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議会報告

2022年度決算特別委員会

「核兵器禁止条約の実効性を高めるための
主導的役割を果たすことを求める意見書案」への賛成討論

2023年10月5日 堀内徹夫市議

私は日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております意見書案第12号、核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書案に賛成し、討論を行います。


9月11日付の広島市議会議長と長崎市議会議長の連名の「お願い文書」が、福岡市議会議長あてに届きました。その内容は、意見書案に記載の通りの被爆地から核兵器廃絶を願うものであり、まさにそれは被爆地の総意であります。

議長は、この「お願い文書」を、各会派に配布し、広島市民と長崎市民の願いをどのように福岡市議会が取り扱うかは、市議会各会派の動向にゆだねられましたが、広島・長崎の2つの被爆地からの要請であり、全会派で協議する必要があると判断し、日本共産党市議団は、ただちに代表者会議などを開き、取り扱い協議をおこなうことを、議長に申し入れました。しかし、議長は、その様な手立てを取られなかったため、日本共産党市議団は、両市の議長の要請を独自に検討し、意見書案を提案することを議会運営委員会で表明しました。そして、市民クラブさんの賛同を得て、共同提案に至ったものであります。


広島と長崎両市民の願いを受けたこの意見書案が、核兵器使用のリスクに世界が直面している今こそ、唯一の被爆国である日本が、核兵器禁止条約の実効性を高めるために主導的役割を果たすことを求め、11月開催予定の第2回締約国会議にオブザーバー参加することを政府に求めるものであることの重要性については、論を持ちません。

いま、核兵器廃絶を願う世界の世論は、どうなっているでしょうか。5月のG7広島サミットで「核抑止力」論が公然と主張されました。ところが、被爆者をはじめ、国際世論は、この核抑止力論が誤りであることを明確にし、全人類に向かって、諸国民の世論と運動を広げ、核兵器を廃絶しようと高らかに呼びかけているのであります。

6月にウィーンで開催された核兵器禁止条約第1回締約国会議では、「核抑止論は、核兵器が実際に使用されるという脅威、すなわち無数の生命、社会、国家を破壊し、地球規模の破滅的な結果をもたらす危険性に基づいており、その誤りをこれまで以上に浮き彫りにしている」とのべ、「核抑止力」を厳しく批判しました。


また、8月6日、松井広島市長がおこなった「平和宣言」では、G7サミットでの「広島ビジョン」を否定し、「核による威嚇を行う為政者がいるという現実を踏まえるならば、世界中の指導者は、核抑止論は破綻しているということを直視し、私たちを厳しい現実から理想へと導くための具体的な取り組みを早急に始める必要がある」と訴えられました。そして、日本政府に対して、一刻も早く核兵器禁止条約の締約国になり、11月の第2回締約国会議にオブザーバー参加していただきたいと求めたのであります。

これが、核兵器廃絶を求めている世界の民意です。核兵器禁止条約への賛同国は、毎月増え続けており、現在93カ国が署名し、69カ国が批准国となっています。11月の第2回締約国会議は、これら署名国、批准国が一堂に会して核兵器廃絶を協議する歴史的な集会となります。第1回締約国会議には、オブザーバーとして北大西洋条約機構(NATO)加盟国のベルギーとオランダ、ノルウエー、ドイツが、また米国と軍事同盟関係にあるオーストラリアが参加しました。第2回締約国会議への唯一の戦争被爆国日本の参加が全世界からも求められています。


そういうもとで、本議会が、広島市議会や長崎市議会の要請や、人類社会の求めにどのような態度を取るかが、この意見書への対応となります。今回、市議会議長あての要請は、広島市議会で6月30日に、長崎市議会で7月7日に採択された意見書を、市民の総意として添付されて、福岡市議会からも国に対して意見書の提出をしてほしいという意思で届けられたものです。にもかかわらず、要請の方法などについて問題があるかのような理由を並べ、賛同できない立場を取られるとすれば、核兵器廃絶を願う国際世論に比してあまりにも軽率な判断と言わざるを得ません。


この間、本議会においては、核兵器廃絶に関わって3本の意見書が可決し、政府及び国会に、福岡市民の意思として送付されています。1本目は、2019年9月24日に採択された「核兵器禁止条約の締結を求める意見書」。2本目は2021年10月8日に採択された「核兵器禁止条約約第1回締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を求める意見書」。3本目は2022年6月22日に採択された「非核三原則の堅持及び核兵器廃絶に向けて主導的な役割を果たすことを求める意見書」です。これらの意見書については、全会一致にはならなかったものの賛成多数で可決し成立をみたものであります。これらに賛同いただいた会派はもちろん、前回まで賛成の立場になかった議員各位の皆さんは、今回については、幅広く賛同していただけることを求めます。

8月6日の広島平和祈念式典では、小学校6年生の2人が「被爆者の思いを自分事として受け止め、自分の言葉で伝えていきます。身近にある平和をつないでいくために、一人一人が行動していきます」と「平和の誓い」を声高らかに訴えました。平均年齢が85歳を超え、心身に悪影響を及ぼす放射線により、生活面で様々な苦しみを抱える多くの被爆者の苦悩に寄り添っている広島市民、長崎市民の総意に応えるべきです。


したがって、本市議会として、この意見書を採択すべきだと申し述べて、本意見書案に対する我が党の賛成討論といたします。


以上


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