トップ > 政策と活動 > 予算要望 > 2013年度予算要望

日本共産党福岡市議団の政策と活動

2013年度予算要望

2013年度予算編成に関する申し入れ

2012年12月27日

福岡市長  髙島宗一郎 殿
福岡市教育委員長  八尾坂修 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
副団長 星野美恵子
幹事長 中山 郁美
熊谷 敦子
綿貫 英彦

先の総選挙の結果、民主党政権の失政への国民の怒りが示された一方で、自民党の得票が有権者比で小選挙区24%、比例15%にもかかわらず6割を超える議席を獲得したことに見られるように、小選挙区制度によって自民・公明両党の「虚構の多数」が作り出されました。誕生した安倍政権は、早速オバマ米大統領との電話会談、日本経団連の代表との懇談を行い、「無制限の金融緩和」と大型公共事業のばらまき、集団的自衛権行使と憲法改定、原発再稼働と新増設容認にむけた動き、TPP(環太平洋連携協定)参加にむけた動き、普天間基地の辺野古移設などを次々打ち出しつつあります。しかし、これらは「アメリカいいなり」「財界中心」という歪んだ政治、古い破たんした政治に他ならず、あらゆる分野で国民との激しい矛盾を広げざるを得ないと言わなければなりません。とくに、自公民3党で強行した消費税増税に対して国民の信任を得たという状況ではなく、深刻なデフレ経済のもとでの真に求められる経済対策とは何か、新しい国会での大争点となります。また、自公政権が一部野党を巻き込んで「改憲連合」を作りだしつつあり、憲法9条を守る国民的な世論と運動の高揚は必至です。地方自治体としても、市民の暮らしと権利を守る立場から国政にモノを言うことが求められます。

本市においては、髙島市政の長期的な方向性を示す「基本構想」「基本計画」が策定され、さらに政策推進プランや行財政改革プランが具体化されようとしていますが、福祉や教育など市民生活向上よりも、「都市の成長」と称した都心部再開発、インフラ整備、人工島での大型ハコモノ建設など大規模プロジェクトと財界奉仕を優先させる姿勢がいよいよ浮き彫りになってきました。市民の声を聞かず、トップダウンで押し付けていく市政は、住民自治とは相容れません。

わが党は、憲法と地方自治法の精神に立って、福祉・子育て・教育の充実や真の地域経済・雇用対策、安心・安全なまちづくりと環境保全など、市民生活の応援を基本にした福岡市新年度予算を強く要請するものです。

よって、貴職が、2013年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れるものです。

以上


↑ 上へ

2013年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1 市政運営の基本について

(1)日本国憲法の五原則(主権在民、恒久平和、基本的人権の尊重、議会制民主主義、地方自治)を真に生かした国づくりが求められており、憲法9条を生かした平和外交、25条に基づく社会保障拡充は国民的要求である。とりわけ、総選挙で自民・公明両党が3分の2の議席を占め、「国防軍の創設」を掲げる安倍内閣が誕生するという状況のもと、市長が憲法をどのように捉えているのかは市政運営の基本に関わることであり、あいまいにすることは許されない。憲法遵守、改憲反対の意思表明を明確にすること。

(2)2013年度政府予算案について、市長は国に対し、不要不急の大型公共事業や原発推進予算、軍事費、政党助成金など歳出のムダを一掃すると同時に、証券優遇税制の廃止、富裕税の創設、法人税減税の中止、大企業優遇税制の見直しなど新たな財源づくりを行い、社会保障、教育、雇用、地方向けの予算を拡充するよう要求すること。また、暮らしも経済も財政も壊す消費税増税の実施を中止するよう要求すること。あわせて、市民生活と中小企業に大きな影響を及ぼす九州電力の電気料金値上げをやめるよう、国と九電に要求すること。

(3)「例外なき関税ゼロ」「非関税障壁の撤廃」を大原則にしている環太平洋連携協定(TPP)に参加すれば、農産物輸入の完全自由化で、食料自給率は13%まで低下することは必至である。また、すでにアメリカとの「事前交渉」などで、輸入牛肉のBSE(牛海綿状脳症)対策、輸入食品・農産物の検査、遺伝子組み換えなどの食品表示、残留農薬や食品添加物の規制などの大幅な緩和が迫られており、食の安全、医療、金融、保険、官公需・公共事業の発注、労働など、国民生活のあらゆる分野で「規制緩和」と「アメリカ型ルール」が押しつけられることになる。「守るべきものは守る」交渉などありえず、JAなど農業団体だけでなく医師会・医療関係団体、消費者団体、労働組合など全国各地、福岡市内からも強い批判の声があがっている。市長は国に対し、TPP参加交渉に加わらないよう要求すること。

(4)東日本大震災から1年9カ月が経ったが、被災地での懸命の努力にもかかわらず、政府の復興対策があまりに遅く、不十分なために、被災者のいのちと暮らしが脅かされている。市長は、国に対し、住宅と生業再建への公的支援を復興の基本原則にすえ、支援策の「線引き」をやめ、すべての被災者・事業所を支援の対象とし、復興予算の流用をただちにストップさせるとともに、支援対象を被災地域に限定しない現行「復興基本法」を改正するよう要求すること。本市として、被災自治体の要望に応えて支援を継続・充実すること。

(5)市長が策定した「福岡市基本構想」「第9次福岡市基本計画」は、反省も総括もなく歴代市長の「アジアの拠点都市」づくりを継承し、人工島事業や都心部再開発プロジェクトなど、開発優先・財界奉仕の「都市の成長」路線を柱としていっそう推進するものである。外需頼み、呼び込み型の経済対策では地域経済の真の活性化につながらない。また、「自律」などと言って、暮らし・福祉の充実に対する行政責任を放棄し、市民に犠牲を押し付ける行革路線を推進するものである。基本構想、基本計画は強い批判や反対意見があることを踏まえ、拙速な具体化はやめるとともに、市民意見を取り入れて抜本的に見直すこと。

(6)「行財政改革プラン素案」等について

  • 市長が策定・実施しようとしている「行財政改革プラン」と、101項目からなる「財政健全化に向けた改革実行検討項目」は、大型開発プロジェクトを推進するための財源を確保するために、教育、福祉、医療、文化などありとあらゆる市民サービスを「スリム化、効率化」の名で切り捨て、負担増を押し付けるものに他ならない。市民犠牲の行革は許されず、「行財政改革プラン」(素案)と「検討項目」は撤回するとともに、不要不急の大型開発のムダづかいを一掃するなど、市民本位の財政再建を進めること。
  • 受益者負担の見直しと称した、市民センター、体育施設、文化施設、公園、動植物園、美術館、博物館等の使用料値上げ・高齢者利用料減免の廃止をしないこと。
  • 公共施設の付設駐車場の有料化をしないこと。
  • 公の施設の指定管理者制度について、民間営利企業によるこの間の協定違反の続発や市民サービス悪化、選定過程の不透明さなどを踏まえ、抜本的に見直して、原則直営に戻すこと。行革プランで検討されている、博物館、美術館、アジア美術館、図書館、海の中道青少年海の家、背振少年自然の家への指定管理者制度の導入の検討をやめること。
  • 外郭団体の見直しについては、開発推進型の外郭団体・第3セクターを聖域とすることなく、存続の意義のなくなった「博多港開発株式会社」を解散すること。九電の利益保障となっている「株式会社福岡クリーンエナジー」を解散し、東部清掃工場を直営化すること。
  • コールセンターなどの民間委託については、市が責任を持った、親身で丁寧な対応ができないと同時に、行政側から業務上の指示を現場で行えば「偽装請負」となる疑いが高いなど問題が大きいため、委託をやめ直営に戻すとともに、行革プランで検討されている、区役所市民課などの委託業務拡大をやめること。
  • 税務職場等における派遣社員導入は「クーリング期間」を悪用した脱法行為であり、ただちに中止し、本市正規職員を配置すること。

(7)市職員削減の中止と労働条件等改善について

  • 本市職員数は市民一人あたりで政令市最低となっているにもかかわらず、「行財政改革プラン」は人件費の抑制及び組織のスリム化と称して、さらに職員数を削減することを打ち出した。これ以上の削減は職員に労働強化と過重負担を強いて、市民サービスを低下させるものに他ならず、職員削減を中止すること。また、技能労務職関係業務の退職不補充をやめること。
  • 慢性的な人員不足のもとで市職員は長時間・過密労働に苦しみ、精神疾患も多く、改善は急務である。職員が「全体の奉仕者」として公正で民主的な行政業務に専念し、心と体の健康を保持できるよう、区役所や福祉関係、教育、防災など必要な部署を増員し、嘱託・臨時職員を定数化するとともに、サービス残業を根絶し、超過勤務手当は実態どおり支払うなど、賃金・労働時間などの労働条件を改善すること。
  • 連続する給与引き下げによる職員の生活への影響は深刻であり、給与引き下げをやめること。退職手当の削減計画を撤回すること。持ち家にかかる住居手当について「廃止」に言及した市長答弁は認められず、撤回するとともに現状維持とすること。
  • ごみ清掃や下水道などの委託人件費が年々下がっており、積算にあたっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善を図るよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

↑ 上へ

2 国保・医療・年金・介護・福祉・障害者施策など社会保障制度の充実を

(1)国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の充実について

  • 2012年度保険料について市長は国保運営協議会に引き上げを諮問し「僅か1年で引き下げ公約を破るのか」等の批判が相次ぎ、反対多数で否決され、医療分と支援分については相殺し据え置くこととなった。市長の公約は「保険料引き下げ」でありこれを破ることは許されず、来年度保険料についてはあらゆる手立てをとり大幅に引き下げること。
  • 本市の国保世帯は、年所得200万円以下の低所得者がその約86%を占め、更に国保世帯の平均所得は5年間で25万円も減少し今年度は85万円となっている。そのような中、所得割算定基礎額233万円の3人世帯で 432,800 円という本市の高い保険料が「払いたくても払えない」事態を生み出し、保険料滞納は、5万2842 世帯と全被保険者(22万6361世帯)の約4分の1にのぼる等引き続き深刻である。本市の保険料が異常に高くなっているのは、保険料の未納見込分(31億円)、高額所得者の賦課限度額の超過額(50億円 )等を保険料に上乗せしているからである。必死で保険料を納めている方の保険料にこのような上乗せをすることは許されず、「上乗せ方式」をやめること。
  • 異常に高い保険料を引き下げるためには法定外繰り入れを大幅に増やすことが必要である。2011年度の法定外繰り入れは47億円であり2007年度の70億円と比べて23億円も減少している。「繰り入れは全国医療費と本市医療費との差額分だけ」等とするルールを撤廃し、必要に応じて特別繰り入れも行うこと。
  • 国に対して、まずは、「応益割」部分を国の支出で1人1万円引き下げ、中・低所得者の負担軽減により逆進性を緩和し、その後は25%台に引き下げられた国庫負担割合を元に戻すよう要求するとともに、収納率低下等に係る不当なペナルティカット(交付金削減)をやめるよう求めること。また、市町村国保を解体し住民不在の機構に改編して更に住民負担を増やす「広域化」の具体化を進めないよう求めること。
  • 治療費が窓口全額自己負担となる「資格証明書」の発行は、16,711世帯、加入世帯の7.5%にも上り全国最悪となる中、受診を我慢して命を落とす事態も起こっている。面談できないことを理由に「特別な事情」を調査しないまま機械的に資格証を発行するやり方は許されず、全ての国保世帯に保険証を交付して市民の医療を受ける権利を保障すること。
  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか5.56%に過ぎず、極めて低い水準にある。市独自減免制度については、当面、「所得の減収が前年比20%以上」に適用するよう元に戻して改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して、適用対象をひろげること。
  • 国民健康保険法44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では適用がわずか2件という異常な事態となっている。担当部署での周知徹底を図るとともに、市政だより等も活用して広報し、必要な世帯の活用を促進すること。また、「負担金が1万円以上になる場合」という適用要件は撤廃すること。
  • 本市における国保料滞納者に対する差し押さえは、05年度111件(約5,600万円)から2011年度2192件(約 8億8000万円)へと約20倍にも増えている。預金4円、年金や子どもの学資保険までも差し押さえる冷酷、異常なやり方はやめること。

(2)後期高齢者医療制度について

国民を年齢で区切り、75歳以上の高齢者を別枠の医療保険に囲い込んで負担増と差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度は、自公政権によって国民の多くの反対を押し切って強行されて以来、既に2回にわたる保険料値上げが行われた。高い保険料が払えず、滞納したお年寄り3,282人の内、1,097人が正規の保険証を取り上げられ短期証となっている中、今年度の保険料は更に一人あたり年額5000円引き上げられた。あらゆる手立てを取り保険料負担を軽減するとともに、お年寄りを医療から排除する短期証発行はやめるよう広域連合に求めるとともに、直ちに悪法を廃止し元の老人保健制度へ戻すよう国に求めること。

(3)こども病院の人工島移転計画について

市長は調査委員会の議論を無視しこども病院の人工島移転を決定、記者会見で「災害対策は万全」「地域医療を守るため唐人町周辺に新しい小児科をつくる」等と一方的に通告し、これを受け地方独立法人福岡市立病院機構はPFI事業者を選定、契約し、12月15日に新病院建設を強行着工した。しかし、この事業者は市の指定管理業務において問題があったことが発覚しており、契約そのものの正当性が問われている。また、この間小児二次医療連絡協議会に示された資料によると、人工島移転後の新病院には西部地域の患者の約8割がかかれなくなるという重大な見込みが示された一方その「受け皿」なる「新小児科」は何も具体化されていないことが明らかとなっている。「新病院基本構想」では260床とされたベッド数も未だ県の認可が下りず、233床にとどまったままである。「災害のリスクが一番高い人工島に病院をつくってはならない」等の専門家の意見を無視し、市民への説明も反故にしたまま人工島移転を強行しようとしている市長のやり方に「公約違反」「うそつき市長」等市民から厳しい批判の声が上がっている。市長は、この間の誤りを認め、最も浸水リスクの高い脆弱で危険な人工島での工事は中止し、現地周辺での整備計画へ変更するよう病院機構に指示すること。

(4)医療制度の改善について

  • 高齢者をターゲットにした自己負担の引き上げと保険給付の削減、診療報酬の抑制、療養病床の38万床から22万床への削減など、受診抑制と入院患者追い出し等、国民の命と健康に重大な影響を与え、大量の「医療難民」「介護難民」を生み出してきた医療改悪が進められ、現役3割、高齢者1~3割という高い窓口負担にも悲鳴が上がっている。療養病床削減、医療費抑制をやめ、患者の窓口負担軽減と診療報酬引き上げ等を図り、国民の医療を受ける権利を保障するよう国に要求すること。本市において無料定額診療を実施する医療機関を増やすとともに、制度の広報を充実させること。
  • 今日、産科・小児科など深刻な医師不足によって、救急患者の「たらい回し」が起こる等、地域医療が危機に瀕している。国に対し、抜本的に予算を増やし診療報酬を大幅に引き上げるとともに、不足しているNICU増床など周産期医療体制の充実、医師や看護師等の養成・確保を図るよう要求すること。
  • 薬害C型肝炎に関し、カルテの有無等で救済対象を限定するなどの対応を改めすべての被害者の救済をはかり、製薬企業にも謝罪・補償・再発防止をおこなわせるなど、全面解決にとりくむよう、国に求めること。薬害B型肝炎に関しては、体制を整備し大幅に遅れている和解金支払いを急ぐとともにすべての被害者救済を進め、治療費助成を創設するよう求めること。併せてウィルス性肝炎患者の治療推進と生活支援に向け、肝炎対策基本法の更なる充実を求めること。
  • ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防ワクチンの接種について、安心して受けられる体制を整備しながら、国の負担での定期接種化を求めること。
  • 行革プランで検討されているがん検診の個人負担増は、早期発見・早期治療の方向と逆行するものであり、実施しないこと。

(5)真に安心できる年金制度の確立について

  • 年金保険料の際限ない値上げ、繰り返される給付削減、支給開始年齢の先送り等、年金制度の連続改悪が強行される中、年金不信が広がっている。保険料の引き上げをやめ、減らない年金制度を確立するとともに、受給資格については、消費税増税とセットにするやり方ではなく、無条件で「25年」から「10年」に短縮するよう国に求めること。
  • 国連の社会権規約委員会は、わが国の公的年金には最低保障が存在しないことへの懸念を表明し、公的年金の最低保障制度を取り入れるべきだと勧告をおこなっている。国に対し、最低保障年金制度を創設するとともにその財源は消費税増税でなく、富裕層・大企業に対する優遇税制の是正、応能負担の原則に立った税制改革によって確保するよう求めること。
  • 特別障害給付金支給制度は、その支給対象を広げ全ての無年金障害者に対して適用されるようにするとともに、障害基礎年金と同額に引き上げるよう要求すること。また障害基礎年金の支給要件緩和を求めること。
  • 「消えた年金」問題の根本には国民の年金受給権を守ることには無関心で、保険料徴収と収納率アップを至上命令にするという年金行政の大きなゆがみがある。国民の権利としての年金を守るという基本原則を行政の上から下まで徹底し、年金保険料の流用の中止、世界に例のない巨額の積立金の計画的な取り崩しと給付への充当等年金行政の抜本的改革を行うとともに「分限免職」した社会保険庁職員の再雇用をはじめ、問題解決の体制をとり解決に責任を持つよう国に求めること。

(6)介護保険制度の改善について

  • 重い保険料、利用料負担により必要な介護が受けられない実態がひろがる中、2012年4月施行された介護保険法改悪により、生活援助時間の削減が強行され、「会話やコミュニケーション、掃除等の時間が大幅に削減され利用者の「状態悪化」など深刻な影響が出ている。また、介護報酬の約2割削減等も含め、事業所の収入やホームヘルパーの給与が減少するなど現場の困難が更に拡大している。市長は、要介護認定や利用限度額は廃止し現場の専門家の判断で必要な介護を受けられる制度に改善するとともに、「生活援助」等改悪された制度を元に戻すよう国に求めること。また、当面市独自に一律の生活援助時間短縮を行わない手立てをとること。併せて国庫負担割合を現在の50%から少なくとも60%に引き上げ、国の制度として低所得者のための保険料、利用料の減免制度をつくるよう求めること。
  • 本市の介護保険料は今年度から基準額とされる市民税本人非課税の保険料で年額53,926円から64,344円へと1万円以上引きあがる等大幅な負担増となり、高い利用料と合せ悲鳴が上がっている。一般会計からの繰り入れも行い保険料の引き下げを図るとともに、当面市独自の利用料減免・助成制度を設けること。
  • 特別養護老人ホーム等の居住費と食費の全額自己負担によって入所者が負担増に耐えられず、退所等を余儀なくされている。国に対し、こうした利用者負担を軽減するよう要求するとともに、本市では特養施設や小規模多機能施設、ショートステイ、デイサービス等の食費等に対する減免制度を設けて救済するなど、低所得者対策を拡充すること。
  • 本市の特別養護老人ホーム待機者は、施設に申し込んだ人だけを調査対象にし、回答が無い方の分は勝手な推計値を使う等、杜撰かつ意図的な調査によって3500人とされ、今後の整備計画は極めて不十分なものとなっている。市長は早急に実態を正確に把握するとともに希望者全員が速やかに入所できる待機者解消計画を策定し、土地の無償貸与等も行い遅くとも3年以内で待機者解消を図ること。併せて、介護療養病床の廃止方針の完全撤回を国に要求するとともに、生活支援ハウスの増設やグループホーム、宅老所などへの支援強化を図ること。
  • 相次ぐ介護報酬の改悪によって、事業所の運営は悪化し、現場の介護労働者の賃金体系も抜本的な改善が図られず、離職者が相次ぎ慢性的な人材不足を招いている。介護報酬とは別枠での公費投入による賃金の大幅引き上げの実現とともに、介護報酬の大幅な引き上げを国に求めること。その際、保険料上昇につながらないよう引き続き国費で措置し増額するよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費に補助を行う独自制度を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。
  • 高齢者の介護ニーズ把握やサービス提供にとって重要な役割を果たすとともに、各種情報のセンターとなる地域包括支援センター(いきいきセンター)の人員不足が深刻となっており、人員増、体制強化のための手立てを急ぐこと。

(7)高齢者など個人給付等の拡充について

  • 老人医療費助成制度を復活するとともに、大幅に縮小された敬老金及び敬老祝品支給を元に戻すこと。また、老人クラブの補助金を増額すること。
  • 本市の高齢者乗車券制度は所得制限を撤廃し、全ての高齢者に交付するとともに、給付額も増額してお年寄りの生き甲斐である社会参加を促進すること。併せて、渡船料の65歳以上高齢者無料制度を復活すること。

(8)本市原爆被害者の相談事業を維持・強化するための運営費補助を拡充するとともに、ふくふくプラザの駐車場使用料を全額免除すること。被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。また、国や県に対し、被爆二世の希望に応じて「被爆二世健康手帳」を交付し、被爆者援護法に定める健康管理手当支給の疾病について被爆二世の希望者に医療費の助成をおこなうとともに、原爆症認定を被爆者の実態にあった方法に改善するよう求めること。被爆実相証言・原爆展等の開催について、ふくふくプラザだけでなく市の公共施設・公民館などを積極的に提供するとともに、市としても積極的に開催すること。

(9)アスベストは市内でも吹付けだけでなく成形板として多く建築資材に使われながら、解体・改修工事において野放しに近い状態にあり、本市も実態を把握していない。市として現場の実態調査を行うとともに、アスベスト成形板を使っている建築物の調査費用や解体・改築の工事費用への補助をおこなうこと。成形板をふくめ、アスベスト含有建材の石綿障害予防規則の立場で安全な処理を徹底させ、少なくとも市のかかわる公共施設の工事では厳格に守らせるとともに、廃棄場を確保すること。成形板をふくめアスベストを扱う建設労働者の防塵マスクの普及につとめ、市内業者への購入補助をおこなうこと。成形板をふくむアスベストの被害や対策について市民に周知や広報を強化すること。国民健康保険の特定健康診査の問診において職種や経歴に応じて石綿被害を明らかにできるように対策をとること。

(10)食品の安全性を確保すること

  • 輸入食品の検査人員の大幅な増員をはじめ抜本的な対策強化、BSE(牛海綿状脳症)対策にもとづく米国産牛肉の輸入規制の緩和の中止、および安全のための正確な情報を消費者が知るために食品の表示を統一的におこなう法律の制定を、国にたいして求めること。
  • 福島原発事故を受け市民の不安が高まっており、食品における放射性物質検査について検査機器の購入と体制整備を進め、本市独自で実施し結果を市民に公表すること。

(11)生活保護行政を充実すること

  • 貧困と格差が大きな問題となる中で、本市においても生活保護世帯が前年10月度比5.7%増の3万1333世帯となり、深刻な事態となっている。2010年4月公表された厚労省の推計調査によると、生活保護水準以下で暮らす人のなかで生活保護を受けられている人の割合(捕捉率)は15.3%に過ぎず、本市では13万世帯が保護基準以下の生活を余儀なくされていることになる。行政窓口での資料設置やライフライン事業者まかせの要保護者の把握は本来保護が必要な人を救済するためにはまったく機能しておらず、同推計調査に基づく厚労省「通知」(2010年4月14日付)にそって、市政だよりや広報番組の活用など、憲法25条で保障された権利としての生活保護制度の啓発や周知徹底を抜本的に強化すること。また最後のセーフテイーネットとして、国に対して、生活保護を必要とするすべての人に受給権を保障するよう求める事と同時に生活保護の稼働年齢層の期限付き保護の導入、医療費の一部自己負担の導入など保護基準そのものの改悪を行わないよう国に求めること。
  • 政府に対し、保護基準を抜本的に引き上げるとともに生活保護費を全額国庫負担にするよう要求すること。
  • 2006年の生活保護老齢加算の廃止によって、高齢者は食事回数を減らしたり、水光熱費や冠婚葬祭等交際費の節約などを強いられ、憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」をも営めない深刻な実態にある。市長は国に対し、直ちに老齢加算の復活を要求すること。
  • 生活保護申請が急速に増大するなか、本市の体制は国のケースワーカー配置標準数「80対1」をはるかに上まわる「106.5対1」となっており、現場に多大な困難をもたらすなど実態に合っていない。不安定な嘱託職員や任期付短時間勤務職員等で間に合わせるのではなく、標準数を満たすよう、正規のケースワーカーを大幅に増員して、迅速で親身な対応ができるようにする。また、現場では行政側の人権無視の対応が続発しており、研修などによって、憲法・生活保護法および2010年4月14日付通知の趣旨に沿った対応を徹底すること。保護決定は14日以内の法定期限を厳守すること。
  • 猛暑のもと生活保護世帯は電気代を節約するために冷房もつけず、熱中病などにかかるなど体調を壊す事態が続出している。生活保護世帯がエアコンを購入する際に、保護費以外の収入がある世帯には社会福祉協議会の貸し付けが認められているが、収入がなければ購入の手立てがなく、結果として不平等となっている実態がある。国に対して制度改正を求めると同時に、当面本市としても手だてをとること。また生活保護の夏季一時扶助費の新設と期末一時扶助費の大幅増額を求めるとともに、それが実現していない現状では、国の生活保護とは別に、市独自の「福祉手当」を創設し、夏期・年末にそれぞれ支給すること。
  • 行財政改革プランで生活保護受給世帯の下水道使用料金について、生活扶助費に含まれているとして減免の見直しが検討されている。生活保護受給世帯の負担増につながる下水道使用料金の減免制度を廃止しないこと。
  • 生活保護は市民の「最後のよりどころ」であり、「面接」「指導・助言」を口実に不当に保護申請を排除することは許されず、必要な申請用紙を各区福祉事務所のカウンターに常設して自由に申請できるようにし、申請権を保障すること。資産調査のさいの本人・家族の同意書は一括としないこと。生活保護申請に必要なものは申請書のみであることを明確に告げ、本人の意思に反した履歴書などの提出はおこなわせないこと。
  • 生活保護受給後、予告なしの訪問調査はしないこと。病気や年齢等を無視した就労強要指導、扶養義務や辞退届けを「協力」の名で行政側が強要するケースや、「後で収入として申告する」よう行政側の指導に従ったにもかかわらず、あたかも不正受給であるかのように問題視される事例が現場では後をたたず、実施要領の立場で厳正におこなうよう現場で徹底すること。保護費の支給明細書を受給者本人に分かるように改善すること。
  • ローン付き住宅保有者の人についても、『生活保護手帳』(別冊問答集2009年)でも条件によっては生活保護の適用を「差し支えない」としており、一律に適用しないような機械的な態度はとらないこと。
  • 公立高校の所要額を目安にしている「高校就学費用」は極めて不十分であり、私立高校への進学を困難にするばかりか、授業料・入学準備金・修学旅行費など不足額を「生活扶助費」やアルバイト料等で補填しなければならないのが実態である。国に対し、基準を抜本的に見直し増額するとともに、大学、専修学校等への進学者については強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方をやめるよう要求すること。
  • 保護世帯がいつでもどこでも安心して医療を受けられるために、現行の医療券方式をやめ、健康保険証のような「医療証」に改善するとともに、入院治療に必要な寝巻き・オムツ等の支給制限をやめさせること、また、通院が15回以上の患者へのしめつけ、長期入院被保護者の実態を無視した6ヵ月以内の強制退院を強要しないこと、および入院中の住宅扶助打ち切りをやめることを国に求めること。
  • 求職活動の交通費は無条件に支給すること。また、医療機関への通院にかかる交通費について、実費に対して行政側が勝手に費用を算出して「抑制」したり、本人の実態を無視して医療機関をかえさせたりするケースが増えており、本人の意思を尊重し、医療をうける権利を阻害することのないように支給すること。
  • 生活保護受給者があんま・マッサージの申請をしたときに、福祉事務所がこれを断るケースが生じているが、「必要な場合は必ず正しく扶助する」という原則をゆがめず、かかりつけの担当医師が治療上の必要を判断した場合、受けられるよう現場に徹底すること。
  • 生活保護受給世帯について障害者の自動車の保有は、現行実施要領通りに運用するようケースワーカーに対する指導を徹底すること。通勤用、生活用自動車について、保有条件を広げるよう国に求めること。

(12)ホームレス対策を強化すること

  • 市内のホームレスは226人と減少したものの、依然として雇用悪化の影響で事態は深刻である。すべての区役所で生活保護の申請ができるようになったが、現実は博多区役所保護第3課に行くよう指導されるなど、申請を受け付けない事例もあり、各区役所の保護課で申請を受けるように指導を徹底すること。
  • 就労自立支援センター、一時保護・自立支援センターを増設するとともに、民間ボランティアやNPO支援団体への補助金を大幅に増額することとあわせて、本人の要望があれば民間住宅への入居による自立の道を狭めないこと。また、ホームレス保護受給者を食い物にする「貧困ビジネス」(囲い屋)等については、実態を調査・把握し適正に対処すること。
  • 急迫保護入院の場合、退院即打ち切りでなく、療養が継続できるよう居宅の確保や就労の斡旋などの抜本的な自立支援策を講じること。ホームレス患者受け入れ医療機関への入院協力金を増額すること。

(13)障害者施策について

  • 障害者福祉・医療の応益負担を撤廃し、無料にするよう国に求めること。今年6月に成立した障害者総合支援法は、障害が重いほど負担が重くなる応益負担が残されるなど、障害者の意見を反映しておらず、抜本的に見直すとともに、障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会がとりまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」にもとづく障害者総合福祉法の制定を国に求めること。
  • 事業所報酬単価の大幅引き上げと月額計算方式の早急な復活を国に求めること。
  • 「行財政改革プラン」で障害者施策について「個人給付から事業への転換などを検討」とされているが、現行施策の削減・廃止はせず、本市における市独自の負担軽減制度や、重度心身障害者福祉手当を存続・充実させること。重度心身障害者医療費助成制度については所得制限を撤廃すること。
  • 小規模作業所への土地家屋借り上げ料補助について限度額を大幅に引き上げるとともに、法定制度移行の如何に関わらず補助制度の充実を図ること。地域活動支援センターに対する国庫補助金を実態に見合った水準に引き上げるよう国に求めること。
  • 新たに実施された、重度障害者の入院中ヘルパー介護の「コミュニケーション支援」事業について、施設利用者にも適用し、就学前障害児のホームヘルプ利用については必要な時に使えない厳しい要件審査をやめて改善すること。
  • 精神障害者に対するJRや西鉄等の交通運賃割引、市営渡船の運賃割引を他の障害者と同等に実施し、格差をなくすこと。福祉タクシーのチケットは移動手段の選択幅をひろげ、ガソリンチケット制を設けること。
  • 地域生活に移行するための大切な「受け皿」となる精神障害者グループホーム等への設置費、運営費補助は実態にあっておらず、大幅に増額して施設増設を推進すること。
  • 障害者の雇用について、本市職員の採用を抜本的に増やすとともに、民間企業に採用増を要請し、そのための本市独自の補助制度をつくること。
  • 障害児・者の日常生活・補装具の購入に対する国の給付が不十分な中、経済的負担は大きいものがあり、市独自に支援制度を創設すること。
  • ガイドヘルパーによる病院内移動や散歩、政治活動、宗教活動等の移動支援について他の自治体では認められているにもかかわらず本市では厳しく制限・排除している実態について、当事者はもちろん識者からも障害者に対する基本的人権侵害だとの厳しい批判の声が上がっている。プライバシー侵害にもあたる利用者の細かい利用報告書の提出義務付けを含め、異常なあり方を改善すること。
  • 視覚障害者にとって重要な誘導ブロックの破損や危険な構造を改善するとともに、自転車の危険走行等によって安全をおびやかされている視覚障害者等の安全を守る手立てを検討すること。また、視覚障害者を無視した市庁舎1階ロビーの誘導ブロックをただちに改善すること。
  • バリアフリーの遅れた公共施設・道路について早急に改善すること。須崎公園のステージにスロープをただちに設置すること。

(14)高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、水道・下水道・ごみなど公共料金等の福祉減免をおこなうこと。低所得者に対する住民税などの独自減免を促進すること。

(15)生活困窮者への対策として、低利の生活福祉資金貸付制度や緊急小口資金貸付制度を抜本的に拡充するなど、個人向け、離職者向け、個人事業者向けのセーフティーネット貸出制度を拡充すること。

(16)高齢者や生活困窮の世帯の孤立化をふせぐ重要な役割を担っている地域の民生委員・児童委員を増員するとともに、費用弁償の増額を国に求め、当面市独自の上乗せ分を増額するなど待遇の改善を図ること。乳幼児を持つ家庭を全戸訪問する「こんにちは赤ちゃん訪問事業」については、民生委員だけに押しつけず、保健師や助産師などの専門家を基本にすること。

↑ 上へ

3 人工島など大型開発をやめ、生活優先、安心・安全のまちづくりへ転換を

(1)人工島事業について

人工島事業は、造った土地が計画通り売れずに完全に行き詰まってる。高島市長は財界主導の「未来フォーラム」を立ち上げ、その提言を受けるという形で、人工島事業の新たな破たん救済に乗り出した。土地処分単価の引き下げや定期借地方式の導入など、事業の根本にかかわる5度目の計画見直しに踏み出し、ついに160億円から最悪の場合421億円もの大赤字に転落することを認めた。土地処分のあり方の他にも、「核となる公共施設の整備」として市民体育館の移転も強行しようとしている。さらに人工島の企業立地促進交付金を1社最大10億円から30億円に拡充した。売れる見込みのない土地処分のために限りない税金投入を続ける人工島事業は完全に破綻しており、さらなる事業の推進は許されない。

  • 本市のコンテナ貨物取扱量について、2012年1月~6月のコンテナ取扱量は42万5千TEUと2011年の1月~6月の42万1千TEUとほぼ同じであり伸びてないのが実態である。市が目標としている2015年度100万TEUの達成は程遠い。3万トン以上のコンテナ船の人工島着岸についても横ばいである。また、国の直轄事業であるD岸壁についても国との協議は進んでおらず予算確保はいまだにされていない。D岸壁整備は税金の無駄遣いでありやめること。また、みなとづくりエリアの土地の需要がないのは明らかであり、今後数百億円の税金を投入する市4工区の埋め立て事業は凍結すること。
  • まちづくりエリアについて、売れない土地を処分するために「定期借地方式」を導入したが、広大な土地の借り手がつく見通しはなく、土地処分がすすんだとしても収支が逆転し赤字となる事は明らかである。さらに未来フォーラム提言では「新たな公共交通」、「核となる公共施設の整備」などが打ち出された。売れない土地の穴埋めのための拠点体育館の整備が具体化されようとしている。公共施設の導入は税金・公金による破たん救済であり、やめること。
  • 博多港長期構想は、今後20~30年かけて須崎ふ頭の港湾施設・物流機能を、人工島と箱崎ふ頭に集中させ、須崎ふ頭や中央・博多ふ頭には人が集まるように公園・巨大歩道橋・幹線道路の整備・LRT等の導入などにより、博多港を大改造しようというものである。時代錯誤の港湾整備計画に数千億円規模の税金投入は許されず、博多港長期構想にもとづく具体化をしないこと。
  • 市長は産業界の要求をのんで、人工島に進出する企業に対する交付金を最大30億円へ大幅拡充し、255億円もの税金を投げ渡そうとしている。企業立地にともなう税収効果、正規雇用の増加も期待できず、税金のムダづかいである立地交付金制度を廃止すること。
  • 巨額の赤字となる人工島の収支計画では、港湾整備事業基金を枯渇させ、港湾特会の破たんが必至であり、借金返済のための一般会計からの税金投入をしないこと
  • 土地の活用など人工島事業について市民参加で抜本的に見直すこと。

(2)市は、国の「特定都市再生緊急整備地域」指定をうけ、九電・福銀等の七社会を中心に県などと共同で天神・博多駅・ウォーターフロントエリア等の再開発をすすめようとしている。これは、銀行やゼネコン、財界のもうけづくりのためにビル等の新築や改築に際し、容積率などの規制緩和や認定の迅速化、税制の優遇、金融支援を行うというものに他ならない。さらにこれにとどまらず、市による保留床の買い取りをはじめ、本来企業が負担する事業費を、国や市の莫大な公金で賄う道を開くものであり、このような取組みはやめること。

(3)近隣空港の開設、昨今の経済活動の低迷、ITの普及に加えて九州新幹線の開通で福岡空港の乗降客数は毎年減少の一途をたどっており、小型化した便の過密解消は、誘導路の増設で十分である。空港問題は、既存ストックの有効活用や、近隣空港との連携等で解決し、全くの虚構となった需要予測をふりかざして不必要な滑走路増設のために1800億円もの公金をつぎ込むことは許されず、やめるよう国や県に要求するとともに、本市として、この計画から撤退すること。

(4)際限のない巨額の市費投入となる「九州大学学術研究都市構想」の推進をやめるとともに、同「推進機構」から撤退すること。

(5)香椎副都心の公共施設については、住民の要望である児童館、特別養護老人ホームなど子どもが自由に使える遊び場や高齢者施設も併設し、早急に整備すること。

(6)香椎駅周辺地区土地区画整理事業については、住民や商店街等との話し合いを促進し、商店街の活性化につながるまちづくり計画にむけて住民参加で見直すこと。

(7)六本松の九大跡地については、大型商業施設やマンション建設ではなく、緑と文化施設をという住民要望を反映し、少年文化ホールの移転新設をおこなうなど地元住民の営業と暮らしを守り、地域の活性化に資する活用を行うこと。

(8)箱崎の九大跡地については、首都圏のバックアップ機能ではなく、市が責任を持って箱崎中学の移転、総合研究博物館、研究機能を備えた総合環境・防災ステーションなど4校区協議会提案にある地元住民の要望を反映した利用計画をたてること。

(9)西部市場跡地は地元住民の要望も強く、近隣公園が必要な地域であり、設置すること。

(10)水資源開発の一環などとしてきた大山ダムの完成に伴い2013年度からの供給増量計画が実行されるどころか逆に3万5千㎥も減少するなど、水道用水供給計画の破たんは明白であり、本市の水需給計画を抜本的に見直すこと。また、県が1050億円をかけて進めている五ケ山ダム建設は、水需要の実態からその必要性はなく、渇水や治水対策についても問題があり、県や国に中止を要求すること。

(11)脱原発、原子力事故から市民を守るために

福島原発事故から2年近くがたとうとしているが、事故の被害は拡大しつづけ、時間的・空間的・社会的に限定なしに被害が広がる異質な危険をもった原発の特質がいよいよ明らかになっている。また、原発を稼働させれば処理方法の見つからない「核のごみ」は増え続ける。さらに、原発がなくても今年の猛暑を乗り切れたことが明らかになるなど原発を再稼働させる必要も条件もないことが明らかになった。国民世論も原発ゼロを求めて大きく変化し、政府のパブリックコメントでも即時ゼロを求める意見が8割をこえた。ただちに原発の危険を除去する必要性、緊急性がいっそう切実になっている。

  • 国に対し、すべての原発からただちに撤退する政治決断を行い、「即時原発ゼロ」の実現をはかるよう強く要請すること。
  • 市として「脱原発宣言」を行うこと。
  • 市として九電と国に対して、玄海原発の4基すべての再稼働中止と早急な廃炉を強く要請すること。
  • 本市の原子力事故地域防災計画は、原子炉破裂など最悪規模の事故も想定した避難計画を策定するとともに、国まかせでなく市独自に避難指示が出せるよう専門機関を設置すること。
  • 九電と締結した原子力安全協定は、事故時に直接福岡市への連絡をさせるとともに、事故後対策だけでなく、立ち入り調査や施設の変更などに対する事前了解など厳しい内容を盛り込むよう見直しをすること。

(12)再生可能エネルギーについて

  • 福岡市には太陽光・風力の市内利用可能量をすべて導入すれば市内全世帯の電力消費をまかなえる潜在能力があり、エネルギーの「地産地消」をめざして再生可能エネルギーの拡大に力を入れ、2020年までに市内の一次エネルギーの2割、30年までに3割を再生可能エネルギーでまなかなう目標を定めること。
  • 市有施設・市有地で太陽光、風レンズ風車などの風力、小水力などの発電の活用を前項の目標にふさわしく抜本的に拡大すること。太陽光発電の「屋根貸し」を公共施設でもすすめるとともに、民間施設や個人住宅で普及するため市が積極的な支援をおこなうこと。
  • 九州大学と共同で開発している風レンズ風車および、九州大学が実証実験をしてきた浮体式洋上発電について、支援を強化すること。
  • 住宅用太陽光発電システム設置を飛躍的に増やしていくために補助金額を増額し、希望数に対応した予算を確保するとともに、国と県に財政措置の拡大を要請すること。「行財政改革プラン」で同補助の見直しを記述しているが、現行水準を後退させる「再構築」はしないこと。
  • 省エネルギー、高効率発電、ピークカットの徹底へ力を入れ、コジェネレーションやヒートポンプの活用による廃熱利用の拡大、市有施設をふくむビル・工場における設備・機器の最新省エネ型への更新促進、市有施設での発光ダイオード(LED)照明・冷陰極蛍光ランプ(CCFL)の普及にとりくむこと。

(13)福島原発事故による放射能に汚染されたがれきの処理について、現在の福岡市の埋め立て方式では放射性物質が内湾である博多湾に漏れていくことを防ぐ手だてはなく、受入をしないこと。

(14)原発事故子ども・被災者支援法の早期具体化とともに、同法の支援対象地域を狭めず、年1ミリシーベルト以下の被ばく量ですべての人が暮らせるよう国に求めること。市として避難者支援の相談窓口を開設し、広報につとめ、就労支援や福祉・教育の負担軽減などの施策を充実すること。また、自主避難者を調査・把握し、支援をおこなうこと。

(15)地震・津波対策の強化について

中央防災会議は、「国民の生命と財産を守るという行政としての根幹的な責務を十二分に果たす」ため「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波」に対する対策をたてるべきだとしている。政府の地震調査委員会が12月21日に全国地震動予測地図を発表し、福岡市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は上昇した。本市でも、東日本大震災の厳しい教訓を、真摯に受け止め、地域防災計画の見直しとあわせ、早急な地震・津波対策を講じる必要がある。

  • 3年間かけて国の地震調査研究推進本部が行う警固断層帯の調査結果待ちにならず、震災・津波について、市として、数千年を視野にいれて、想定外を想定し、最悪の事態に備える見直しを行うこと。
  • 最悪の津波を想定し、津波避難ビルの必要数の確保、避難ビルの認証シールやオートロック対策など実効性ある対策を早急にとること。
  • 荒津の石油コンビナートや、西戸崎の石油タンク、東浜のガスタンク等の震災時の安全が懸念されており、危険物貯蔵所施設の耐震化率も58%に過ぎない。早急に全体の調査を行い、耐震対策と津波対策を徹底し、安全性を確保すること。
  • 地域での高齢者等の避難支援体制を市が責任を持ってつくり上げ、地域での日常的な防災訓練に活用するなど日常不断に地震対策の連携を図ること。
  • 市有の既存公共施設の内、31棟4,209戸の市営住宅をはじめ未だ72施設の耐震改修が残されている。災害時に被災者を受け入れる公共建築物の耐震化は喫緊の課題であり、解消計画を前倒しして早急に取り組むこと。
  • 民間建築物耐震化促進事業の耐震改修助成の活用状況をみると、共同住宅の同助成は4年続けてまったく活用されていないが、他方で、木造戸建て住宅の改修助成は補助額の増額によって昨年度2倍以上もの適用件数になっており、その効果は明らかである。補助額の抜本的引き上げとともに、人命救済のための耐震ドア、耐震ベッド、窓や屋根の補強だけでも活用できるなど、助成要件を緩和し、民間建築物の耐震強化の促進を行うこと。また広報も強めること。
  • 老人や障害者福祉施設など公共性の高い民間社会福祉施設に対し、耐震対策の重要性についての指導・助言を行うだけではなく、耐震化を強く促すために、市として助成制度をつくること。
  • 建物構造の耐震化だけでなく、大規模集客施設における天井や照明などの付帯施設の地震対策についても万全を期すよう指導を徹底すること。

(16)市内に783か所もある急傾斜地崩壊危険地域について、解消されたのは県が特に危険だと認定したわずか30ヶ所の内の26カ所のみである。集中豪雨発生などによる危険は一層高まっており、地権者の協力も得ながら、県に指定区域の拡大を求めるとともに、市としても積極的な取り組みをすすめ、早急な解消につとめること。

(17)本市の消防力の整備状況は、国の指針に照らしてポンプ車は3台不足し充足率91.2%しかない状況が続いており、また人員の充足率も予防要員は昨年を下回る80.1%、要員全体平均でも89.2%しかなく、札幌市の102%や静岡市の99%等と比しても政令市で低い方となっている。市民の命を守る上で重要な消防力であり、早急に増車・増員すること。また救急救命士も大幅に増員すること。

(18)河川水害対策について

本市では、近年発生している集中豪雨等によって那珂川、樋井川などで河川決壊、溢水などによる浸水被害が発生した。市民の命と財産を守る自治体の役割を果たすために災害防止対策の充実が求められている。

  • 市街地を流れる那珂川の水害対策等については、県が2010年度からおおむね5年間の事業として行っている「床上浸水対策特別事業」の事業期間の短縮と「広域基幹河川整備事業」を早期に完成させるよう、県と国に要求すること。また内水排除を進めていくためにも貯留池などの施設整備を行うこと。さらに、若久川については、河川と護岸の嵩上げや河床掘削、バイパス雨水管、若久団地内に調整池の整備など浸水防止対策を具体化し、早期に事業化を図ること。
  • 樋井川の浸水対策については、「床上浸水対策特別事業」で行っている河床掘削や護岸整備事業の短縮を県に求めるとともに、当仁中学校跡地や小学校、公園などの公的施設を活用して、地下貯水施設等を早期に設置すること。また、浸水被害にあった田島、鳥飼、長尾地域での浚渫など改修を急ぐとともに、上流域での浸水対策については、公共施設などを活用した調整池やバイパス雨水管などの整備を早急に具体化させること。
  • 周船寺川の河川改修事業については、計画の前倒しで河床掘削や護岸整備を急ぐこと。
  • 須恵川・宇美川流域の松島校区の浸水対策については、河床掘削や護岸の嵩上げなど河川改修事業の推進を県に要求すること。
  • 天神周辺地区では、一旦浸水被害が発生すれば甚大な被害が想定され、その浸水対策は緊急性が求められている。雨水整備レインボープランとして進められている雨水幹線整備や貯留施設、浸透施設等の前倒し整備を早急に行うこと。また下水道の分流化についても年次計画を立て事業を推進すること。

(19)交通対策について

  • 福岡一極集中による都市膨張と交通対策を無視したまちづくりによって、都心部を中心に交通渋滞の深刻化、さらに都市環境破壊が進行しており、天神一極集中の開発の是正、公共交通機関への乗り換え促進等で自動車交通の総量規制などおこなうこと。
  • 西鉄貝塚線と地下鉄との乗り継ぎを解消し、区間を三苫駅まで延伸する相互直通運転のために、西鉄との協議を急ぎ、早期に事業化すること。
  • 公共交通機関である西鉄などのバス運行事業者によるバス路線の休廃止が相次ぎ新たな公共交通空白地域をつくるなど深刻な社会問題となっており、西鉄などにこれ以上の路線廃止を行わないよう強く要求すること。また、路線バス廃止などによって新たに公共交通不便地が広がる中で要求が広がっているコミュニティバス等の運行については、市が実施主体となることや、高齢者等の買物や通院などの生活交通網の充実を図ることなど条例を抜本的に改正すること。
  • 交通バリアフリー促進のため、JR下山門駅のエレベーターの設置を急ぐこと。また、西鉄等に対し、障害者が利用しやすいノンステップなど低床バスの台数を国の基準に基づき増やすとともに、路線を拡大するよう強く指導すること。またJR筑肥線や、西鉄大牟田線のホームドア設置をおこなうよう申し入れること。併せて、公共公営交通機関において、西鉄バス停や地下鉄駅での視覚障害者への音声案内について、障害者団体など関係者の要望を踏まえ改善の取り組みを強化すること。
  • 自転車の安全利用に関する条例が制定されたが、安全な利用を促進するためには道路の環境整備、及び指導員などの人的配置を充実させるなどの条件整備を積極的に進めること。
  • 福岡市は、行革プランで志賀島航路などの市営渡船事業への繰入金の削減を検討している。これは運行渡船数の減便や乗船運賃の値上げにつながるものである。離島住民の海上交通・渡船事業としての役割こそが求められており、一般会計からの繰り出し金などの削減は行うことなく充実を図ること。

(20)公営・公的住宅行政について

住宅は福祉であり、良好な住まいを確保し、安心して住み続けたいという多くの人々の共通の願いを、権利として保障することが、今や国際的な流れとなっており、深刻な不況と格差と貧困の広がりのなか、低廉で良質な公営住宅の必要性はこれまで以上に高まっている。

  • 昨年は8団地だった「50倍以上もの応募倍率」の市営住宅が、今年は63団地にも増えるなどいっそう深刻になっている。最高183倍に及ぶ、まさに必要な市民が入居できない事態を改善するため、建替中心の建設抑制政策を改め、大幅な新規市営住宅建設計画をたてるとともに、民間賃貸住宅を借り上げて公営住宅にするなど多様な供給方式の活用で公営住宅を大幅に増やし、そのための予算補助を国に要求すること。
  • 市営住宅の管理は、福岡市住宅供給公社で行い、株式会社等の参入はおこなわないこと。
  • 空家待機や特別随時募集制度等が廃止され、新たに随時募集制度にかわったが、従来、救済されていた「家主の都合により突然の退去要求を受けた世帯」については、この要件だけでは対象にならず、結局路頭に迷わざるを得ない事態となっている。住宅に真に困窮したこれらの世帯の救済策を早急に講じること。
  • 2011年度の高齢単身者住宅応募者は2年前より312名増の2055名になっているにもかかわらず、募集戸数わずか72戸しかなく応募が殺到している深刻な事態である。高齢者向け住宅の戸数を早急に大幅に増やすとともに、ひとり親世帯・心身障害者世帯の入居枠を増やすこと。
  • 高齢化率の高い市営住宅では、住民の自治活動も困難を抱えている。このような中「孤独死」をふせぐため単身高齢者見守りなどを積極的におこなうため、自治会等に対する支援制度をつくること。
  • UR賃貸住宅では、市内で約3700戸にも及ぶ用途廃止計画が、本市の住宅政策にとって深刻な事態を引き起こしている。廃止計画をやめるとともに、「民営化」を行わないよう国に求めること。また、老朽化した団地についても、一律建て替えでなく、改修やリフォームなど多様な住宅改善をすすめ、誰もが戻って住み続けられるよう国に要求すること。さらに、「家賃の4倍以上の収入」は単身の生活保護世帯の排除につながっており、入居要件を緩和し、必要としている人が入居できるようにすること
  • 竹下住宅をはじめ雇用促進住宅の譲渡・廃止計画をやめるよう国に要求するとともに、市が買い取って、公営住宅として活用すること。

(21)分譲マンションの集会所や通路は、一般の住宅街の町内会集会所や多数が使う私道にあたるものであり、本来公共がおこなう基本的サービスの居住者負担を軽減するため、通路、ごみ置き場や公園の固定資産税減免や維持管理費等の補助、防犯灯や受水槽の電気代等の補助などを行うこと。

(22)中高層建築物等建設にかかる紛争について

  • 本市は、共同住宅の比率も空家の比率も全国一高くなっている。これ以上のマンション建設の必要性はないにもかかわらず、良好な戸建て住宅地域に中高層住宅が建設されるなどの住環境破壊が近年深刻になっている。開発規制を強化するために用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の周知と積極的適用に努めること。また建築物の高さによる圧迫感の軽減、周辺環境と調和した街並みの形成等のため、絶対高さ規制を早急に実施すること。
  • マンション建設による住環境悪化から住民を救済するための条例であるべき「建築紛争の予防と調整に関する条例」が、建築確認の民間参入以来形骸化しており、同条例を住環境を守る実効性を持つ内容に早急に改訂すること。また当面市は、住民の立場で建築業者に対し、条例を遵守した真摯な話合いを行い、住環境を守るよう強く指導すること。それでも市の指導に従わず、住民との話し合いに応じないなど誠意が見られず、また工事協定も結ばないまま一方的に工事強行を行う業者に対しては、市工事の入札時にペナルティを課すなどの罰則規定を盛り込むこと。また、そのためにも都市計画・まちづくりに関し、自治体独自の条例制定権を全面的に認めるよう、国に対して法改正を要求すること。

(23)緑地保全(保全林)の地区指定を促進するとともに、予算を大幅に増額し、都市緑地の保全・買取を積極的に推進すること。併せて緑の再生にも計画的に取り組むこと。保存樹事業については、所有者の負担軽減策を講じること。

(24)動植物園の運営と整備、再生計画には、市民とともに飼育担当職員の声も十分反映させるような体制をつくるとともに、地場の仕事おこしのためにも計画を前倒しして推進すること。また長期計画とともに、現在の動物園を魅力あるものにするための工夫を行い、動物が本来の生き生きとした自然生態を見せる展示方法の導入、飼育環境の改善とともに職員の増員を行い、教育的施設としての役割を果たせるようにすること。あわせて、行革プランで検討している入場料の値上げは行うべきではなく、また高齢者から憩いの場を奪う入場料の減免制度は廃止しないこと。

↑ 上へ

4 地球温暖化対策と環境問題について

(1)地球温暖化対策について

地球温暖化をもたらす「放射強制力」は1990年から2011年に30%増加したと言われ、二酸化炭素濃度も、日本の観測点では3月と4月について400PPMを超え、地球温暖化は急速に進んでいる。取り返しのつかない環境悪化を防ぐには、産業革命以来の気温上昇を「2度以内」に抑えるべきだということが世界的な合意である。ところが日本政府は温室効果ガスの排出削減に極めて後ろ向きであり、大量排出している国としての責任を投げ捨てている。

  • 世界で第5位の排出国である日本が削減の国際責任を果たすのは当然だが、温室効果ガスは2020年までに5~9%しか削減されず国際的な批判を受けるものである。5~10年以内に、再生可能エネルギーの大量普及に最大限の努力を払い、エネルギー利用率の引き上げや省エネの徹底で、低エネルギー社会への急速な移行を図ることで、国際公約である2020年の削減25%を堅持し、更に30%とすることを国に要求すること。
  • 産業界は日本の温室効果ガスの総排出量の8割(家庭が使う電力分を電力会社の排出とすると9割)を占め、わずか大企業44社、161事業所だけで日本全体の二酸化炭素排出量の50%に達している。企業の目標達成のための補助的手段としての「国内排出量取引制度」は、原単位方式でなく、発電施設も含めた事業所の直接排出量の総量削減を定めることや、二酸化炭素の排出量などに着目し「環境税」の拡充を国に要求すること。
  • 本市における二酸化炭素の排出量の実態は家庭部門が25%、業務部門が31%、運輸部門が25%と依然として業務部門が高くなっている。本市の地球温暖化地域推進計画では、業務部門は二酸化炭素の排出量を基準年度に対して14%削減する目標であるが逆に増加傾向にある。削減計画の達成のため大規模事業所に対して温室効果ガス削減計画の策定を働きかけること。

(2)博多湾の水質は、2011年度のCOD75%値の経年変化において東部地域の環境基準点では2カ所とも基準値を超えるとともに、中部海域3カ所においても依然として基準値を超え、西部海域を含めて昨年と比べても博多湾海域で全体的に悪化しており、その原因を解明し必要な対策を取ること。また港湾内部生産や下水排水の抑制など保全策の充実を図ること。更に博多湾の水質の悪化が進んでおり環境基準点を増やすこと。

(3)和白干潟は、クロツラヘラサギ、ミヤコドリなど多様な希少種が飛来し、休息場や餌場となっている国際的に重要な湿地である。市長は自ら先頭に立ち和白干潟を国設鳥獣保護地区に指定させ、早急に「ラムサール条約」の登録湿地とするとともに、今津湾を含め、博多湾全体を国設鳥獣保護区にすること。

(4)光化学オキシダントは、昨年に続き市内すべての測定局で環境基準値を達成しておらず、大気汚染は深刻な状況が続いている。本市庁用車の低公害車等の導入は61.6%という状況であり一層の促進を図るとともに、民間業者への普及を促進すること。また都心部への交通規制の強化など抜本的な対策を講じること。更に国に対して自動車排ガス規制の引き続く強化を要求すること。

(5)ごみ行政について

  • 本市のごみ処理基本計画は、「ダイオキシン対策」などとして大型廃棄物処理施設の建設を進めてきた国の誘導策に基づき過大な施設は大量生産、大量消費、大量焼却を前提にしたもので「拡大生産者責任」の立場で抜本的な転換が求められる。ごみを発生源で断つという基本的な観点で、行政と市民、事業者が一体となったリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の推進などごみ減量を基本とする計画に改めること。
  • 本市のごみリサイクル率は2011年度が30%にとどまっており、本市の「環境のまち・ふくおか基本計画」で定められている2025年度の目標値38%を達成していくためにも具体的な計画の策定を行うこと。また、ごみ分別収集は、家庭系及び事業系の可燃物ごみについて現在の4分別9区分で行っているが、再資源化、リサイクル化を一層促進するためにも分別収集を拡大すること。併せて、行革プランで検討されている生ごみ堆肥化容器、電動式生ごみ処理機の購入助成については、廃止を行わず継続すること。
  • 拡大生産者責任の立場に立ち容器包装リサイクル法によるペットボトルリサイクルは、自治体負担の軽減措置など制度の見直しを求めるとともに、家電リサイクルでは、大手量販店などによる不適切な取引が問題になっており、早急に小売業者が順守すべき基準の設定などの規制強化や、回収・リサイクル料金の見直しを求めること。
  • 福岡都市圏南部環境事業組合については、福岡市を除く他の構成団体のごみ処理量が増え続けることを前提にした大型ごみ焼却場建設であり、建設建替え計画を抜本的に見直すこと。
  • 本市の一般廃棄物の内事業系ごみ処理量は50%を切ったが依然として全国平均を上回っており、事業系ごみの減量対策の充実が求められている。企業任せでなくオフィス紙ごみリサイクル等の推奨、目標提示など積極的な取組みを行うこと。また、2015年度に廃止するとしている「ごみ処理手数料の減免制度」については、厳しい経済状況の下で中小企業や業者に新たな負担を押し付けるもので減免制度の存続など見直しを行うこと。

(6)産業廃棄物の投棄によって引き起こされる環境汚染は深刻な社会問題となっている。水源地などに産廃処理施設を設置することが出来ないよう位置規制を盛り込むなど「廃棄物処理法」の改正を国に要求するとともに、本市においても、厳重な立ち入り監視・調査・指導をおこない、「福岡市産業廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防及び調整に関する要綱」を条例化し、違反者への罰則規定を強化すること。

↑ 上へ

5 中小企業の営業を守る総合的施策、農林水産業の再建を

(1)中小企業・業者対策および経済対策について

  • 2012年1~6月の本市倒産件数は81件、負債額約162億円と依然として深刻である。本市の全企業の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業・自営業者が“がけっぷち”においやられているいま、その経営の存続と安定をはかることは市政の緊急の課題である。2012年度、本市の中小企業予算は27億円であり、一般会計の0.35%にすぎない。広範な中小企業の要求に応えられるよう、中小企業予算を大幅に増額すること。
  • 景気回復のための経済対策には公共事業だけでなく、民間需要の拡大が不可欠である。福岡市で住宅リフォーム助成制度を導入した場合、予算投入額2億円とすれば予算額の24倍、48億円の経済波及効果があることが市の試算でも明らかとなった。また、民間研究団体の試算では地方税が9130万円増加すること明らかとなっている。住宅の寿命をのばすなど環境対策としても効果が見込め、福岡県内でも16市町村に広がっている。また全国でも2012年度に実施するのは、4県533市区町村と大きく広がっている。本市でも対象工事を限定しない住宅リフォーム助成制度を創設すること。
  • 市内の全中小商工業事業所を対象にした対面・ヒヤリングによる経営実態調査を実施し、施策に反映させること。
  • 人工島をはじめとする大型公共事業に偏重した現状を見直し、小規模・生活密着型、福祉型の公共事業への本格的な転換をすすめること。競争入札資格のない未登録業者に、自治体が発注する小規模な建設工事や修繕工事等を発注する、小規模工事登録制度を早期に実施すること。
  • 下請代金の未払いや大手ゼネコンによる低単価発注などをやめさせるためのルールが守られておらず、実態を把握し対策を講じること。「公契約に関する基本法の制定を求める意見書」が本市議会で採択されるなど公契約法(条例)の制定を求める運動と世論は大きく広がっている。政令市でも川崎市、相模原市で実施されており、自治体の仕事を受注する企業に人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける「公契約」条例の制定をすすめること。
  • 中小零細企業の経営に役に立ってきた金融円滑化法の廃止の取りやめと恒久化を国に求めること。また緊急保証制度及びセーフティーネット貸付の枠を拡大し全業種100%保証にするよう国に求めること。さらに、以前あった利息0.9%、保証料0.2%の「緊急景気対策特別資金」のような低利低保証料の融資を復活すること。
  • 本市ではこの10年間に商店数が4割減っているにも関わらず、市の商店街活力アップ支援事業、商店街空店舗等再生事業などの商店街支援策の活用は非常に少ないままである。地元商店街や商店を守るため、実態や要望を踏まえた十分な支援をおこなうとともに商店街対策予算の増額を図ること。また、市内で広がっている「買い物難民」について実態を調査するとともに、買い物難民対策をすすめている自治会や商店街などを支援すること。

(2)雇用の改善について

  • 大学生の就職内定率は、国の調査において2012年2月1日時点で80.5%と、過去3番目に悪い水準になっている。県においても大学生の就職内定率は平成24年1月末時点で59.0%と、非常に厳しい状況が続いている。本市として学生の就職難打開の手だて、就活支援をいっそう強化すること。
  • 市長が直接地元財界や大企業に正規雇用の維持・拡大を強く要請すること。
  • 若い層に対して「働くルール」を普及させ、ブラック企業の告発を進めること。
  • 国に対して労働者派遣法の抜本改正、雇用の安定や最低賃金の大幅引き上げを求めること。

(3)農林水産業の振興について

  • TPPで関税撤廃に例外がないことはアメリカなど交渉国が再三強調し、日本政府も認めています。TPP参加と農林漁業の再生との両立はせず、本市の農業、林業、水産業などに深刻な影響ができる事は明らかである。さらにTPPは、「食の安全」をまもる規制も交渉対象となり、残留農薬や添加物など基準がきびしすぎるなど、アメリカの勝手な要求がとおれば、食料の安全も大変なことになる。JAが広範な国民とともに反対しているTPPについて、市長は参加反対表明を行うとともに政府に対して参加しないよう求めること。
  • 食料自給率向上のためには農業の振興が不可欠であるが、農業所得については米価の低下傾向にあり、稲作の収益率が悪化する中、農産物価格保障対策や経営安定政策が不十分で農業従事者が安心して農業に励むことができない。米だけでなく、本市において生産量が多い花卉、野菜の価格安定対策や助成制度を改善・拡充することを国に要望するとともに地産地消の取り組みを強化し本市農業を守ること。
  • 燃油や飼料などの生産資材価格の高騰が経営に与える影響の大きい施設園芸や畜産などには直接補てん措置が不可欠であり、市独自の制度をつくること。
  • 耕作放棄地の増加で農地の荒廃が広がっており、これ以上増やさないことは、国土の保全のためにも重要な課題である。市民農園を拡大するとともに市民参加型の生産を市がイニシアチブをとること。
  • 本市の農業就業人口の構成について70歳以上が40%を超え、60歳以上でいえば65%になっている。一方40歳以下が17%あまりとなっており、農業従事者は、高齢化の進行や新規就農者数の少なさから減り続けている。農家の後継者づくりについては、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整え、農業への新規参入者を増やすことと同時に青年就農給付金制度を本市のような都市近郊農業にも充分に活用できるよう要件の緩和を国に要求すること。また株式会社への農地取得・利用を厳しく監視するよう国に求めること。
  • 農家からは固定資産税や相続税などの負担が重く、農業を続けられないという悲鳴が上がっている。都市近郊農業を発展させていくために、農業が営まれている農地は農地課税・農地評価を基本にし、作業場なども農地に準じた課税にするよう国に申し入れる事。同時に当面、生産緑地の要件を緩和し、相続税納税猶予の制度を維持し、市民農園や屋敷林などにも適用するように国に求めること。
  • 有害鳥獣による農産物被害が深刻化・広域化している。該当する鳥獣の生態や繁殖条件の調査や増えすぎる鳥獣を適正な密度に減らす地域や自治体の取り組みを支援するよう国に申し入れること。また、鳥獣が里山に下りずに生息できる森林環境の整備をはじめ国が鳥獣被害対策交付金を大幅に増やし、農家や自治体の防護柵・わなの設置、捕獲物の利用などへの支援を強めるよう申し入れること。また、市としても独自の対策を取ること。
  • 林業は地場産業であるとともに、森林は、木材資源の供給とともに、国土や環境の保全、水資源の涵養(かんよう)、生物多様性の保全など、国民生活にとって欠かせないものとなっている。また、低炭素社会にむけた大きな可能性を持っており育成していかなければならない。しかし、安い外材の影響で市内産木材の需要が伸びず、荒廃森林も増えている。市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。公共施設・設備にも市内産木材を積極的に使用すること。
  • 燃油などの経費増と産地魚価の低迷が、漁業と漁民経営の存続を深刻に脅かしている。漁民の所得保障と価格安定対策を国に求めるとともに、漁場環境の保全、改善や後継者問題に取り組むために振興策の充実と予算を増やすこと。また、石油価格や漁船・漁具、養殖用飼料の価格高騰による経営困難を打開するため、現在、時限立法で措置されている燃油(軽油引取税など)の免税措置を恒久化し、資材価格の安定と省資源型漁船や漁法にたいする援助を強め、消費者価格の安定をはかるよう国に求める事。
  • 2010年度の大量のヒトデ発生にともない、アサリの主要産地である能古島及び今津を合わせた年間生産量が激減している。博多湾アサリ再生事業予算を増やし早急にアサリの再生を行っていくこと。また、収入が激減している漁業者への支援を強化すること。

↑ 上へ

6 憲法と子どもの権利条約を生かし、子どもの成長・発達を中心にすえた教育・文化行政の推進を

今日、子どもの「いじめ自殺」が各地でおき、多くの国民が心を痛めている。その背景にある教育体制の深刻な行き詰まりを打開することが求められている。子どもの成長を歪め、その異常さが国際機関から厳しく指摘されている過度の「競争」や非人間的な「管理」教育の是正が極めて重要である。また家庭の貧富の差による教育格差が広がる中、国の異常な教育予算抑制も大きな要因となり、全ての子どもに教育を受ける権利が十分保障されない事態が広がるとともに、政治による教育への不当な介入も問題となっている。これらのゆがみを正し、憲法と子どもの権利条約の立場に立ち、全ての子どもの「人格の完成」を目指す教育の再建、一人一人が大切にされる社会の実現こそが急がれている。

(1)本市の学校教育について

  • 本市の教育予算は政令市中最低水準となっており、抜本的に増額すること。
  • 今や全学年での少人数学級実施が現場の切実な願いとなっており、独自の「ガイドライン」を理由に、小4までと中1への実施で固定化することは許されない。ガイドラインは破棄し当面本市独自の常勤講師の採用等必要な手立てをとり、全ての学年、学校に拡充するとともに正規職員を大幅に増やし30人以下学級を即時実現するよう国・県に強く要求すること。
  • 悉皆による一斉学力テストは子どもと学校間の競争を激化し、子どもと教職員の困難を増大させており、市独自実施をやめるとともに国実施分には参加しないこと。
  • 貧困と格差の拡大の下、給食費さえ払えない低所得の保護者も増え、就学援助制度の充実は、さらに切実になっている。国が示しているクラブ活動費・生徒会費・PTA会費については直ちに項目に加え、国に対して財政措置を求めること。また、適用基準を大幅に拡げるとともにめがね購入費等、項目を拡充すること。
  • 行革プランにおいて検討されている市PTA協議会への補助金カットは保護者の経済的負担増を生み出すものであり行わないこと。
  • 各学校で発生するいじめ問題に対応し解決を図る第三者機関を医師、心理士、弁護士、ケースワーカー等で構成し行政から独立した形で設置すること。
  • 相次ぐ体罰の根源にある要因を教育委員会として解明し、根絶のために取り組むこと。
  • 中学校部活動の相次ぐ廃止に歯止めをかけるために、抜本的な方策を検討し、当面補助指導員の更なる充実のための予算増額を図り、「全員顧問制」等、教職員への顧問強制は行わないこと。県に対し県大会の参加費徴収をやめるよう求めるとともに、当面参加費について市費で補助すること。
  • 「学校規模適正化」については子どもを中心に考え、情報の公開と住民合意を基本に据え、一方的な押し付けを行わないこと。また、通学区域の拡大にともなう児童・生徒の交通安全対策については十分な手立てをとるとともに、一人あたりの校地面積の縮減による詰め込みにならないよう配慮すること。
  • 危険な通学路の専門家による実態調査を行い、関係局と共に改善に向けた年次計画を立て、早急に完了すること。

(2)教職員体制について

  • 教職員は休みたくても休めず長時間過密労働を強いられ、精神疾患による休職者は減らない等、健康破壊が深刻である。過重・超過勤務の実態を踏まえ是正のための実効性ある措置を取るとともに、休暇を取りやすい環境を整えるとともに教職員の休憩室を法令通り適正に設置すること。また、病気休暇の代替教員の配置を速やかに行うよう県に求めること。教職員の「全体の奉仕者」としての責務や勤務実態を無視した給与等削減をやめるとともに非常勤講師等の賃上げを図ること。また、異常な非正規化に歯止めをかけ、必要な人員は正規で採用すること。
  • いじめ問題をはじめ、子どもの権利、発達の観点などを学び、過度な競争や管理教育ではなく一人一人の子どもの立場に立ち命を大切にする教育を推進するための職員研修の充実を図ること。
  • いじめや不登校をはじめとする子どもにかかわる諸問題を改善するために、専門のカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを全校配置する手立てをとること。養護教諭の複数配置をひろげること。
  • 全ての学校図書室に、専任の司書を配置すること。司書教諭については市費加配の活用等による授業時数の軽減を図り、司書業務を行える条件をつくること。
  • 「指導力不足教員」政策と結びついた「新勤務評価制度」は、ILO・ユネスコから「教員の地位勧告」に抵触すると指摘され根本的見直しを直接勧告されている。本市においても「目標管理」による教職員評価制度が教師の自由を奪い現場を硬直化させており、やめること。
  • 教員採用試験の受験者に採点結果を通知するなど透明性・公正性を拡大するとともに、教職員の採用は定数内講師ではなく正規を基本に拡充するよう県に強く求めること。教員免許更新制をやめるよう国に求めること。

(3)学校教育施設について

窓サッシの落下防止対策は終了したものの、外壁のコンクリート片等の落下等人命に関わる重大事故が頻発し、安心・安全な教育環境を整える教育行政の責任が厳しく問われる事態となっている。学校校舎・体育館の耐震対策が完了した中、今後はこれまで先延ばしされてきた施設整備・改善対策を大幅に充実させなければならない。

  • 築30年以上の大規模改造未実施校について全て来年度着手するとともに、危険なブロック塀の改修は来年度早急に完了すること。プールについては財政負担を理由に改築しない方針を掲げたことは問題であり撤回し改修・改築ともに現場の要望を踏まえ速やかに実施すること。また、施設・設備をはじめとする学校環境・安全点検は現場だけに押し付けず、予算を組んで専門家により少なくとも年1回は行い、学校からの意見も日常的に聴き、必要な改善は速やかに実施すること。学校施設整備予算を抜本的に増額すること。
  • 普通教室への扇風機設置は終了したが、教室の温度について、夏期は30℃以下、冬期は10℃以上とされている国の教室温度基準違反状態は続いており、災害時における避難所機能を高めることも重要な課題となっている。全ての教室にエアコンを設置すること。
  • 学校のいたる所にスレート板やPタイル等、アスベスト含有材が使用されており、破損時には飛散し危険であるにもかかわらず、対処方法等について学校への周知は不十分である。指針を策定し、当面の取り扱いについては緊急対策を図るとともに、対処後の報告を徹底させること。
  • フロアーにトイレが無い等、不足している学校については増設を行い、多目的や洋式トイレの適正配置を図るとともに、「臭い」「汚い」「暗い」等の問題を解消すること。
  • 生徒数が1,000名を超えている(那珂小、高取小、壱岐小、姪浜中、百道中)などの過大規模校をはじめ、教室が不足し分割授業ができないなど授業にも支障が出る学校が生み出されている。「31学級が一定期間継続すること」を分離の条件として過大規模校を実質放置し教育格差を拡げることは許されず、地域コミュニティーに混乱をもたらす校区調整ではなく、早急に分離・新設を行うこと。過大規模校以外の教室不足校についてはただちに教室の増設を行うこと。

(4)特別支援教育について

  • 通常学級で学ぶLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)など発達障害児に対応する支援体制の遅れにより、困難が拡大している。「介助員」「支援員」を大幅に増員して必要な児童・生徒に行き届くようにすること。「支援員」については、2ヶ月という短期の臨時的任用という配置は問題であり、安定・継続できる雇用体系とすること。小中学校の特別支援学級は当面希望者のいる学校を最優先に全校設置を進めること。
  • 特別支援教育については、子どもと保護者の選択権を重視し、適正就学指導委員会の判断結果の一方的な押し付けを行わないこと。また、普通学級に通う色弱、難聴等、視覚・聴覚障害児童・生徒に対する支援を強化するなど、希望の進路に添った学校の受け入れ体制を整えること。
  • 博多高等学園の入学希望者が増え、選抜により入学できない生徒が増え続けている。定員増を図り、希望者を受け入れるとともに、特別支援学校高等部Bコース(軽度学級)を各特別支援学校に設置し、全員が希望する学校に入学できるようにすること。 
  • バリアフリー化を進めるため、肢体不自由児が通う全小中学校へのエレベーター設置を行うとともに、完備されるまでは介助員の配置等支援体制を充実させること。狭隘化している特別支援学校職員室の改善を図ること。専門性、安全性を後退させかねない特別支援学校送迎バス指導員の民間委託計画は撤回し、直接雇用を継続すること。また、増便を行い生徒・保護者の負担軽減を図ること。

(5)高校教育について

  • 雇用・経済状況の悪化により、保護者の失業や倒産が増え、進学や通学の断念など、子どもたちの高校教育を受ける権利が脅かされている。重要な役割を果たしている市教育振興会高校奨学金について、行革プランで打ち出されている見直し計画は言語道断であり撤回し、入学支度金、奨学資金の増額・貸付時期の改善、所得要件等の基準緩和、定員増等改善を図ること。国、県の修学資金が適用できない世帯を救済できる市独自の「緊急貸付制度」を創設すること。
  • 政府が国際人権規約における無償化条項の留保を撤回したことを踏まえ、2010年度から始まった「高校無償化」は存続、実質無償化に向け制度を改善するとともに、専門学校、大学の無償化目標とプログラムを策定するよう国に求めること。
  • 行革プランによる本市の55%の生徒が学ぶ私学への助成金廃止・減額は許されず、現場の要望を踏まえ継続し増額すること。
  • 実質教育委員会からの押し付けとなっている「市立高等学校活性化に向けた取組方針」は撤回し、特色ある教育の推進は現場での民主的な議論に基づく自主性に任せること。

(6)幼稚園教育について

  • 私立幼稚園の運営は幼児の減少や人件費の負担増などで極めて厳しい状況にある一方、共働き家庭の子の預かり保育の実施による対応にも苦慮しており、教諭の待遇改善を図るためにも、運営費補助等を大幅に増額すること。
  • 本市の市立幼稚園は幼小連携教育等、重要な役割を果たし地域にも根付いている。これを行革プランにもとづき廃止することは許されず、計画を撤回するとともに保育室、遊戯室へのエアコン設置等、施設設備の充実を図り、長年行っていない教諭の独自採用を復活させること。

(7)学校給食の改善について

  • 学校給食センター再整備基本計画は民間の儲けづくりが優先されるPFI手法を活用し、4箇所から3箇所への統廃合による1箇所13000食という過大規模化、公社職員の大幅リストラ、必要性のない「ホール」設置、食育や安全性の後退等、問題だらけの内容となっている。第一センターの事業契約は撤回し本計画は市民参加で見直すこと。
  • 昨年の教育長通知に基づき強行されている学校給食公社の合理化の内容は、職員給与の1~2.5%カット、各種手当のカット、非常勤の時給を1044円から870円に切り下げ、非正規率を大幅に引き上げる等、大手民間企業を手本とし、労働者の権利を踏みにじり、給食の安全をないがしろにする異常な内容となっている。教育の一環である給食の現場における異常な合理化は、教育行政としての責任を放棄するものであり、教育長は昨年の「8.19通知」を撤回し、公社の合理化を中止させること。
  • 小学校における調理員体制について現行の非常勤職員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、責任を持った調理を行うこと。また、退職者分の不補充方針を撤回し正規職員の新規採用を必要数行うとともに、有休の代替要員は市の責任で確保すること。各小学校に栄養士を配置すること。また、財政状況を理由に、狭隘化や老朽化等、労働環境が劣悪となっている給食室・控室が多数放置されている状況は許されず、直ちに改善すること。小学校給食の民間委託は現在行われている試行も含め中止すること。
  • 給食食材の放射能汚染調査は、現行の規模と頻度では不十分であり、市独自に基準値を厳しく運用するとともに検査機器の購入と検査体制を整え、調理後の一食分を丸ごと「ミキサー検査」にかける等充実させること。併せて、地産地消を徹底すること。

(8)人権・同和教育について

  • 同和枠から一般対策に移行された加配教員を、実質的には「同和」枠として配置していることにより、真に必要な学校に加配できず、教育格差を生む事態となっている。旧態依然の旧同和措置校偏重の人事を改めるとともに、必要性のない「市人権教育研究会」等への補助金の支出を直ちにやめること。
  • 本市の「人権教育・啓発基本計画」は、「同和問題の解決に向けた取り組みの手法・成果を生かす」などとして、実質同和問題のみに矮小化しており、このように人権を侵し、差別を温存する同和教育の延長となるニセ「人権教育」の押し付けはやめること。学校研修、連絡会等を通じての解放同盟の教育介入を排除し「全市一斉人権教育研修会」については廃止するとともに、学校やPTAへの「同和研修」の強要、部落解放同盟の運動や主張に加担する「研修」名目での職員の出張をやめること。

(9)図書館について

予算を増額し、蔵書の充実を図るとともに、遠距離の市民でも書籍等の活用ができるように公民館や配本車などで検索・貸出・返却ができるシステムづくりを行うとともに、地域による格差を是正するため、図書館を増設すること。また、総合図書館や分館の司書は正規職員として増員すること。

(10)文化行政について

  • 六本松の九大跡地への少年科学文化会館の移設が決まったにもかかわらず、少年文化ホールは廃止する方針に、地元をはじめ多くの市民、さらに活用してきた全国の文化団体からも失望と怒りの声が沸き起こり、12月議会には4万5千筆にのぼる「ホールを残してほしい」との請願署名が提出された。こども達から文化を奪うことは許されず、九大跡地に少年文化ホールも移転新設すること。
  • 市民会館の建て替えにあたっては、ホールの設計やあり方等について文化団体、利用団体や幅広い市民の参画のもと具体化すること。また、不足している劇場型中規模ホールについては計画的に増設すること。
  • 九州交響楽団は、来年創立60週年を迎える老舗であると同時に九州では唯一のプロオーケストラである。福岡市を拠点に九州各地を中心に年間約130回の演奏活動を行なっている。高島市長は行財政改革プランで本市の文化芸術の振興に大きな役割を果たしている九州交響楽団への補助金を見直そうとしている。補助金の削減で演奏家の確保や演奏活動に影響を及ぼすのは明らかであり補助金の削減及び廃止はしないこと。

(11)文化財対策について

  • 本市の文化財等は質・量とも全国的に高い水準にある。埋蔵文化財センターには、甕棺や考古資料、登録遺物など大量の文化財遺物が収納され歴史的にも研究資料としても貴重な文化財が多く、適切な管理・保存や、市民への展示・公開を積極的に行うこと。また収納などの機能拡充、整備を計画的に検討するとともに、埋蔵文化財行政の拡充を図るためにも関連予算の増額と専門職職員の適正な確保を図ること。
  • 本市の埋蔵文化財包蔵地は、箇所数でも、面積でも京都や熊本市に匹敵する状況にある。
    遺跡等の破壊につながるとされる記録保存は極力避けるとともに、包蔵地内の遺跡・遺構などの発掘にあたっては、文化財の保存を図ることが必要であり開発に係わる許可制などの検討を行うこと。
  • 福岡城跡の整備にあたっては、その条件が満たされていない天守閣復元計画は止めること。

(12)社会教育施設及び青年センターについて

  • 今日、青年は自己責任論で苦しめられ、孤立化が進んでおり、交流や連帯の場の保障が求められている中、青年が、仕事帰りにも気軽に集える施設としての青年センターは更なる充実こそ求められている。老朽化を理由にした廃止計画は許されず撤回し、施設の改善充実を図り、増設も検討すること。
  • 狭隘化、老朽化等が進んでいるにもかかわらず建て替え計画のない公民館20館について、早急に建て替え計画を策定し着手すること。

(13)スポーツ行政について

  • 本市のスポーツ振興計画では、スポーツは市民の健康管理や自己実現、余暇活動の充実など、個人の生活の質を高めるとともに、多くの人々に夢や感動を与え、社会を明るくする働きがあり、都市政策上も重要な役割があるとしている。そんな中、今回「行革プラン」では、これまで伝統ある大会として開催されてきた「金鷲旗玉竜旗高校柔剣道大会補助金」や県大会や全国大会に参加する「小中学生体育大会出場補助金」などを削減しようとしており、多くの関係者から批判の声があがっている。市のスポーツ振興計画の趣旨にも逆行する各種スポーツ大会補助金は削減せず、充実させること。
  • 市民体育館については、人工島の破たん救済のために移転することは許されず、当面は耐震改修をおこなって使用をすること。またスポーツ基本法で定められている市民のスポーツに親しむ権利を保障するために、各区体育館、市民プールなど老朽化しているスポーツ施設は増築・改善・充実をすること。また身近なところで野球・ソフトボール・テニス・サッカー・ラグビー・ダンス・スケートボード・フリークライミングなど気軽に使える運動場やスポーツ施設を新・増設すること。併せて「行革プラン」で示されている、各区体育館やプールなどスポーツ施設の駐車場料金の有料化をやめ、高齢者や障害者が利用する場合の減免制度を存続すること。

↑ 上へ

7 一人ひとりの子どもが大切にされ、安心して子育てできる市政に

(1)保育行政について

  • 「子ども・子育て支援法」が民主・自民・公明の3党で可決成立したが、国民の大きな反対運動で児童福祉法24条の公的責任の文言は残されたものの、保育への株式会社参入を広げる「保育の市場化」や保護者が保育所と直接契約する制度の導入が決められた。また保育時間に認定制度が導入され、保育時間が制限されるなど、保育の質の低下につながるこのような「保育の新システム」に対して、市長はいまだに全く反対表明をしていない。こうした市長の公約違反は許されず、法の撤回を国に求めること。
  • 2012年10月1日現在、待機児は1170人にのぼるなど対策は不十分で、待機児童解消は喫緊の課題となっているが、この間の対策は、分園や増改築また既設内で年度当初から定員の125%も入所させ、詰め込みを更に増幅させるものとなっており、この実態は市長の待機児童ゼロという公約から見ても許しがたいものである。さらに、保育ママや増改築などこれまでどおりの計画となっており、新築を中心とした待機児解消をおこなうこと。
  • 保育所新設を大幅に増やすためにも、以前行っていた市有地の無償貸与を復活させるとともに、民有地の借り上げに対する本市独自の補助制度をつくる事。また現在無償で貸している市有地の有償化計画をやめること。
  • 本市では、地域主権改革関連法の施行に伴う保育施設の基準の条例化に際し、面積基準の引き下げは行わなかったものの、国の最低基準のままである。戦後すぐに制定されたこの基準は、諸外国と比較しても低い水準であり、現場からは「かみつきも多く、ゆったりした環境であればトラブルも減る」などと抜本的な改善を求める声があがっている。児童福祉審議会の付帯意見の趣旨を踏まえて、保育所の面積基準を引きあげるとともに、財政措置を拡充すること。
  • 職員配置基準については、保育士対子どもの人数を0歳児は1対2、1歳児は1対3、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4歳児・5歳児は1対15へと改善をすること。また障害児を受け入れる保育所全てに保育士を加配すること。併せて病気の発症しやすい幼児のために看護師等を配置するなど財政的補助をおこなうこと。
  • 保育所での豊かな「食育」としての給食をめざすために、3歳以上児の主食を含めた完全給食を実施すること。あわせて、現在の「自園方式」での給食を継続し、外部委託については、やめること。
  • 公立保育所について、2012年度1ケ所が民営化され、2013年度以降1ケ所ずつ民営化するとしており、最終的には7ヵ所まで減らそうとしている。本市の民営化検証委員会でも、移行に伴うトラブルも絶えない事が報告されており、公立保育所の民営化による公的責任の放棄は許されず、民営化は中止すること。また公立保育所の改築、増築を利用して定員増をはかること。
  • 本市の保育料は3歳未満児で、均等割りのみの課税世帯でくらべると他政令市の2倍以上の高い保育料となっており、課税世帯でも収入の7〜9が%を占め、負担は大きい。また2011年度の所得分から扶養控除が廃止されたが、今年度は保育料を据え置く措置が取られた。今後も保育料の据え置き措置をおこなうこと。また市費繰り入れを増やし、保育料を引き下げるとともに、第2子以降の減免は保育料の高いほうを適用すること。また未婚の親にも寡婦控除があるものとみなした保育料にすること。併せて「待機児童支援事業」として認可外保育所を利用する保護者への補助限度額を引き上げて負担軽減を図ること。
  • 本市では保育士不足が大変深刻化しているが、これは保育士の劣悪な労働条件に起因している。この改善をするために、認可保育所で働く正規職員の賃金等は、少なくとも「福祉職俸給表」のもとで働く公務労働者と同水準の賃金、諸手当、一時金を実現するよう予算措置をすること。また非正規職員の賃金を時間額1200円以上にし、フルタイムで働く非正規職員を正規職員にするために、財政措置をおこなうこと。併せて保育協会補助金を大幅に増やすこと。
  • 認可外保育所は、24時間保育や、一時、休日、延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求に応え、地域の子育て支援、家族支援に大きく貢献し、保育行政の補完的役割を果たしている。認可外保育所への運営費の補助を創設すること。併せて、認可化をめざしているところには、財政支援をさらに増やすこと。
  • 政令市のほとんどが実施している産休明け保育を、本市においても市の責任で早急に実施すること。また保育ニーズを踏まえて、休日保育、病児・病後児デイケア事業など特別保育事業を拡充させること。

(2)子どもの医療費無料化は全国の自治体で実施され、ほとんどが就学前まで実施しており、安心して子どもが医療にかかれるようになっている。2011年4月1日時点で中学生まで拡大した自治体が通院で655自治体で37.5%、入院で過半数(51.6%)になっている。本市においても、通院・入院ともに中学卒業まで無料にすること。あわせて、子どものメガネ・コンタクトにかかる費用も助成対象とすること。また、乳幼児医療費助成制度を国の制度として行うよう要求すること。本市など政令市と一般市町村に対する乳幼児の医療費補助格差の是正を県に求めること。

(3)留守家庭子ども会について

  • 児童数70名を超える留守家庭子ども会は82か所もあり、改善が急務となっている。増築などで実質的な分割をおこなって、全ての子ども会を70人以下にすること。また、施設のうち狭隘化施設は12か所、老朽化施設は16か所もある。施設改善を急ぐとともに、トイレの増設を急ぐこと。
  • 本市では、留守家庭子ども会事業の高学年の受け入れを順次おこなっている。学年拡大に伴い、施設の建て替えや増築を急ぐとともに、指導員や補助指導員も大幅に増やすこと。併せて学年拡大にあたっては、指導員の必要な研修を行うとともに、現場でのあらたな課題や要求を把握して、改善に努めること。
  • 現在月3000円の利用料と運営費で、保護者は実質6000円程度の負担をしなければならないが、これにより滞納世帯や預けたくても預けられない世帯がうまれているなど、保護者にとって大変な負担となっている。来年度から利用料を無料に戻す手立てをとること。
  • 児童数41人以上の留守家庭子ども会には、現在2人の正規指導員が配置されているが、これを改め3人以上の配置にし、子どもたちの成長・発達に責任が持てる体制とすること。また障害児受け入れの子ども会へは、まず正規指導員1名を加配し、その上で、障害児童数に合わせ指導員を加配すること。
  • 開設時間の延長など労働強化となっている指導員・補助指導員の賃金を引き上げること。また、指導員の超過勤務分や勤務日以外の行事参加分の手当てについては保障をすること。子どもの成長・発達のためにも経験豊かな指導員こそ必要であり、5年間の任期付き雇用を撤廃するとともに、希望する職員については、そのまま採用すること。また、補助指導員の待遇が不十分となっており、待遇改善を図るとともに、公務災害補償も適用できるようにすること。
  • 民間の学童保育所への実態調査をおこない、役割を明確にし、支援を検討すること。

(4)児童館・若者の居場所づくりについて

  • 児童館は子どもたちが放課後や休日に安心してすごすことができる重要な施設であり、小学校区ごとに専門職員のいる児童館の建設をめざし、まずは各区に早急に設置すること。
  • 児童館は、本市においては中央児童会館一つしかなく、建て替え工事期間中は、市有地などを使って児童館を増やし対応すること。同会館の建て替えについては、PPPの手法で市有地を民間に貸す現行の計画は、コスト削減と民間の利潤確保最優先であり、子どもと市民の声を反映して抜本的に見直し、直営で行うこと。
  • 検討されている千早駅前の公共施設や早良区の地域交流センターには児童館機能を持たせること。
  • 中高生も集える「若者の居場所づくり」の施設は南区1か所(フリースペースてぃーんず)にとどめず、各区につくり専門員を配置すること。

(5)児童虐待防止について

格差と貧困の広がり、子育ての社会的孤立化が進む中で、児童の虐待死が増加の一途をたどっており、大きな社会問題となっている。本市においても、昨年度こども総合相談センターに寄せられた児童虐待の相談件数は544件となっている。

  • 親身な相談活動ができるように専門職である児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、児童相談所を増設すること。職員の継続性と専門性を高めること。
  • 児童養護施設については、児童指導員が心的治療を要する子どもたちを抱え負担が増えており、職員配置を、厚生労働省の「児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会」がうちだした「子ども4人に1人」とするよう、国への要求をふくめあらゆる手だてを講じること。

(6)子どものアレルギー疾患について、季節・ストレス等での病状悪化等、保護者と子どもは常に大きな不安感を抱いている。市は早良区・東区の医師による相談事業を打ち切ったが、広報の周知、託児体制、身近な場所での小規模開催など、悩んでいる親子が気軽に来やすいように再構築して充実をはかること。また除去食の給食を行っている保育所に補助を行うこと。あわせて、当面喘息とアトピー性皮膚炎を学校病の指定に加えるよう国に要求すること。

(7)母子・寡婦福祉資金は、制限が多く必要なときに借りにくくなっている。借りやすいよう制限を緩和すること、および貸付額の増額を国に求めること。また、各種貸付制度は申し込みから2週間以内に貸与できるように借入れ手続きを簡素化すること。併せて児童扶養手当については手当額の拡大と所得要件の緩和を国に求めること。

(8)ひとり親家庭医療費助成の対象制限を緩和すること。

↑ 上へ

8 女性の声を市政に生かし、真の男女平等社会実現へ

(1)労働における男女差別撤廃について

  • 男女雇用機会均等法制定から27年たち、日本の全就業者の4割以上が女性であるにもかかわらず賃金は正社員男性の約7割にすぎず、男女平等度はいまだに世界135カ国中101位である。先進国でこれほどの男女格差と女性差別が残っている国は日本以外にはない。同一労働同一賃金等国連女性差別撤廃条約やILO条約の具体化・実現をはかり、企業への指導を徹底すること。また間接差別の範囲の拡大・強化に対し、強力な救済機関や罰則・強化などをすすめるよう法律の見直しを行い、事実上の差別禁止、是正をすすめるよう国に要求すること。さらに権利侵害を国連に通報できる制度を定めた女性差別撤廃条約の選択議定書などを早急に批准するよう国に求めること。
  • パート労働者の7割近くの953万人もが女性で、賃金は正規雇用の男性の49%しかなく、派遣労働者の半数近くも女性である。現行の「パート労働法」に正規労働者との均等待遇を明記し、事業主が、賃金、休暇、教育訓練、福利厚生などの労働条件で差別的取り扱いを禁止するとともに、正規労働者の募集・採用の際には、いまその業務についていて正規を希望するパート・有期労働者を、優先的に雇い入れることを努力義務とし、事業主が、差別的取り扱いをした場合などは、公表し、勧告に従うことを命令できるようにするなど、抜本的に改正するよう国に求めること。
  • 妊娠・出産による解雇や不利益扱いが育児休業法で禁止されているにもかかわらず、第1子を出産した働く女性のうち7割が退職し、全国の雇用均等室には2011年度3429件(昨年比500件増)も相談が寄せられているのが実態である。妊娠・出産による解雇や退職勧奨、不利益取り扱いを許さないよう、企業への指導を強めるとともに、産休取得が不利益待遇につながらないよう法整備をすすめ、さらに出産・育児等による退職者への職業訓練制度の抜本的充実等、正規雇用での再就職支援制度創設を国に求めること。あわせて本市としても市内企業などへの啓発を強めること。
  • 自営業・農業の女性の労賃を認め、妻など家族従業者の働き分が必要経費と認められるように、所得税法56条を廃止し、働きを正当に評価し、病気や出産のときも安心して休めるような支援制度をつくる等、経済的な負担の軽減をはかるよう国に要求すること。また市として自営業・農業にたずさわる女性の仕事と健康など総合的な実態調査をおこなうこと。
  • 2020年までにあらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%にするという政府目標があるにもかかわらず、本市の課長級以上の職員774名中、女性はわずか7.6%の59名のみと改善はおこなわれておらず「雇用における平等」に反する事態となっている。女性の採用、管理職への登用を積極的に進め、昇給、昇任などの差別を一掃すること。また、各種審議会の女性参画率は2010年までに35%にという市の目標にもかかわらず何年も29%前後である。政策、方針決定への女性の参画を促進するために早急に大幅引き上げをはかること。
  • 市職員の育児・介護休業取得状況は、男女ともに取りたくても取れない、とりわけ男性は1桁台というのが実態である。給与保障など経済的支援、人的支援、昇任昇格制度の改善などを行って育児・介護休業取得を推奨すること。

(2)国連からのくりかえしの改善勧告や国民要求にもとづき、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間の撤廃、婚外子の相続などにおける差別禁止規定を盛り込むなど、民法の改正を速やかに行うよう国に求めること。

(3)罰則などの強制力をもった「セクシャル・ハラスメント防止条例」をつくり、その一掃に努めるよう指導すること。当面、セクハラや女性労働者の様々な訴えに対し、被害者の保護、助言・指導・勧告が効果的に行えるよう、相談・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を各区に設置すること。

(4)DV被害の防止、被害者の保護と自立支援について

2011年度アミカス等に寄せられたDV相談は3842件と年々増加している。市の調査でもDV被害者の約4割は誰にも相談せず「がまんした」という深刻な事態を早急に改善する必要がある。

  • 市として早急な救済ができるよう心理療法担当職員、子ども連れの被害者のための保育士や学習援助者を増員するとともに、休日・夜間の相談体制を整え、相談・一時保護・自立支援の施策を拡充すること。
  • 自立に要する費用の補助、不足している母子寮の増設、民間シェルターへの補助金など支援の拡充、一時保護から自立に向う中間的施設(ステップハウス)の開設・運営への助成を図ること。
  • 更生と再発防止のために加害者へのカウンセリング、教育などを行うこと。
  • 増加するDV被害の訴えに対し、必要な体制が追いついておらず、国に対し実効ある救済策を確立するための予算の増額を要望するとともに、加害者の犯罪対応と、加害者更生プログラムに関する規定をDV防止法に盛り込むよう求めること。

(5)女性の文化・教養・社会生活の向上のため重要な役割を果たしてきた婦人会館を行革の名で廃止することは許されず、より一層の充実こそ行うこと。男女共同参画センターはアミカスに限るのではなく、各区1ヵ所ずつ、低料金で気軽に利用できる便利な場所に建設すること。

(6)「慰安婦」問題は、日本がおこした侵略戦争のさなか、植民地にしていた台湾、朝鮮、軍事侵略していた中国などで女性たちを強制的に集め、性行為を強要した非人道的行為であり、当時の国際法規からみても明らかな違法行為である。1993年の河野官房長官談話などで政府は強制連行と慰安所での痛ましい生活の事実を認め、謝罪しているが、国による賠償はおこなわれておらず、いまだ未解決である。被害者は高齢化し、一日も早い解決が必要だと国連やILOなどの国際機関はもとより、海外の議会からも、被害女性への公的な謝罪や国による賠償を求められており、日本政府に「慰安婦」問題の真の解決のため、国による謝罪・賠償、教科書への記載をおこなうよう強く要求すること。

↑ 上へ

9 清潔、公正、平和、市民参加の市政を

(1)高島市長が思いつきで出した「禁酒令」について、一部職員からは憲法で保障された幸福追求権やプライバシー権の侵害に当たるとして「人権救済申し立て」が出され、それを受けて県弁護士会が調査に入る事態となっている。また市内の料飲店や酒販業界からは、「予約のキャンセルが続き、死活問題だ」という怒りの声が出るなど地域経済に深刻な影響を与えた。こうした市長の人権無視の独断的なやり方は、問題があると認め、謝罪するとともに、今後はこうしたやりかたを行わないこと。

(2)一般競争入札の運用にあたっては、地元中小企業・業者の仕事確保の観点から、一定額以下は大企業を排除する逆ランク制度を採用すること。また、総合評価方式に下請け企業への労賃確保の評価項目をつくり、地場企業への発注を増やすこと。併せて談合を防止するために、技術評価を勘案すること。また入札については、一定数の入札参加業者の排除や予定価格の決定に抽選くじを導入すること。

(3)特命随意契約やプロポーザル方式の在り方については、特定業者との癒着構造によって入札の公正・公平さが失われており、制度の総点検を行い抜本的な見直しを行うこと。

(4)消費者の権利を守るため、消費者行政の充実・強化のための財源措置を国に要求すること。また複雑・多様化する相談に対応できるように、相談活動を委託業務ではなく、市職員でおこなうようにすること。また、「福岡市消費生活条例」に基づき、不当な取引行為事業者への是正勧告を強化すること。

(5)市長はこの間、「有識者会議」などいわゆる「第3者委員会」を次々と設置し、さも市民意見を聞いたように装っているが、結局政策決定は市長の独断で行われており、こうしたやり方は市民を欺むくものである。また市長は「納得と共感」と言いつつ、直接対話を要望する運動団体と会うことさえ拒否しており大問題である。広聴活動における市民意見募集やパブリックコメントについては、形だけ意見聴衆とせず、反対意見を無視することなく、市民からの要望を政策決定に取り入れること。併せて各種審議会等委員の市民公募枠を新設・拡大すること。また市政の重要事項に関する「住民投票条例」を新設すること。

(6)高島市長がおこなった市役所西広場の改修やオープントップバスは、市長が財源の裏付けもないまま思いつきでおこなった事業であることが浮きぼりになった。また委託に問題がある「カワイイ区」の創設、誘導ブロックの移動により視覚障害者から怒りの声があがっている市役所1階ロビーの改修などに、市長がトップダウンで行う軽率・パフォーマンス型の市政運営がみられる。こうしたやりかたは改めること。

(7)特定非営利活動(NPO)法人は、福祉や社会教育、文化、芸術、環境保全などの分野で社会貢献の重要な役割を果たしているものの、人材や資金の確保に苦労している。NPO法人への支援をさらに充実するとともに、NPO法人の優遇税制を法人市民税減免だけでなく拡充すること。

(8)市民生活や社会経済活動の場から暴力団を排除するための「福岡市暴力団排除条例」が制定されたが、市内で発砲事件等が続発し、市民の安全で平穏な生活が著しく脅かされている。この間まったく検挙されていないことを踏まえ、県警に対し事件一掃の取り組みの強化を要請すること。

(9)地域の交番が減り、周辺住民から不安の声があがっている。市民生活の安全確保のため、交番減らしをやめ、空き交番や夜間不在交番を解消するよう要請すること。

(10)全国の同和事業終息にともない同和の特別扱いは必要なく、本市においても、2012年度予算から同和対策事業を一般事業へと移行した。しかし、部落解放同盟福岡市協議会へは引き続き補助金(2530万円)が出されている。これは2011年度の包括外部監査でも指摘されているように、約7割が人件費にあてられるなどまさに市丸抱えとなっているのが実態で、直ちに全額打ち切ること。また「校区人権尊重推進協議会」への「同和研修」を強制する市の指導や補助金支出をやめること。

(11)自治協議会との「共働」と称して、本来行政がやるべき仕事を押し付けたり、介入したりするやり方は、自治会活動に支障を来たすなど、様々な矛盾を生んでおり、こうした住民自治組織の自主性を壊すやり方はやめること。

(12)市民の平和と安全を守るために

  • 国民の反対を押し切って沖縄に配備された米海兵隊の垂直離発着輸送機MV22オスプレイは、開発段階から墜落事故をくりかえしているが、これが沖縄上空だけでなく、全国各地で低空飛行訓練をおこなっており、このような危険な訓練はやめるように国に要求すること。
  • 米軍板付基地は、この間2010年度60機、2011年度62機と米軍機の飛来が続いており、市民に大きな不安を与えている。市長は、米軍板付基地の即時全面返還を国と米軍に対して強く要求するとともに、福岡空港の軍事利用に反対すること。また同時に米軍背振山通信施設の返還も要求すること。
  • 商業港である博多港には、今年8月米軍艦「ブルーリッジ」が入港しており、市民の安全が脅かされている。市長は、港湾管理責任者としての権限と責任を明確にし、市民の安全確保の立場から、博多港への米軍及び自衛隊の入港をいかなる名目であれ拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。
  • 公共施設を軍隊に提供したり、市民の土地や物資を強制使用・収用したりすることを盛り込み市民を戦争準備体制づくりに強制動員する本市国民保護計画を破棄すること。また、本市の防災訓練における自衛隊の関与は最小限にとどめ、自衛隊車両の体験試乗などはやめさせること。
  • 国是である「非核三原則」の法制化を要求するとともに、市長は、市民が求める非核自治体宣言を行うこと。また、平和事業予算を大幅に増やすとともに、福岡大空襲、原爆に関する常設平和資料館を設置し、資料収集を積極的におこなうこと。

↑ 上へ

関連記事2013年度予算要望を提出

>>>「申し入れ」一覧に戻る
>>>「声明」一覧へ
>>>「政策と活動」トップへ

PageTop