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議会報告

2021年12月議会

「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」
の改正案提案理由説明

2021年12月16日 松尾りつ子市議

私は、日本共産党福岡市議団を代表いたしまして、議員提出議案第4号「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例案」につきまして提案の趣旨及び主な内容をご説明申し上げます。

まず、条例案の提案の趣旨をご説明させていただきます。


本市においては、中高層建築物、ワンルーム形式集合建築物等の建築に係る建築主と住民との紛争を予防し調整を図るために条例が制定されています。しかしながら、建築主側が条例を遵守しなかったり、条例の抜け道を使い、住民への十分な説明や話し合いを怠ったまま建築を強行したりするケースが後を絶たないなど、条例の形骸化が問題となっております。

そこで現行の条例第1条に定められているように、真に「市民の良好な近隣関係を保持するとともに、安全で快適な居住環境の保全及び形成に資する」条例へと改善するために、条例の改正を行うものです。

以上が提案の趣旨であります。


次に条例案の主な中身を説明させていただきます。


まず第2条についてです。

現行条例で当事者になることができる住民を「近隣住民」として定めておりますが、その範囲は極めて狭く、建築により影響を受けるのに当事者になれない住民が少なくありません。そこで「近隣住民」の範囲を拡大するとともに、他市を参考にして、それとは別に「周辺住民」という概念を設け、「説明会の開催請求」に限定してその権利を保障するものです。


次に第11条についてです。

現行11条で「事前説明」が定められ、そのうちの4項で説明会についての規定があり、開催要求は「近隣住民」からのみとされ、建築主がその要求に応じることは「努力義務」とされています。説明会は、個別ではなく住民が一堂に会して共通の認識を得て紛争を予防するためには貴重な場となっており、努力義務ではなく義務規定として、対象も「近隣住民」だけでなく「周辺住民」まで広げることといたしました。

また、近隣住民に事前に説明ができない場合の建築計画等の周知についても、現行5項では努力義務となっておりますが、義務規定とします。


次に第13条についてです。

現行13条は、建築主が事前説明を行った場合、市長への報告事項などを定めたものですが、説明会を開催した場合には、建築主が都合のよいように発言を取捨選択・「要約」した議事録を添付する、恣意的な「報告」等が行われているケースが見られ、説明会に参加した住民から怒りを買っています。こうした一方的な「報告」等は、市の指導を誤らせ、建築紛争を悪化させるものであると言わざるを得ません。それを予防する観点から、説明会に参加した住民との間で確認された議事録を添付させるようにするものです。

同時に、あくまで事実の確認として議事録を作成・提出することが本改正の趣旨であり、それ以外の何らかの事情で全員の署名が揃わないために正常な建築の進行が停滞しないようにいたしました。


次に第15条についてです。

事前説明がたとえ十分になされていないと認められても、現行15条では市長が「指導をすることができる」となっており、指導するかどうかは市長の裁量に委ねられています。このため、十分な事前説明がないのに、行政からの適切な指導もないまま工事が強行され、建築紛争を悪化させる事例が起きています。そこで、事前説明が十分になされていないと認められた場合には指導することを義務づけました。


以上で説明を終わらせていただきます。議員各位のご賛同をお願いいたします。


「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例案」とその審議の概要


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