2019年6月議会
ブラック企業、奨学金、JR筑肥線の問題で初質問
2019年6月17日 山口湧人市議の一般質問
日本共産党の山口湧人市議は6月17日、市議会本会議で初質問に立ち、公約にしたブラック企業の根絶、給付制奨学金の問題、JR筑肥線についてただしました。
ブラック企業問題では、日本共産党市議団が繰り返し議会で取り上げる中で、ガイドブックやリーフレットの作成・増刷や市内の高校生への配布など啓発が進められてきたものの、まだ足りていない問題についてただしました。山口市議は啓発活動を強化するため、福岡市政PR動画のように、テレビCMやネット動画の活用などを提案しました。
さらに、「上司から何の理由もなくうさぎ飛びを強要された」「よく結婚できたね。妊娠してやめるとか許さないと言われた」など、パワハラやマタハラが横行している実態も告発。市が国県まかせにしているため、市内の相談窓口が少なすぎて若者にとっては敷居が高くなっている点を指摘。実際に若者から「相談に行きたくてもどこに行けばいいかわからない」という声が上がっていると紹介し、より身近な場所に市独自の労働相談に特化した窓口の設置を求めました。
また調査についても、安倍政権が労働基準法や最低賃金法も適用されない「雇用関係によらない働き方」を推進し、新たなブラックな手口が生まれ急速に広がっている今こそ、市が独自に調査することが必要になっていると指摘しました。そして、これら啓発・相談・調査を網羅したブラックな働き方をなくすための条例制定を髙島市長に迫りました。市長は「ブラック企業を許してはならない」としつつ、「国・県と連携をはかる」などとこれまでと同じ答弁を繰り返しました。
福岡市の奨学金制度の対象は高校生だけの貸与制のみ。しかも毎年80人前後が採用から漏れています。山口市議はすべての希望者が利用できるよう予算の拡充など改善を求めました。
また、「返済ができなくなり、自己破産した」「毎月2万円ずつ返して25年かかる。これでは自分の子どもの学費も払えない」など、奨学金の返済が青年にとって重い負担になっている実態を示し、「市として実態を調査し、制度の拡充を国に求めるべき」と迫りました。
さらに、約1億円の予算を充てて、独自に奨学金制度を創設している札幌市の例を示し、市独自の給付型奨学金を創設するよう要求しました。教育長は「国の動向を見守っていきたい」などと述べ、学生の願いに背を向ける冷たい答弁に終始しました。
4月4日、地下鉄中洲川端駅でトラブルが発生。地下鉄・JR筑肥線とも運転見合わせとなり、特に姪浜以西の市民が帰宅困難に追い込まれた問題を取り上げました。この中で、JR九州が筑肥線の姪浜~筑前前原間の折り返し運転を申し出たにも関わらず、市側が見合わせを要請していたことが明らかになりました。山口市議の質問に対し、交通局は「今後は筑肥線の折り返し運転についてJRと協議する」と答弁。すでに新たにマニュアルを作成していたこともわかりました。
また山口市議は、JR筑肥線についてはこれまでも大雨や強風で運転見合わせになることが多く、姪浜以西の市民から「代行輸送をしてほしい」という要望があがってきたことを紹介。筑肥線が運転見合わせとなった場合についても、JRや西鉄などに要請し、バスなどの代行輸送の確保を実現するよう市長に求めました。市は「協議・連携をおこなっていく」と答弁しました。
JR筑肥線と市営地下鉄の乗継割引については、割引額の引き上げに加え、割引対象の営業区間を現在の赤坂駅までの2区から、天神駅や博多駅を含む3区まで拡大するよう求めました。