2023年9月議会
学校安心メール、九大跡地利用についてただし、
院内保育所保育士への家賃補助、舞松原地域水害の抜本対策を求める
2023年9月5日 わたぬき康代市議の一般質問
日本共産党のわたぬき康代市議は、2023年9月5日に福岡市議会の一般質問に立ち、ワクチン治験者募集の広告で問題になった学校安心メールについてや、九大跡地をめぐる地場連合白紙問題についてただし、認可外保育施設及び院内保育所の保育士へ家賃補助・奨学金補助をおこなうことや、東区舞松原地区若宮商店会の水害について抜本的対策をおこなうことを求めました。
学校安心メールは保護者への休校連絡や災害時の緊急連絡などに活用されている、企業の広告が入る無料の一斉メール配信サービスです。7月29日、5歳から11歳までの子どもを対象にした感染予防ワクチンの治験者を募集するというメールが一斉に保護者に送られたことで大きな混乱が生じ、全国からも「教育委員会や学校が治験を推奨しているのか」と不安と心配の声が相次ぎました。わたぬき市議は、教育委員会が各学校に対して財政措置をせず、今回のようなリスクのある無料メールシステムを推奨し続けてきたことが問題の背景にあると指摘。必要な予算も確保し、広告の入らない学校安心メールに改善すべきだと求めました。教育長は予算確保については明言しませんでしたが、広告メールの取り扱いも含めて改善の検討を進めると答弁しました。
8月8日の西日本新聞で、「九大跡地再開発地場連合が解消」という見出しで、JR九州、西部ガス、西鉄、九電が参加する地場企業連合の意見が割れ、共同入札が白紙になったとの報道があったことについて、わたぬき市議は市の見解を問いただしました。すると、市は「把握しておらず、そもそも公募期間中に公の立場の者が公の場でこのような議論をすること自体、公募の支障になる」などと答弁。わたぬき市議は、45億円もの税金をつかい、九大跡地まちづくりの中心的役割を果たしてきた福岡市が、知らないふりをすることは許されないと批判しました。また、この報道で「アリーナ」の建設案が出ていたことについて、住民は「アリーナ」などまったく望んでおらず、跡地開発にかかわる大企業が巨大なハコモノを中心として好き勝手な絵を描いているものだと指摘。住民要求が反映される九大跡地利用にすべきだと強く要求しました。
コロナ禍のなか、病院内で働く医師や看護師などの子どもを預かる院内保育所の役割は大きいものがあります。しかし、福岡市が独自におこなっている保育士への家賃補助や奨学金補助は、認可保育所や企業主導型保育施設の正規雇用の保育士だけを対象としており、院内保育所などの認可外保育施設の保育士を対象としていません。わたぬき市議は、認可か認可外かによって保育士の処遇に格差をつけるのは問題だと批判。院内保育所の保育士は、住宅手当もない中、交代制勤務で、医師や看護師の超過勤務にも対応する仕事をしており、病院と一体で市民の命を守ってきたと指摘し、認可外保育施設や院内保育所の保育士への家賃補助・奨学金補助をすべきだと求めました。市長は、あくまで認可保育所と企業主導型保育施設の保育士確保のための補助金だとして、冷たく拒否しました。
7月7日から10日かけての豪雨災害は、市内各地に被害をもたらしました。東区舞松原地区若宮商店会もその一つです。わたぬき市議はこの商店街の被害状況について調査し、市がつかんでいる以上に深刻な被害が出ていることや、何度も水害に遭っている事実を突きつけました。市は、被害が出るたびに対策を取ってきていると言い訳しましたが、わたぬき市議は繰り返し被害が生じており、事態が変わらない以上、住民からすれば何も対策していないことになると批判。水路を掘り下げて流量を増やすことや、小学校のグラウンドや周辺公園を利用した雨水流出抑制などの抜本的対策をすべきだと、具体的に提案しました。市は、わたぬき市議の提案を受け、総合的な浸水対策に取り組むと答えました。
以上