご所見をお伺いします。

経済観光文化局長アンケート調査によりますと、建設業においても今後の事業展開における課題として、父祖人手不足と回答した事業者の割合が80.2%と最も多くなっており、人手不足感が高まっているものと認識しております。以上でございます。

倉元市議中小企業家同友会全国協議会の調査では人手の過不足感DIは全産業平均でマイナス39に対して建設業はマイナス80.6と突出しています。深刻なんです。しかし「第3次プラン」素案には建設業については触れられていない。その理由についてお尋ねします。

経済観光文化局長人手不足はほぼ全ての業種に共通の課題であることから、「第3次プラン」の素案におきましては、建設業を含む幅広い業種の成果、課題、今後の方向性をまとめて整理しているものでございまして、福岡市の産業特性や強みを踏まえ、基本計画においても重点分野に位置付けられた知識創造型産業や観光MICEなどについて具体的な事例として記載しているものでございます。以上でございます。

倉元市議私が述べているように、他業種に比べても建設業の人手不足っていうのは突出しているんですよ。ですからこれをちゃんと位置付ける必要があると思います。建設産業は、社会資本の整備を支える不可欠の存在であり、震災復興、防災・減災、老朽化対策など「地域の守り手」としても極めて重要な役割を担っています。その担い手が不足していることは看過できません。公益財団法人九州経済調査協会の調査では2030年、6年後にこの福岡市だけで2400人の人手不足が建設業で起きると警鐘を鳴らしています。アンケートでも建設業では「募集しているが、応募が来ない」と答えた割合が他業種に比べて高い結果となっており待遇が悪いことが要因の一つと考えられます。そこで建設業の賃金と全産業平均賃金の違いはどれぐらいあるか、お尋ねします。

財政局長国の資料によりますと、令和5年の平均年収額として建設業が432万円、全産業が508万円となっております。以上です。

倉元市議建設業は、他産業よりも約16%の賃金が安く、一方で就労時間が長いというデータが出ています。決算特別委員会で私は建設労働者の賃上げについて提言を行いました。業界全体で賃金が上がれば人材確保につながりますし、建設業界は皆さんご承知の通り、重層的な下請け構造になっていますので、賃上げは仕事を請け負う中小企業・小規模業者の活性化にもつながります。決算の質疑で福岡県建設労働組合の賃金調査で本市が行う公共工事においても国が定めた設計労務単価の6割しか労働者に支払われていない問題を取り上げました。そのときの答弁をもう一度お答えください。

財政局長公共工事設計労務単価につきましては、国が毎年10月に国、都道府県、政令市などの発注工事から無作為に抽出した工事について従事した元請、下請け、全ての技能労働者の賃金を調査し、平均単価を職種ごとに定めたものであり、翌年度の公共工事の積算に適用されているものでございます。また、当該単価には、法定福利費や賞与等の日額換算なども含まれますことから、個々の労働者に直接支払われる額と必ずしも一致するものではないと考えております。以上です。

倉元市議局長の答弁は設計労務単価には賃金の他に法定福利費、そして賞与が含まれているので、必ずしも賃金と一致しないということなんですね。ただ、賞与と言われますけれども、賞与をもらっている建設労働者がどのぐらいいるかといいますと、確かに大手のゼネコンに雇われている人は賞与をもらえるでしょう。しかし、中小・小規模の業者に雇われている多くの労働者は賞与なんてもらってないっていうのが、これ業界の当たり前なんですね。ましてや一人親方は自分が事業主ですから、はなから賞与はないだけでなく、経費もかかります。このような実態から見れば、やはり本市のですよ、公共工事の設計労務単価の6割しか賃金が払われていないという、この調査結果について問題がないと強弁することは無理があると思いますが、ご所見をお伺いします。

財政局長繰り返しになりますが、公共工事設計労務単価は、無作為に抽出した全国の約1万件の公共工事等について従事した元請、下請け、全ての技能労働者の賃金の支払い諸実態を調査し、例えば特殊作業員、軽作業員、大工、左官などそれぞれの職種ごとに単価を定めたものでございます。また当該単価に法定福利費なども含まれますことから、特定の工事現場における個々の労働者に直接支払われる額と必ずしも一致するものではないというふうに考えてございます。以上です。

倉元市議私たちが6割って言っているのは、職種に合わせて、それに比して6割なんだというふうに言っています。賃金と設計労務単価をピッタリ合わせると言っているわけじゃないんです。末端の労働者の賃金があまりにも低すぎることを問題にしています。局長の答弁は現状を見ず、労働者に心を寄せない態度です。そこで、設計労務単価に準じた適正な賃金が支払われるように市が率先して取り組むべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

財政局長福岡市におきましては毎年度、公共工事設計労務単価の決定に合わせまして、関係業界団体に対し、適切な賃金水準が確保されるよう、文書により要請しております。また、施工体制の確認に関する抜き打ち点検を年2回実施し、下請け契約が適切に行われているかなどの確認を行っております。以上です。

倉元市議今までやってきたことを繰り返していても問題の解決になりません。先の決算特別委員会で要求したように、人間らしく働くことのできる労働条件を保障する、公契約条例の制定や総合評価方式に労務単価を守らせる項目を採用して適正な賃金が支払われるようにすべきです。この間、国土交通大臣は国会で何度となく「建設現場を担う技能労働者の賃金確保は喫緊の課題」と答弁しています。そうした中、建設業における労働条件の改善や担い手確保のための「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の推進に関する法律の一部を改正する法律」いわゆる新担い手三法が6月に国会で可決成立しました。法律の概要について説明をお願いします。

財政局長お尋ねの改正法につきましては、建設業の担い手確保を目的として労働者の処遇改善、労務費へのしわ寄せ防止、さらには働き方改革や生産性向上を図るための措置が盛り込まれてございまして、令和6年6月7日に成立しております。なお改正法の一部は既に施行されており、令和7年中には全てが施行される予定となっております。以上です。

倉元市議建設業においては、元請、下請け、孫請けといった重層的な下請け構造が存在します。このことから資材の高騰や工期の延長によるコスト増が建設技能者の賃金にしわ寄せされ、長時間労働、低賃金が常態化してきました。この悪しき慣習から脱却できると期待されているのがこの法律です。この法律で建設労働者に適正な賃金、いわゆる「標準労務費」が勧告されるとなっていますが、誰がどうやって定めるのか、お尋ねします。

財政局長建設工事の労務費に関する基準につきましては、改正建設業法に基づき学識経験者等で構成される中央建設業審議会が作成し、その実施を勧告することとされており、令和7年中を目途に当該基準の作成および勧告がなされる予定となっております。以上です。

倉元市議この「標準労務費」が現場で働く建設技能者に支払われるべき賃金水準とされ、これを下回ると著しく低い賃金というふうになります。今回の法改正では、著しく低い賃金しか支払えない見積もりを発注者と受注者の両方に禁じています。このことは福岡市が発注する公共工事にも適用されると思いますが、答弁を求めます。

財政局長建設工事の労務費に関する基準につきましては、国の資料によりますと適正な水準の労務費が公共工事・民間工事に関わらず、受発注者間、元請、下請け間など全ての段階において確保され、技能労働者の賃金として行き渡らせるために作成されることから、福岡市の公共工事にも適用されるものと認識しております。以上です。

倉元市議当然適用されます。これから職種ごとに能力別の「標準労務費」が勧告されていきますが、私が先ほどから紹介してきた設計労務単価の6割しか賃金が払われていない。本市公共工事の事例は著しく低い労務費として今進められることになります。違反した場合はどうなるのか、答弁を求めます。

財政局長中央建設業審議会が作成する労務費の基準を著しく下回る見積もりや契約締結は禁止されており、これに違反した場合、必要に応じて国土交通大臣または都道府県知事から、建設業者に対しては指導監督処分、建設工事の発注者に対しては勧告・公表がなされることとされております。以上です。

倉元市議勧告、公表といった処分になります。こういった処分を受けないように本市も適正な見積もりを行い、適正な賃金が支払われるように監督することが必要だと思いますが、ご所見をお伺いします。

財政局長建設工事の労務費につきましては現在、中央建設業審議会において基準の作成と合わせて、その実効性の確保策についても検討がなされておりまして、令和7年中を目途に勧告が予定されていることから、福岡市といたしましてもその動向を注視し、適切に対応してまいります。以上です。

倉元市議適切に対応すると言われますがね、これまで福岡市は文書で、紙切れ1枚で「ちゃんと支払ってくださいよ」と現場任せにしてきたっていうのが実態なんですよ。でもこれからこんなやり方では通用しません。「標準労務費」が本当に行き渡っているのか、あるいは重層請負構造、特に中抜きのようなことが行われていないのか、こういったチェックをしっかりやっていく必要があると思います。現場に入って調査することを局長は約束できますか。答弁を求めます。

財政局長国の実効性の確保できる施策が出ました際にはそれに基づき福岡市としても適切に対応してまいります。以上です。

倉元市議新しいルールですから行政が民間の手本になって浸透させさせていかなければなりません。また今回の法改正では、資材高騰などによる請負代金の変更の恐れについて、契約時に受注者が発注者に通知する義務があります。そして、そうした事態になれば注文者に変更協議を求めることもできるとしています。公共発注者、福岡市においては、協議に応ずる義務がある。このことも申し述べておきたいと思います。法の施行に向けて万全の準備を求めておきます。

次に、中小企業・小規模業者で働く人の賃金を上げて人手不足の解消の一助にすることについてです。労働者の約4割が非正規という異常な労働実態が広がるなか、雇用形態に関わらず誰もが人間らしく働ける労働条件を保障し、労働者全体の賃金を底上げとなる最低賃金の大幅引き上げは重要な課題です。福岡県においても最賃の引き上げが行われてきました。一方で、最賃引き上げを負担に感じている中小企業・小規模業者もあると聞いていますが、ご所見をお伺いします。

経済観光文化局長最低賃金につきましては、最低賃金法に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長において、中央または地方の最低賃金審議会に調査審議を求め、その意見を踏まえ、適切に決定されているものと認識しております。引き上げ後の最低賃金より低い賃金水準であった事業者については、コスト削減や生産性向上といった取り組みが必要となっているものと認識しております。以上でございます。

倉元市議中小企業家同友会全国協議会は21年8月、賃上げによって大きな負担となる社会保険料の事業主負担分について助成制度の創設などの軽減措置を国に要望しました。多くの地方最低賃金審議会は、24年度地域別最低賃金改定にあたり、「賃上げを直接的に支援する新たな支援制度の創設等」を求めています。中小企業が最低賃金を支払えるように賃上げに本格的な支援を行う必要があると思いますが、ご所見をお伺いします。

経済観光文化局長最低賃金の引き上げに向けては、コスト削減や生産性向上といった取り組みが必要となるものと認識しておりまして、福岡市では国の業務改善助成金など、最低賃金引き上げのための支援制度活用について周知に努めているところでございます。以上でございます。

倉元市議局長は国の施策を紹介されたわけですけれども、これ抜本的なものじゃないんですね。「業務改善助成金」も要件が厳しく、そもそも赤字で設備投資もできない多くの中小企業には全く効果がありません。こうした中、全国で最大の引き上げ幅となった徳島県では時給を引き上げた中小企業などに正社員1人当たり5万円、非正規社員1人当たり3万円、合わせて50万円を上限に一時金を支給する制度を作りました。岩手県でも、時給50円以上の賃上げを行った中小企業に対し、従業員1人当たり5万円、上限100万円を支給しています。そこで、本市においても賃上げによる中小企業への負担を緩和するとともに賃上げを促進するための支援金制度を作るべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

経済観光文化局長福岡市では継続的な賃上げを促進するためには、事業者によるコスト削減や生産性向上といった取り組みが必要であると認識しておりまして、ITデジタル技術を活用した業務効率化などにより、中小企業や小規模企業者を支援してまいります。以上でございます。

倉元市議やらないということですが、多くの中小企業、小規模業者が原材料やエネルギー、人手不足による労務費の高騰分を価格に転嫁できずに苦しみ、賃上げも実現できないままでいます。賃上げができないと大企業との格差が広がってしまい、中小企業の人手不足はひどくなる一方です。賃上げを支援する施策は不可欠です。2024年度版の「中小・小規模企業白書」では「人材確保のためには働きやすい労働環境の整備や賃上げに向けた投資が必要である」と述べています。「第3次プラン」素案でも省力化投資を通じた生産性の向上や、脱炭素化、DXの実現による付加価値向上などが主流になっています。しかし、これらは中小企業の自助努力によるイノベーションが軸となっており、それだけでは不十分です。したがって、市長は市内中小企業・小規模業者の人手不足を解消する一助となる賃上げ支援や建設労働者の賃金を上げるためにあらゆる手立てをとるべきと思いますが、この問題の最後にご所見をお伺いします。

市長市内企業の99%を占め、地域経済を支えている中小企業、小規模企業者の振興のためその人手不足対策は非常に重要であると認識をしており、現在策定中の「第3次中小企業振興プラン」において、人手不足の対策と生産性の向上を取り組みの柱と位置づけ、必要な施策を盛り込むとともに、公共工事におきましては、関係法令の改正等も踏まえ、担い手の育成や確保に配慮しつつ、働き方改革を推進するなど、引き続き中小企業、小規模企業者の持続的発展を支援してまいります。以上です。

倉元市議「第3次プラン」で確かに人手不足の対策を強化するというふうに言われているけれども、生産性の向上だけじゃね、やはり苦しんでるところはそれに該当できないんですよ。中小企業の自助努力だけに委ねていたら、この問題を解決できない。そのことを指摘しておきたいと思います。行政がしっかりと支援すべきです。


福岡空港へのオスプレイ飛来

倉元市議次に、オスプレイ飛来についてただします。11月14日9時30分頃に、米軍のオスプレイ4機が福岡空港に飛来しました。福岡空港のオスプレイが飛来したのは今回が初めてです。住宅地や繁華街に囲まれた民間空港での離着陸に、市民から不安と怒りの声が上がっています。周知の通り、オスプレイは各地で事故を繰り返してきています。そこで、2022年以降の2年間でオスプレイが起こした死亡事故はどのようなものがあるのか、日時、場所、死亡者数についてお尋ねします。

市民局長お質しの事故につきましては、国内においては、令和5年11月29日14時40分頃、鹿児島県屋久島沖で、米空軍のオスプレイが墜落し、乗員8名が死亡の旨防衛省および公表されております。国外での状況につきましては、防衛省から公表がなく承知をしておりません。以上です。

倉元市議22年3月ノルウェーで4人死亡、22年6月米本土で5人死亡、23年8月オーストラリアで3人死亡。この2年間だけで20人死亡しています。オスプレイは開発段階から墜落事故が相次ぎ、これまでに65人の乗組員が死亡しています。戦闘による死者は1人もいないんですね。全て墜落事故など事故によるという異常な事態です。そこで、多発する事故の理由について、アメリカ政府や日本政府はどのように説明しているのかお尋ねします。

市民局長防衛省が令和6年3月に公表した資料によりますと、日米の確認作業の中で、令和5年11月29日の事故に関しては、特定の部品の不具合が発生したことが事故の原因であるとされております。以上です。

倉元市議住民に不安を与えないようにあたかもさらっと答弁をされたわけですけれども、しかしそんな甘いもんじゃありません。例えば、局長も言われた昨年11月CV22オスプレイが鹿児島県屋久島沖に墜落し、乗組員8人全員が死亡した事故の調査報告書を見ると、2つの原因が書いてあるんですね。1つは「操縦士の意思決定」、もう1つは駆動システムの急激な不具合を生んだ「左側ギアボックスの壊滅的な故障」です。そのメカニズムについては時間の都合上詳しく述べませんが、重大なのは、局長が答弁されなかったのは、報告書が「正確な根本原因を特定することができなかった」としていることです。またオスプレイには他の部分でも欠陥があると指摘されています。このように事故の原因を特定できないオスプレイは「構造的欠陥機」と言えると思いますが、ご所見を伺いします。

市民局長同じく防衛省の資料によりますと、オスプレイの設計と構造に問題はないとされております。以上です。

倉元市議局長の答弁は、あまりにも楽天的で、そして自分たちで何も知ろうとしない。極めて怠慢な答弁だと言わざるを得ません。米軍は12月9日オスプレイの全機の飛行を停止し、翌日、陸上自衛隊も保有するオスプレイについて、当面飛行を停止するとしています。米軍は昨年11月、屋久島沖の墜落事故を受け全機が飛行停止。今年3月に解除されましたが、わずか9ヶ月で再び全機飛行停止に追い込まれました。オスプレイが運用不能の欠陥機であることはこのことから誰が見ても明らかじゃないですか。また、アメリカ最大の通信社であるAP通信は2019年から23年までの5年間のオスプレイの事故調査報告書や飛行データを調べ、事故の多くはエンジンなどの機体の設計上の問題に起因していると報じています。さらに米軍が運用継続している状況に「依然として疑問が残る」と否定的な見方も示しています。本当に局長の答弁はでたらめだと思います。こんなオスプレイが福岡空港に飛来したわけですが、今回どのような飛行ルートを経て着陸したのかお尋ねします。

市民局長飛行ルートにつきましては公表されておらず、承知をしておりません。以上です。

倉元市議わからない。しかし、知ろうとしないというのが正確なのかも知れません。「Flightradar24」というスウェーデン企業が運営する、飛行中の民間航空機の現在地をリアルタイムで表示するアプリで飛行ルートを調べてみました。9時30分に福岡空港に着陸するまでに那珂川市から早良区で糸島市付近を経て、9時28分、玄海灘を旋回して、海の中道上空より東区、博多区上空を飛行しています。このように、本市上空を欠陥機であるオスプレイが飛行したことは、危険極まりなく問題だと思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長オスプレイの安全性について、市は所見を述べる立場にないものと認識をしております。オスプレイの運用などを含め、安全保障に関することは国の専管事項であり、国の責任において適切に対応されるものと考えております。以上です。

倉元市議全く無責任な答弁です。事故を起こす可能性が高い欠陥機が福岡市の上空を飛行したんです。もっと深刻にこの事態を捉えるべきであります。福岡市は、福岡市民の命と財産を守る立場に立てば、市長は本市上空を経て、福岡空港へオスプレイが飛来したことについて断固抗議すべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長国の安全保障に関することについては、国の責任において適切に対応されるべきものと考えております。以上です。

倉元市議市長は抗議しない。つまり容認するということです。では今回どうしてオスプレイが福岡空港に飛来したのか、その理由についてお尋ねします。

市民局長九州防衛局からは米空母ジョージ・ワシントンで実施をされます米国主催イベントの参加者を輸送するために、福岡空港を利用したと聞いております。以上です。

倉元市議米国の要人を運んできたということですが、本当の目的は違うと思います。オスプレイは米軍が岩国に配備しており、自衛隊は佐賀空港にオスプレイを配備する予定です。先ほどから指摘しているように、いつ事故を起こすかわからないために緊急着陸できる空港があればあるだけ助かる。その一つに、福岡空港が狙われているのではないかという指摘もあります。つまり、今後オスプレイが福岡空港を使用するための地ならしが今回の飛来の目的だったのではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長繰り返しになりますが、今回の空港利用の目的は米国主催イベントの参加者を輸送するためと聞いております。以上です。

倉元市議知らないふりをしてるんじゃないんですか。では、別の角度から聞きます。本市では行政、議会、市民が一体となって「板付基地返還促進協議会」を構成し福岡空港に存在する米軍基地の返還を求めてきました。そこで、返還協における市長の役職について、お尋ねします。

総務企画局長 板付基地返還促進協議会における市長の役職は顧問でございます。以上でございます。

倉元市議返還協議会が毎年掲げている運動方針に「福岡空港の軍事基地化および軍事利用に反対します」という項目があります。顧問である市長が今回のオスプレイ飛来について問題ないかのような答弁をなされるのは、運動方針に反していると思いますが、ご所見をお伺いします。

総務企画局長 板付基地返還促進協議会につきましては、板付基地の返還を目的に市議会、自治協議会、男女共同参画協議会、労働団体などで構成されており、満場一致をもって、必要な事業が行われているところでございます。福岡市は当協議会の一員として、その議決事項を尊重するとともに、協議会を通じ板付基地の返還について、国や在日米軍司令部等に要望を行っているところであり、引き続き適切に対応してまいります。以上でございます。

倉元市議「軍事基地化および軍事利用に反対する」っていう運動方針に明らかに反しているんですよ。1955年以来、長年にわたって平和を祈念し、運動を進めてきた広範で大勢の先人たちの思いを踏みにじるものです。厳しく批判をしておきます。次に危険なオスプレイが飛来することを市民がどうやって知ったのかという問題です。今回の飛来について、福岡市はいつ、どこから情報を得たのですか、その内容についても答弁してください。

市民局長令和6年11月13日に九州防衛局から市民局に対し、不確定な情報としてオスプレイが11月14日に福岡空港へ飛来する可能性がある旨、関係者限定の情報として連絡があり、翌14日には確定した情報として連絡があったものでございます。以上です。

倉元市議第一報は前日に連絡を受けたということなんです。市民の代表が集う議会への説明、市民への周知がなされたのかお尋ねします。

市民局長九州防衛局からは米軍の行動に関する事項であり、非公表とされていたため周知は行っておりません。以上です。

倉元市議まったくなされていません。私も同僚議員から連絡を受けてこのことを知りました。打越議長は代表者会議で「テレビで知った。言語道断だ」と発言されています。市民の安全に関わる問題で議会をはじめ市民に周知されなかったことは問題だと思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長米軍機の飛来など安全保障に関する情報の提供についてはその可否も含め、国の判断により適切に実施されるものと考えております。以上です。

倉元市議「前日」に連絡を受け、そして非公表にしてほしいと言われたから周知しなかった。どこを向いて仕事をやっているのか。市民の安全に関することだけにすぐに知らせるのが当たり前ではないですか。国の言いなりで市民をないがしろにしていますよ。11月18日、九州防衛局に日本共産党福岡市議団は抗議と申し入れを行いましたが、そのやり取りの中で、1週間前からオスプレイの飛来はわかっていたと九州防衛局が明らかにしました。また、飛来したオスプレイにはマスコミも同乗していました。マスコミにも事前に情報が知らされていました。にもかかわらず、福岡市には「前日」にしか知らされなかったのであります。「前日」にしか連絡を受けなかったことについて、市長は抗議をしたのか、答弁を求めます。

市民局長国の安全保障に関する情報の提供につきましては、その可否を含め、国の判断により適切に実施されるものと考えております。以上です。

倉元市議抗議さえしていません。市長はこの件を屈辱的と感じないんですか。要するに市民にオスプレイの飛来について知らせる必要はないと考えているわけです。市民の安全を守る役割を放棄しています。しかしこのままでいいはずがありません。今後オスプレイ飛来のような重要な情報を米軍や国から得た場合、速やかに市民や議会に知らせるべきと思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものと考えておりますが、今後国から市に情報提供が行われ住民生活に大きな影響が見込まれる場合などは、関係者と調整・情報収集の上、周知に努めてまいりたいと考えております。以上です。

倉元市議はっきりと答弁しません。地方自治体は、国から独立した団体として本来ならば主体性を発揮できるんですよ。しかし、あなた方はその権利を自ら放棄している。まったく情けない態度です。オスプレイがどういう軍用機なのか、更に述べたいと思います。元々、中東の砂漠地帯の内陸深くに侵攻するために開発されました。通常のヘリコプターと違って1000キロメートルも飛び続けることができる。空中給油を行えば、2000キロ、3000キロと飛べる。福岡から東京、札幌まで行ける距離です。しかも20人から30人の兵隊を運び、敵のレーダーに引っかからないように低空飛行で時速500キロで飛んでいける。普通のヘリコプターが時速130キロから170キロですからすごい能力です。つまり、侵略のためにこのオスプレイっていうのは作られたんですよ。日本防衛と全く関係ないわけです。しかもオスプレイは2026年には生産終了します。紹介してきたように事故を起こす危険があるからです。こんなオスプレイが初めて福岡市に飛来した。しかも今回、米軍と国土交通省福岡空港事務所が定期便との関係で調整をしたのかと尋ねると、国土交通省航空局は、調整した事実は確認できていないと語っています。好き勝手に飛来してきたのが事実であります。これで安全が守られるんでしょうか?これらに関して、市長が何も抗議しない。調べようともしない。国のやることだからといって、言いなりになっていては、アメリカの戦争に市民を巻き込むことになりかねません。地方自治の観点から市長は国や米軍にはっきりとものを言うべきです。したがって市長は、市民の命と安全を守るためにオスプレイの日本国内での飛行中止と撤去、日本政府と米軍に働きかけるべきと思いますが、ご所見を伺います。

市長日米間に関わることなど、国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に判断・対応されるべきものであり、今後とも国民の生命と安全を守るためにその役割を果たされるものと認識をしております。一方で、昨今のオスプレイを取り巻く状況を受けて、オスプレイの飛来に対して不安を感じる市民がおられることは認識をしております。福岡市といたしましては引き続き国の動向を注視するとともに、市民生活の安全を確保するという立場で必要に応じ適切に対応してまいります。以上です。

倉元市議これまでの答弁聞いてるとね、国の安全保障、国の安全保障と繰り返し言われるけれども、安全保障のことについて言ってはならないという法的根拠はないんですよ。沖縄県知事をはじめ多くの自治体の首長がちゃんと発言していますよ。市長の答弁は市民の命と安全を全く考えないものだと厳しく指摘しておきたいと思います。


日米共同統合実働演習

倉元市議次に、日米共同統合実働演習についてただします。10月23日から11月1日まで、沖縄県など南西諸島を中心に、自衛隊と米軍による最大規模の日米共同統合実働演習が全国各地で行われました。台湾有事での中国とアメリカの武力衝突を想定しているとみられ、最前線の南西諸島をはじめ、米軍のアジア最大の出撃・中継・補給拠点である日本が戦場になることを前提とした軍事演習です。そこでお尋ねしますが、福岡空港を使った演習について日時と内容について答弁してください。

市民局長お質しの演習につきましては、令和6年10月30日18時30分頃に、福岡空港を経由地とした負傷者を搬送する訓練が実施されたとの報道がなされております。以上です。

倉元市議負傷兵を沖縄から搬送するという実に生々しい演習が福岡空港を使って行われたということです。これはまさに、戦争を想定した軍事訓練であると思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長防衛省の資料によりますと、わが国防衛のための日米共同統合運用能力の維持向上を図ることを目的として実施したものとされております。以上です。

倉元市議有事を想定した演習に他なりません。このような演習を福岡空港で行えば有事の場合、相手から攻撃の対象になると思いますが、ご所見をお伺いします。

市民局長国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものと考えております。以上です。

倉元市議何も考えようとしません。ジュネーブ諸条約追加議定書という国際法があります。ざっくりと言うと、戦争のルールを定めたものです。第52条で「民用物は、攻撃の対象としてはならない」と述べた上で「軍事目標は、その性質、位置、用途又は使用が軍事活動に効果的に資する物」と定めています。福岡空港のように軍事訓練に使用している施設は明確な軍事的利益をもたらすとして攻撃の対象となります。局長が何も考えないというふうに言っている限り、攻撃の対象になっちゃうんです。このように市民を戦争に巻き込むようなことが本市で行われたことについて国や米軍に抗議したのか、お尋ねします。

市民局長国の安全保障に関することにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものであり、今後とも国民の生命と安全を守るためにその役割を果たされるものと認識をしております。以上です。

倉元市議全くひどい答弁です。では演習について、本市は事前に説明を受けていましたか、お尋ねします。

市民局長令和6年8月26日に九州防衛局から市民局に対して、福岡空港を経由地とした搬送訓練の概要について説明があっております。以上です。

倉元市議説明を受けたけど、ホームページに載せただけ。議会への報告もない。演習の中止も求めない。全く主体性を欠いた態度です。では、特定利用港湾に選定された博多港の使用について今回の演習では打診されなかったのか、答弁を求めます。

港湾空港局長博多港の利用について打診はございませんでした。以上でございます。

倉元市議今後、今回のような米軍との共同演習での使用を打診された場合、博多港の使用を許可するのか、お尋ねします。

港湾空港局長博多港は特定利用港湾となりましたが、広く民間に利用されている商港であることに変わりはないため、これまで通り港湾管理者として、まずは商船の荷役等に支障がないかを確認した上で、関係法令に基づき適切に対応してまいります。以上でございます。

倉元市議局長の答弁は、何一つ根拠のない極めて楽観的な考えですよ。何も変わらないっていうなら、特定利用港湾に国が選定して港湾整備の費用まで面倒見るなどということはやりません。有事を想定しないで何で訓練やるんですか、何のために訓練ですか。こんな態度ならば、今後国や米軍は我が物顔で博多港も軍事利用していく。今回の質問でいかに福岡市が国や米軍が一緒になって進める戦争のできる国づくりに何も言わず盲目的に言いなりとなっているかが明らかになりました。そんなことでは市民を戦争に巻き込むことになります。福岡市には市民の命と安全を守る使命があります。国や米軍に言うべきことはきちんと言うべきです。したがって、福岡空港の軍事利用にきっぱりと反対するとともに博多港の特定利用港湾選定の返上、軍事的使用を拒否すべきと思いますが、最後に市長のご所見をお伺いして私の質問を終わります。

市長日米共同統合演習など国の安全保障に関わることにつきましては、国の責任において適切に対応されるべきものであり、今後とも国民の生命と安全を守るためにその役割を果たされるものと認識をしております。一方で、福岡空港・博多港は、福岡のみならず九州・西日本地域の玄関口として重要な役割を担っております。福岡市といたしましては、福岡空港・博多港が広く民間に利用されていることを踏まえ、市民生活の安全を確保するという立場で、引き続き適切に対応してまいります。以上です。

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2024年12月議会 一覧

中小企業の人材不足対策を求め、福岡空港軍事利用についてただす(2024年12月12日 倉元達朗市議の一般質問)

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