トップ > 議会報告 > 2020年12月議会> 12月議会を終えて

議会報告

2020年12月議会

12月議会を終えて

2020年12月18日 日本共産党福岡市議団

◆ 社会的・面的検査などコロナ対策が前進

今回の12月議会では、医療・介護・障害者施設従事者の3回までのPCR検査(社会的検査)無料化、感染拡大地域での希望する住民の検査(面的検査)実施など、コロナ対策が前進しました。これらはこれまで議会や申入れでわが党が要求し当初は市長が拒否してきたものですが、市民の声の高まりやわが党の論戦によって切り開いてきたものです。まさに「命を守る重要なとりくみ」(志位委員長)であり、「特筆すべき」(同)成果です。議案質疑で中山郁美市議は保育所や学校など子どもの施設にも広げるよう求めました。

また、子どもの医療費助成についても、通院は中学3年まで対象が拡大し、自己負担が一律500円に下がる条例が可決されました。子育て世代の負担を軽減し一歩前進と言えますが、完全無料化が市民の願いであり、この点を議案質疑で要求しました。

この会期中に、国で来年度から5年間かけて小学校全学年で少人数学級を拡大することが決まりました。国民の運動がつくりだした重要な前進であり、本市でも少人数学級の恒久化、必要な教員の確保、いっそうの少人数の学級へ向けさらに奮闘します。


◆ 髙島市政の10年を問う――核廃絶、「成長」、市民の暮らしで失敗・破綻

今年は髙島市政10年にあたり、倉元達朗市議が一般質問で検証しました。

核兵器廃絶では、核兵器禁止条約の批准を各国政府に求める「ヒバクシャ国際署名」に市長はサインせず、7回の請願に応えず非核自治体宣言もしないという後ろ向きの姿勢を示しました。市長が力を入れた「成長・国際競争力」の分野では、「世界の都市総合力ランキング」などで軒並みランキングを下げ、自慢のスタートアップ環境も「特に低い偏差値だ」と市の発注した調査研究書でも指摘されていることを暴露しました。また、市民の暮らしの分野でも、法人企業などが税引後のもうけを4割も増やしているのに対し、市民1世帯あたりの家計の手取りは下がっており、市民は貧しくなっていることが判明しました。

結局、髙島市政の10年間は失敗だったことが明らかになりました。


◆ 箱崎九大跡地での開発、アスベスト対策、育児院の内部告発、介護施設支援を質問

わが党は一般質問で市民の切実な要求を取り上げ、また、髙島市政の開発優先行政を追及しました。

箱崎九大跡地(東区)について市は調査会社に調査報告書を発注しました。その中身を見ると天神や博多駅ではできない巨大集客施設や国際イベントを、広大な土地がある同地で展開すべきとの提案になっていました。松尾りつ子市議は、住民の声を無視した無謀な開発をやめ、防災公園を中心にした利用を求めました。

アスベスト対策について、どこにアスベストを使った建物があるかというハザードマップの公表、アスベストが飛散する違法工事に対するパトロールの強化、ほとんど法規制がないスレート波板などのアスベスト建材について市独自に規制することなどを提案しました。

児童養護施設である福岡育児院(東区)で膨大な残業代未払いやタイムカードの改ざん、パワハラがはびこり、職員はモノも言えないとする内部告発が市議団に寄せられ、綿貫英彦市議は聞き取りにもとづいて市の監査や調査のずさんさを追及し、是正するよう求めました。

コロナ禍で介護施設の経営が大変になっています。わが党は市として経営への財政支援を行うよう求めるとともに、全市で今後5500人不足するとされる介護人材を確保するため、報酬の引上げを国に求め、市独自にも支援を行うよう提案しました。

科学館の運営会社にコロナ対策費用を補填する議案が出され、山口湧人市議は「莫大な儲けになっている来場者収入を充てずに、新たに税金投入するのは異常だ。直営施設ではあり得ない」と委員会審議で批判し、議案に反対しました。業者いいなりで補填した事例は総合体育館の運営や第3給食センターの工期遅れでも引き起こされました。これらはいずれもPFI方式であり、「財政負担が軽減する」という市のうたい文句とは裏腹に業者だけをもうけさせて市民の税金が浪費される仕組みであることがはっきりしました。

このほか、市職員のボーナスカットをやめること、西新小などの過大規模校を生み出す開発の規制を議案質疑で求めました。


◆ 再審法の改正求める意見書案などを野党共闘で提案

冤罪を防ぐために再審法を改正することを国に求める意見書案、原発汚染水の海洋放出への慎重な対応を求める意見書案をわが党、市民クラブ、緑・ネットという野党共闘で提案しました。前者は堀内徹夫市議が3会派を代表して提案理由説明を行いましたが、両案ともに自民党・公明党・令和会などの反対で否決されました。

不妊治療への保険適用拡大を求める意見書は全会一致で採択されました。

*    *    *


わが党はこの議会の会期中に、352項目にわたる来年度予算編成への要望を市長に提出しました。社会保障を削減する新自由主義の路線を改め、「第3波」を迎え深刻化するコロナへの対策をはじめ市民の暮らし支援に重点をおくよう提案しています。わが党は引き続きこれらの実現に全力をあげます。


以上


>>>「2020年12月議会」トップへ戻る

>>>「議会報告」一覧ページへ戻る

政策と活動
議員の紹介
トピックス
議会報告
市議会ニュース
リンク
お問い合せ

↑上へ