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2012年5月臨時議会
東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理に関する意見書
昨年3月11日の東日本大震災により発生した膨大な災害廃棄物が、復旧・復興の大きな障害となっています。国は岩手県及び宮城県における災害廃棄物について広域処理をするとし、全国の自治体に対して協力を呼びかけていますが、受入れが進んでいないのが実情です。本市行政は、「できることを積極的にする」の姿勢で、災害廃棄物処理などに関して職員を派遣するなどの支援に努めておりますが、災害廃棄物の受入れについては、他の自治体とは異なる埋め立て方式を採用していることや、処理水が閉鎖性の強い博多湾に放流されることなど、本市の埋立てには物理的な特性があり、安全性の確保が明確でない現状では困難と判断しているところです。
全国の自治体も連携・協力しなければ、被災地の復旧・復興はあり得ませんが、広域処理が進まない大きな要因としては、災害廃棄物に含まれていると思われる放射性物質の安全性に対する国民の不安が払拭されていないことや、焼却から埋立てまで一市町村で全てを完結させることが非常に難しい状況であることが挙げられることから、国において、広域処理の在り方について多様な検討を行う必要があると考えます。
よって、福岡市議会は、政府が、災害廃棄物の処理を速やかに行うため、次の事項について取り組まれるよう強く要請します。
- 災害廃棄物の処理については、国が主体となって国の責任の下に進めること。
- 災害廃棄物処理の安全性について、国が責任を持って明確かつ整合性のある安全基準を示し、国民が理解できるよう科学的知見に基づく十分な説明を行うこと。
- 広域処理を始めとした災害廃棄物処理に必要となる経費については、国が全て負担すること。
- 災害廃棄物の処理については、自治体ごとに抱える問題点等が異なることから、受入れの要請に当たっては、国は各自治体の個別事情に十分配慮すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成 年 月 日
内閣総理大臣、財務大臣、環境大臣、復興大臣 宛て
議長名
(賛成多数で可決。賛成=共産、自民、公明、民主、みらい、無所属の会、社民、みんな)