2023年6月議会
6月議会を終えて
2023年6月29日 日本共産党福岡市議団
市議選後初めての本格論戦の場となった福岡市の6月議会が開催され、27日に閉会しました。
同性婚法制化の議論を求める意見書採択、物価高騰対策の改善などが実現
わが党は今議会に「同性婚の法制化の議論を求める意見書」を提案し、自民党・自民新以外のすべての会派が賛同して採択されました。
また、中小業者に対する燃料費高騰分への支援について、対象が狭くて使いづらいことをわが党は指摘し改善を求めてきましたが、今回、影響を受けた事業者全てに対象が拡大されました。さらには、全市版プレミアム付商品券事業についても、わが党が求めてきた通り、商工会議所会員以外の業者でも手数料が取られないようになるなど改善されました。
これらはわが党が市民とともに取り組んできた問題であり、貴重な成果です。
インボイス延期求める意見書や健康保険証存続の意見書にわが党だけ賛成
他方で、マイナンバーカードの保険証利用を停止し現行の健康保険証の存続を求める意見書案に対して、会派として賛成し採択を主張したのは、わが党だけでした。他の会派はすべて反対し、否決しました。
今議会で市長はトラブル続きのマイナンバーカードを強引に普及するための補正予算を打ち出し、倉元達朗市議が議案質疑で取り上げ、堀内徹夫市議が反対討論を行いました。これらの中でわが党は、直近の世論調査でも7割の方がマイナンバーの活用拡大に不安を感じているにも関わらず、国の「実験場」としての役割を果たそうと無理やり推し進めている市長を批判し、やめるべきだと迫りました。
また、中小業者団体や個人事業主など幅広い市民が実施中止の声をあげているインボイス制度の延期を求める意見書採択を求める請願が議会に出されましたが、この問題でも採択を主張したのは、会派としてはわが党だけでした。
マイナンバー事業の莫大な発注予算に大手企業が群がり、インボイスがさらなる消費税増税の地ならしとなるなど、これらの問題の根源には「財界のもうけ最優先」の政治があり、それを大もとから変えるわが党の役割が鮮明となりました。
世界水泳福岡大会と「天神ビッグバン」の問題で髙島市政と正面対決
財界のもうけ最優先のムダな大型プロジェクトを進める髙島市政に対し、それと対決する姿勢を示しているのが、わが党だけであることも、今議会で浮き彫りとなりました。
7月に開催予定の世界水泳福岡大会は、市の負担が当初想定の3倍となり、運営などを委託する企業のほとんどが随意契約であること、東京五輪で談合汚職を引き起こした「電通」を重用していることなどをわが党は厳しく追及してきましたが、こうした問題点を西日本新聞、読売新聞、NHK、日刊ゲンダイなどメディアが大きく報道するようになりました。今議会でも、中山郁美市議が一般質問で取り上げて中止を求めましたが、他の会派はこの問題に全く切り込みませんでした。
また、「天神ビッグバン」についても追及しました。市は同事業によって「建物の耐震性が向上する」「安心、安全な街になる」と宣伝してきましたが、市独自の耐震基準をクリアしている天神エリアのビルが4割にとどまっていることや、災害時に帰宅困難者を受け入れる民間ビルが少なく、地震などの際に1万7000人以上が路頭に迷う可能性が判明し、宣伝と逆の実態が明らかになりました。その上で、水鏡天満宮横丁の移転が計画されるなど「天神ビッグバン」は若者や庶民が集う場を次々と奪う「街壊しプロジェクト」だとし、同事業の中止を求めました。こうした問題に切り込んだのもわが党だけでした。
物価高騰から市民・中小業者を守る施策を求める
わが党は議会直前に、物価高騰についての緊急対策の要請を市長に行いましたが、今議会ではこの中身を具体化する質問を行いました。
わが党が市議選で公約した学校給食無償化について、わたぬき康代市議が初質問を行いました。「就学援助があるから無償化は必要ない」とする教育長に対し、就学援助は必要な人の半数しか利用されていないというデータを突きつけると、まともに答弁できませんでした。また、中学生1人、小学生3人を抱える保護者は年24万円もの給食費がかかっている実態を示し、無償化を迫りました。
今議会には、保育所や介護施設へ光熱費などの価格高騰分を支援する補正予算が計上されました。わが党は施設からの聞き取りに基づいて議案質疑を行い、実際の高騰分の半分しかカバーできないていないとして、増額を要求しました。同様に、医療機関への市独自の支援や、中小業者への支援における対象と金額の拡大を要求しました。
名義後援取消し、学校のエレベーター設置問題など取り上げる
このほか、市民からの切実な訴えを市議会で取り上げました。
福岡市は映画「標的」の名義後援を3月末に決めていました。ところが上映直前の6月になって「匿名の1人」の電話をもとに「内容が政治的な立場など特定の主義主張に立脚して」いるという一方的な理由でこれを取り消しました。わが党は一般質問でこの問題を取り上げ、行政の長が企画の中身にまで踏み込んで後援を取り消すのは許されないとして、その撤回を求めました。
また、全国と比べても設置率が低い学校エレベーターの設置について、早急に整備計画を立てることも求めました。
以上