2018年6月議会
6月議会を終えて
2018年6月22日 日本共産党福岡市議団
福岡市の6月議会が6月22日閉会しました。高島市長は28件の議案を提出し、わが党は4件に反対しました。
◆中学校給食アレルギー対応、市総合体育館の表示改善、西都小の分離・新設が実現
今議会では、わが党が質問で要求したことがいくつか実現しました。
給食のアレルギー食提供が未対応の中学校が市内で残されており、5月に保護者がわが党とともに対応を市教育委員会に要望する中で、綿貫英彦市議の一般質問に対して、教育長は東区の未対応の5校について「2学期から提供する」と方針を変更する答弁をしました。
また、人工島に建設中の市総合体育館は積水ハウスが命名権を獲得したため「照葉積水ハウスアリーナ」と看板がつけられ、壁面のどこにも「福岡市総合体育館」と正式名が表示されていないとして住民から苦情が寄せられていました。倉元達朗市議が一般質問で積水による命名をやめ、正式名を表示するよう求めたところ、「福岡市総合体育館」と表示すると答弁しました。
また、予算議会でわが党の熊谷敦子市議が求めていた西都小学校(西区)が分離・新設されることが今議会で報告されました。
◆障害者差別禁止条例案の修正を要求
障害者差別禁止条例案は障害者の意見を一定反映したものの、①「不当な差別的取扱い」を何人にも禁じる、②「合理的配慮」の提供を事業者に義務づける、という2点が欠けているとして堀内徹夫市議が議案質疑で、第2委員会でも中山いくみ市議が修正を要求しましたが、市は応じませんでした。質疑後に障害者団体から修正要望が市議会あてに出されたことを受け、わが党は修正を各会派に呼びかけましたが過半数の賛同が得られず、断念しました。障害者が同条例の制定を一刻も早く望んでいることなどをふまえ条例案に賛成するとともに、早急な見直しを討論で提起しました。
また、中小企業の設備投資減税などを促進する条例案については、小規模企業などが利用しやすくなるよう改善を求めました。留守家庭子ども会の支援員の資格要件を緩和する条例改定については、今の研修だけでは専門性を確保できず、支援員などを正規雇用にする抜本的な待遇の改善を要求しましたが、市が拒否したため、反対しました。
◆風力など再生可能エネルギー目標の引き上げを提案
一般質問でひえじま俊和市議は、市の低すぎる再生可能エネルギー目標を抜本的に引き上げるように提案しました。市が風力について計画を持たず、新しい実用技術についてもまったく顧慮していないことが、質問で浮き彫りになりました。
出来町公園(博多区)に観光拠点施設を建設する問題では、民泊ビジネスをしている特定企業のもうけのために住民のための公園をつぶす計画をやめるよう求めました。この中で、市は「住民から要望書が提出され…」と公募要項に記しながら「要望書」は存在しなかったこと、地元に確認もせずに協議要旨を勝手にまとめていたことが判明しました。
このほか、玄海原発での蒸気漏れ事故をめぐり、安全協定の見直しと再稼働中止を求めました。また、要支援者を介護保険から外す生活支援総合事業について7割給付から10割給付への加算などを提案しました。
◆種子法廃止にともなう対策を求める意見書が可決
わが党が立案した「種子法廃止に伴う万全の対策を求める意見書案」は星野美恵子市議が提案し、自民・公明・市民クラブなど賛成多数で可決されました。他にも、わが党が立案した「子どもの生活底上げを求める意見書案」と「核兵器禁止条約の締結を政府に求める意見書案」は、市民ク、緑ネットなどは賛成したものの、自民・公明などの反対で否決されました。
他にも、「教育予算の拡充を求める意見書案」は全会一致で、「少人数学級の推進を求める意見書案」は賛成多数で可決されました。
◆教育行政に対して与党からも批判の声
今議会では、高島市長のもとでの教育行政について様々な問題が審議されました。
髙島市長が無責任な呼び込み政策と一体に開発をすすめる中で人口が急膨張しており、一般質問でわが党は観光政策の見直しやマンションの建設規制を求めるとともに、千早小(東区)がパンク状態になっているとして分離・新設を提案しました。市内の学校で子ども数が急増している問題については委員会で与党からも批判が出されました。
第2委員会に対し、能古(西区)の「小中一貫教育」について市教委から報告がありました。全国でさまざまな弊害が指摘され、住民にもまともに説明されていないとして、わが党は計画撤回を迫りました。また、「市教育振興基本計画」の骨子案についても報告があり、わが党は同案が問題の多い「グローバル教育」をすすめる一方で少人数学級の拡大を盛り込んでいないことなどを批判し、見直しを求めました。
◆高齢者乗車券の署名を提出、市のごまかし答弁許さずさらに大きな運動を
会期中の6月20日に高齢者乗車券の改悪反対、拡充を求める署名、約3万2千筆が市議会に提出されました。その直前の18日に自民党市議の質問に対し、保健福祉局長が「高齢者乗車券につきましては現在廃止・削減などといった具体的な検討は行っておりません」と答弁しました。この質疑応答をめぐり、わが党は倉元幹事長の談話(詳細別紙)として、「ロープウエーより高齢者乗車券の拡充を」という市民の世論が広がる中で市は追い詰められて従来の答弁の形を変えたものであり、選挙の争点にさせないためのごまかしだと厳しく批判しました。市民をあざむくやり方を許さず、さらに大きな運動を市民のみなさんとともに広げていく決意です。
また、最終日にわが党市議団は、日本で初めてのブラック企業根絶条例の成文案を発表し、各会派に賛同を呼びかけました。9月議会の成立へむけて全力をあげます。