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議会報告

2011年6月議会

6月議会で明らかになった
高島市長の「こども病院人工島移転方針」の問題点と今後の課題

2011年7月1日 日本共産党福岡市議団

高島市長が5月24日に発表したこども病院人工島移転「決定」について、市民から「失望した」「公約違反だ、撤回せよ」「もっと市民の声を聞いて」など怒りと不満の声があがっています。日本共産党市議団は6月議会で、徹底追及して奮闘しました。このなかで様々な問題点が明らかになりました。


「新病院基本構想」を見直さず、前市長の計画と何も変わらない

本会議一般質問で中山いくみ市議は、高島市長の移転決定は何も新しい内容がなく、前市長時代に作られた人工島移転のための「新病院基本構想」を何一つ変えないと暴露し、市長公約だった「白紙からの見直し」に反すると追及しました。市長はじめ市側からはまともな答弁がありませんでした。

「基本構想」は、こども病院のベッド数を260床にし、駐車場も400台分を平面で確保するなど、規模を現在よりかなり大きくするため、広い敷地が必要だとして人工島移転を前提にしています。しかし医療関係者や患者家族からは「過大だ」という意見が出されてきました。このまま突き進めば必ず行き詰まります。


調査委員会の議論をゆがめ「市民の理解を得た」と強弁する高島市長の独断

医療や建築など専門家と患者家族、市民も加わった「こども病院移転計画調査委員会」は、前市長時代の人工島移転を決定したプロセスについての合理性、妥当性を調査し、5月に報告書を市長に出しました。それは、様々な疑問を指摘した上で「妥当性あり」との結論が出せず、両論併記となったものの、現地建替え費用を1.5倍に水増しした経緯について「手続き上問題があった。市に対して猛省を促した」、また「市が行ってきた意思決定のプロセスに対し、納得できない、疑念を拭い去れないという意見があることを市は重く受け止めていただきたい」と厳しく指摘しました。また、調査委員会は移転先候補地の比較も行った結果、多くの委員が防災面や交通アクセスなど人工島のデメリットを指摘しました。

市長は人工島移転決定の根拠の一つに、調査委員会の委員の7人が「妥当性あり」としたことを挙げていましたが、「委員会でそんな結論は出していない」とのわが党の追及に、市側は「委員の意見を精査し、妥当性ありの意見を重く受け止めた」と述べましたが、調査委員会の報告書を意図的に歪めた市長の姿勢が浮き彫りになりました。それでも、調査委員会の議論をオープンにしたので市民の理解が得られたと開き直る市長の独断的態度は異常です。


人工島は防災面で問題あり 〜専門家も危惧

市民が最も心配しているのが地震などの災害時に人工島は大丈夫かということです。調査委員会では、被災した宮城県立こども病院の林院長が、建物被害はなかったが電源が確保できず呼吸器停止などの危機に直面したと報告し「大災害でも通常の診療維持が必要。その点で人工島は最も弱く、孤立化の可能性がある」と発言しました。

高島市長は九州大学の防災専門家から意見を聞いたと述べましたが、専門家から「博多湾でも津波の可能性がある」「橋が大丈夫でもライフライン被害が予想される」「人工島は洗礼を受けていないので何が起きるか分からない」などの危惧が表明されたことが、日本共産党が入手した当局資料で判明。「都合の良い意見だけを恣意的に取り入れるやり方は許されない」と追及しました。市側は「できるだけ安全な病院に」などと無責任な答弁を繰り返しましたが、安全というなら人工島移転そのものをやめるべきであり、今後の大争点になるのは避けられません。


新たな問題を生む市医師会の「新しい小児科」構想

市長は、現地か近辺に市医師会の成人病センターを移転し、新たな小児科をつくることを記者会見で明言していましたが、日本共産党が計画の詳細や見通しをただしたところ、何も決まっていないことが分かりました。保健福祉局長は「成人病センター移転はあくまで選択肢の一つ」と答弁し、市長の説明との矛盾がはっきりしました。

仮に新しい小児科ができれば、西部地域の患者を一定取り込むことになり、人工島の新病院の規模や患者見込み数、収支計画にも影響を与えるのは避けられませんが、市側は「従来から影響を見込んでいたので変更の必要はない」などと、これまでと食い違う答弁を行いました。「新しい小児科」が、今のこども病院の代わりになることはあり得ず、その場限りのごまかしだということが鮮明になりました。

以上のように、日本共産党は市長の移転「決定」を徹底追及し、撤回を強く要求しました。同時に、市民の意見を聞かずに強行することは許されず、アンケートや住民投票の実施を求めました。今後とも、人工島移転反対署名運動など市民のみなさんと力を合わせてがんばります。


6月議会を終えて

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