2019年6月議会
6月議会を終えて
2019年6月24日 日本共産党福岡市議団
市議選後初めての本格的な論戦の場となった福岡市の6月議会が行われ、6月24日閉会しました。
◆消費税増税など自民・公明の政治と対決
今議会は消費税増税など自民党・公明党の政治、そしてそれに追随する髙島市政に対し、わが党が選挙や懇談会で出された市民の声にもとづいて厳しく対決する場となりました。
10月に予定されている消費税増税を手数料や乗車料金などにそのまま市民負担として転嫁する多くの議案が出され、松尾りつ子市議が反対討論で批判し、増税を中止して家計応援と格差・貧困是正にとりくむとする日本共産党の3つの提案を訴えました。
消費税増税を財源にして介護保険料の負担軽減をする議案についても、中山郁美市議が議案質疑で取り上げ、わずかな軽減分が増税によって全て吹き飛んでしまうことを暴露し、消費税増税をやめ、それに頼らず大企業・富裕層への応分の負担を求めることで本格的な保険料引下げを行うよう求めました。
消費税増税の中止を求める市民からの請願に対し、わが党は紹介議員となって意見書の議決を主張しましたが、自民・公明・令和会・自民新の反対で不採択となりました。
また、山口湧人市議は本会議での初質問で、安倍政権のもとで苦しむ青年の実態を取り上げ、選挙中に公約したブラック企業の根絶条例の制定と市独自の給付制奨学金の創設を市長に迫りました。
安倍政権仕込みの「観光行政」のもとで市長は宿泊税を提案しましたが、二重課税になること、低料金宿泊者や子どもからも容赦なく徴収すること、小規模企業者の声を聞かず重い負担となること、クルーズ船受入施設などムダなハコモノづくりの財源となることをわが党は指摘し、反対しました。
◆福祉乗車証の廃止撤回をかちとる――市民の切実な要求や声を代弁
今議会では、市民の切実な要求や声を受けて、それを議会質問で取り上げました。
市長が廃止を決定していた福祉乗車証について、わが党の論戦と障害者の運動に押されて、市長が決定の見直しを表明せざるを得なくなりました。縮小を許さず、拡充させるためのさらなる運動が求められています。
綿貫英彦市議は、市が安上がりの介護認定にするために事業を民間に委託したため、認定が大幅に遅れている実態を取り上げ、是正を要求しました。保健福祉局長は謝罪し早急に解決することを約束しました。
JR筑肥線の問題では、乗継割引の拡大の要求とともに、地下鉄が止まった際の筑肥線の折り返し輸送、筑肥線が止まった際の代替輸送を提案しました。市側はJRとの協議を約束しました。
市営渡船で車椅子の障害者の乗船を拒否した問題では、港湾空港局長が対応を謝罪し、船を改造して乗船できるようにする旨を答弁しました。この質問はメディアなどでも報道され、注目されました。
福岡市立の児童発達支援センターである「めばえ学園」の管理運営を、長年実績のある社会福祉事業団から、民間企業などを含む公募制に変えようとしている問題では、保護者から短期間で3,000筆もの反対請願署名が集まるなど運動が広がっており、わが党は市民からの要望を受け、公募をやめるよう質問で追及しました。また、わが党の全議員が同請願の紹介議員となりました。
相次ぐ子どもを巻き込んだ事故を受け、わが党は歩道や信号の整備など歩行者の安全確保を求める意見書を立案し、全会一致で採択されました。
最終日に、わが党は委員会のネット中継、政務活動費の領収書のネット公開、参考人・公聴会制度の活用、海外視察の中止など、議会改革の提案を議長に申し入れました。
◆福岡空港にある米軍板付基地の固定化につながる予算支出をただす
福岡空港の滑走路増設にともない、米軍板付基地の施設を空港内の別の場所に移設する工事について、福岡市も予算の一部を支出していると新聞で報じられました。
倉元達朗市議はこの問題について、基地固定化につながるものであり、板付基地返還を求める本市の立場に反するのではないかと委員会で追及しました。審議を通じて、事業費が30億円を超えること、また、板付基地返還促進協議会にこの問題を報告してない事実が判明しました。港湾空港局の担当者は協議会への報告について「協議会を担当している総務企画局と協議する」と答弁せざるを得ませんでした。
◆市民と野党の共闘をすすめる
市民から要望の強かった加齢性難聴者の補聴器購入への補助の創設を求める意見書を、堀内徹夫市議が提案しました。市民クラブや緑ネットが賛成するなど、野党の中で共闘が行われましたが、自民・公明・令和会・自民新はこれに背を向け、否決してしまいました。
他に、わが党も提案に加わった少人数学級の拡大、教育予算の増額などを求める意見書が採択されました。
わが党は引き続き市民と野党の共闘をすすめ、間近に迫った参議院選挙をはじめ、政治を変えるために全力を挙げる決意です。