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2022年度決算特別委員会
9月・10月議会を終えて
2023年10月6日 日本共産党福岡市議団
世界水泳福岡大会など大型イベントの問題を追及
2022年度決算特別委員会を含む第5回定例会(9月・10月議会)が閉会しました。今議会は長引く物価高騰のもとで、世界水泳などの大型イベント・大型開発には湯水のように税金を使う一方、「お金がない」と言っては市民サービスを切り捨て、切実な市民の願いに背を向ける市政をこのまま続けていいのかが問われました。
この夏開催された世界水泳福岡大会と世界マスターズ水泳選手権九州大会に、合わせて約46万人の来訪者があったと市は記者会見していますが、1週間滞在したら7人として集計されるなどの数字のマジックであったことが判明。わが党の追及に、市は実際に来訪した数は約24万5千人だと答弁し、見込み通りの来訪者数ではなかったことが明らかになりました。また、当初の3倍に膨れ上がると言われていた市の負担や「電通」などへの「成功報酬型」の報酬額などがいまだに発表されておらず、早急に明らかにすべきだと批判しました。
「世界水泳」の失敗に反省もないまま、高島市長が突然「大阪・関西万博」への参入を表明しました。わが党は、カジノ建設計画と一体で進められている「大阪・関西万博」に市民の税金をつぎ込むことは許されないと批判し、イベント行政にうつつを抜かすのではなく、市民の暮らしの大変さに真摯に向き合えと迫りました。
世界水泳福岡大会の顛末や大阪万博推進、タクシー規制緩和について質し、学校施設改善や公民館等の利用受付のあり方について問う
老人福祉センターの入浴事業廃止問題や学校施設改善など市民の願い実現へ論戦
わが党は、市民サービスの切り捨てをやめさせ、切実な市民の願いを実現するために奮闘しました。
高齢化が進む中、高齢者福祉の増進は不可欠です。わが党は各区に設置されている老人福祉センターの入浴事業廃止が計画されていることを暴露し、撤回を迫りました。また、加齢性難聴者の補聴器購入補助を求めました。
教育問題についても様々な角度から提案・論戦を行いました。わが党が「公共施設を考える会」のみなさんと一緒に毎年行っている「学校ウォッチング」の結果を踏まえ、多くの学校が築50年を超え老朽化しており、抜本的に教育予算を増やして施設改善を行うべきだと指摘しました。残業代を出すべき公立学校の非常勤講師への2022年度の残業支給実績がたった一人だったことを暴露し、多くの非常勤講師が残業をしている実態を示して、実態調査と不払い残業代の支給を求めました。また、学校教室の断熱化や学校安心メールの改善、2025年度から開校予定の「不登校特例校」について今後2校目、3校目を設置することや、抜本的な不登校対策などを求めました。
市内経済を地域から支えている中小企業・小規模事業者への支援を強めることが求められています。この間、市が行っている燃料代などの値上げ分の半分を支援するという制度について、民商や福建労の皆さんが繰り返し声をあげたことで改善されてきましたが、わが党はさらに多くの業者のみなさんを支援する制度に拡充するよう求め、インボイス制度の中止を国に求めるよう迫りました。また、NHKニュースで報道された市のタクシー規制緩和の問題についてただしました。
そのほか、市職員をはじめとした男女の賃金格差などのジェンダー平等の課題、「戦争展」名義後援取り消しなど偏狭な取り扱いのもとになっている「ガイドライン」の見直しや、熱中症対策、公民館などを市民が利用しやすくすることや、子ども医療費完全無料化などを求めました。
男女の賃金格差是正などジェンダー平等と非常勤講師の処遇改善を求め、「戦争展」名義後援取り消し問題をただす
地域住民の声を届けて奮闘
今議会では、わが党は地域住民の切実な願いの実現についても提案しました。
8月8日付西日本新聞で「九大跡地再開発地場連合が解消」と報道されたことを受け、「アリーナ」など住民は全く望んでおらず、跡地開発に関わる大企業が巨大なハコモノを中心として好き勝手な絵を描いているものだとわが党は指摘し、住民要求が反映される跡地利用にすべきだと要求しました。市は「公募期間中に議論することは公募の支障になる」などとでたらめな答弁を繰り返しました。
そのほか、東区舞松原地域の水害の抜本対策や市民の交通権を確保するために市独自にコミュニティバスを走らせることを求めました。
物価高騰のもとでの中小企業・小規模事業者対策と低所得者対策をつよめ、福祉・暮らし・教育優先の福岡市政へ転換を
広島・長崎からの要請に応え、核兵器禁止条約参加を求める意見書を提案
広島市議会と長崎市議会の両議長連名で「核兵器禁止条約」批准・署名などを国に求める意見書の提出を福岡市議会に要請する文書が9月11日付で届いたため、わが党は代表者会議など全会派が集まる会議を早急に行い、議会としてこの文書の取り扱いを協議すべきだと議長に申し入れましたが、実現しませんでした。そこで、わが党として「核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書」を提案しましたが、この間の核兵器廃絶に関わる意見書に賛同してきた公明党などの会派が反対したため、否決されました。
「核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書案」への賛成討論
議員の海外視察に共産党だけが反対
今議会にはコロナ禍でこの間見送りとなってきた議員の海外視察についても提案されました。韓国やドバイに自民党や市民クラブなどの9人の議員が視察に行くものですが、他都市で行われた議員の海外視察が「実質的には観光だ」「議員特権だ」と批判されており、デジタル化が進んで現地に行かなくても成果が上げられるなどの状況もあるなか、海外視察の必要性そのものが厳しく問われています。わが党は以前から海外視察の廃止を主張しており、今回の提案についても唯一反対しました。
以上