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議会報告

2011年6月議会

6月議会を終えて

2011年7月1日 日本共産党福岡市議団

福岡市議会の改選後初めての本格的議論の場となった6月議会が6月27日閉会しました。日本共産党市議団は高島市長が提出した国民健康保険に関する議案や中小企業向け融資の他、こども病院人工島移転問題、原発とエネルギー政策などについて論戦しました。
こども病院移転問題についてはもう一つの声明文をご参照ください


(1)国保など議案について

国民健康保険料は、29万筆におよぶ署名運動の力で今年度引き下げが実現しました(所得200万円3人世帯で約1万円)。一方、賦課限度額(最高額)を77万円(介護分含む)に引き上げる議案が提案されました。3人世帯の場合、他都市では年所得800万円以上でないと最高額が適用されないのに比べて、福岡市では年所得470万円と、決して高額所得者とは言えない世帯に上限いっぱいの保険料が押し付けられています。日本共産党はこうした福岡市のやり方は許せないとして反対するとともに、一般会計繰入金を増やして国保料を抜本的に引き下げるよう要求しました。

港湾特別会計補正予算案は、須崎ふ頭の穀物等を取り扱う倉庫の解体経費の追加でしたが、地場企業を立ち退かせて更地にし、製粉最大手・日清製粉に1.2ヘクタールの土地を売却する計画だということが明らかになりました。日本共産党は、ふ頭の一等地11億円分を売るのに10億円もの経費をかけるため市の収益は1億円足らずで、また口約束の売買も異常だと追及し、大企業に便宜を図るものだとして反対しました。

12年前に起きた土地買収の不正事件に関する損害賠償請求裁判の和解についての議案が提案されましたが、地方自治法に従えば提訴したこと自体が間違いであり、幹部職5人を免罪する一方で、一般職と係長の2人だけに和解金を求めることは納得できないとして日本共産党は反対しました。その他の議案については賛成しました。

東日本大震災の影響を受けた中小企業に対する新たな融資制度を創設するための補正予算案が可決されました。日本共産党は賛成するとともに、市内の中小業者が様々な形で影響を受け苦しい経営を強いられているもとで、対象拡大や利率の引き下げなど使いやすい融資への改善を求めました。


(2)原発問題とエネルギー政策について質問

8年ぶりに議席を回復した綿貫英彦市議は、原発・エネルギー政策と西鉄三苫駅エレベーター設置要求について質問しました。福島原発の過酷事故を受け、「玄海原発は大丈夫か」「エネルギー政策はこのままでいいのか」など市民の不安と関心が高まっています。147万市民の命を預かる福岡市長がどういう態度を取るのか注目が集まる中、他党も原発問題を質問しましたが、「老朽原発の廃炉・プルサーマル中止」「原発からの撤退」を迫ったのは日本共産党だけでした。玄海原発については現地調査もふまえて、30年以上経過して老朽化が深刻な1号機と2号機を廃炉にし、危険なプルサーマル発電を中止すること、地震・津波など安全対策が確立しないままの2号機と3号機の運転再開に反対すること、原発災害が福岡市にも直接影響することを前提にした地域防災計画の見直しを急ぐことを市長に要求しました。また、エネルギー政策については、原発から段階的撤退と再生可能エネルギーの本格的導入を国に求めること、市としても太陽光発電の設置費用助成を増やすなどの対策を求めました。


(3)被災者支援、保育問題で意見書を採択

日本共産党が起案した「被災者生活再建支援制度の拡充を求める意見書」が全会一致で可決されました。国に対し「東日本大震災の被災者の一刻も早い生活再建を実現するため、被災実態を踏まえ、被災者生活再建支援金の支給額を大幅に引き上げるなど、被災者生活再建支援法を充実させる」ことを要請する内容です。同様にわが党市議団が起案した保育制度の改悪に反対する「『子ども・子育て新システム』に関する意見書」は公明、民主が反対したものの可決されました。その他「電力需給対策に関する意見書」「公立学校施設における防災機能の整備の推進を求める意見書」「震災からの復興に向けた大規模な補正予算の早期編成を求める意見書」「少人数学級の推進と教育予算拡充を求める意見書」が可決されました。日本共産党は原子力発電からの段階的撤退と再生可能エネルギーへの転換やEPZ(防災対策重点地域)拡大などを求めた意見書を提案しましたが、民主、自民、公明、みらい、みんなの党が「撤退には賛同できない」などと拒否したため取り下げました。


(4)他党が海外視察を温存

税金による議員の「海外視察」は日本共産党が廃止を主張してきたものの、他の政党が存続に固執し、自民党、民主党、みらい、社民党、みんなの党も含め4年間で45人が一人上限80万円で海外視察に行くことになりました(公明党は不参加を表明)。日本共産党は市民の声が反映し、市民に開かれた、ムダのない議会へと改革するためにいっそう奮闘する決意です。


6月議会で明らかになった高島市長の「こども病院人工島移転方針」の問題点と今後の課題

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