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日本共産党福岡市議団の政策と活動

2011年度予算要望

2011年度予算編成に関する申し入れ

2010年12月28日

福岡市長 高島宗一郎 殿
福岡市教育委員長 貝田由紀 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 中山いくみ
星野美恵子
ひえじま俊和
倉元 達朗
熊谷 敦子

国内経済は引き続き深刻な消費不況にあり、失業率は5%台、失業者は300万人を超え、雇用の改善も中小企業の経営も改善の見通しが見えません。民間給与も減少に歯止めがかからず、年収200万円以下の労働者が増えて全体の4分の1を占め、貧困の広がりもますます深刻になっています。生活保護受給が140万世帯、年間の自殺者が3万人を超える異常な事態です。本市においては雇用者報酬が10年間で年額77万円も減少するなど、政令市最悪水準です。一方、大企業の内部留保が240兆円を超える空前の「カネ余り」状態にあります。今こそ、経済政策を外需頼みから内需拡大へ抜本的に転換する必要があります。

民主党政権は、「構造改革」の名による新自由主義に基づく「地域主権改革」を推進し、福祉などの最低基準を定めた「義務付け・枠づけ」の見直し、道州制を視野に入れた広域化など、地方自治を破壊・縮小する道を突き進もうとしています。

本市においては、これまで、暮らしよりも大型開発推進を優先し、市民負担増と福祉切り捨てを進める、ゆがんだ市政が続けられてきました。それに加えて公約違反を重ねた前市長は選挙で厳しい審判を受けました。就任した高島宗一郎市長は、「共感できる政治の実現」を政治信念として掲げられていますが、「こども病院人工島移転の見直し」「国保料の引き下げ」との選挙公約がどのように具体化されるのか、市民の注目が集まっています。

「ムダづかいをやめて生活応援を」という市民の願いを真摯に受けとめ、暮らし応援で景気回復をめざす市政、市民の安心と希望を取り戻す市政へと抜本的に転換することが強く求められています。わが党は、憲法と地方自治法の精神に立って、「住民が主人公」をつらぬき、「住民福祉の機関」としての地方自治の役割を発揮する立場から、福祉・子育て・雇用・地域経済・教育の充実など市民生活の応援を基本にした新年度予算を要望するものです。

よって、貴職が、2011年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れるものです。

以上


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2011年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1「市民が主人公」を市政運営の基本に

(1)日本国憲法の五原則(主権在民、恒久平和、基本的人権の尊重、議会制民主主義、地方自治)を真に生かした国づくりがますます求められている。また、9条を生かした平和外交、25条に基づく社会保障拡充は国民的要求である。高島市長は憲法遵守・改憲反対の意思表明を行うこと。

(2)菅内閣の2011年度政府予算案は、法人税の5%減税、証券優遇税制の2年間継続など大企業・大資産家優遇で、軍事費を聖域にして米軍関連予算を増額する一方で、高齢者や障害者の年金やひとり親家庭の児童扶養手当を削減するなど、雇用、中小企業、社会保障などでは国民の暮らしを応援するものになっていない。歳入では、税収をこえる44兆円の国債発行や、「埋蔵金」など7兆円の税外収入など、今後の財源見通しがなく、消費税増税に道を開くものである。市長は、国に対し、大企業優遇と軍事費のムダづかいを改め、地方財政をいっそう拡充し、福祉と暮らしの予算を大幅に拡充するよう要求すること。また、消費税増税に反対すること。

(3)行財政運営の基本と「福岡市2011グランドデザイン」について

  • 本市の行財政運営と新年度予算編成の基本は、高島市長が市民の願いを反映して掲げた選挙公約を実行することを柱にすべきであり、前市長が通達した「平成23年度に向けた市政取組方針」を撤回するとともに、「福岡市2011グランドデザイン」を全面的に見直すこと。
  • 前市長が策定した「政策推進プラン」は、「交流拠点都市づくり」と称して人工島や新都心構想などムダな開発を中心にすえ、借金財政をいっそう深刻にするものである。これは市民の願いに反するものであり、廃止するとともに、大型開発推進路線をやめること。
  • 前市長が策定した「財政リニューアルプラン」は、市民生活よりも市債残高縮減を優先することを基本にしており、とくに「受益者負担の適正化」や「扶助費の制度運用の効率化」などとして、福祉切り捨てや公共料金値上げ、差押えによる市税・国保料・介護保険料の厳しい取り立てなど、借金財政のツケを市民に押し付けるものである。とくに生活実態を無視した冷酷かつ異常な財産差押えは許されない。市民負担増の計画をやめるとともに、同プランを廃止すること。
  • 前市長がすすめた「行政改革プラン」は自治体としての役割と責任を放棄する「自治体リストラ」とも言うべきものであり、抜本的に見直すこと。公共施設の管理運営や福祉サービスなどの行政責任を放棄し、労働者の待遇悪化につながる民営化や民間委託の推進をやめること。
  • 前市長が試行を始めた「事業仕分け」は、その対象から重点事業と公約事業が意図的に除外されているため人工島などのムダにメスが入らない一方、福祉や市民生活関連の事業を当事者抜きで切り捨てる内容であり、問題があった。仕分けはいったん中止すること。

(4)市職員「削減計画」と労働条件等について

  • 前市長が策定した「市職員削減計画」は、職員に労働強化と過重負担を強いて、市民サービスを低下させるものに他ならない。現状でさえ本市職員数は市民一人あたりで政令市最低となっており、これ以上の削減は許されず、計画を廃止すること。
  • 慢性的な人員不足のもとで市職員は長時間・過密労働に苦しみ、精神疾患も多く、また連続する給与引き下げによる生活への影響も深刻であり、改善は急務である。職員が「全体の奉仕者」として公正で民主的な行政業務に専念し、心と体の健康を保持できるよう、区役所や福祉関係、教育、防災などの部署を増員し、嘱託・臨時職員を定数化するとともに、サービス残業を根絶し、給与引き下げをやめるとともに超過勤務手当は実態どおり支払うなど、賃金・労働時間などの労働条件を改善すること。
  • 税務職場における派遣社員導入は「クーリング期間」を悪用した脱法行為であり、許されない。重要な個人情報を扱う公務職場に短期間の非正規雇用を配置することは問題があり、ただちに中止し、本市正規職員を配置すること。

(5)「脱・貧困」にむけて

  • 「貧困」問題の解決には、雇用状況の改善が不可欠である。短期間かつ低賃金の非正規雇用ばかりの「雇用対策」では安定した雇用を求める市民の願いにこたえていない。市長が自ら地元財界や大企業に対して正規雇用の維持・拡大を強く要請すること。また、福祉や教育など公的分野の雇用創出に努めること。国に対して「働くルール」の確立、労働者派遣法の抜本改正、雇用の安定や最低賃金の大幅引き上げを求めること。とくに、多くの学生が卒業と同時に失業者になるという現状は放置できない大問題であり、本市として就職難打開の手立て、就活支援をいっそう強化すること。
  • 貧困を打開するための独自の生活支援対策として低所得者に対する住民税などの独自減免を促進すること。高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、水道・下水道・ごみなど公共料金等の福祉減免をおこなうこと。
  • 生活保護申請者、国保料や市営住宅使用料滞納者などに積極的に多重債務の有無を確認するなど、国の「多重債務問題改善プログラム」に基づき、関係部署の十分な連携のもとに支援策を講じること。ヤミ金対策を関係機関と連携して強化すること。低利の生活福祉資金貸付制度や緊急小口資金貸付制度を抜本的に拡充するなど、個人向け、離職者向け、個人事業者向けのセーフティーネット貸出制度を拡充すること。

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2 国保・医療・年金・介護・福祉・障害者施策など社会保障制度の充実を

(1)国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の充実について

  • 本市の国保世帯は、年所得200万円以下の低所得者がその約80%を占め、今年度は更に国保世帯の平均所得は前年度より10万円も減少した。本市の保険料については、今年の3月、国会において当時の首相が「相当に高い」と答弁するほど高く、滞納は、5万3,306 世帯と全被保険者(21万6,181世帯)の約4分の1世帯にのぼる極めて深刻な実態にある。そのような中、今年度保険料は所得割算定基礎額200万円の3人世帯で更に1万6000円引き上げられ44万500円と、政令市2番目に高く、「払いたくても払えない」事態がさらに深刻になっている。4年連続で取り組まれている保険料引き下げ請願署名は累計で26万筆を超えており、市長は公約通り一般会計(特に法定外)繰入額を大幅に増やして2011年度保険料を全世帯で大幅に引き下げること。
  • 本市の保険料が異常に高くなっているのは、保険料の未納見込分(31億円)、高額所得者の賦課限度額の超過額(54億円)、国のペナルティカット分(7億円)等を保険料に上乗せしているからである。必死で保険料を納めている方の保険料にこのような上乗せをすることは許されず、「上乗せ方式」をやめること。
  • 国にたいして、この間、30%台に引き下げられた国庫負担割合を元に戻すよう要求するとともに、本市の収納率低下等に係る不当なペナルティカット(交付金削減)をやめるよう求めること。
  • 治療費が窓口全額自己負担となる「資格証明書」の発行は、1万2,000世帯以上、加入世帯の5.8%にも上り全国最悪となる中、受診を我慢して命を落とす事態も起こっている。面談できないことを理由に「特別な事情」を調査しないまま機械的に資格証を発行するやり方は許されず、全ての国保世帯に保険証を交付して市民の医療を受ける権利を保障すること。
  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか7.3%に過ぎず、極めて低い水準にある。市独自減免制度については、当面、「所得の減収が前年比20%以上」に適用するよう元に戻して改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して、適用対象をひろげること。
  • 国民健康保険法44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では適用がわずか9件という異常な事態となっている。担当部署での周知徹底・市民への広報を図り、必要な世帯の活用を促進すること。また、負担金が1万円以上になる場合という制限は撤廃すること。
  • 本市における国保料滞納者に対する差し押さえは、2005年度111件(約5,600万円)から2009年度1051件(約4億6,000万円)と8倍にも増えている。預金61円、年金や子どもの学資保険までも差し押さえる冷酷、異常なやり方はやめること。

(2)後期高齢者医療制度の廃止について

  • 後期高齢者医療制度は、民主党の公約に反し未だに廃止されず、75歳以上の大多数を今後都道府県単位に広域化するとしている国保に入れ、あくまでも別勘定にする「新制度」に改変されようとしている。その内容は、70~74歳の患者窓口負担を2倍化、75歳以上の保険料軽減措置の段階的縮小等、国の負担を減らし、さらなる負担を高齢者に押し付け高齢者を一層差別するものとなっている。医療抑制や保険料滞納を余儀なくされている高齢者をこれ以上苦しめることは許されず、同制度は「新制度」への移行ではなく直ちに廃止するよう国に求めること。
  • 75歳以上の高齢者の医療費負担が重くなっており、無料にすること。

(3)こども病院の人工島移転計画見直しと「新病院基本構想」について

  • 市長が掲げたこども病院移転計画の「ゼロベースからの見直し」は多くの市民が歓迎しており、客観的かつ透明性のある検証作業が求められている。検証委員会のメンバーは患者家族、小児科開業医等、これまでこども病院を守ってきた方がたを中心に市民が納得できる人選をすること。
  • 地方独立行政法人化された2病院では職員勤務条件が悪化し、医療水準の低下も懸念されているとともに、新病院の場所を人工島とし、大企業の儲け作りのためのPFI手法で進められる等、「新病院基本構想」は問題だらけである。人工島破綻救済のために子どもの命を犠牲にする同構想は白紙撤回し、2病院は市直営に戻すとともに、こども病院については現地建て替え方策を検討すること。

(4)医療制度の改善について

  • 前政権による医療改悪は、高齢者をターゲットにした自己負担の引き上げと保険給付の削減、診療報酬の抑制、療養病床の38万床から22万床への削減など、受診抑制と入院患者追い出し等、国民の命と健康に重大な影響を与え、大量の「医療難民」「介護難民」を生み出してきた。現政権においても改悪された医療制度を元に戻す取組みは進んでおらず、国に対し、負担軽減と公的医療の拡充を図るとともに、公的医療の後退を招いている「公立病院改革ガイドライン」はただちに撤回するよう要求すること。
  • 今日、産科・小児科など深刻な医師不足によって、救急患者の「たらい回し」が起こる等、地域医療が危機に瀕している。国に対し、抜本的に予算を増やし診療報酬を大幅に引き上げるとともに、不足しているNICU増床など周産期医療体制の充実、医師や看護師等の養成・確保を図るよう要求すること。

(5)真に安心できる年金制度の確立について

  • 国連の社会権規約委員会から、わが国の公的年金には最低保障が存在しないことの懸念が表明され、同委員会は公的年金の最低保障制度を取り入れるべきだと勧告をおこなっている。国に対し、最低保障年金制度を創設するとともに消費税をその財源としないよう求めること。
  • 保険料を25年以上納め続けなければ1円も年金が支給されないという受給条件は異常に厳しいばかりか、元々少ない給付が来年度5年ぶりに減らされようとしている。年金受給のための条件を「10年以上」へとただちに引き下げるとともに、保険料の引き上げや給付削減を行わないよう国に求めること。併せて無年金者、低年金者の救済対策を要求すること。また申請しなければ年金がもらえない制度を改めるよう求めること。
  • 特別障害給付金支給制度は、その支給対象を広げ全ての無年金障害者に対して適用されるようにするとともに、障害基礎年金と同額に引き上げるよう要求すること。また障害基礎年金の支給要件緩和を求めること。

(6)介護保険制度の改善について

  • 重い保険料、利用料負担により必要な介護が受けられない実態がひろがっている。この様な中、厚労省社会保障審議会介護保険部会が出した意見書は、介護保険の利用料や保険料を更に大幅に引き上げ、サービスは削減するという重大な内容となっている。本市議会においては、先の12月議会においてこれ以上の制度改悪に反対する意見書が成立する等、市民の負担軽減と制度充実のための願いは切実である。したがって市長は、現在検討中の制度改悪を中止し、国庫負担割合を現在の50%から少なくとも60%に引き上げ、国の制度として低所得者のための保険料、利用料の減免制度をつくるよう国に求めること。併せて要介護認定や利用限度額は廃止し現場の専門家の判断で必要な介護を受けられる制度に改善するとともに、「生活援助」等の給付制限をやめるよう国に求めること。また、当面市独自の利用料減免・助成制度を設けること。
  • 特別養護老人ホーム等の居住費と食費の全額自己負担によって入所者が負担増に耐えられず、退所等を余儀なくされている。国に対し、こうした利用者負担を軽減するよう要求するとともに、本市では特養施設やショートステイ、デイサービス等の食費等に対する減免制度を設けて救済するなど、低所得者対策を拡充すること。
  • 本市の特別養護老人ホーム待機者は、7517人にものぼっており極めて深刻である。市長はこれまでの整備計画を2倍規模に見直すことを公約しており、早急に待機者解消計画を策定し、土地の無償貸与等も行い遅くとも4年以内で待機者解消を図ること。併せて、介護療養病床の廃止方針の完全撤回を国に要求するとともに、生活支援ハウスの増設やグループホーム、宅老所など小規模多機能施設への支援強化を図ること。
  • 相次ぐ介護報酬の改悪によって、事業所の運営は悪化し、現場の介護労働者の賃金体系も抜本的な改善に至っておらず、離職者が相次ぎ慢性的な人材不足を招いている。介護報酬とは別枠での公費投入による賃金の月4万円引き上げの実現とともに、介護報酬の大幅な引き上げを国に求めること。その際、保険料上昇につながらないよう国費を増額するよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費に補助を行う独自制度を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。
  • 年金平均月額4万8,000円のお年寄りにとって、3年毎に引き上げられてきた介護保険料は重く、普通徴収の収納率は80%を下まわり、滞納者は利用サービスを制限される事態となっている。支払い能力の限界に来ている保険料は引き下げること。また約15 億円の基金を活用して、低所得者独自減免は第4段階まで拡充をはかること。

(7)高齢者など個人給付等の拡充について

  • 老人医療費助成制度を復活するとともに、大幅に縮小された敬老金及び敬老祝品支給を元に戻すこと。また、老人クラブの補助金を増額すること。
  • 本市の高齢者乗車券制度は所得制限を撤廃し、全ての高齢者に交付するとともに、給付額も増額してお年寄りの生き甲斐である社会参加を促進すること。併せて、渡船料の65歳以上高齢者無料制度を復活すること。
  • 廃止された寡婦医療費助成は元に戻すよう県に要求すること。

(8)国民の死因の第一位である癌に対する終末期医療患者の緩和ケア施設(ホスピス)が不足しており、国や県に要請するとともに、市の責任で増設すること。併せて、民間病院の緩和ケア病棟などを促進するための補助制度を設けるとともに、NPOなどのボランティア体制を支援すること。

(9)本市原爆被害者の相談事業を維持・強化するための運営費補助を拡充するとともに、福祉プラザの駐車場使用料を全額免除すること。長期入院患者見舞金及び死没者遺族弔慰金補助を増額するとともに、鍼・灸・マッサージ治療費を補助すること。併せて、被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。また、国や県に対し、被爆二世の希望に応じて「被爆二世健康手帳」を交付し、被爆者援護法に定める健康管理手当支給の疾病について医療費の助成をおこなうとともに、原爆症認定を被爆者の実態にあった方法に改善するよう求めること。被爆実相証言・原爆展等の開催については、市も主催して行うこと。

(10)アスベスト対策については、石綿施設の解体・撤去作業等による被害発生防止に万全を期すとともに、対象疾病を中皮腫と肺がんに限定せず、石綿肺やびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水なども加えて、健診・治療費等給付制度を拡充するよう求めること。

(11)福岡市においても、いまなお水俣病で苦しんでいる人が多く、市の責任で相談窓口や検診体制の確立を図ること。また、国や企業の責任を曖昧にすることなく、不十分な水俣病救済特別措置法を抜本的に改正するよう国に求めること。

(12)市民の保健・衛生向上を促進すること

  • 新型インフルエンザなどの感染症に対する危機管理体制を拡充するとともに、抗ウイルス薬であるタミフル等の安全性確保やワクチン無償接種の対象を広げること。
  • ノロウイルス対策に万全を期すこと。
  • ヒトT細胞白血病ウイルスのキャリアは全国100万人以上にのぼりATLで年間約1,000人が死亡しており、ウイルス抗体検査の公費負担助成を直ちに実施すること。
  • 小児の細菌性髄膜炎は年間約1,000人が罹患しその5%が死亡するという恐ろしい疾患で、ヒブワクチンの定期接種化が求められており、早急に公費負担助成措置を講じること。
  • ヒトパピローマウイルスが原因の子宮頸がんも年間1万5,000人が罹患し3,500人が亡くなっている。国も1/2補助するとしており、本市においても同ワクチン接種を2011年度から全額助成すること。
  • 本市の「特定健診」および「特定健診指導」は、加入者の受診率や利用率が極めて低く、出前健診など周知・徹底を図り促進すること。また、一定の目標に達しない場合、「医療費適正化」の名のもとに行われる国のペナルティカットをしないよう要求すること。
  • 「健康日本21福岡市計画」については、推進体制を地域自治会や住民だけに押し付けるのではなく、予算措置を大幅に増やして体制拡充し行政責任を果たすこと。また、市は、市民の自主的・自覚的な健康活動への参加を支援・保障すること。

(13)食品の安全性を確保すること

  • 昨今、食品関連の事件が相次いで発生しており、食品の安全性確保は急務である。 本市の検査、監視、指導、研究体制を強化するとともに国に対して抜本的な対策強化を求めること。
  • 「福岡市食品衛生監視指導計画」では、業種、施設ごとの標準監視回数はAランクでわずか年2回、3万件を超える対象施設に食品衛生監視員は実働53人と極めて貧弱である。したがって、食品偽装を未然に防ぎ市民の食の安全を守るため、食品衛生監視員や監視回数を大幅に増やすこと。また、国に対して、独立行政法人まかせの食品表示検査を抜本的に改めるとともに、その予算確保や必要な法整備、内部告発対処の迅速化を要求すること。

(14)生活保護行政を充実すること

  • 2010年4月公表された厚労省の推計調査によると、生活保護基準未満の低所得世帯数のうち、実際の生活保護受給世帯は15.3%に過ぎず、本市に当てはめれば13万世帯が保護基準以下の生活を余儀なくされていることになる。したがって、同推計調査に基づく厚労省「通知」(2010年4月14日付)にそって、憲法25条で保障された権利としての生活保護制度の啓蒙や周知徹底を図り、必要な人が安心して申請相談できるようにすること。。
  • 急激な社会経済情勢の悪化の下、失業者数の増大など貧困と格差がいっそう強まるなか、本市においても生活保護世帯が前年10月度比17.2%増の約2万7,780世帯を超え、深刻な事態となっている。市長は、政府に対し、保護基準を抜本的に引き上げるとともに生活保護費を全額国庫負担にするよう要求すること。。
  • 2006年、老齢加算の廃止によって、高齢者は食事回数を減らしたり、水光熱費や冠婚葬祭等交際費の節約などを強いられ、生活保護法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」をも営めない深刻な実態にある。2010年4月、福岡高裁は「老齢加算廃止は違法」との判決を下しており、市長は国に対し、直ちに老齢加算の復活を要求すること。。
  • 生活保護申請が急速に増大するなか、本市の体制は国のケースワーカー配置標準数「80対1」をはるかに上まわる「117対1」となっており、現場に多大な困難をもたらすなど実態に合っていない。嘱託職員や月13万円の有期任用職員等で間に合わせるのではなく、標準数を満たすよう不足している専門のケースワーカーを大幅に増員して、迅速で親身な対応が出来るようにするとともに、保護決定は14日以内の法定期限を厳守すること。。
  • 市独自の「福祉手当」を創設し、夏期・年末にそれぞれ支給するとともに、国に対して、夏季一時扶助費の新設と期末一時扶助費の大幅増額を求めること。
  • 生活保護は市民の「最後のよりどころ」であり、「面接」「指導・助言」を口実に不当に保護申請を排除することは許されず、「生活保護のしおり」や必要な申請用紙を各区福祉事務所のカウンターに常設して自由に申請できるようにし、申請権を保障すること。また、人権侵害の一括同意書や履歴書提出の強要、受給後の予告なしの訪問調査、病気や年齢等を無視した就労強制、扶養義務や辞退届けの強要などをやめること。なお、保護費の支給明細書を受給者本人に分かるように改善すること。。
  • 保護費を積み立てた預貯金や生命保険等の解約返戻金、交通事故補償金などについて一律に収入認定しないこと。また、家や土地、自動車など実態を無視した資産活用強要はやめるとともに、ローン付き住宅を保有している人にも、必要な場合、保護を適用すること。。
  • 公立高校の所要額を目安にしている「高校就学費用」は極めて不十分であり、私立高校への進学を困難にするばかりか、授業料・入学準備金・修学旅行費など不足額を「生活扶助費」やアルバイト料等で補填しなければならないのが実態である。国に対し、基準を抜本的に見直し増額するとともに、大学、専修学校等への進学者については強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方をやめるよう要求すること。。
  • 保護世帯がいつでもどこでも安心して受診できるよう、現行の医療券方式をやめ、健康保険証のような「医療証」に改善すること。入院治療に必要な寝巻き・オムツ等の支給制限や通院回数制限をやめさせるとともに、長期入院被保護者の実態を無視した6ヵ月以内の強制退院を強要しないこと。また、移送交通費は無条件に支給すること。入院中の住宅扶助打ち切りをやめるよう国に求めること。。
  • 要生活保護世帯向け長期生活支援資金(リバースモーゲージ)制度を強制しないこと。適用に際しても、「個人の尊厳」に基づき、まず保護申請を受理した上で救済し、本人の自由意志を尊重して強要しないこと。

(15)ホームレス対策を強化すること

  • 市内のホームレスは今も約393人と減少したものの、依然として雇用悪化の影響で事態は深刻である。全ての区役所で申請できるようホームレス対応窓口を拡充すること。。
  • 就労自立支援センターに続き、一時保護・自立支援センターを早急に整備するとともに、民間ボランティアやNPO支援団体への補助金を大幅に増額すること。また、ホームレス保護受給者を食い物にする「貧困ビジネス」(囲い屋)等については、実態を調査・把握し適正に対処すること。。
  • 急迫保護入院の場合、退院即打ち切りでなく、療養が継続できるよう居宅の確保や就労斡旋などの抜本的な自立支援策を講じること。ホームレス患者受け入れ医療機関への入院協力金を増額すること。

(16)障害者施策の充実・改善を促進すること

  • 2010年12月3日強行成立された障害者自立支援法の改定(つなぎ法)は、国が「人間としての尊厳を深く傷つけた」とする自立支援法訴訟原告団との「基本合意」を踏みにじり、自立支援法の「廃止」を棚上げし、障害者とその家族に過酷な負担と苦しみを押し付けてきた「応益負担」を温存するとともに、障害種別ごとに設置されている障害児通園施設の統合や民間企業の参入に道を開くなど、自立支援法を「延命」させるものである。したがって、市長は、今回の「つなぎ法」に対して厳しく抗議するとともに、障害者が真に人間らしく暮らせる総合的な保障制度を確立するよう国に申し入れること。
  • 障害者自立支援法が廃止されるまでの間、本市においては、市独自の負担軽減制度を継続拡充すること。併せて、同法に基づき作成された「福岡市障害者福祉計画」(第2期)は抜本的に見直すこと。また、低過ぎる事業所報酬単価と「日割り」計算方式は、施設の減収、労働条件の悪化、利用者へのサービス低下を招いており、国に対し、報酬単価を大幅に引き上げるとともに、月額計算方式を復活させるよう要求すること。
  • 本市の重度心身障害者医療費助成制度については、所得制限等をやめ、自己負担導入はしないこと。また、貴重な越年支援給付となっている重度心身障害者福祉手当を廃止することは許されず、存続拡充すること。
  • 障害者の自立と社会参加に重要な役割を果たしている小規模作業所への本市補助金は不十分であり増額すること。特に小規模作業所の土地家屋借り上げ料補助について月額3万円の限度額を大幅に引き上げ、送迎負担金軽減対策、給食や健康診断にかかる補助制度を認可施設と同様につくること。地域活動支援センターに対する国庫補助金を実態に見合った水準に引き上げるよう求めること。
  • 重度障害者の入院中のヘルパー介護ができるよう国に要求するとともに、当面、本市においても「コミュニケーション支援」事業として入院時ヘルパー介護制度を実施すること。また、就学前障害児のホームヘルプ利用について、必要な人が利用しやすく改善すること。
  • 精神障害者に対するJRや西鉄等の交通運賃割引、市営渡船の運賃割引を他の障害者と同等に実施して格差をなくすこと。また、現在配布されている福祉タクシーのチケットは移動手段を自家用車中心に生活している重度障害者の場合、ガソリンチケット制を設けて同額分を受け取れるようにすること。
  • 地域生活に移行するための大切な「受け皿」となる精神障害者グループホーム等への本市の設置費や運営費補助は実態に合っておらず、大幅に増額して、グループホーム施設を拡充すること。
  • 障害者の雇用を促進するため、不十分な市職員への障害者採用の職域を拡大し大幅に増やすとともに、障害者就労支援センターのジョブコーチ等を増員常勤化するなど体制強化して民間就職斡旋や就労安定対策をいっそう拡充し、職場定着を促進すること。日中活動系サービスを整備するなど特別支援学校卒業後の障害者(児)の進路対策を充実すること。
  • 障害者・児への日常生活用具・補装具等の負担が大きくなっており、給付については、本市独自に必要な新規用具を付け加えた上で、低所得者の負担軽減を拡充すること。
  • ガイドヘルパーが1対1で付き添い、社会参加など外出の支援を行う移動支援事業は、障害者に不可欠の施策であるにも拘わらず、本市では病院内移動や散歩、政治活動、宗教活動などを制限し、報告書提出を義務付けるなど、人権侵害を直ちに改め、外出内容の制限をなくすこと。
  • 障害者のバリアフリー対策の拡充が求められており、既存の公的施設等にも「福祉のまちづくり条例」等で義務付けを強化するとともに、必要な助成措置を実施すること。車イス対応の障害者用市営住宅を増設すること。

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3 人工島など大型開発をやめ、生活・安全優先のまちづくりへ転換を

1)人工島事業について

高島新市長は、前市長と同じく人工島事業推進の立場を取っている。「土地利用や売却について、誘致を促進する新たな手法を検討します」などと述べているが現実をまったく直視していない。売れる見込みのない土地をつくり続け、売れない土地の処分のために限りない税金投入を続ける人工島事業は完全に破たんしている。これ以上の税金、公金投入による事業推進は許されない。

  • 国がおこなった「国際コンテナ戦略港湾」の選考に、博多港を含む北部九州港湾は最下位、大差で落選した。今以上の港湾施設は必要ないというのが冷厳な実態である。したがって、新たなバースを整備する必要性はなく、D岸壁整備計画はやめること。また、新たな岸壁が必要ないのに広大な背後地を埋め立てる必要がないのは当然である。2年連続で港湾関連用地の処分に失敗しているように、出来た土地さえ売ることができないにもかかわらず、これから512億円もかけて埋め立てを続けるのはムダづかい以外の何物でもない。埋め立ては即刻止めること。さらに、人工島の売れない土地処分のために「投資額の10%、限度額10億円」を大企業に投げ渡す企業立地推進交付金制度はやめること。
  • まちづくりエリアのセンター地区へのコンベンション施設などの誘致を理由にした税金投入はきっぱりとやめること。同地区における10億円の「企業立地交付金」を廃止すること。また、北東部に野鳥公園を整備し「水と緑の拠点づくり」を進めるとしているが、野鳥公園を口実にした税金投入をやめること。
  • 新計画の年次別収支計画によれば、2010年から2014年までの5年間で市1-4工区において444億円の土地処分が出来るとしている。しかし、2010年度5.1ヘクタール66億円の売却を予定しているが売却先はいまだ決まらず、計画は初年度からつまづいている。また、市5工区も234億円分を処分しなければならない。さらに、機能施設の使用料も2028年以降は現在の2.6倍を当て込んでいる。このような計画は必ず破たんし、収入不足を招き、港湾整備事業基金を枯渇させ、新たな税金投入や借入が必要となり、人工島以外の港湾施設にも大きな支障を与えることとなる。計画は撤回し、人工島事業は凍結すること。

(2)「新・福岡都心構想」は、天神通線・薬院舞鶴線等の幹線道路整備などを口実に、銀行やゼネコンのもうけづくりのために天神などの都心の再開発・区画整理を誘導し、公金を投入する仕組みづくりに他ならない。莫大な公費の投入につながる同構想はやめるとともに、須崎ふ頭などの新たなウォーターフロント開発は行わないこと。

(3)福岡空港の旅客数は2009年度で1603万人であり、空港拡大計画初期の1995年当時と変わらないところまで落ち込んでおり、需要予測の6割に過ぎない。このような現在の旅客数減とともに、少子高齢化、ITの普及、さらに来年の九州新幹線開通は、今以上に旅客数が減る要素となるものであり、空港問題は、既存ストックの有効活用や、近隣空港との連携等で解決し、不必要な滑走路増設のために1800億円もの公金をつぎ込むことはやめるよう国や県に要求するとともに、本市として、この計画から撤退すること。

(4)際限のない巨額の市費投入となる「九州大学学術研究都市構想」の推進をやめるとともに、同「推進機構」から撤退すること。

(5)検討がすすめられている千早駅前公共施設には、地域住民が集うことのできる「総合文化・コミュニティ施設」の他、児童館、特別養護老人ホームなどを設置し、早急に整備すること。

(6)香椎駅周辺地区土地区画整理事業については、住民や商店街等との話し合いを促進し、商店街の活性化につながるまちづくり計画にむけて住民参加で見直すこと。

(7)九大移転跡地の活用について、六本松跡地は、地元をはじめ多くの市民が嘱望しているように、現在の樹木を生かした緑にかこまれた少年科学文化会館を核とした文化施設を設置すること。箱崎キャンパス跡地利用については、四校区協議会提案などの住民要望を反映させ、一体的活用を基本に、市が責任を持った利用計画をつくること。

(8)西部市場跡地は、地元住民の意向を尊重し、民間売却せず、住民参加の協議会をつくり、公園など公共利用できるようにすること。

(9)地震対策の強化について

  • 西方沖地震で大きな被災を受けた本市にとって、耐震対策は重要な課題である。全長55㎞に及ぶ警固断層の状況について監視を強化し、随時市民へ情報を提供するともに、建築物の耐震化をはじめ、地域での高齢者等弱者救済体制確立など市民への日常不断の地震対策の啓蒙を行うこと。
  • 耐震改修が必要な260の市有建築物について、改修済みは56.7%、137に過ぎない。市民の安全を図るため2015年度までの解消計画を前倒しして早急に取り組むこと。
  • 本市の旧耐震基準の木造住宅は約65000戸にものぼり、市民全体の安全を守るためにも早急な住宅の耐震改修が求められている。ところが昨年度の改修助成はわずか36件にすぎない。また「共同住宅」の割合が全国一である本市で、共同住宅の耐震改修助成費が、2年続けて0件であり、せっかくの制度がいかされておらず補助額の引き上げ等の拡充をするとともに、広報も強め、民間住宅の耐震化率を引き上げること。また人命救済のため、耐震ドアや、耐震ベッド、窓や屋根の補強等を含め、助成要件を緩和し、予算の活用を図ること。
  • 老人や障害者福祉施設など公共性の高い民間社会福祉施設に対し、耐震対策の重要性についての指導を行い、耐震化を強く促すとともに、市としてもそのための助成制度をつくること。

(10)市内に783か所もある急傾斜地崩壊危険地域について、解消がすすんだのはわずか28カ所にすぎず、ゲリラ豪雨発生などによる危険は一層高まっており、予算の拡充を行うとともに、急傾斜地崩壊対策事業の周知徹底等市民の協力を求め、早急な解消につとめること。

(11)本市の消防力の整備状況は、国の指針に照らしてポンプ車の配備は91.2%しかなく、人員の充足率も予防要員が81.7%、要員全体平均でも89.2%と不足しており、市民の命を守るため早急に増車・増員すること。また救急救命士も大幅に増員すること。

(12)河川水害対策について

本市では、昨年に続いて7月14日の集中豪雨によって那珂川、樋井川などで河川決壊,溢水などによる浸水被害が発生した。市民の命と財産を守る自治体の役割を果たすために災害防止対策の充実が求められている。

  • 市街地を流れる那珂川の水害対策については、福岡県が2010年度から概ね5年間の事業として行う「床上浸水対策特別緊急事業」の事業期間の短縮と「広域基幹河川整備事業」を早期に完成させるよう、県と国に要求すること。また、内水排除を進めていくためにも貯留池などの施設整備を行うこと。さらに、若久川については、河川と護岸の嵩上げや河床掘削、バイパス雨水管、調整池整備など浸水防止対策を具体化し、早期に事業化を図ること。
  • 樋井川については、浸水被害にあった田島、鳥飼、長尾地域での浚渫など河川改修を急ぐことを県に要求するとともに、上流域での浸水対策については、公共施設などを活用した調整池やバイパス雨水管などの整備を早急に具体化させること。またこれまで水害に遭っている地域の鳥飼や田島等の地域においては市が無償でタンクや雨水浸透ますを設置すること。
  • 周船寺川の改修対策については、本年度末での進捗率が約21%と遅々として進んでおらず、計画の前倒しで河床掘削や護岸改修整備を早急に完了させること。
  • 須惠川・宇美川流域の松田地区の浸水等の対策については、河床掘削護岸の嵩上げなど再改修計画の策定を県に要求すること。

(13)天神周辺地区の浸水対策については、雨水整備レインボープランとして貯留及び浸透施設の導入とともに、分流化事業と連携して整備を進めているがその進捗状況は約16%である。従って、事業計画を短縮するとともに、公共施設を活用した貯留池の導入など抜本的に見直すこと。また中央区の分流化事業についても年次計画を立て事業推進を図ること。

(14)本市の水需給計画については、大山ダム完成後には筑後川からの一日取水量が計画に対して3万5千立方メートルも減少するや、水施設能力が一日最大供給水量の1.5 倍に見られるように過大であり抜本的に見直すこと。また、県が1050億円の事業費をかけて進めている五ケ山ダム建設は、福岡市の財政負担が368億円という多額の資金を必要とし、本市の水需要の実態から見てもダム建設の必要性はなく福岡県と国に中止を要求すること。

(15)交通対策について

  • 地下鉄は本市にとって唯一の公営公共交通であり、市民の貴重な財産である。公的責任を放棄し、民間企業の利益を図り、安全安心の運行に逆行する民営化は行わず、地方公営企業としていっそう市民の足の利便を図り、 安全輸送に徹して事業継続・発展を図ること。
  • 福岡一極集中による都市膨張と交通対策を無視したまちづくりによって、都心部を中心に交通渋滞の深刻化、さらに都市環境破壊が進行しており、天神一極集中の開発の是正、公共交通機関への乗り換え促進等で自動車交通の総量規制など、抜本的な都心部交通対策を確立すること。
  • 博多駅地区並びに、赤坂・千代県庁口などの地下鉄駅周辺における自転車駐車場整備を推進すること。また、博多駅・中洲川端駅以外の市営自転車駐車場にも50cc超のバイクの駐車場を整備すること。
  • 西鉄貝塚線と地下鉄との乗り継ぎを解消し、区間を三苫まで延伸する相互直通運転のために、西鉄との協議を急ぎ、早期に事業化すること。
  • これまでの26に及ぶバス路線休廃止により、各地で公共交通空白地域が生じており、西鉄等の交通事業者へこれ以上の路線の廃止を行わないよう強く要求すること。また公共交通空白地域でのコミュニティバスなどの代替交通について市が積極的に取り組むこと。
  • 福岡外環状線に沿って、バス路線を新設すること。
  • 交通バリアフリー促進のため、JR下山門駅や西鉄三苫駅へのエレべーター、エスカレーターの設置を急ぐこと。また、西鉄等に対し、障害者が利用しやすいノンステップなど低床バスの台数を国の基準にもとづき増やすとともに、路線を拡大するよう強く指導すること。JR筑肥線や、西鉄大牟田線のホームドア設置を行うよう申し入れること。併せて歩道の段差解消を急ぐこと。

(16)公営・公的住宅行政について

住宅は、生存と生活の基盤である。格差と貧困をなくすためにも、住まいの不安をなくし、安心できる居住環境をつくることが求められており、健康で文化的な生活を営む土台である「住まい」を保障する住宅政策へ転換すべきである。

  • 市営住宅は2005年度以来、新規建設はなく、昨年はとうとう新築募集はゼロにまで落ち込んでいる。生活不安の広がりの中、昨年は16,764人の応募者に募集戸数はわずか848戸しかない実態であり、建替中心の建設抑制政策を改め、大幅な新規市営住宅建設計画をたて、そのための予算補助を国に要求すること。また建替・改善が優先といいながらその事業費も年々大幅に減少し、2009年度は昨年の半減、2002年度の32%の18億7134万円にまで落ち込んで降り、大幅に増額すること。
  • 市営住宅の管理は、福祉的配慮も必要であり、公平性・信頼性が担保されるよう市住宅供給公社の管理とし、民間企業を参入させないこと。
  • 大家の都合による突然の住宅明渡し要求等に対応するための本市の特別随時募集制度や空家待機募集制度がポイント制に一括されたことにより、従来の入居対象者が申し込みすらできない状況となっており、救済策を講じること。
  • 単身者向け住宅の倍率は36.42倍、高齢単身者住宅は38.73倍と依然高い。高齢者向け住宅の戸数を早急に増やすこと。またひとり親世帯・心身障害者世帯の入居枠を増やすこと。
  • 市営住宅では、ごく限られた低所得者しか入居できないため、住民の共同活動も困難を抱えている。このような中「孤独死」をふせぐため単身高齢者見守りなどを積極的におこなうため、自治会等に対する支援制度をつくること。
  • 多くの公営住宅入居対象者が居住しているUR賃貸住宅では、市内で約3700戸にも及ぶ用途廃止計画が、本市の住宅政策にとって深刻な事態を引き起こしており、やめるとともに、「民営化」を行わないよう国に求めること。また、老朽化した団地についても、一律建て替えでなく、改修やリフォームなど多様な住宅改善をすすめ、誰もが戻って住み続けられるようにするよう国に要求すること。さらに、「家賃の4倍以上の収入」という入居要件を緩和し、必要としている人が入居できるようにすること。
  • UR都市機構が、耐震が不十分であることを口実に住民を追い出し民間譲渡した建物が、耐震補強もされないまま、高額な家賃で賃貸住宅として活用されていることは、安全安心の街づくりに逆行しており、耐震補強を求めること。
  • 雇用能力開発機構廃止法案は前国会で継続審議になったが、雇用促進住宅を、最終的に2021年までに民間への譲渡あるいは廃止するという方針は残されたままで、竹下宿舎等の住民は不安を増大させており、計画はキッパリやめるよう国に要求すること。

(17)分譲マンションの集会所や通路は、一般の住宅街の町内会集会所や多数が使う私道にあたるものであり、本来公共がおこなう基本的サービスの居住者負担を軽減するため、通路、ごみ置き場や公園の固定資産税減免や維持管理費等の補助、防犯灯や受水槽の電気代等の補助などを行うこと。

(18)中高層建築物等建設にかかる紛争について

  • 本市は、共同住宅の比率も空家の比率も全国一高くなっている。これ以上のマンション建設の必要性はないにもかかわらず乱開発が続き、いまだに「マンション紛争」は後を絶たない。市民の住環境を守るために開発規制を強化する用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の周知と積極的適用に努めること。
  • 「建築紛争の予防と調整に関する条例」は、マンション建設により一方的に住環境悪化の被害を受ける住民を救済するための条例であり、市はその立場で建築業者との調整を行うこと。また「同条例」の形骸化は許されず、建築確認申請前の住民との誠実な、納得のいく話し合いを行わせること、および工事協定も結ばないままの一方的な建築確認申請や工事強行を防ぐことを目的に、「同条例」に関係住民の同意や、罰則規定などを盛り込むとともに、遵守を強く指導すること。また同趣旨で、国に対して法改正を要求すること。

(19)緑地保全(保全林)の地区指定を促進するとともに、予算を大幅に増額し、都市緑地の保全・買取を積極的に推進すること。併せて緑の再生にも計画的に取り組むこと。

(20)動植物園の運営と整備、再生計画には、市民とともに飼育担当職員の声も十分反映させるような体制をつくるとともに、地場の仕事おこしのためにも計画を前倒しして推進すること。また長期計画とともに、現在の動物園も魅せるものにするための工夫を行い、動物が本来の生き生きとした姿を見せる展示方法の導入、飼育環境の改善とともに職員の増員を行い、教育的施設としての役割を果たせるようにすること。

(21)プルサーマル発電を実施している玄海原発3号機で、本年12月10日に冷却水中のヨウ素濃度が通常の4倍に上昇する事故がおき約4カ月運転停止予定となっている。核燃料を包む容器に穴が空いている可能性も指摘され、住民の不安はいっそう高まっている。市民の安全を守るため、九州電力と国に対し、原発の危険性を増幅するプルサーマルを中止するよう求めること。また玄海1号機等の原発の総点検をおこない、老朽原発をはじめ安全が危ぶまれる原発については、運転を停止し、安全を確保するとともに、市民への報告と情報公開を求めること。併せて原発は、十分な安全の保証がなく技術的に未確立であり、計画的に撤退するよう国に要求すること。

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4 地球温暖化対策と環境政策について

(1)地球温暖化対策について

産業革命以来の気温上昇を2度未満に抑えるため、世界全体で温室効果ガスの排出を削減する必要が求められており、そのために先進国は2020年までに1990年比で25~40%削減し、途上国は2020年に削減に踏み出すことなどCOP16で合意された。しかしながら日本政府は、京都議定書の延長に反対の意思を表明するなど地球温暖化対策に後ろ向きの姿勢は批判されるものである。

  • 産業界は日本の二酸化炭素の総排出量の8割を占め、わずか大企業44社、161の事業所だけで日本全体の温室効果ガス排出量の50%に達している。政府と産業界との間で削減目標を明記した公的な削減協定を義務付けるとともに、企業の目標達成のための補助的手段としての「国内排出量取引制度」については、発電施設も含めた事業所の直接排出量の総量削減を定めるなど国に要求すること。また、二酸化炭素の排出量などに着目した環境税を導入するよう国に要求すること。
  • 二酸化炭素の排出量の9割がエネルギーに由来する分であり、エネルギー対策は温暖化対策の要であるが、日本は世界で大きく立ち遅れている。自然エネルギー利用の発電を促進する固定価格買い取り義務制度を導入するよう国に要求すること。
  • 本市における二酸化炭素の排出量の実態は家庭部門が24%、業務部門が32%、運輸部門が30%で、業務部門が最も高くなっている。本市の地球温暖化地域推進計画での業務部門の「床面積当たり二酸化炭素排出量14%削減する目標」となっており、市内の大規模事業所に対して温室効果ガス削減計画の策定を働きかけること。
  • 市有施設に太陽電池パネルの設置や、風力、水力など自然エネルギーによる電力の確保を図ること。また住宅用太陽電池パネルの設置枠の拡大など補助制度の一層の充実を図ること。

(2)博多湾の水質は、COD75%値の経年変化で2009年度は一定の改善が図られたが、依然として中部地区の3点は環境基準点が未達成であり、下水排水や港湾内部生産の抑制など保全策の充実を図ること。また環境基準点を増やすこと。

(3)クロツラヘラサギ、ミヤコドリなど多様な希少種が飛来し、休息場や餌場となっている国際的に重要な湿地である和白干潟を国設鳥獣保護区特別保護地区に指定させ、早急に「ラムサール条約」の登録湿地とすること。また今津湾をふくめ、博多湾全体を国設鳥獣保護区にすること。

(4)光化学オキシダントは昨年に続き市内のすべての測定局で環境基準を上回っており、大気汚染は深刻な状況が続いている。本市庁用車の低公害車導入を一層促進するとともに、民間業者への普及をも促進すること。また都心部への交通規制の強化など抜本的な対策を講じること。さらに国に対して自動車排ガス規制の強化を要求すること。

(5)ごみ行政について

  • 本市のごみ処理基本計画は、「ダイオキシン対策」などとして大型廃棄物処理施設の建設を進めてきた国の誘導策に基づき過大な施設をはじめ大量生産、大量消費、大量焼却を前提にしたもので「拡大生産者責任」の立場で抜本的な転換が求められている。いかにごみを出さないようにするかという基本的な観点で、行政と市民、事業者と一体となったリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の推進などごみ減量を基本とする計画に抜本的に改めること。
  • ごみの発生抑制と、ごみの再資源化・リサイクル化は大きな課題である。本市の「環境のまち・ふくおか基本計画」で定めているごみのリサイクル率は2009年度が22.5%で2015年度の目標値30%達成は極めて困難な状況にある。本市のごみ分別収集は、家庭系の可燃性ごみをはじめ、事業系の可燃性ごみを含め4分別9区分で行っているが、ごみの再資源化、リサイクル化を一層促進するためにも分別収集を拡大すること。
  • 「容器包装リサイクル法」は、ペットボトルリサイクルなど事業者の責任と負担を消費者と自治体に転嫁し、自治体の費用負担を増大されるものであり、「家電リサイクル法」とあわせ、発生抑制や製造企業の引き取り義務など「拡大生産者責任」の立場から事業者負担の強化などを盛り込んだ法改正を早急に行うよう求めること。現在、自治体が負担し行っている容器包装廃棄物の分別収集の費用負担を事業者負担とするよう求めること。
  • ごみは各自治体の責任において処理するものであることから、大野城市、太宰府市など他都市からのごみの受け入れは直ちに止めること。また都市圏南部環境事業組合について、福岡市のごみ要処理量は減少しているが、他都市のごみは今後も増え続けることを前提にした大型ごみ焼却場建設であり、ごみ要処理計画を抜本的に見直すとともに、南部工場の建設建替え計画は中止するとともに、同事業組合は解散すること。
  • 本市の一般廃棄物のうち事業系ごみ排出量は51%と全国平均を上回っており、事業系ごみの減量対策の充実が求められている。企業任せでなくオフィス紙ごみリサイクル等の推奨、目標提示など積極的な取り組みをおこなうこと。また、来年度から段階的に見直し2015年度に廃止するとしている「ごみ処理手数料の減免制度」については、厳しい経済状況の下で中小企業や業者に新たな負担を押し付けるものであり制度の存続を行うこと。

(6)産業廃棄物については、排出する企業者に対して発生抑制、有害な廃棄物は出させないなどの責任強化を図ること。また、処分については、土地の所有者に産廃の不法投棄が行われないよう措置する努力義務を課すことや、水源地などに産廃処理施設を設置することができないように位置規制を盛り込むなど「廃棄物処理法」の改正を国に要求すること。また、本市においても、厳重な立ち入り監視・調査・指導を行うとともに、「福岡市産業廃棄物処理施設の設置に関わる紛争の予防及び調整に関する要綱」を条例化して同様の趣旨を盛り込み、違反者への罰則規定を強化すること。

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5 中小企業の営業を守る総合的施策、農林水産業の再建を

(1)中小企業・業者対策および経済対策について

  • 2010年1~6月の本市倒産件数は72件、負債額約約167億円と深刻である。本市の全企業の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業・自営業者が“がけっぷち”においやられているいま、その経営の存続と安定をはかることは市政の緊急の課題である。10年度、本市の中小企業予算は23億1583万円であり、1事業所あたり約3万3000円にすぎない。広範な中小企業の要求に応えられるよう、中小企業予算を大幅に増額すること。
  • 景気回復のための経済対策には民間需要の拡大が不可欠である。住宅リフォームへの助成制度は、秋田県において予算額の25倍を超える経済波及効果を生んでいる。その効果は、建設業のみならず他業種に拡がり、中小業者の仕事確保につながっているのが特徴である。本市で創設された住宅省エネ改修助成制度は、当初予算1億400万円に対して申請金額は2100万円しかなく、経済の活性化になっていない。制度の効果をあげるためには、対象工事はできるだけ条件をつけないことが必要であり、早急に住宅リフォーム助成制度を創設すること。
  • 市内の全中小商工業事業所を対象にした対面・ヒヤリングによる調査を実施し、施策に反映させること。
  • 人工島をはじめとする大型公共事業に偏重した現状を見直し、小規模・生活密着型、福祉型の公共事業への本格的な転換をすすめること。競争入札資格のない未登録業者に、自治体が発注する小規模な建設工事や修繕工事等を発注する、小規模工事登録制度を創設すること。
  • 下請代金の未払いや大手ゼネコンによる低単価発注などをやめさせるためのルールが守られておらず、実態を把握し対策を講じること。「公契約に関する基本法の制定を求める意見書」が本市議会で採択されるなど公契約法(条例)の制定を求める運動と世論は大きく広がっている。野田市に次ぎ、政令市の川崎市でも条例が制定された。自治体の仕事を受注する企業に、人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける「公契約」条例の制定をすすめること。
  • 貸し渋り、貸しはがしが生じないよう金融機関に強力に働きかけること。本市制度融資の保証料をいっそう軽減すること。返済猶予や利子補給を実施すること。緊急保証制度(セーフティーネット)について再延長し、保証枠を拡大するよう国に求めること。さらに、「一般保証」制度に導入された「部分保証」制度を廃止し、全額保証に戻すよう、国に要求すること。
  • 中小業者は地域経済の中心的な担い手であるが、その中小業者を支えている家族従業者の働き分である自家労賃は原則として所得税法第56条で必要経費に算入しないこととされている。現在いわゆる白色申告の場合、ごくわずかな額が認められているにすぎず、同じ家族労働の対価について白色申告者と青色申告者で差をつけること自体が憲法が定める「法の下の平等」に反している。同法による不算入は事業継承の障害にもなっており、ヨーロッパでは算入がきちんと認められている。2010年12月時点で全国300の自治体が廃止などを求める意見書を採択している。所得税法56条を廃止し、家族従業者の労賃を正当に評価する税制に改善するよう国に要求すること。

(2)農林水産業の振興について

  • TPP(環太平洋連携協定)への参加の影響について、農林水産省は、農業生産額は半減、食料自給率は14%に低下すると試算している。また、地域経済や雇用、国土・環境の保全など多面的機能への影響も計り知れない。JA全中など農林漁業団体をはじめ、北海道などでの経済界・消費者団体を含む、地域ぐるみの反対運動が展開されている。わが国の農林水産業は、大企業優先、食料や林産物の輸入依存政策によって衰退の一途をたどらされている。TPPへの参加は、崖っぷちに立たされた農林漁業に手を差し伸べるのではなく、突き落とすことになる。市長は明確に反対を表明し国に参加に向けたとりくみをやめるよう求めること。また、アメリカとの自由貿易協定(FTA)、オーストラリアとの経済連携協定(EPA)について、市として反対を表明し、国に対し締結しないよう求めること。ミニマムアクセス米を中止するよう要求すること。
  • 食料自給率向上のためには農業の振興が不可欠であるが、農産物価格保障対策や経営安定政策が不十分で農業従事者が安心して農業にはげめない。米だけでなく、本市において生産量が多い花卉、野菜の価格安定対策や助成制度を改善・拡充することを国に要望し、本市農業を守ること。
  • 燃油や飼料の価格高騰が経営に与える影響の大きい施設園芸や畜産などには直接補てん措置が不可欠であり、市独自の制度をつくること。
  • 耕作放棄地を増やさないことは、国土の保全のためにも重要な課題である。市民農園を拡大するとともに市民参加型の生産を市がイニシアチブをもって推進すること。
  • 農家の後継者とともに、近年、増えつつある非農家や他産業からの農業への新規参入者の定着に力をいれ、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整えること。株式会社への農地取得の解禁に反対すること。
  • 大きな被害を出している有害鳥獣の対策制度の周知徹底と拡充をおこなうこと。
  • 林業は地場産業であり、低炭素社会にむけた大きな可能性を持っており育成していかなければならない。しかし、安い外材の影響で市内産木材の需要が伸びず、荒廃森林も増えている。市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。公共施設・設備にも市内産木材を積極的に使用すること。
  • 燃油などの経費増と産地魚価の低迷が、漁業と漁民経営の存続を深刻に脅かしている。漁民の所得保障と価格安定対策を国に求めるとともに、漁場環境の保全、改善や後継者問題に取り組むために振興策の充実と予算を増やすこと。
  • 「青果市場が人工島に移転すれば、商売をやめざるをえない」など、青果関係者から多くの不満がいまだ噴出し続けている。青果市場の人工島への移転はやめるとともに、新市場の整備においてはPFI方式を採用しないこと。

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6 憲法と子どもの権利条約を生かし、子どもの成長・発達を中心にすえた教育・文化行政の推進を

全ての子どもには十分な教育を受けて成長発展する権利がある。そうした教育の保障こそ平和で豊かな社会を築く土台である。ところが、今日、家庭の貧富の差による教育格差が広がり、教育を受ける権利が十分保障されない事態が広がるとともに、過度の「競争」や非人間的な「管理」が子どもの成長を歪めている。この異常さは国際機関から厳しく指摘されており、その転換を図り、憲法と子どもの権利条約の立場に立ち、全ての子どもの「人格の完成」を目指す教育の実現が求められている。

(1)本市の学校教育について

  • 本市の教育予算は政令市中最低水準となっており、抜本的に増額すること。
  • 少人数学級については、国の新たな加配に加え、本市独自の常勤講師の採用等必要な手立てをとり、35人以下学級を全ての学年、学校に拡充すること。併せて、正規職員を大幅に増やし30人以下学級を即時実現するよう国・県に強く要求すること。
  • 「あいさつ・自学・立志」を基本とする「新しいふくおかの教育計画」は、教職員や保護者の意見が十分反映されていないばかりか、現場の実態を踏まえた計画とは到底言えないものとなっている。本計画を現場へ押し付けることをやめ、学校現場の自主性に委ねること。
  • 悉皆による一斉学力テストは子どもと学校間の競争を激化し、子どもと教職員の困難を増大させており、来年度以降はやめること。
  • 貧困と格差の拡大の下、給食費さえ払えない低所得の保護者も増え、就学援助制度の充実は、さらに切実になっている。国の指示通り、クラブ活動費やPTA会費を直ちに項目に加えるとともに、適用基準を大幅に広げ、項目を拡充すること。国に対して制度の充実を求めること。
  • 相次ぐ体罰の根源にある要因を教育委員会として解明し、一掃のために取り組むこと。
  • 中学校部活動の相次ぐ廃止に歯止めをかけるための方策を検討するとともに、補助指導員の更なる充実のための予算増額を図ること。県に対し県大会の参加費徴収をやめるよう求めるとともに、当面参加費について市費で補助すること。
  • 「学校規模適正化」については子どもを中心に考え、情報の公開と住民合意を基本に据え、一方的な押し付けを行わないこと。

(2)教職員体制について

  • 教職員は休みたくても休めず長時間過密労働を強いられ、精神疾患による休職者が増え続け新規採用職員の初年度退職も起きる等、健康破壊が深刻である。過重・超過勤務の実態を踏まえ是正のための実効性ある措置を取るとともに、休暇を取りやすい環境を整えること。また、病気休暇の代替教員の配置を速やかに行うよう県に求めること。市費職員の削減は教職員の事務作業削減方針に逆行し多忙化に拍車をかけるものであり、やめるとともに、これ以上の市費教職員の給与削減は行わないこと。教職員の非正規化に歯止めをかけ、必要な人員は正規で採用すること。
  • いじめや不登校の実態を改善するために、専門のカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを全校配置するよう国に求めるとともに、当面、市独自に手立てをとること。
  • 全ての学校図書室に、専任の司書を早急に配置するよう国に定数措置を求めるとともに、当面本市独自に配置すること。司書教諭については市費加配の活用等による授業時数の軽減を図り、司書業務を行える条件をつくること。
  • 「指導力不足教員」政策と結びついた「新勤務評価制度」は、ILO・ユネスコから「教員の地位勧告」に抵触すると指摘され根本的見直しを直接勧告されている。本市においても「目標管理」による教職員評価制度が教師の自由を奪い現場を硬直化させており、やめること。
  • 県による出張旅費の削減によって、出張をしても旅費が支給されないという許されない事態を生んでおり、県に対して適正な交付を求めること。
  • 教員採用試験の試験問題・選考基準を公表し、受験者に採点結果を通知するなど透明性・公正性を確保するとともに、教職員の採用は正規を基本に拡充すること。教員免許更新制はただちにやめるよう国に求めること。

(3)学校教育施設について

  • 大規模改造対象を築30年以上としているのは許されず、築25年以上で直ちに着手すること。また、相次いで発生した窓サッシ落下事故等、危険な事故を生まないために施設・設備をはじめとする学校環境・安全点検は予算も組んで専門家により一斉に行い、学校からの意見も日常的に聴き、必要な改善は速やかに実施すること。学校施設整備予算は抜本的に増額すること。
  • 教室の温度について、夏期は30℃以下、冬期は10℃以上とされている国の教室温度基準違反は許されない。扇風機の設置では根本的な解決にならず、普通教室へのエアコン設置を進めること。
  • 学校のいたる所にスレート板やPタイル等、アスベスト含有材が使用されており、破損時には飛散し危険であるにもかかわらず、対処方法等について学校への周知は不十分である。指針を策定し、当面の取り扱いについては緊急対策を図るとともに、対処後の報告を徹底させること。
  • 多くの学校でプールが老朽化し、生徒の安全対策にも支障が出ているにもかかわらず、今年度の改修もわずか1校にとどまった。紫外線対策としての日よけの設置を含め、改修計画を抜本的に見直し来年度から計画的に進めること。
  • フロアーにトイレが無い等、不足している学校については増設を行い、多目的や洋式トイレの適正配置を図るとともに、「臭い」「汚い」「暗い」等の問題を解消すること。
  • 生徒数が1,000名規模になっている壱岐小、那珂小、松島小、西新小、高取小、姪浜中、百道中などの過大規模校は教室が不足し分割授業ができないなど授業にも支障が出ており、地域コミュニティに混乱をもたらす校区調整ではなく、早急に分離・新設を行うこと。また、西宮市など他の自治体に習い、今後児童数の増加が予測される地域でのマンション建設を規制すること。

(4)特別支援教育について

  • 特別支援教育については、子どもと保護者の選択権を重視し、適正就学指導委員会の判断結果の一方的な押し付けを行わないこと。また、普通学級に通う色弱、難聴等、視覚・聴覚障害児童・生徒に対する支援を強化するなど、希望の進路に添った学校の受け入れ体制を整えること。
  • 小中学校の特別支援学級は当面希望者のいる学校を最優先に全校設置を進めること。LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)など障害の多様化に対応する支援体制の遅れにより、困難が深刻な形で拡大している。「介助員」「支援員」については、大幅に増員して必要な児童・生徒に行き届くようにすること。「支援員」については、2ヶ月という短期の臨時的任用という配置は問題であり、安定・継続できる雇用体系とすること。
  • バリアフリー化を進めるため、肢体不自由児が通う全小中学校へのエレベーター設置を行うとともに、完備されるまでは介助員の配置等支援体制を充実させること。狭隘化している特別支援学校職員室の改善を図ること。

(5)高校教育について

  • 雇用・経済状況の悪化により、保護者の失業や倒産が増え、進学や通学の断念など、子どもたちの高校教育を受ける権利が脅かされている。市教育振興会の高校奨学金の入学支度金、奨学資金を実態に見合うよう増額・改善するとともに、所得要件等の基準を緩和し、定員増を図ること。国、県の修学資金が適用できない世帯を救済できる市独自の「緊急貸付制度」を創設すること。私学で学ぶ生徒への補助、私学への助成充実を国・県に求めること
  • 特別支援学校高等部Bコース(軽度学級)を各特別支援学校に設置し、全員が希望するコースに入学できるようにすること。

(6)幼稚園教育について

私立幼稚園の運営は幼児の減少や人件費の負担増などで極めて厳しい状況にある一方、共働き家庭の子の預かり保育の実施による対応にも苦慮しており、教諭の待遇改善を図るためにも、運営費補助等を大幅に増額すること。

(7)学校給食の改善について

  • 給食運営にあたっては、「安全・安心・おいしい」が原則である。ところが、学校給食センター再整備基本構想づくりにおいては民間の儲けづくりが優先されるPFI等の手法が検討され、食器も安全性が確立されていないPEN樹脂製食器が検討される等問題が多い。構想づくりは、市民参加でやり直し、中学校のセンター方式を自校方式へ改めること。また、輸入食品の受け皿にもなっている「統一献立・一括購入方式」をやめ、地元農業の振興にも資する地元農水産物中心の給食に転換すること。
  • 「食育」の観点からも学校給食の充実が求められており、調理員体制について現行の非常勤職員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、責任を持った調理を行うこと。また、退職者の補充は直ちに正規職員の新規採用で行うとともに、有休の代替要員は市の責任で確保すること。各小学校に栄養士を配置すること。
  • 食材の高騰等を理由にした給食費の引き上げを行わないこと。

(8)人権・同和教育について

  • 「県同教裁判」においては教職員が同和団体に実質従事していた問題で、県知事と県教育委員会が厳しく断罪された。本市においては、任意団体である「市人権教育研究会」等への補助金の支出を直ちにやめるとともに、学校研修、連絡会等を通じての解放同盟の教育介入を排除し「全市一斉人権教育研修会」については廃止すること。
  • 同和枠から一般対策に移行された加配教員を、実質的に「同和」枠として配置していることは許されず、市費の非常勤講師等を含め、少人数学級の実施など真に教育上必要な学校への配置とすること。
  • 本市の「人権教育・啓発基本計画」は、「同和問題の解決に向けた取り組みの手法・成果を生かす」などとして、実質同和問題のみに矮小化しており、このように人権を侵し、差別を温存する同和教育の延長となるニセ「人権教育」の押し付けはやめること。対象を実質狭い範囲に限定する「地域の教育力活性化事業」はやめること。
  • 学校やPTAへの「同和研修」の強要、解放同盟の運動や主張に加担する「研修」名目での職員の出張をやめること。

(9)図書館について

予算を増額し、蔵書の充実を図るとともに、遠距離の市民でも書籍等の活用ができるように公民館や配本車などで検索・貸出・返却ができるシステムづくりを行うとともに、図書館を増設すること。また、総合図書館や分館の司書は正規職員として増員すること。

(10)文化財について

文化財関連予算を増やし、埋蔵文化財など文化遺産の調査、発掘、整理、保存に従事する専門家を増員し、調査員の身分保障と待遇改善、人員の確保に努めること。

(11)青年の居場所について

今日、青年は自己責任論で苦しめられ、孤立化が進んでおり、交流や連帯の場の保障が求められている。青年が、仕事帰りにも気軽に集える施設、文化芸術サークル活動や音楽・演劇練習場等に使える施設を増設すること。また、市内一ヵ所しかない青年センターは老朽化が進んでおり、この際、施設の改善充実を図るとともに、増設も検討し、気軽に利用できるものにすること。

(12)社会教育施設及び文化芸術・スポーツ行政等について

市民会館や市民体育館、各区体育館、市民プールなど老朽化している文化・スポーツ施設の改善・充実を図ること。また、野球・ソフトボール・テニス・サッカー・ラグビー・ダンス・スケートボードなどに気軽に使える運動場やスポーツ施設を新・増設すること。その計画や設計については利用者の声を反映させること。自主的活動を行っている本市の市民文化団体、スポーツ団体への運営費助成や事業補助を大幅に増額すること。市民のための文化芸術・スポーツ予算を大幅に増額すること。

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7 一人ひとりの子どもが大切にされ、安心して子育てできる市政に

(1)保育行政について

  • 政府は、2011年の通常国会に現行の保育制度や幼稚園の制度を根底からつくり変える「子ども・子育て新システム」法案を出そうとしている。この「新システム」は幼保一体化や保育制度の解体という重大な問題があり、本市の保育協会や保護者からも大きな反対の声があがっている。この「新システム」が導入されれば、保護者は保育所と直接契約することとなり、保育所に入れない子どもがいても、国と自治体には責任がなくなるという公的責任の放棄につながるものである。この新システムについては、市長公約通り、撤回するよう国に強く要望すること。
  • 国は児童福祉施設最低基準(保育所の施設設備基準、職員配置基準)を緩和しようとしている。これは今でも狭い保育所に今以上の子どもたちを詰め込むことになり、すべての子どもの発達が保障されないどころか、事故さえ起こしかねない状況を作り出すものである。国に最低基準を厳守するよう要求すること。
  • 今問題になっている待機児童の解消について、本市のこの間の対策は、分園や増改築 また既設内で年度当初から定員の125%まで入所させて詰め込みを更に増幅させるなどしてきているが、2010年10月1日現在、待機児は742人にのぼるなど極めて不十分である。新待機児解消プランでは、各区ごとに保育需要を定め、新設は3区に限定し、その他は増改築や保育ママなどで行おうとしている。つめこみや保育園の大規模化をやめ、公有地の無償貸与や民有地の賃借料の補助などを行って大幅な新設増をはかること。
  • 公立保育所の民営化については、前市長が公約を破り現在まで15ヵ所に減らしてきたが、更に最終的には7ヵ所まで減らそうとしている。横浜市の公立保育所民営化をめぐる裁判の最高裁判決は、「特定の保育所で現に保育を受けている児童及びその保護者は、保育の実施機関が満了するまでの間は当該保育所における保育を受けることを期待しうる法的地位を有する」と述べており、保護者の意思を無視した民営化は違法性が高く問題である。公的責任の放棄は許されず、民営化は中止すること。また公立保育所の改築、増築を利用して定員増をはかること。
  • 本市の市民税課税世帯の保育料は政令市でもトップになっており、保護者にとって大きな負担となっている。また2011年度から階層区分が増やされ、最高額は3歳未満児で8万3000円となるなど保育料は限界を超えている。市費繰り入れを増やし、保育料を引き下げるとともに、第2子以降の減免は保育料の高いほうを適用すること。
  • 保育事業の大半を担っている民間保育園への補助金が不十分な中で、職員や法人の犠牲的な努力によって運営がおこなわれている。各園の非常勤職員を正規職員にするとともに、賃金を時給1200円以上にし、保育士のワークングプア状態を改善するよう財政支援を行うこと。併せて老朽化した施設の調査をおこない、補修・補強に必要な財政支援をおこなうこと。
  • 認可外保育所は、24時間保育や、一時、休日、延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求に応え、地域の子育て支援、家族支援に大きく貢献し、保育行政の補完的役割を果たしている。認可外保育所への運営費の補助を創設するとともに、全ての認可外保育所利用者への利用料の補助の大幅な増額をおこなうこと。併せて、認可化をめざしているところには、財政支援をさらに増やすこと。
  • 職員配置基準については、保育士対子どもの人数を0歳児は1対2、1歳児は1対3、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4歳児・5歳児は1対15へと改善をすること。また基準が満たされるよう補助すること。
  • 障害児を受け入れる保育所全てに保育士を加配すること。また、巡回指導や障害児保育研修、個別観察指導・保護者カウンセリングなどの体制を整えるとともに、看護師等を配置すること。
  • 政令市のほとんどが実施している産休明け保育を、本市においても公的責任で早急に実施すること。また保育ニーズを踏まえて、休日保育、病児・病後児デイケア事業など特別保育事業を拡充させること。

(2)子育て世帯は、低賃金・不安定など、雇用状況の悪化により、比較的所得が低く、子育てにかかる経済的負担が大変重くなっている。本市が小学生の子をもつ親を対象におこなった「次世代育成支援に関するアンケート」では、「充実すべき子育て支援施策」のトップは「医療費の助成」である。子どもの医療費助成制度については、中学生まで拡大した自治体が次々に生まれており、本市においても、市長の「拡充」公約に従って、通院・入院ともに中学生まで無料にすること。あわせて、子どものメガネ・コンタクトにかかる費用も助成対象とすること。また、乳幼児医療費助成制度を国の制度として行うよう要求すること。本市など政令市と一般市町村に対する乳幼児の医療費補助格差の是正を県に求めること。

(3)留守家庭子ども会について

  • 児童数70名を超える留守家庭子ども会は81か所もあり、改善が急務となっている。増築などで実質的な分割をおこなって、全ての子ども会を70人以下にすること。また、施設のうち狭隘化施設は48か所、老朽化施設は31か所もある。施設改善を急ぐこと。また、トイレのない施設や少ない施設も残されており、人数に合わせたトイレの増設を急ぐこと。
  • 本市では、留守家庭子ども会事業の高学年の受け入れを順次おこなっている。学年拡大に伴い、施設の建て替えや増築を急ぐとともに、指導員や補助指導員も大幅に増やすこと。併せて学年拡大にあたっては、指導員の必要な研修を行うとともに、現場でのあらたな課題や要求を把握して、改善に努めること。
  • 現在月3000円の利用料と運営費で、保護者は実質6000円程度の負担をしなければはならないが、これにより滞納世帯や預けたくても預けられない世帯がうまれているなど、保護者にとって大変な負担となっている。来年度から利用料を無料に戻す手立てをとること。
  • 児童数41人以上の子ども会には、現在2人の正規指導員が配置されているが、これを改め3人以上の配置にし、子どもたちの健全育成に責任が持てる体制とすること。また障害児受け入れの子ども会へは、まず正規指導員1名を加配し、その上で、障害児童数に合わせ指導員を加配すること。
  • 開設時間の延長など労働強化となっている指導員・補助指導員の賃金を引き上げること。また、指導員の超過勤務分や勤務日以外の行事参加分の手当てについては保障をすること。児童の健全育成のためにも経験豊かな指導員こそ必要であり、5年間の任期付き雇用を撤廃するとともに、希望する職員については、そのまま採用すること。また、補助指導員の待遇が不十分となっており、待遇改善を図るとともに、公務災害補償も適用できるようにすること。

(4)子どもたちが放課後や休日に安心してすごすことができる重要な「児童館」は、本市においては中央児童会館一つしかなく、これは異常な事態であり許されない。今日、その必要性はますます高まっており、子どもプラザや公民館では肩代わりできるものでなく、専門職員のいる児童館建設は小学校区を基本にしながら、まずは各区に早急に設置すること。また、検討されている早良区の地域交流センターには児童館機能を持たせること。あわせて中央児童会館の建て替えにあたっては利用者の声を反映すること。また、中高生も集える「若者の居場所づくり」の施設はモデル事業として1か所にとどめず、各区につくり専門員を配置すること。

(5)格差と貧困の広がり、子育ての社会的孤立化が進む中で、児童の虐待死が増加の一途をたどっており、大きな社会問題となっている。本市においても、昨年度こども総合相談センターに寄せられた児童虐待の相談件数は425件となっている。そのような中で2009年度の虐待死は5件6人と大変深刻な事態にある。親身な相談活動ができるように専門職である児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、児童相談所を増設すること。また、児童養護施設については、児童指導員が心的治療を要する子どもたちを抱え負担が増えており、国が定める職員配置基準の引き上げを国に要求すること。併せて本市においても財政的な支援をおこなうこと。

(6)子どものアレルギー疾患は多様化、増加の傾向にあり、季節・ストレス等での病状悪化等、患者は常に大きな不安感を抱いている。不安解消と治療促進のためにも、最新の医学的根拠に基づいて相談に応じられるような体制の充実を行うこと。また除去食の給食を行っている保育所に補助を行うこと。併せて当面喘息とアトピー性皮膚炎を学校病の指定に加えるよう国に要求すること。

(7)母子・寡婦福祉資金は、制限が多く必要なときに借りにくくなっている。借りやすいよう、貸付金額の増額をおこなうなど施策の改善を国に求めること。また、各種貸付制度は申し込みから2週間以内に貸与できるように借入れ手続きを簡素化すること。併せて児童扶養手当については手当額の拡大と所得要件の緩和を国に求めること。

(8)母子家庭医療費助成については、児童扶養手当支給制限強化に連動した対象制限をやめること。

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8 女性の声を市政に生かし、真の男女平等社会実現へ

(1)労働における男女差別撤廃について

  • 非正規をふくめ女性労働者の賃金は男性の53%にすぎず、1人目の子の妊娠・出産で7割が退職し、30歳代の労働力率は先進資本主義国24カ国中23位と、女性が最も働きにくい国となっている。ILOの8時間労働条約や権利侵害を国連に通報できる制度を定めた女性差別撤廃条約の選択議定書などを早急に批准するよう国に求めること。
  • 女性労働者の半数以上が、パートなどの非正規雇用であり、賃金は女性正規雇用者の7割、男性の49%しかない。現行のパート労働法の差別禁止の3要件(正社員と同一職務、転勤や配転の有無が正社員と同じ、期間の定めのない労働契約)規定はごく一部のパート労働者にしか適用されないものであり、削除し、均等待遇の原則を明記し、事業主が、賃金、休暇、教育訓練、福利厚生などの労働条件で差別的取り扱いをすることを禁止するよう国に求めること。
  • 雇用悪化の下で、「育児休業をとったら解雇された」との“育休切り”が急増し、いまだに「出産・子育てと仕事を両立しにくい」状況にある。全国の雇用均等室に寄せられた育休や妊娠・出産による解雇などの相談は昨年度5311件、福岡県では112件に上り、事態は深刻さを増している。国が法律で育児休業制度の普及を推進し、“育休切り”を禁止しており、本市としても市内企業などへの啓発を強めること。
  • 男女雇用機会均等法の施行から20年余たち、最近も2007年に一定の改正が行なわれたにもかかわらず、男女の賃金格差、昇進昇格差別の改善は遅々として進んでいない。また同一価値労働同一賃金を定めたILO100号条約はすでに批准しており、条約にもとづく格差是正が求められる。企業への指導を徹底するとともに、法律の見直しをはかり、間接差別の範囲の拡大・強化、強力な救済機関や罰則・強化などをすすめ、事実上の差別禁止、是正をすすめるよう国に要求すること。
  • 市の課長級以上の女性役付職員は6.5%と昨年よりわずか増えたものの、ここ数年は横ばいとなっている。これは政令市平均を下回り、「雇用における平等」に反するものである。女性の採用、管理職への登用を積極的に進め、昇給、昇任などの差別を一掃すること。また、政策、方針決定への女性の参画を促進するために、各種審議会の女性登用率を大きく引き上げること。

(2)市職員の育児・介護休業取得状況は、男女ともに取りたくても取れないというのが実態である。給与保障など経済的支援、人的支援、昇任昇格制度の改善などを行うこと。

(3)民法の改正について

  • 国連からのくりかえしの改善勧告や国民要求にもとづき、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間の撤廃、婚外子の相続などにおける差別禁止など民法の改正を速やかに行うよう国に求めること。
  • 民法のいわゆる「離婚後300日」規定について、2007年に法務省通達が出されたが離婚後の妊娠が条件とされており、法務省自身、離婚後に妊娠したのはわずか1割程度と推計しているように、きわめて厳しい制限となっている。「離婚後300日」規定を抜本的に改善する民法改正を行なうよう国に求めること。

(4)罰則などの強制力をもった「セクシャル・ハラスメント防止条例」をつくり、その一掃に努めること。当面、セクハラや女性労働者の様々な訴えに対し、被害者の保護、助言・指導・勧告が効果的に行えるよう、相談・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を各区に設置すること。

(5)2009年度アミカス等に寄せられたDV相談は2798件と4年前の1.7倍にものぼっており、市として「配偶者からの暴力防止及び被害者の保護のための施策に関する基本計画」を早急に策定し、休日・夜間の相談体制を整え、心理療法担当職員、子ども連れの被害者のための保育士や学習援助者など、相談・一時保護・自立支援の施策を拡充すること。自立に要する費用の補助などをすすめ、不足している母子寮の増設、民間シェルターへの補助金など支援の拡充、一時保護から自立に向う中間的施設(ステップハウス)の開設・運営への助成を図ること。また、更生と再発防止のために加害者へのカウンセリング、教育などを行うこと。併せて、増加するDV被害の訴えに対し、必要な体制が追いついておらず、国に対し実効ある救済策を確立するための予算の増額を要望するとともに、加害者の犯罪対応と、加害者更正プログラムに関する規定を盛り込むよう求めること。

(6)男女共同参画推進の拠点施設であるセンターはアミカスに限るのではなく、各区1ヵ所ずつ、低料金で気軽に利用できる便利な場所に建設すること。

(7)いわゆる「慰安婦」問題は、かつての戦争において日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与え、その子孫も親世代が傷つき癒されていないことで傷ついている。国連人権委員会は「慰安婦が自由を奪われた事実上の奴隷であったことは日本政府も認めて」いると指摘し、戦後65年経た現在でも国の賠償義務と加害者個人の刑事責任は免れないとのべた。高島市長は「アジアで一番尊敬され、愛される都市へ」を公約としてかかげており、日本のアジアにたいする近代の歴史を直視することは不可欠である。1993年の河野内閣官房長官談話に基づき、責任を認めて公的に謝罪すること、問題解決のために被害者の名誉回復を図ることを政府に要求すること。

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9 汚職腐敗を正し、清潔、公正、平和、市民参加の市政を

(1)本市行政をめぐっては、開発優先の市政運営の下で人工島をめぐるケヤキ・庭石事件をはじめ政官業の構造的癒着が横行してきた。市役所から汚職腐敗を一掃すること。

(2)「政治とカネ」の問題に対して市民の目はますます厳しくなっており、市長は企業・団体献金の全面禁止及び、本市発注公共事業の受注企業や下請け企業への政治資金パーティー券販売禁止を行うこと。

(3)93に及ぶ外郭団体・第三セクターについては、その必要性が厳しく問われている。特に問題がある株式会社については出資を止めること。また、「都市未来ふくおか」の破たんに見られるように、無駄な開発を進める第三セクターは必要性が問われている。「博多港開発」は廃止し、その他の団体についてはその運営、事業及び予算の執行について厳正な監査、指導を行い、そのあり方について抜本的に見直すこと。

(4)外郭団体や利害関係のある民間企業への市退職幹部の天下りを禁止すること。また、本市の美術館、博物館、総合図書館の館長職への天下りをやめること。

(5)入札制度の改革について

  • 一般競争入札の運用にあたっては、地元中小企業・業者の仕事確保の観点から、一定額以下は大企業を排除する逆ランク制度を採用すること。また、談合を防止するために、技術評価を勘案したたうえで、一定数の入札参加業者の排除や予定価格の決定に抽選くじを導入すること。
  • 本市の「総合評価方式」入札は、2009年度17件、2010年度14件で、そのうち地場中小業者だけの受注契約は合わせて14件に過ぎない。同制度は、現在2億円以上の工事しか対象になっておらず、技術提案能力や施工能力があり品質管理のできる大手企業に有利である。障害者雇用や環境配慮、災害対策協力等の社会・地域貢献評価度に加えて、下請け単価や賃金なども評価の対象とするとともに、対象工事を1億円以下の工事まで拡大するなど「福岡市総合評価方式実施ガイドライン」を見直すこと。
  • 公共施設の指定管理者制度は、営利民間企業の参入などに道を開き、本市の行政責任を放棄するものであり、原則として市直営とすること。また、指定管理者制度を導入する場合は、一般公募せず従来管理委託してきた公的機関を指定管理者に指定すること。

(6)特命随意契約や委託契約及び、プロポーザル方式の在り方については、特定業者との癒着構造によって入札の公正・公平さが失われており、制度の総点検を行い抜本的な見直しを行うこと。

(7)ごみ清掃や下水道などの委託人件費が年々下がっており、積算に当たっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善を図るよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

(8)消費者の権利を守るため、消費者行政の拡充と財源措置を国に要求すること。複雑・多様化する相談に対応できるよう本市の消費生活センターの業務委託費を引き上げ、相談員の体制を強化するとともに、相談員が職務に専念できるよう、専門職にふさわしい給与を保障し、任期付き雇用を改めるなど待遇改善を図ること。また、「福岡市消費生活条例」に基づき、不当な取引行為事業者への是正勧告を強化すること。

(9)広聴活動における市民意見募集やパブリックコメントについては、反対意見を無視することなく、市民からの要望を政策決定に取り入れること。各種審議会等委員の市民公募枠を新設・拡大すること。また、市政の重要事項に関する「住民投票条例」を新設すること。

(10)特定非営利活動(NPO)は、福祉や社会教育、文化・芸術、環境保全などの分野で社会貢献の重要な役割を果たしているものの、人材や資金の確保に苦労している。NPO法人への支援をさらに充実するとともに、NPO 法人の優遇税制を法人市民税減免だけでなく拡充すること。

(11)本市では、全国の同和事業終息の流れに反し、2010年度も1億3,928万6,000円の予算を計上するなど、いまだに同和対策を特別扱いしているが、一般対策の事業も含め「同和」を要件とする特別な施策は直ちに終結するとともに、「福岡市人権・同和行政基本方針」は撤回すること。事実上、市の丸抱えとなっている部落解放同盟福岡市協議会への補助金(2,530万円)は直ちに全額打ち切ること。「校区人権尊重推進協議会」への「同和研修」を強制する市の指導や補助金支出をやめること。

(12)自治協議会との「共働」と称して、行政が補助金をテコに仕事を押し付けたり、介入したりするやり方は、本来の自治会活動に支障を来たすなど、様々な矛盾を生んでおり、こうした住民自治組織の自主性を壊すやり方はやめること。「共働」を基本にする本市の「コミュニティ関連施策のあり方検討会」の最終提言は、抜本的に見直すこと。

(13)市民の平和と安全を守るために

  • 米軍板付基地は、かつて朝鮮戦争やベトナム戦争で、市民に痛ましい犠牲を強いて来た。現在でも米軍輸送機の飛来が民間空港の中で最も多く、市民に大きな不安を与えている。市長は、米軍専用区域内倉庫の一部解体を機に、その即時全面返還を国と米軍に対して粘り強く要求するとともに、福岡空港の軍事利用に反対すること。
  • 商業港である博多港には、核搭載の疑いのある米軍艦の入港が「友好・親善」と称して相次いでおり、市民の安全が脅かされている。市長は、港湾管理責任者としての権限と責任を明確にし、市民の安全確保の立場から、博多港への米軍及び自衛鑑の入港をいかなる名目であれ拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。
  • 公共施設を軍隊に提供したり、市民の土地や物資を強制使用・収用したりすることを盛り込み市民を戦争準備体制づくりに強制動員する本市国民保護計画を破棄すること。アジアの平和を脅かす日米軍事共同訓練の強化に反対すること。また、本市の防災訓練における自衛隊の関与は最小限にとどめ、自衛隊車両の子どもの体験試乗などはやめさせること。
  • 国是である「非核三原則」の法制化を要求するとともに、市長は、非核自治体宣言を行い、「福岡市非核平和条例」を制定すること。また、他政令市に比べて極めて少ない平和事業予算を大幅に増やして、博多港引揚げや福岡大空襲の常設展示など独立した平和資料館を整備すること。

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