2023年6月議会
同性婚の法制化の議論を求める意見書案 賛成討論
2023年6月27日 倉元達朗市議
私は日本共産党市議団を代表して、ただいま議題となっております、意見書案第6号、同性婚の法制化の議論を求める意見書案に賛成し、討論を行います。
6月8日に福岡地裁で「違憲状態」の判決が下された「結婚の自由をすべての人に」訴訟は、2019年2月に札幌・東京・名古屋・大阪の裁判所でいっせいに提訴された後、2019年9月には福岡の裁判所でも始められたものであり、同性間の婚姻が認められていない現状が憲法違反であることを真正面から問う日本で初めての訴訟です。
現在までに、5つの地方裁判所すべてで判決が言い渡され、4つの判決で違憲、もしくは違憲状態との判断がなされました。唯一合憲との判断だった大阪地裁判決においても、国会が立法をしないことが将来的に憲法24条2項に違反するものとして、違憲になる可能性を示唆しています。ところが4地裁の違憲判決を受けても、政府は「注視する」と言い続けており、国会も、同性婚の法制化の審議を始めようとしておりません。
新聞各紙は、昨年12月に最初の東京地裁判決が出たとき、いっせいに「国会で法制化の議論を」という社説を出し、日本経済新聞は昨年12月3日に「国会や法務省の法制審議会のような場で幅広く議論することを避けるべきではない」と述べました。
この裁判の経過も受けて、この間国会では、野党や公明党は同性婚に関する質問を一定行いました。しかし、最大与党の自民党は1回しか質問をしていません。
国会でのこのような状況のなか、福岡地裁判決が出て、5つの地裁判決がすべて出そろった今月、再び新聞各紙がいっせいに社説を掲げました。朝日新聞は今月9日、「憲法に違反するとの指摘を、いつまで放置するつもりなのか。国会はただちに、是正に動かなければならない」と述べ、西日本新聞は今月10日、「肝心の国会は…世論や司法の認識から周回遅れといわざるを得ない。猛省を求めたい」とまで書きました。やはり各社とも「国会での法制化の議論を本格化させる必要がある」という趣旨の主張をしており、国民から、国において同性婚法制化の議論が進んでいないとみられているのは明白です。
今回、議会運営委員会理事会において、この意見書案に賛同できないと表明された自民党は、同性婚法制化の議論は進んでいると言われました。しかし、国会での議論が停滞しているのは明らかであり、さらに、先に述べたように自民党自身が議論を避けており、その責任があるといわざるを得ません。本市はパートナーシップ宣誓制度や性的マイノリティ交流事業などを行っており、多様性を認めあう街の実現をめざしています。このような取り組みをおこなう本市から同性婚法制化の議論を国に求める意義は大きく、また、5つの地裁判決が出そろった今だからこそ、今回の意見書は提出すべきです。このことを申し述べて、本意見書案に対するわが党の賛成討論といたします。
以上