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日本共産党福岡市議団の政策と活動

2010年度予算要望

2010年度予算編成に関する申し入れ

2009年12月28日

福岡市長     吉田 宏 殿
福岡市教育委員長 飯野毅紀 殿

日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 中山いくみ
星野美恵子
ひえじま俊和
倉元 達朗
熊谷 敦子

この1年間、わが国の経済危機はますます進行し、国民生活はいっそう困難となりました。初めて発表されたわが国の貧困率は15.7%(2007年)でOECD加盟国のうちワースト4位だったことは、各界に衝撃を与えています。完全失業者331万人、完全失業率5.2%、有効求人倍率0.45倍、非正規雇用の雇い止めが年末までに24万7,000人、高卒就職内定率が59.6%と過去最大の落ち込みなど、雇用状況は悪化の一途で、今年上半期の倒産は前年同時期比8.2%増、全国消費者物価指数が9カ月連続でマイナスになるなどデフレスパイラルに陥っています。生活保護受給は120万世帯へと増え、また生活保護水準以下の賃金で働くワーキングプアが1,000万人以上、年間の自殺者が3万人を超える異常な事態です。これは、「構造改革」の名で新自由主義の政策が政治と社会のあらゆる分野で押し進められてきたことが最大の原因です。構造改革路線は地方自治体の行財政にも大きな影響を与えています。

こうした状況を打開し政治を変えたいとの国民の強い願いが先の総選挙で示されました。自民・公明政権に退場の審判が下され、日本の政治を前に大きく進める新しい歴史のページを開きました。誕生した民主党中心の新政権は、国民の願いと要求運動を反映した政策を打ち出す一方、国民の利益に反した問題点や反民主主義的な要素も持っており、過渡的な性格を示しています。いま国民は「大企業・財界の横暴な支配」「異常な対米従属」の政治から抜け出す道、新しい政治の中身が何かについて、模索と探求を続けています。

ところが、就任三年を経た吉田市政は、暮らしよりも大型開発推進を優先し、市民負担増と福祉切り捨てを進める古い自民党型政治から抜け出す姿勢が見えません。「ムダづかいをやめて生活応援を」「市民の声を聞かない政治はもうごめん」など市民の願いを真摯に受けとめ、市民の安心と希望を取り戻す市政へと転換することが強く求められています。わが党はその立場から、行財政運営を抜本的に見直し、福祉・子育て・雇用・地域経済・教育の充実など市民生活の応援を基本にした新年度予算を要望するものです。

よって、貴職が、2010年度予算編成にあたり、以下の重点要望を実現されるよう申し入れるものです。

以上


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2010年度福岡市予算編成に関する日本共産党の重点要望

1 「市民が主人公」を市政運営の基本に

(1)日本国憲法の五原則(主権在民、恒久平和、基本的人権の尊重、議会制民主主義、地方自治)を真に生かした国づくりがますます求められている。9条を生かした平和外交、25条に基づく社会保障拡充は国民的要求である。憲法改悪に反対する世論と運動が広がる中、改憲を掲げた自民党は総選挙で敗北したが、政権に就いた民主党も改憲志向を持っており、予断を許さない状況である。市長は憲法改悪に反対するとともに、憲法を生かした「市民が主人公」の行政運営に切り換えること。

(2)鳩山内閣の2010年度政府予算案は、軍事費と大企業・大資産家減税という自民党政権時代からの「二つの聖域」を温存したため、雇用や社会保障、中小企業などの予算拡充は、一定の改善を含むものの、厳しさを増す国民の暮らしの要求に応えるものにはなっておらず、極めて不十分である。一方、財源は過去最高の国債発行、一年限りの「埋蔵金」に頼り、将来の庶民増税の危険性をもはらんでいる。自公政権が削減してきた地方財政については地方の要求が反映し、地方交付税の自治体配分額は約1.1兆円増の16.9兆円となったものの、不況による地方税収の減少を埋める程度である。閣議決定された「税制改革大綱」によると、所得税・住民税の扶養控除の廃止、特定扶養控除の縮小が盛り込まれる一方、ゆきすぎた大企業減税は見直されず、研究開発減税の上乗せ措置延長、株主譲渡益や配当の軽減税率の継続など大企業・大株主優遇税制が維持されている。市長は、国に対し、大企業優遇と軍事費のムダづかいを改め、地方財政をいっそう拡充し、福祉と暮らしの予算を大幅に拡充するよう要求すること。また、所得税・住民税の扶養控除廃止・特定扶養控除縮小は「子育て世帯大増税」であり、保育料や国保料などに影響して雪だるま式の負担増をも招くものであり、これに強く反対すること。

(3)行財政運営の基本について

  • 「交流拠点都市づくり」と称して人工島や新都心構想などムダな大型開発を推進することは借金財政をいっそう深刻にするものであり、大型開発推進路線をきっぱりやめること。
  • 市長の財政リニューアルプランは破たんした構造改革路線にしがみつくものであり、そこで打ち出している「受益者負担の適正化」や「扶助費の制度運用の効率化」は、福祉切り捨てや公共料金値上げ、差押えによる市税・国保料・介護保険料の厳しい取り立てなど、借金財政のツケを市民に押し付けるものである。市民負担増の計画はやめること。
  • 市長がすすめる「行政改革」は自治体としての役割と責任を放棄する「自治体リストラ」とも言うべきもので許されない。公共施設の管理運営や福祉サービスなどの行政責任を放棄し、労働者の待遇悪化につながる民営化や民間委託の推進をやめること。保健福祉や社会教育など市民生活に関わる公の施設は直営を原則とし、指定管理者制度を導入する場合は公的団体を指定管理者とし、公募する場合でも株式会社など営利企業を除外するとともに、指定管理者に対してサービス向上と公正公平な管理運営、徹底した情報公開を行うよう厳しく指導監視すること。シルバー人材センターなど公の施設の管理を委託してきた公的団体の事業確保と雇用拡大を図ること。
  • 2008年度から試行されている「事業仕分け」は、その対象から重点事業と公約事業が意図的に除外されているため人工島などのムダにメスが入らない一方、福祉や市民生活関連の事業が「廃止」「民間委譲」と判定され、仕分け人の選定も公正さに欠けるものであり、そのあり方を抜本的に見直すこと。
  • 市長退職金制度を廃止すること。

(4)市職員「削減計画」と労働条件等について

  • 825人もの「市職員削減計画」は、職員に労働強化と過重負担を強いて、市民サービスを低下させるものに他ならない。現状でさえ本市職員数は市民一人あたりで政令市最低となっており、これ以上の削減は許されない。削減計画を撤回すること。
  • 慢性的な人員不足のもとで市職員は長時間・過密労働に苦しみ、精神疾患も多く、また連続する給与引き下げによる生活への影響も深刻であり、改善は急務である。職員が「全体の奉仕者」として公正で民主的な行政業務に専念し、心と体の健康を保持できるよう、区役所や福祉関係、教育、防災などの部署を増員し、嘱託・臨時職員を定数化するとともに、サービス残業を根絶し、給与引き下げをやめるとともに超過勤務手当は実態どおり支払うなど、賃金・労働時間などの労働条件を改善すること。
  • 税務職場における派遣社員導入はクーリング期間を悪用した脱法行為であり、配置を拡大してきたことは許されない。重要な個人情報を扱う公務職場に短期間の非正規雇用を配置することは問題があり、ただちに中止すること。

(5)「脱・貧困」にむけて

  • 「貧困」問題の解決には、雇用状況の改善が不可欠である。国の補正予算に伴う緊急雇用創出事業は短期間かつ低賃金の非正規雇用ばかりで安定した雇用を求めた市民の願いにこたえていない。まず、市長が率先して地元財界や大企業に対して雇用の維持・拡大を強く要請すること。また、福祉や教育など公的な雇用創出に努めること。国に対して「働くルール」の確立、労働者派遣法の抜本改正、雇用の安定や賃金改善を求めること。
  • 貧困を打開するための独自の生活支援対策として低所得者に対する住民税などの独自減免を促進すること。高齢者や障害者、ひとり親家庭に対して、水道・下水道・ごみなど公共料金等の福祉減免をおこなうこと。
  • 生活保護申請者、国保料や市営住宅使用料滞納者などに積極的に多重債務の有無を確認するなど、国の「多重債務問題改善プログラム」に基づき、関係部署の十分な連携のもとに支援策を講じること。

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2 国保・医療・年金・介護・福祉・障害者施策など社会保障制度の充実を

(1)国民皆保険制度の根幹である国民健康保険制度の充実について

  • 本市の国保世帯は、年所得200万円以下の低所得者がその約80%を占めるなか、年42万円(所得割算定基礎額200万円の3人世帯)もの高い保険料を押しつけられ、「払いたくても払えない」事態となり、滞納者は、5万3,536世帯と全被保険者(21万4,000世帯)の約4分の1世帯にのぼる極めて深刻な実態にある。3年連続で取り組まれている保険料引き下げ請願署名は累計で25万筆に迫っており、国保運営協議会においても本市の保険料が高いことが指摘されている。高過ぎる国保料を、一般会計(特に法定外)繰入額を大幅に増やして2010年度は、全世帯で大きく引き下げること。
  • 本市の保険料が異常に高くなっているのは、保険料の未納見込分(31億円)、前年度の赤字分(82億円)、高額所得者の賦課限度額の超過額(54億円)、独自減免分(9億円)、国のペナルティカット分(6億円)を保険料に上乗せしているからである。必死で保険料を納めている方の保険料にこのような上乗せをすることは許されず、「上乗せ方式」をやめること。
  • 国にたいして、この間、30%台に引き下げられた国庫負担割合を元に戻すよう要求するとともに、本市の収納率低下等に係る不当なペナルティカット(交付金削減)をやめるよう求めること。
  • 治療費が窓口全額自己負担となる「資格証明書」の発行は、全国最悪クラスの1万7,000世帯以上にものぼっており、受診を我慢して命を落とす事態も起こっている。人権侵害である資格証発行をやめ、全ての国保世帯に保険証を交付して市民の医療を受ける権利を保障すること。とりわけ、18歳以下の子どもがいるのに保険証を取り上げている世帯へは無条件交付を急ぐこと。
  • 本市の保険料減免世帯比率はわずか6.1%に過ぎず、極めて低い水準にある。市独自減免制度については、当面、「所得の減収が前年比20%以上」に適用するよう元に戻して改善するとともに、所得減少の場合のみにとどめず中小零細業者や低所得者層の実態に即して、適用対象をひろげること。
  • 国民健康保険法44条に定める失業など所得減少世帯に対する窓口一部負担金減免制度について、本市では活用が皆無という異常な事態となっている。担当部署での周知徹底・市民への広報を図り、必要な世帯の活用を促進すること。また、負担金が1万円以上になる場合という制限は撤廃すること。
  • 本市における国保料滞納者に対する差し押さえは、05年度111件(約5,600万円)から08年度1051件(約4億6,000万円)と8倍にも増えており、年金や子どもの学資保険までも差し押さえる冷酷なやり方はやめること。

(2)後期高齢者医療制度の廃止と当面の改善について

  • 2008年4月から実施された後期高齢者医療制度は、75歳以上の全ての高齢者をこれまでの保険から切り離し、保険料を無理やり年金から天引きする等、ひどい差別制度となっている。制度導入から僅か1年半で受診抑制、健診の激減、保険料の滞納等の問題が噴出している中、新年度保険料は更に大幅に引き上げられる予定となっている。圧倒的多数の国民が切望している廃止の先延ばしは許されず、直ちに廃止するよう国に求めること。
  • 市は、65歳以上の重度心身障害者の後期高齢者医療制度への加入強制をやめるとともに、葬祭費及び針きゅう費助成の削減をやめて、元に戻すこと。

(3)こども病院の人工島移転を強行する「新病院基本構想」について

  • 市長は累計25万筆に上る署名に託された大多数の市民の反対を無視し、「検証偽装」まで行って、こども病院を人工島に移転する等の内容の「新病院基本構想」を策定し強行しようとしている。人工島への移転は東区の小児科・産科開業医の経営を圧迫し、「病診連携」を破壊するばかりか、市内の医療バランスを壊す最悪の事態を招く。また、地方独立行政法人化による公的責任の放棄、大企業の儲け作りのためのPFI手法の導入等が構想の柱となっており、このまま強行すれば赤字は大きく膨らみ存続も危ぶまれる事態となる。人工島破綻救済のために子どもの命を犠牲にする同構想は白紙撤回し、現地建て替えか近隣地移転で再検討すること。
  • こども病院と市民病院の独立行政法人化は、職員の公務員としての身分を無理やり剥奪し、給与に人事評価制を導入し、非正規雇用も拡大するなど職員の労働条件を悪化させるものである。また、患者の命よりも経営効率を優先し、そのため高額な差額ベッド導入等による患者負担増も避けられない等、医療水準や患者サービスを著しく低下させるものである。独法化はただちに中止し、自治体病院としてのセーフティネットの役割を果たすべく市直営で安心・安全な公立病院運営を堅持すること。

(4)医療制度の改善について

  • 前政権による医療改悪は、高齢者をターゲットにした自己負担の引き上げと保険給付の削減、診療報酬の抑制、療養病床の38万床から22万床への削減など、受診抑制と入院患者追い出し等、国民の命と健康に重大な影響を与え、大量の「医療難民」「介護難民」を生み出してきた。新政権に対し、改悪された医療制度を元に戻し負担軽減と公的保険の拡充を図るとともに、医療崩壊を招く「公立病院改革ガイドライン」はただちに撤回するよう要求すること。
  • 今日、産科・小児科など深刻な医師不足によって、救急患者の「たらい回し」が起こる等、地域医療が危機に瀕している。国に対し、抜本的に予算を増やし診療報酬を大幅に引き上げるとともに、不足しているNICU増床など周産期医療体制の充実、医師や看護師等の養成・確保を図るよう要求すること。

(5)真に安心できる年金制度の確立について

  • 国連の社会権規約委員会から、わが国の公的年金には最低保障が存在しないことの懸念が表明され、同委員会は公的年金の最低保障制度を取り入れるべきだと勧告をおこなっている。国に対し、最低保障年金制度を創設するとともに消費税をその財源としないよう求めること。
  • 保険料を25年以上納め続けなければ1円も年金が支給されないという受給条件は異常にきびしく、給付は劣悪という年金制度の貧しさの改善は重要問題である。年金受給のための条件を「10年以上」へとただちに引き下げるよう国に求めること。併せて無年金者、低年金者の救済対策を要求すること。また申請しなければ年金がもらえない制度を改めるよう求めること。
  • 特別障害給付金支給制度は、その支給対象を広げ全ての無年金障害者に対して適用されるようにするとともに、障害基礎年金と同額に引き上げるよう要求すること。また障害基礎年金の支給要件緩和を求めること。

(6)介護保険制度の改善について

  • 国による介護保険制度の改悪によって、この間、本市でも不当に要介護度を低く認定して「軽度者」の保険利用サービスの切り下げが強行されてきた。新しい認定方式を改め、もとに戻すよう国に求めること。
  • 特別養護老人ホーム等の「ホテルコスト」と称する居住費と食費の全額自己負担によって入所者が負担増に耐えられず、特養ホームからの退所等を余儀なくされている。国に対し、こうした利用者負担を軽減するよう要求するとともに、本市では特養施設やショートステイ、デイサービス等の食費等に対する減免制度を設けて救済するなど、低所得者対策を拡充すること。
  • 本市の特別養護老人ホーム待機者は、6,836人にものぼっており、早急に整備計画を見直し、待機者解消のために必要な増設を促進すること。併せて、介護療養病床の廃止方針の撤回を国に要求するとともに、生活支援ハウスの増設やグループホーム、宅老所など小規模多機能施設への支援強化を図ること。
  • 相次ぐ介護報酬の改悪によって、事業所の運営を悪化させ、現場の介護労働者の賃金体系も下がる一方で、離職者が相次ぎ慢性的な人材不足を招いている。今回の引き上げだけでは根本的な解決にならず、介護報酬とは別枠での公費投入による賃金の月3万円引き上げの実現とともに、介護報酬の大幅な底上げ、当面5%以上の引き上げを国に求めること。その際、保険料上昇につながらないよう国費を増額するよう求めること。また、本市において介護施設職員の人件費に補助を行う独自制度を設けるなど介護人材確保のための方策を講じること。
  • 年金平均月額4万7,000円のお年寄りにとって、3年毎に引き上げられてきた介護保険料は支払い能力の限界に来ており、保険料を引き下げること。また約13億3千万円の基金を活用して、低所得者独自減免は第4段階まで拡充をはかること。
  • 利用料についても、在宅サービスの支給限度額に対する利用率が依然として低迷しており、重い利用料負担のため必要な介護が受けられない実態にあり、低所得者のための市独自の利用料減免・助成制度を設けること。併せて、その財源は必要に応じ一般会計から補填するとともに国にも財政措置を求めること。
  • 国の介護給付負担割合25%を、全国市長会も要求しているように、当面直ちに5%引き上げ、さらに給付費の50%まで計画的に引き上げるよう国に要求すること。

(7)高齢者など個人給付等の拡充について

  • 老人医療費助成制度を復活するとともに、大幅に縮小された敬老金及び敬老祝品支給を元に戻すこと。また、老人クラブの補助金を増額すること。
  • 本市の高齢者乗車券制度は所得制限を撤廃し、全ての高齢者に交付するとともに、給付額も増額してお年寄りの生き甲斐である社会参加を促進すること。併せて、渡船料の65歳以上高齢者無料制度を復活すること。
  • 廃止された寡婦医療費助成は元に戻すよう県に要求すること。

(8)全ての難病患者や長期慢性疾患者、小児慢性疾患児の公的医療費助成制度を抜本的に拡充するとともに、新規の難病指定を速やかに行い、関係予算を増額して治療研究を進めるよう国に求めること。

(9)国民の死因の第一位である癌に対する国の対策が後退しており、検診への支援の復活など対策の充実を国に求めること。終末期医療患者の緩和ケア施設(ホスピス)が圧倒的に不足しており、市の責任で増設すること。併せて、民間病院の緩和ケア病棟などを促進するための補助制度を設けるとともに、NPOなどのボランティア体制を支援すること。

(10)本市原爆被害者の相談事業を維持・強化するための運営費補助を拡充するとともに、福祉プラザの駐車場使用料を全額免除すること。また長期入院患者見舞金及び死没者遺族弔慰金補助を増額するとともに、鍼・灸・マッサージ治療費を補助すること。併せて、被爆者全員に市営地下鉄や渡船の福祉乗車(船)証を交付すること。また被爆二世の希望に応じて「被爆二世健康手帳」を交付し、被爆者援護法に定める健康管理手当支給の疾病について医療費の助成をおこなうこと。併せて国に対し、原爆症認定を被爆者の実態にあった方法に改善するよう求めること。

(11)アスベスト対策については、石綿使用施設の解体、撤去作業等による被害発生防止に万全を期すとともに、関係者の治療補助制度をつくること。また、石綿被害救済法は、国や企業の責任を曖昧にし、対象疾病を中皮腫と肺がんに限定しており、きわめて不十分である。国に対し、指定疾病に石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水を追加し、地方自治体の負担をなくすなど、同法の見直しを求めること。

(12)市民の保健・衛生向上を促進すること

  • 猛威をふるう新型インフルエンザは、発生当初より収まったものの学校・学級閉鎖、死亡者がでるなど甚大な影響を及ぼしている。市は正確で丁寧な説明と、抗ウイルス薬のタミフルを含め安全性の監視・検証を強めるとともに、無償接種の対象を広げること。また、医師体制などの強化とともに、季節性インフルエンザなど国の感染症対策予算の増額を要求すること。
  • 乳幼児に重い後遺症を引き起こしたり、死亡に至らせたりするおそれの高い重篤な感染症である細菌性髄膜炎について、その原因であるヘモフィルスインフルエンザb型(ヒブ)と肺炎球菌のワクチン接種は、任意であり費用は自己負担となっている。ワクチン接種に対する公費助成と、定期接種対象疾病に位置付ける予防接種法改正を国に要求するとともに、本市独自にワクチン接種の定期化と費用助成を行うこと。
  • 「医療費の適正化」の名のもとに行われる「特定健診」および「特定健診指導」は、加入者の受診率や利用率が一定の目標に達しない場合、多額のペナルティが課せられるものである。本市での特定健診の実施にあたっては、従来の健診水準と費用負担を元に戻し真に市民の健康保持・増進に役立つようにすること。併せて、市以外での受診や医療機関の出張健診、貧血・心電図など検診項目の追加を要望するとともに、国に対して受診・利用率に伴うペナルティカットをしないよう要求すること。
  • 「健康日本21福岡市計画」については、推進体制を地域自治会や住民だけに押し付けるのではなく、予算措置を大幅に増やして体制拡充し行政責任を果たすこと。また、市は、市民の自主的・自覚的な健康活動への参加を支援・保障すること。

(13)食品の安全性を確保すること

中国産冷凍ギョウザへの農薬混入事案をはじめ、非食用の事故米穀の不正規流通事案など近年、食品関連の事件が相次いで発生しており、食品の安全性確保は急務である。

  • 本市の検査、監視、指導、研究体制を強化するとともに国に対して抜本的な対策強化を求めること。とりわけ、学校、保育所などの大量調理施設に対しては「重点検査」でごまかさず、法定通り決められた回数の立ち入り検査を実施し安全確保を図ること。
  • 「福岡市食品衛生監視指導計画」では、業種、施設ごとの標準監視回数はAランクでわずか年2回、3万件を超える対象施設に食品衛生監視員は53人と極めて貧弱である。したがって、食品偽装を未然に防ぎ市民の食の安全を守るため、食品衛生監視員や監視回数を大幅に増やすこと。また、国に対して、独立行政法人まかせの食品表示検査を抜本的に改めるとともに、その予算確保や必要な法整備、内部告発対処の迅速化を要求すること。
  • アメリカのBSE対策は極めて不十分であり、日本と同様に全頭検査対策をアメリカに取らせるまで牛肉輸入を禁止するよう国に要求すること。

(14)生活保護行政を充実すること

  • 昨今の急激な雇用情勢等の悪化の下、失業者数の増大など貧困と格差がいっそう強まるなか、本市においても生活保護世帯が前年度比14.4%増の約2万4000世帯を超え、深刻な事態となっている。市長は、政府に対し、生活保護費を全額国庫負担にするよう要求するとともに、保護基準を抜本的に引き上げ、母子加算復活を新年度以降も続け、廃止されたままの老齢加算も復活するよう求めること。
  • 生活保護申請が急速に増大するなか、本市の体制は国のケースワーカー配置標準数「80対1」をはるかに上まわる「112対1」となっており、現場に多大な支障をもたらすなど実態に合っていない。非常勤職員で間に合わせるのではなく、標準数を満たすよう不足している専門のケースワーカーを85人以上大幅に増員して、迅速で親身な対応が出来るようにするとともに、保護決定は14日以内の法定期限を厳守すること。
  • 市独自の「福祉手当」を創設し、夏期・年末にそれぞれ支給するとともに、国に対して、夏季一時扶助費の新設と期末一時扶助費の大幅増額を求めること。
  • 生活保護は市民の「最後のよりどころ」であり、「面接」「指導・助言」を口実に不当に保護申請を排除することは許されず、「生活保護のしおり」や必要な申請用紙を各区福祉事務所のカウンターに常設して自由に申請できるようにし、申請権を保障すること。また、人権侵害の一括同意書や履歴書提出の強要、受給後の予告なしの訪問調査、病気や年齢等を無視した就労強制、扶養義務や辞退届けの強要などをやめること。なお、保護費の支給明細書を受給者本人に分かるように改善すること。
  • 保護費を積み立てた預貯金や生命保険等の解約返戻金、交通事故補償金などについて一律に収入認定しないこと。また、家や土地、自動車など実態を無視した資産活用強要はやめるとともに、ローン付き住宅を保有している人にも、必要な場合、保護を適用すること。
  • 市営住宅同様、民間家賃についても直ちに「家賃代理納付制度」を適用するとともに、実態に応じて住宅扶助費を引き上げること。
  • 公立高校の所要額を目安にしている「高校就学費用」は極めて不十分であり、私立高校への進学を困難にするばかりか、授業料・入学準備金・修学旅行費など不足額を「生活扶助費」やアルバイト料等で補填しなければならないのが実態である。国に対し、基準を抜本的に見直し増額するとともに、大学、専修学校等への進学者については強制的に世帯分離して保護を打ち切るやり方をやめるよう要求すること。
  • 保護世帯がいつでもどこでも安心して受診できるよう、現行の医療券方式をやめ、健康保険証のような「医療証」に改善すること。入院治療に必要な寝巻き・オムツ等の支給制限や通院回数制限をやめるとともに、長期入院被保護者の実態を無視した6ヵ月以内の強制退院を強要しないこと。また、移送交通費は無条件に支給すること。入院中の住宅扶助打ち切りをやめるよう国に求めること。
  • 要生活保護世帯向け長期生活支援資金(リバースモゲージ)制度を強制しないこと。適用に際しても、「個人の尊厳」に基づき、まず保護申請を受理した上で救済し、本人の自由意志を尊重して強要しないこと。
  • 「自立支援プログラム」については、内容を十分に説明し、参加する、しないは被保護者の意思によることとし、不参加を理由に生活保護の打ち切りをしないこと。

(15)ホームレス対策を強化すること

  • 市内のホームレスは約960人余と増加の一途をたどっており、さらに未曾有の雇用悪化の影響で事態は急激に深刻化している。ホームレス対応窓口を博多区役所(保護3課)だけでなく、全ての区役所で申請できるよう拡充すること。
  • 国の「ワンストップサービス」や本市の駅頭・公園での巡回訪問などの対応は、単に相談だけでなく、その場で保護申請できるようにすること。また、厚生労働省の「貧困・困窮者支援のための生活保護制度の運用改善」通知(2009年10月30日)に基づき、緊急の一時的宿泊所を確保して救済すること。
  • 就労自立支援センターに引き続き、一時保護・自立支援センターを早急に設置するとともに、民間ボランティアやNPO支援団体への補助金を大幅に増額すること。
  • 急迫保護入院の場合、退院即打ち切りでなく、療養が継続できるよう居宅の確保や就労斡旋などの抜本的な自立支援策を講じること。ホームレス患者受け入れ医療機関への入院協力金を増額すること。

(16)障害者施策の充実・改善を促進すること

  • 障害者とその家族に過酷な負担と苦しみを押しつけてきた障害者自立支援法を一刻も早く廃止し、障害者が真に人間らしく暮らせる総合的な保障制度を確立するよう、国に申し入れること。当面、2010年度から、定率1割の「応益負担」や給食費等の実費負担の廃止、障害程度区分認定の抜本的見直しなどを図るよう求めること。また低過ぎる事業所報酬単価と「日割り」計算方式は、施設の減収、労働条件の悪化、利用者へのサービス低下を招いており、国に対し、報酬単価を大幅に引き上げるとともに、月額計算方式を復活させるよう要求すること。
  • 障害者自立支援法が廃止されるまでの間、本市においては、市独自の負担軽減制度を継続拡充すること。併せて、同法に基づき作成された「福岡市障害者福祉計画」(第2期)は抜本的に見直すこと。
  • 改悪された重度心身障害者医療費助成制度については、所得制限等をやめるとともに、将来の自己負担導入はしないこと。また、貴重な越年支援給付となっている重度心身障害者福祉手当を廃止することは許されず、存続拡充すること。
  • 障害者の自立と社会参加に重要な役割を果たしている小規模作業所への本市補助金は不十分であり増額すること。特に小規模作業所の土地家屋借り上げ料補助について月額3万円の限度額を大幅に引き上げ、送迎負担金軽減対策、給食や健康診断にかかる補助制度を認可施設と同様につくること。地域活動支援センターに対する国庫補助金を実態に見合った水準に引き上げるよう求めること。
  • 重度障害者の入院中のヘルパー介護ができるよう国に要求するとともに、当面、本市においても「コミュニケーション支援」事業として入院時ヘルパー介護制度を実施すること。また、就学前障害児のホームヘルプ利用が困難となっており、必要な人が利用しやすく改善すること。
  • 精神障害者に対するJRや西鉄等の交通運賃割引、市営渡船の運賃割引を他の障害者と同等に実施して格差をなくすこと。また、現在配布されている福祉タクシーのチケットは移動手段を自家用車中心に生活している重度障害者の場合、ガソリンチケット制を設けて同額分を受け取れるようにすること。
  • 地域生活に移行するための大切な「受け皿」となる精神障害者グループホーム等への本市の設置費や運営費補助は実態に合っておらず、大幅に増額して、グループホーム施設を拡充すること。
  • 障害者の雇用を促進するため、不十分な市職員への障害者採用の職域を拡大し大幅に増やすとともに、障害者就労支援センターのジョブコーチ等を増員常勤化して体制強化し民間就職斡旋や就労安定対策をいっそう拡充すること。日中活動系サービスを整備するなど特別支援学校卒業後の障害者(児)の進路対策を充実すること。
  • 障害者・児への日常生活用具・補装具等の負担が大きくなっており、給付については、必要な新規用具を付け加えた上で、低所得者の負担軽減を拡充すること。
  • ガイドヘルパーが1対1で付き添い、社会参加など外出の支援を行う移動支援事業は、障害者に不可欠の施策であるにも拘わらず、病院内移動や散歩、政治活動、宗教活動などを制限し、報告書提出を義務づけるなどの要項は人権侵害であり、ただちに改め、外出内容の制限をなくすこと。
  • 障害者のバリアフリー対策の拡充が求められており、既存の公的施設等にも「福祉のまちづくり条例」等で義務付けを強化するとともに、必要な助成措置を実施すること。車イス対応の障害者用市営住宅を増設すること。

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3 人工島など大型開発をやめ、生活・安全優先のまちづくりへ転換を

(1)人工島事業について

人工島の事業計画は、これまで3度の計画変更を余儀なくされ迷走し、市長は、12月、従来計画を改定した「アイランドシティ事業計画」を発表した。計画をつくっては破綻、改訂してはまた破綻という経過は、人工島事業そのものの破綻を示している。

  • 今回の計画においては、まちづくりエリアの市5工区の平米あたりの価格を従来の計画では14万1300円だったものを10万800円へと4万500円、つまり3割も引き下げた。価格をこんなにも大幅に引き下げるのは、事業が立ち行かなくなっている証しである。計画では、この区域を先進的な「環境共生のまちづくり」等と位置付け94.6haのうち65.4haを住宅用地とし、来年度から14年かけて分譲を完了するとしている。これ以上の住宅用地は必要なく、今回の分譲計画はやめること。また、北東部には野鳥公園を整備し「水と緑の拠点づくり」を進めるとしているが、野鳥公園を口実にした税金投入をやめること。
  • 世界的不況の中、コンテナ取扱数の伸びは計画で示しているような右肩上がりにはならない。新たなバースを整備する必要性はなく、D岸壁整備計画はやめること。
  • みなとづくりエリアの土地処分についても、厳しい経済状況の下で、契約辞退が起こるなど大型物流施設の需要がないというのが市場の実態である。また、新青果市場を人工島に移転させることは土地処分の困難さを明らかにしている。したがって、現在整備中である4工区も需要はなく埋め立てを中止すること。
  • 新計画の年次別収支計画を見ると、市1〜4工区は、2010年から2014年までの5年間で444億円、市5工区は234億円の土地処分が出来るとしている。機能施設の使用料も2028年以降は現在の2.6倍を当て込んでいる。このような計画は必ず破たんし、収入不足を招き、港湾整備事業基金を枯渇させ、新たな税金投入や借入が必要となり、人工島以外の港湾施設にも大きな支障を与えることとなる。更なる果てしない税金投入の泥沼につながる今回計画は撤回し、人工島事業は凍結すること。
  • 人工島の売れない土地処分のために「投資額の10%、限度額10億円」を大企業に投げ渡す企業立地推進交付金制度はやめること。
  • センター地区における10億円の「企業立地交付金」などこれ以上の税金投入と進出企業への便宜供与はやめること。

(2)「新・福岡都心構想」は、天神通線・薬院舞鶴線等の幹線道路整備などを口実に、銀行やゼネコンのもうけづくりのために天神などの都心の再開発・区画整理を誘導し、公金を投入する仕組みづくりに他ならない。莫大な公費の投入につながる同構想はやめること。また博多駅再整備を口実にして、ムダな大型開発を誘導しないこと。

(3)福岡空港の旅客数は、国の過大な需要予測を大幅に下回り、2008年の旅客数約1,730万人は前年比約50万人減、2000年比では238万人も減っているのが実態である。現在の利用者減とともに、少子高齢化、新幹線やITの普及等々は、事業費2000億円もの滑走路増設が不要なことを示している。空港問題は、既存ストックの有効活用や、近隣空港との連携等で解決し、滑走路増設にきっぱり反対すること。

(4)際限のない巨額の市費投入となる「九州大学学術研究都市構想」の推進をやめるとともに、同「推進機構」から撤退すること。

(5)58億円もの公金を投入する渡辺通駅北土地区画整理事業は、九電や都市未来ふくおか、福岡地所などに便宜を図るものに他ならず、さらなる税金投入につながる再開発事業への誘導はやめること。

(6)香椎副都心の千早駅前公共施設用地については、地域住民が集うことのできる「総合文化・コミュニティ施設」の他、児童館、特別養護老人ホームなどを早急に設置すること。

(7)香椎駅周辺地区土地区画整理事業については、住民や商店街等との話し合いを促進し、商店街の活性化につながるまちづくり計画にむけて住民参加で見直すこと。

(8)西部市場跡地は、地元住民の意向を尊重し、民間売却せず、住民参加の協議会をつくり、公園など公共利用できるようにすること。

(9)九大移転跡地の活用について、六本松跡地に、地元が反対しているマンション等の開発計画を市がURといっしょに押付けることは許されず、これまで大学を支えてきた地域住民の要求を活かし、多くの市民の声を反映させ、緑にかこまれた、ホールを持つ文化施設等を市が設置すること。箱崎キャンパス跡地利用については、一体的活用と公園整備等、四校区協議会などの住民要望を反映させること。

(10)地震対策の強化について

  • 西方沖地震で大きな被災を受けた本市にとって、耐震対策は重要な課題であり、全長55㎞に及ぶ警固断層の状況について、監視を強化するとともに、市民に逐次情報を提供すること。
  • 市有建築物について、計画当初73%の耐震化率を2015年度までに95%にする計画を前倒しして早急に取り組むこと。
  • 本市の「共同住宅」の割合は全国一であり、また旧耐震基準の木造住宅は約65000戸にものぼり、市民全体の安全を守るためにも早急な住宅の耐震改修が求められている。ところが昨年度の民間建築物の耐震診断や改修等への助成額は半減しており、せっかくの制度がいかされておらず補助額の引き上げ等の拡充をするとともに、広報も強め、民間住宅の耐震化率を引き上げること。また人命救済のため、耐震ドアや、耐震ベット、窓や屋根の補強等を含め、助成要件を緩和し、予算の活用を図ること。
  • 住宅以外の民間建築物については、老人や障害者福祉施設など公共性の高い社会福祉施設に関しては、警固断層を持つ本市の実態を含め、耐震対策の重要性についての指導を行い、耐震化を促すこと。市としてもそのための助成制度をつくること。
  • 人家に倒壊など著しい被害を及ぼすおそれのある市内の急傾斜地崩壊危険地域は、申請による26カ所の指定にとどまっている。ゲリラ豪雨発生などによる危険は一層高まっており、早急に実態を調査し、県とも協議して解消すること。

(11)本市の消防力の整備状況は、国の指針に照らしてポンプ車の配備は91.2%しかなく、人員の充足率も予防要員が81.7%、要員全体平均でも89.2%と不足しており、市民の命を守るため早急に増車・増員すること。また救急救命士も大幅に増員すること。

(12) 河川水害対策について

本市を襲った7月24日から26日の集中豪雨は、2級河川をはじめ主要な河川に大量の雨水を流入させ、那珂川や樋井川などで河川決壊、溢水などによる床上浸水など大きな被害を発生させた。市民の命と財産を守る自治体の役割を果たすために災害防止対策の充実が求められている。

  • 市街地を流れる那珂川の水害対策は喫緊の課題であり河床掘削、護岸整備などの「広域基幹河川整備事業」について急ぐように県・国に強く要求するとともに、貯留池などの整備を行うこと。また、若久川については、護岸の嵩上げや河床掘削、バイパス管、調整池整備など浸水防止を具体化し、早期に事業化を図ること。
  • 樋井川については、護岸拡幅整備を含めて河川改修計画を見直し、計画の前倒しと河川管理権限の早急な移譲を福岡県に要求すること。上流域での浸水対策については、公共施設などを活用した調整池やバイパス雨水管などの整備を早期に具体化させること。
  • 2001年度から始まった周船寺川の河川改修事業は、昨年度までの進捗率が16%と遅々として進んでおらず、計画の前倒しで河床掘削や護岸改修整備を早期に完了させること。
  • 須恵川・宇美川流域の松田地区や浦田地区の浸水等の対策については、河床掘削や護岸の嵩上げなど再改修計画の策定を県に要求すること。また内水排除を図るための雨水幹線などの整備を早期に完了させること。

(13)天神周辺地区の浸水対策については、2009年度から始まったレインボープラン天神計画について、事業計画を短縮するとともに、公共施設を活用した貯留池の導入など抜本的に見直すこと。また中央区の分流化事業についても「事業計画」を立て、着手すること。

(14)五ケ山ダムの総建設費1050億円のうち本市負担額は368億円で、また大山ダムの建設費1400億円に対して23年間に亘る割賦負担金と、さらに福岡地区水道企業団の起債償還金の負担分として、給水を受けなくても給水料金に上乗せされ支払いをするなど莫大な財政支出が負わされる。本市の水供給施設は水需要に比べて過大であり、多額の事業費を必要とする五ケ山ダム建設は不要であり、政府のダム建設見直しに基づいて県・国に対して建設の凍結を早急に要求すること。併せて本市の水需給計画を抜本的に見直すこと。

(15)交通対策について

  • 福岡一極集中による都市膨張と交通対策を無視したまちづくりによって、都心部を中心に交通渋滞の深刻化、さらに都市環境破壊が進行しており、天神一極集中の開発の是正、公共交通機関への乗り換え促進等で自動車交通の総量規制など、抜本的な都心部交通対策を確立すること。
  • 天神や博多駅地区等の都心部並びに、赤坂・千代県庁口などの地下鉄駅周辺における自転車駐車場整備を推進すること。また、博多駅・川端駅以外の市営自転車駐車場にも50cc超のバイクの駐車場を整備すること。
  • 西鉄貝塚線と地下鉄との乗り継ぎを解消し、区間を三苫まで延伸する相互直通運転のために、西鉄との協議を急ぎ、アイランド線事業と切り離して早期に事業化すること。
  • これまでの21に及ぶバス路線休廃止により、公共交通空白地域が生じている。交通事業者へ路線の維持を強く要求するとともに、公共交通機関が整備されていない地域でのコミュニティバスの導入を検討すること。
  • 交通バリアフリー促進のため、JR下山門駅、笹原駅や西鉄三苫駅へのエレべーター、エスカレーターの設置を急ぐこと。また、西鉄等に対し、障害者が利用しやすいノンステップなど低床バスの台数を国の基準にもとづき増やすとともに、路線を拡大するよう強く指導すること。併せて歩道の段差解消を急ぐこと。

(16)公営・公的住宅行政について

格差と貧困の広がりがいっそう深刻となる中、住宅は、生存と生活の基盤であり、公営・公的住宅の役割はますます重要になっている。

  • 公営住宅に安心して住みつづけられるよう、国に対し期間を限定する定期借家制度の導入などの住宅政策を改めるよう要求するとともに、公営住宅の絶対数を増やすために新規公営住宅への予算補助を要求すること。また大家の都合による突然の住宅明渡し要求等に対応するための本市の特別随時募集制度や空家待機募集制度がポイント制に一括されたことにより、従来の入居対象者が申し込みすらできない状況となっており、救済策を講じること。
  • 生活不安の広がりの中、市営住宅の入所対象が切り捨てられたものの公募倍率は21.2倍と高率だが、2005年度以来、新規建設はゼロのままである。建替中心の建設抑制政策を改め、新規市営住宅を大幅に増やすこと。また建替・改善が優先といいながら2008年度のその事業費は2002年度の67%に過ぎず、大幅に増額すること。
  • 単身者向け住宅の倍率は31.02倍、高齢単身者住宅は26.5倍と依然高い。高齢者向け住宅の戸数を早急に増やすこと。またひとり親世帯・心身障害者世帯の入居枠を増やすこと。
  • 市営住宅では、ごく限られた低所得者しか入居できないため、住民の共同活動も困難を抱えている。このような中「孤独死」をふせぐため単身高齢者見守りなどを積極的におこなうため、自治会等に対する支援制度をつくること。
  • UR都市機構住宅には多くの公営住宅入居対象者が居住しており、市内で約3700戸にも及ぶ用途廃止計画は、本市の住宅政策にとって深刻な事態を引き起こすと同時に、これまでのコミュニティを壊し、特に高齢の入居者の居住不安を増大させるものであり、国に対し計画をやめるよう求めること。また南区役所上部など市有建築物内の廃止対象住宅については、市営住宅として活用すること。
  • 3年後までに3分の1を廃止するとした雇用促進住宅は、2009年3月に廃止計画そのものが当面削除され、竹下宿舎等既に廃止を決定した住宅については、すくなくとも3年間は延期するとされたものの住民の居住不安を増大させており、計画はキッパリやめるよう国に要求すること。

(17)分譲マンションの集会所や通路は、一般の住宅街の町内会集会所や多数が使う私道にあたるものであり、本来公共がおこなう基本的サービスの居住者負担を軽減するため、通路、ごみ置き場や公園の固定資産税減免や維持管理費等の補助、防犯灯や受水槽の電気代等の補助などを行うこと。

(18)中高層建築物等建設にかかる紛争について

  • 本市は、共同住宅の比率も空家の比率も全国一高くなっている。これ以上のマンション建設の必要性はないにもかかわらず乱開発が続き、いまだに「マンション紛争」は後を絶たない。市民の住環境を守るために開発規制を強化する用途地域の見直しを行うとともに、用途地域変更の住民提案、建築協定、地区計画の周知と積極的適用に努めること。
  • 「建築紛争の予防と調整に関する条例」は、マンション建設により一方的に住環境悪化の被害を受ける住民を救済するための条例であり、市はその立場で建築業者との調整を行うこと。また「同条例」の形骸化は許されず、建築確認申請前の住民との誠実な、納得のいく話し合いを行わせること、および工事協定も結ばないままの一方的な建築確認申請や工事強行を防ぐことを目的に、「同条例」に関係住民の同意や、罰則規定などを盛り込むとともに、遵守を強く指導すること。また同趣旨で、国に対して法改正を要求すること。

(19)本市の「新・緑の基本計画」では素案の段階で、2020年の緑被率の目標は60%とされていたものが、本計画では現況の55.4%をも下回る55.0%となっており、これでは開発によって激減している市街地の緑の保全をする力とはなりえず、計画の見直しをおこなうこと。また、緑地保全(保全林)の地区指定を促進するとともに、予算を大幅に増額し、都市緑地の保全・買取を積極的に推進すること。併せて緑の再生にも計画的に取り組むこと。

(20)動植物園の運営と整備、再生計画には、市民とともに飼育担当職員の声も十分反映させるような体制をつくるとともに、地場の仕事おこしのためにも計画を前倒しして推進すること。また長期計画とともに、現在の動物園も魅せるものにするための工夫を行い、動物が本来の生き生きとした姿を見せる展示方法の導入、飼育環境の改善とともに職員の増員を行い、教育的施設としての役割を果たせるようにすること。

(21)九州電力は、「国策」の名で、安全性や必要性についての説明責任を果たさないまま、住民の不安と怒りを無視して日本初の「プルサーマル」を玄海原発3号機で始動させた。九州電力と国に対し、原発の危険性を増幅するプルサーマルを中止するよう求めること。また玄海1号機等の原発の総点検をおこない、老朽原発をはじめ安全が危ぶまれる原発については、運転を停止し、安全を確保するとともに、市民への報告と情報公開を求めること。併せて原発は、十分な安全の保証がなく技術的に未確立であり、計画的に撤退するよう国に要求すること。

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4 地球温暖化対策をはじめとする環境問題について

(1)地球温暖化対策について

地球温暖化の被害が取り返しのつかないレベルになるのを避けるには、温暖化抑制に有効なルールをしっかり設定し、それにもとづいた中長期的な取組を進めることが重要である。鳩山首相は、先の国連・気候変動首脳会合で「1990年比で2020年までに25%削減をめざす」と表明したが、京都議定書で2012年までの目標とした1990年比6%削減を達成するとともに、その実現に向けた具体的な対策が求められている。

  • 産業界は温室効果ガスの総排出量の8割を占め、わずか166の事業所だけで日本全体の二酸化炭素排出量の50%に達している。政府と産業界の間で削減目標を明記した公的な削減協定を義務付けることや、企業の目標達成のための補助的手段としての「国内排出量取引制度」や、二酸化炭素の排出量などに着目した環境税を導入するよう国に要求すること。
  • 二酸化炭素の排出量の9割がエネルギー由来であり、エネルギー対策は温暖化抑制のかなめとなっている。現在、自然エネルギーは一次エネルギーのわずか2%にとどまっており、2020年までにその比率を15〜20%に引き上げることを明記した「自然エネルギー開発・利用計画」を策定するとともに、自然エネルギー発電の普及には、長期的な採算の見通しが重要であるため、電力の固定価格買取義務制度を導入するよう国に要求すること。
  • 本市に於ける二酸化炭素の排出量の実態は家庭部門が21%、業務部門が35%、運輸部門が34%となっている。市は、市内の大規模事業所を有している企業に対して「福岡市役所環境保全実行計画」と同様の温室効果ガス削減に関する目標数値や、市民への公開などを内容とする削減計画の策定を働きかけること。
  • 市有施設に太陽電池パネルの設置や、風力、水力など自然エネルギーによる電力の確保を図ること。また住宅用太陽電池パネルの設置枠の拡大など補助制度の一層の充実を図ること。

(2)博多湾の水質は、COD75%値の経年変化で2008年度西部の一点以外は環境基準点が未達成であることなど、人工島建設に伴い悪化しており、環境汚染は深刻化している。汚染防止のために、下水排水や港湾内部生産の抑制など保全策の充実を図ること。また環境基準点を増やすこと。

(3)クロツラヘラサギ、ミヤコドリなど多様な希少種が飛来し、休息場や餌場となっている国際的に重要な湿地である和白干潟を国設鳥獣保護区特別保護地区に指定させ、早急に「ラムサール条約」の登録湿地とすること。また今津湾を含め、博多湾全体を国設鳥獣保護区にすること。

(4)光化学オキシダントは市内のすべての測定局で環境基準を上回っており、大気汚染は深刻な状態が続いている。本市庁用車の低公害車導入を一層促進するとともに、民間業者への普及を一層促進すること。また、都心部への交通規制の強化など抜本的な対策を講じること。国に対して自動車排ガス規制の強化を要求すること。

(5)国道3号線など道路沿線の住民の環境整備、緑地帯保全等の切実な要求に誠実に応えるとともに、箱崎阿恵線の交通騒音・振動について低減対策を講じること。

(6)ごみ行政対策について

  • 一般家庭ごみの有料化は、本市の行政責任を放棄し、低所得者に特に重い負担増を押し付けたものであり、元の無料に戻すこと。
  • 本市のごみ処理基本計画は、「ダイオキシン対策」などとして大型廃棄物処理施設の建設を進めてきた国の誘導策に基づくもので、過大な施設をはじめ大量生産、大量消費、大量焼却を前提にしたもので問題である。いかにごみを出さないようにするかという基本的な観点で、行政と市民、事業者と一体となったリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の推進などごみ減量を基本とする計画に抜本的に改めること。また、分別収集品目の拡大を図ること。
  • 「容器包装リサイクル法」は、事業者の責任と負担を消費者と自治体に転嫁し、自治体の費用負担を増大させる「改悪」とも言える内容になっている。「家電リサイクル法」とあわせ、発生抑制や製造企業の引き取り義務など製造者責任を盛り込んだ法改正を早急に行うよう求めること。現在、自治体が費用を負担し行っている容器包装廃棄物の分別収集の費用負担を事業者負担とするよう求めること。また、市の責任で一般家庭から排出される空き瓶・ペットボトルが、リサイクル効果を生むための再生受け入れ施設を整備すること。
  • ごみは各自治体の責任において処理するものであることから、大野城市、大宰府市など他都市からのごみの受け入れはただちに止めること。ごみ排出量が減少している状況の下で過大な大型施設につながる南部工場建替え計画については見直すとともに、都市圏南部環境行政推進協議会は解散すること。
  • 本市での一般廃棄物のうち事業系ごみ排出量は52%と全国平均36%を大きく上回っており、事業系ごみの減量対策の充実が求められている。企業任せでなくオフィス紙ごみのリサイクル等の推奨、目標提示など積極的な取り組みを行うこと。
  • 住民押しつけ型の校区紙リサイクルステーションではなく、高齢者や障害者など社会的弱者に配慮する上でも、市の責任で定期的に古紙回収を実施し、紙のリサイクル率を引き上げ、ごみ減量と市民の負担軽減を図ること。また地域集団回収報奨制度や回収業者助成を増額し、ごみ減量リサイクルを支援すること。併せて、広報・啓発等を担っているリサイクルプラザ事業は、縮小することなく、各区に拡充すること。

(7)産業廃棄物については、排出する企業者に対して発生抑制、有害な廃棄物は出さないなどの責任強化を図ること。また、処分については、土地の所有者に産廃の不法投棄が行われないよう措置する努力義務を課すことや、水源地などに産廃処理施設を設置することができないように位置規制を盛り込むなど「廃棄物処理法」の改正を国に要求すること。また、本市においても、厳重な立ち入り監視・調査・指導を行うとともに、「福岡市産業廃棄物処理施設の設置に関わる紛争の予防及び調整に関する要綱」を条例化して同様の趣旨を盛り込み、違反者への罰則規定を強化すること。

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5 中小企業の営業を守る総合的施策、農林水産業の再建を

(1)中小企業・業者対策および経済対策について

  • 2009年1〜6月の本市倒産件数は94件、負債額約666億円と深刻である。本市の全企業の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業・自営業者が“がけっぷち”においやられているいま、その経営の存続と安定をはかることは市政の緊急の課題である。09年度、本市の中小企業予算は15億円足らずであり、1事業所あたり2万1000円にすぎない。広範な中小企業の要求に応えられるよう、中小企業予算を大幅に増額すること。
  • 世界的不況に対して、市長は公共事業の前倒しなどと融資枠の拡大をおこなっているが、それだけでは実態に合っておらず、民間需要を喚起することがいま求められている。中小零細建設業者が要求している住宅リフォームへの助成制度は、助成予算の20倍を超える波及効果を生んでいる。住宅リフォームへの支援制度を創設すること。
  • 市内の全中小商工業事業所を対象にした対面・ヒヤリングによる調査を実施し、施策に反映させること。
  • 人工島をはじめとする大型公共事業に偏重した現状を見直し、小規模・生活密着型、福祉型の公共事業への本格的な転換をすすめること。
  • 下請代金の未払いや大手ゼネコンによる低単価発注などをやめさせるためのルールが守られておらず、実態を把握し対策を講じること。自治体の仕事を受注する企業に、人間らしく働ける賃金と労働条件を義務づける「公契約」条例の制定をすすめること。
  • 貸し渋り、貸しはがしが生じないよう金融機関に強力に働きかけること。本市制度融資の保証料をいっそう軽減すること。返済猶予や利子補給を実施すること。保証協会の「緊急保証」制度は、全業種を対象にしていないだけでなく、拒否・減額される企業も見受けられる。緊急保証制度について全業種を対象とするほか、審査条件を緩和するよう国に求めること。さらに、「一般保証」制度に導入された「部分保証」制度を廃止し、全額保証に戻すよう、国に要求すること。

(2)農林水産業の振興について

  • 食料自給率向上のためには農業の振興が不可欠であるが、農産物価格保障対策や経営安定政策が不十分で農業従事者が安心して農業にはげめない。米だけでなく、本市において生産量が多い花卉、野菜の価格安定対策や助成制度を改善・拡充することを国に要望し、本市農業を守ること。アメリカとの自由貿易協定(FTA)、オーストラリアとの経済連携協定(EPA)について、市として反対を表明し、国に対し締結しないよう求めること。ミニマムアクセス米を中止するよう要求すること。
  • 燃油や飼料の価格高騰が経営に与える影響の大きい施設園芸や畜産などには直接補てん措置が不可欠であり、市独自の制度をつくること。
  • 耕作放棄地を増やさないことは、国土の保全のためにも重要な課題である。市民農園を拡大するとともに市民参加型の生産を市がイニシアチブをもって推進すること。
  • 農家の後継者とともに、近年、増えつつある非農家や他産業からの農業への新規参入者の定着に力をいれ、生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な支援体制を整えること。株式会社への農地取得の解禁に反対すること。
  • 大きな被害を出している有害鳥獣の対策制度を拡充すること。
  • 林業は地場産業であり、低炭素社会にむけた大きな可能性を持っており育成していかなければならない。しかし、安い外材の影響で市内産木材の需要が伸びず、荒廃森林も増えている。市内産木材を使用した住宅建設や改修に対してインセンティブを与え、地元木材の利用・販売促進に努めること。公共施設・設備にも市内産木材を積極的に使用すること。
  • 燃油などの経費増と産地魚価の低迷が、漁業と漁民経営の存続を深刻に脅かしている。価格安定対策を国に求めるとともに、漁場環境の保全、改善や後継者問題に取り組むために振興策の充実と予算を増やすこと。

(3)新青果市場について

新市場の整備においてはPFI方式を採用しないこと。

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6 憲法と子どもの権利条約を生かし、子どもの成長・発達を中心にすえた教育・文化行政の推進を

(1)教育行政について

今日、日本の教育は長年の自民党政治と「構造改革」によって歪められ、「子どもの貧困」「教育格差」は深刻な形でひろがり、学ぶ権利が侵害され、学力にも影響を与えている。また、世界の中でも異常な競争主義と序列主義について国連子どもの権利委員会からも「競争的な教育制度の是正」を勧告されている。改悪された教育基本法を抜本的に改訂し、憲法および子どもの権利条約に基づき、一人ひとりの子どもの学び、成長する権利の保障を中心にすえた教育行政へ転換するとともに、教育内容・方法への介入、教育の自主性侵害をしないよう国に求めること。

(2)本市の学校教育について

  • 本市の教育予算は政令市中最低水準となっており、抜本的に増額すること。
  • 改訂された教育改革プログラム「新しい福岡の教育計画」は実態に合っておらず、現場の声を生かし抜本的に見直すこと。その間現場への押し付けをやめること。
  • 悉皆による一斉学力テストは子どもと学校間の競争を激化し、子どもと教職員の困難を増大させており、来年度以降は実施しないこと。
  • 少人数学級について、市長の公約違反は許されず、常勤講師の採用等必要な手立てをとり、35人以下学級を全ての学年、学校に拡充すること。併せて、正規職員を大幅に増やし30人以下学級を即時実現するよう国・県に強く要求すること。
  • 「学校規模適正化」については子どもを中心に考え、情報の公開と住民合意を基本に据え、一方的な押し付けを行わないこと。
  • 学校選択制や学校評価システムは競争を激化させ教育にはなじまないものであり、導入を行わないこと。2学期制については現場の声を聞かないままの拙速な導入・押し付けを行わないこと。小中一貫校は、競争の低年齢化を生み出すものであり、導入しないこと。
  • 貧困と格差の拡大の下、給食費さえ払えない低所得の保護者も増え、就学援助制度の充実は、さらに切実になっている。適用基準を大幅に広げ、周知徹底するとともに、市独自にメガネ購入費等、適用項目を拡充すること。国に対して制度の充実を求めること。
  • 「指導」と称した相次ぐ体罰は違法であり、教育委員会の責任で一掃すること。
  • 中学校部活動は顧問や指導員不足による廃止が深刻化しており、指導体制づくりの方策を検討するとともに、補助指導員の大幅な増員や指導日数を増やすため、更なる予算増額を図ること。県に対し県大会の参加費徴収をやめるよう求めるとともに、当面参加費について市費で補助すること。
  • 新型インフルエンザの流行により、学校での音楽、芸術教室のキャンセルが相次いでおり、市内の、ある児童劇団の損失は1000万円を超える等深刻な事態となっている。学校公演のキャンセルによる文化・芸術団体に対する損失を補てんする仕組みをつくること。

(3)教職員体制について

  • 教職員は休みたくても休めず長時間過密労働を強いられ、精神疾患による休職者が増え続け新規採用職員の初年度退職も起きる等、健康破壊が深刻である。過重・超過勤務の実態を踏まえ是正のための実効性ある措置を取るとともに、休暇を取りやすい環境を整えること。また、病気休暇の代替教員の配置を速やかに行うよう県に求めること。市費事務職員の削減は教職員の事務作業削減方針に逆行し多忙化に拍車をかけており、元に戻すとともに、市費教職員の給与削減は行わないこと。休憩室の未整備状況は法令違反であり、直ちに改善すること。
  • いじめや不登校の実態を改善するためにも、子ども達の相談相手となっている養護教諭の複数配置を急ぐこと。専門のカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを全校配置するよう国に求めるとともに、当面、市独自に手立てをとること。
  • 全ての学校図書室に、専任の司書を早急に配置するよう国に定数措置を求めるとともに、当面本市独自に配置すること。司書教諭については市費加配の活用等による授業時数の軽減を図り、司書業務を行える条件をつくること。
  • 「指導力不足教員」政策と結びついた「新勤務評価制度」は、ILO・ユネスコから「教員の地位勧告」に抵触すると指摘され根本的見直しを直接勧告されている。本市においても「目標管理」による教職員評価制度が教師の自由を奪い現場を硬直化させており、やめること。
  • 県による出張旅費の削減によって、出張をしても旅費が支給されないという許されない事態を生んでおり、県に対して適正な交付を求めること。
  • 教員採用試験の試験問題・選考基準を公表し、受験者に採点結果を通知するなど透明性・公正性を確保すること。教員免許更新制は撤回するよう国に求めること。
  • 市費非常勤講師の報酬大幅引き上げ、長期休業中の生活保障、年次有給休暇の保障等待遇改善を図ること。

(4)学校教育施設について

  • 学校施設整備予算を増額し、築25年以上を経過しても大規模改修が行われず先延ばしされてきた老朽校舎の改善を速やかに実施すること。また、施設・設備をはじめとする学校環境・安全点検は予算も組んで専門家により一斉に行い、学校からの意見も日常的に聴き、必要な改善は速やかに実施すること。
  • 教室の温度について、夏期は30℃以下、冬期は10℃以上という国の教室温度基準を満たしていない場合が多く、子どもと教職員の健康にも悪影響を与えている。扇風機の設置は根本的な解決にはならず無駄であり、学校の全ての教室に早急に冷暖房を設置するための計画を立て着手すること。
  • 学校のいたる所にスレート板やPタイル等、アスベスト含有材が使用されており、破損時には飛散し危険であるにもかかわらず、対処方法等について学校への周知は不十分である。指針を策定し、当面の取り扱いについては緊急対策を図るとともに、対処後の報告を徹底させること。
  • 多くの学校でプールが老朽化し、生徒の安全対策にも支障が出ているにもかかわらず、今年度の改修もわずか1校にとどまった。紫外線対策としての日よけの設置を含め、改修計画を抜本的に見直し来年度から計画的に進めること。
  • フロアーにトイレが無い等、不足している学校については増設を行い、多目的や洋式トイレの適正配置を図るとともに、「臭い」「汚い」「暗い」等の問題を解消すること。
  • 生徒数が1,000名規模になっている壱岐小、那珂小、松島小、西新小、高取小、百道中などの過大規模校は教室が不足し分割授業ができないなど授業にも支障が出ており、地域コミュニティーに混乱をもたらす校区調整ではなく、早急に分離・新設を行うこと。また、西宮市など他の自治体に習い、今後児童数の増加が予測される地域でのマンション建設を規制すること。

(5)特別支援教育について

  • 特別支援教育については、子どもと保護者の選択権を重視し、適正就学指導委員会の判断結果の一方的な押し付けを行わないこと。また、普通学級に通う色弱、難聴等、視覚・聴覚障害児童・生徒に対する支援を強化するなど、希望の進路に添った学校の受け入れ体制を整えること。
  • 小中学校の特別支援学級は保護者と子どもの意見を重視し、本来の学校区への通学を基本に大幅に増設するとともに冷暖房設置を進めること。LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)など障害の多様化に対応する支援体制の充実を図り、「介助員」については、大幅に増員して必要な児童・生徒に行き届くようにすること。「支援員」については、2ヶ月という短期の臨時的任用という配置は問題であり、安定・継続できる雇用体系とすること。
  • バリアフリー化を進めるため、肢体不自由児が通う全小中学校へのエレベーター設置を行うとともに、完備されるまでは介助員の配置等支援体制を充実させること。狭隘化している特別支援学校職員室の改善を図ること。

(6)高校教育について

  • 国に対し、新年度から高校無償化を実施するとともに、私学への経常費補助の増額、返済不要の奨学金創設などを求めること。また、深刻な雇用・経済状況の悪化により、保護者の失業や倒産が増え、進学や通学の断念など、子どもたちの高校教育を受ける権利が脅かされている。市教育振興会の高校奨学金の入学支度金、奨学資金を実態に見合うよう増額・改善するとともに、所得要件等の基準を緩和し、定員増を図ること。国、県の修学資金が適用できない世帯を救済できる市独自の「緊急貸付制度」を創設すること。
  • 博多高等学園の定員を増やし、就労支援のための専攻科を設置するとともに、高等部Bコース(軽度学級)を各特別支援学校に設置し、全員が希望するコースに入学できるようにすること。 

(7)幼稚園教育について

私立幼稚園の運営は幼児の減少や人件費の負担増などで極めて厳しい状況にある一方、共働き家庭の子の預かり保育の実施による対応にも苦慮しており、教諭の待遇改善を図るためにも、運営費補助等を大幅に増額すること。

(8)学校給食の改善について

  • 給食運営にあたっては、「安全・安心・おいしい」が原則である。ところが、学校給食センター再整備基本構想づくりにおいては民間の儲けづくりが優先されるPFI等の手法が検討され、食器も安全性が確立されていないPEN樹脂製食器が検討される等問題が多い。構想づくりは、市民参加でやり直し、中学校のセンター方式を自校方式へ改めること。また、輸入食品の受け皿にもなっている「統一献立・一括購入方式」をやめ、地元農業の振興にも資する地元農水産物中心の給食に転換すること。
  • 「食育」の観点からも学校給食の充実が求められており、調理員体制について現行の非常勤職員制度を改め、文部科学省基準以上の人員を市の正規職員で配置し、責任を持った調理を行うこと。また、退職者の補充は直ちに正規職員で行うとともに、有休の代替要員は市の責任で確保すること。各小学校に栄養士を配置すること。
  • 食材の高騰等を理由にした給食費の引き上げを行わないこと。

(9)人権・同和教育について

  • 任意団体である「市人権教育研究会」等への補助金の支出をやめるとともに、学校研修、連絡会等を通じての解放同盟の教育介入を排除し「全市一斉人権教育研修会」については廃止すること。
  • 同和枠から一般対策に移行された加配教員を、実質的に「同和」枠として配置していることは許されず、市費の非常勤講師等を含め、少人数学級の実施など真に教育上必要な学校への配置とすること。
  • 本市の「人権教育・啓発基本計画」は、「同和問題の解決に向けた取り組みの手法・成果を生かす」などとして、実質同和問題のみに矮小化しており、このように人権を侵し、差別を温存する同和教育の延長となるニセ「人権教育」の押し付けはやめること。 
  • 学校やPTAへの「同和研修」の強要、解放同盟の運動や主張に加担する「研修」名目での職員の出張をやめること。

(10)図書館について

予算を増額し、蔵書の充実を図るとともに、遠距離の市民でも書籍等の活用ができるように公民館や配本車などで検索・貸出・返却ができるシステムづくりを行うとともに、図書館の増設を検討すること。また、総合図書館や分館の司書は正規職員として増員すること。

(11)文化財について

文化財関連予算を増やし、埋蔵文化財など文化遺産の調査、発掘、整理、保存に従事する専門家を増員し、調査員の身分保障と待遇改善、人員の確保に努めること。

(12)社会教育施設及び文化芸術・スポーツ行政等について

  • 公民館が自治協のセンターにされ、社会教育機関としての役割・機能が脅かされている。職員体制の充実をはじめ、必要な手立てをとること。
  • 市長は、市民のための文化芸術・スポーツ予算を大幅に増額すること。青年が、仕事帰りにも気軽に使えるような文化芸術サークル活動や音楽・演劇練習場等の施設を増設するとともに、自主的活動を行っている本市の市民文化団体、スポーツ団体への運営費助成や事業補助を大幅に増額すること。
  • 市内一ヵ所しかない青年センターは老朽化が進んでおり、この際、施設の改善充実を図るとともに、増設も検討すること。
  • 市民会館や市民体育館、市民プールなど老朽化している文化・スポーツ施設の改善・充実を図ること。また、野球・ソフトボール・テニス・サッカー・ラグビー・ダンス・スケートボードなどに気軽に使える運動場やスポーツ施設を新・増設すること。その計画や設計については利用者の声を反映させること。

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7 一人ひとりの子どもが大切にされ、安心して子育てできる市政に

(1)保育行政について

  • 児童福祉法第24条に基づく公的保育制度を堅持・拡充し、全ての子どもが健やかに育つ権利を保障すること。国と自治体の責任を後退させる保育所の直接契約・直接補助方式の導入はやめるよう国に要望すること。
  • 国は児童福祉施設最低基準(保育所の施設設備基準、職員配置基準)を都市部の一部に限って緩和しようとしている。これは今でも狭い保育所に今以上の子どもたちを詰め込むことであり、すべての子どもの発達が保障されないどころか、事故さえ起こしかねない状況を作り出すものである。国に最低基準を厳守するよう要求すること。併せて、本市においては最低基準を緩和する、認証保育所制度の導入はやめること。
  • 2009年10月1日現在、待機児は680人にのぼり、今なお深刻になっている。本市のこの間の対策は既設内定員増など極めて不十分だった。今後策定しようとしている整備計画では、在園児の追い出し、つめこみの定員増や、幼稚園への押し付けをせず、大幅な新設増を基本とするとともに、既存保育園の増改築などの緊急対策で待機児解消をはかること。特に新設などにあたっては、土地の無償貸与などの財政支援をおこなうこと。
  • 公立保育所の民営化については、もともとわずか21ヵ所しかない公立保育所を7ヵ所まで減らそうとしている。待機児童が多いなか、公的責任の放棄は許されず、民営化は中止すること。また公立保育所の改築、増築を利用して定員増をはかること。
  • 保育事業の大半を担っている民間保育園への補助金は毎年のように削られ、職員や法人の犠牲的な努力によって運営がおこなわれており、補助金の削減は許されず大幅に増額すること。併せて老朽化した施設の調査をおこない、補修・補強に必要な施設予算を確保し、財政支援をおこなうこと。
  • 2010年度の保育料の値上げはしないこと。高過ぎる保育料はすでに限界を超えており、他都市並に市費を繰り入れ、保育料を引き下げるとともに、第2子以降の減免は保育料の高いほうを適用すること。
  • 認可外保育所は、24時間保育や、一時、休日、延長保育、障害児保育など、市民の多様な保育要求に応え、地域の子育て支援、家族支援に大きく貢献し、市の保育行政の補完的役割を果たしている。認可外保育所への運営費の補助を創設するとともに、全ての認可外保育所利用者への利用料の補助をおこなうこと。併せて、認可化をめざしているところには支援をおこなうこと。
  • 職員配置基準については、市独自に保育士対子どもの人数を0歳児は1対2、1歳児は1対3、2歳児は1対5、3歳児は1対10、4歳児・5歳児は1対15へと改善すること。また基準が満たされるよう補助すること。
  • 各園の非常勤職員を正規職員にするとともに、賃金を時給1200円以上にし、保育士のワークングプア状態を改善するよう財政支援を行うこと。
  • 障害児を受け入れる保育所全てに保育士を加配すること。また、巡回指導や障害児保育研修、個別観察指導・保護者カウンセリングなどの体制を整えるとともに、看護師等を配置すること。
  • 政令市のほとんどが実施している産休明け保育を、本市においても公的責任で早急に実施すること。また保育ニーズを踏まえて、休日保育、病児保育、病後児保育など特別保育事業を充実させること。

(2)子どもの医療費助成制度については、中学生まで拡大した自治体が次々に生まれている。本市においても、中学生まで無料にすること。あわせて、子どものメガネ・コンタクトにかかる費用も助成対象とすること。また、乳幼児医療費助成制度を国の制度として行うよう要求すること。本市など政令市と一般市町村に対する乳幼児の医療費補助格差の是正を県に求めること。

(3)留守家庭子ども会について

  • 児童数70名を超える留守家庭子ども会は81か所もあり、改善が急務となっている。増築などで実質的な分割をおこなって、全ての子ども会を70人以下にすること。また、施設のうち狭隘化施設は59か所、老朽化施設は33か所もある。施設改善を急ぐとともにトイレの増設をおこなうこと。
  • いじめや不登校の実態を改善するためにも、子ども達の相談相手となっている養護教諭の複数配置を急ぐとともに、養護教諭や心の教室相談員の意見が、学校全体の教育指導に生かされるよう保障すること。また専門のカウンセラーを全校配置するよう国に求めるとともに、当面、市独自に手立てをとること。
  • 本市では来年度より、留守家庭子ども会事業は順次高学年の受け入れを開始しようとしている。学年拡大に伴い施設の建て替えや増築を急ぐとともに、指導員や補助指導員も大幅に増やすこと。併せて学年拡大にあたっては、児童の生活環境の低下にならないように、指導員の研修を行うとともに保護者や指導員の要望を定期的に聞き改善に努めること。
  • 利用料は、重い負担となっている。来年度から無料に戻す手立てをとること。
  • 児童数40人以上の子ども会には3人以上の正規指導員を配置し、健全育成に責任が持てる体制とすること。また障害児受け入れの子ども会へは、まず正規指導員1名を加配し、その上で、障害児童数に合わせ指導員を加配すること。
  • 開設時間の延長など労働強化となっている指導員・補助指導員の賃金を引き上げること。児童の健全育成のためにも経験豊かな指導員こそ必要であり、5年間の任期付き雇用を撤廃するとともに、希望する職員については、そのまま採用すること。また、指導員と同一労働である補助指導員の待遇格差は許されず、公務災害補償が適用できるようにすること。

(4)子どもたちが放課後や休日に安心してすごすことができる重要な「児童館」は、本市においては中央児童会館一つしかなく、市長は児童館建設をおこなおうとしない。児童館事業は国も認めた事業であり、そのような公的責任を放棄する態度は許されない。今日、その必要性はますます高まっており、子どもプラザや公民館では肩代わりできるものでなく、専門職員のいる児童館を小学校区ごとに早急に設置すること。また、今後建設される地域交流センターには児童館機能を持たせること。あわせて中央児童会館の建て替えにあたっては利用者の声を反映すること。また、高校生も集える「若者の居場所づくり」の施設は各区につくり専門員を配置すること。

(5)こども総合相談センターによせられた、いじめや虐待、不登校や非行など深刻な相談は2008年度で15,146件にものぼっている。親身な相談活動ができるように児童福祉司や児童心理司を大幅に増員するとともに、児童相談所を増設すること。

(6)子どものアレルギー疾患は多様化、増加の傾向にあり、季節・ストレス等での病状悪化等、患者は常に大きな不安感を抱いている。不安解消と治療促進のためにも、最新の医学的根拠に基づいて相談に応じられるような体制の充実を行うこと。また除去食の給食を行っている保育所に補助を行うこと。併せて当面喘息とアトピー性皮膚炎を学校病の指定に加えるよう国に要求すること。

(7)ひとり親世帯は年々増えており、母子家庭の平均所得は年約211万円で、9割が「生活が苦しい」と感じている。加えて昨今の大不況のもとで、生活苦はさらに深刻で、児童扶養手当はまさに「命綱」である。度重なる制度改悪により減額された児童扶養手当を、「就業意欲」を口実にした不当なカットがおこなわれることのないよう、また同手当の額の引き上げと対象の拡大をはかるよう国に求めること。あわせて市独自の「上乗せ手当」の支給などの措置を取ること。また、父子家庭にも児童扶養手当の支給をおこなうよう国に求めるとともに、母子家庭同様、所得(就労)、住宅、医療、教育、家事などへの援助策を講じること。

(8)母子・寡婦福祉資金の貸付実績は年々減ってきている。必要なときに借りやすい制度にするためにも、無利子・無保証人とし、貸付金額を増額するなど施策の改善を行うこと。また、各種貸付制度は申し込みから2週間以内に貸与できるように借入れ手続きを簡素化すること。

(9)母子家庭医療費助成については、児童扶養手当支給制限強化に連動した対象制限をやめること。

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8 女性の声を市政に生かし、真の男女平等社会実現へ

(1)労働における男女差別撤廃について

  • 正規女性の賃金は男性の6割にすぎず、男女の比率は6対4なのに、管理職は9対1が実態である。日本の男女差別撤廃と女性の地位向上のために、参議院でたびたび採択され、90か国以上が批准している女性差別撤廃条約選択議定書を直ちに批准するよう国に求めること。あわせて8時間労働条約、権利侵害を国連に通報できる制度を定めた女性差別撤廃条約選択議定書などを早急に批准するよう国に求めること。
  • 女性労働者の半数以上が、パートなどの非正規雇用であり、賃金は女性正規雇用者の7割しかない。09年4月にパートタイム労働法の改正が行われ、事業主の遵守要件が多くなったが、罰則規定などはなく実質、事業主の言われるままの雇用体系となりかねない。パートタイム労働法を事業主に遵守させ、賃金、その他の労働条件について正規労働者との差別的取り扱いを禁止するよう国に要求すること。
  • 雇用悪化の下で、「育児休業をとったら解雇された」との“育休切り”が急増し、いまだに「出産・子育てと仕事を両立しにくい」状況にある。全国の雇用均等室に寄せられた育休や妊娠・出産による解雇などの相談は昨年度(2月まで)約3000件、福岡県では67件に上っており、実質妊娠・出産による退職を含めればこの数では収まらない。国が法律で育児休業制度の普及を推進し、“育休切り”を禁止しており、本市としても市内企業などへの啓発を強めること。
  • 男女雇用機会均等法の施行から20年余たったにもかかわらず、男女の賃金格差、昇進昇格差別の改善は遅々として進んでいない。また同一価値労働同一賃金を定めたILO100号条約はすでに批准しており、条約にもとづく格差是正が求められる。企業への指導を徹底するとともに、法律の見直しをはかり、間接差別の範囲の拡大・強化、強力な救済機関や罰則・強化などをすすめ、事実上の差別禁止、是正をすすめるよう国に要求すること。
  • 市の課長級以上の女性役付職員は6.4%と昨年よりわずか増えたものの、ここ数年は横ばいとなっている。これは政令市平均を下回り、「雇用における平等」に反するものである。女性の採用、管理職への登用を積極的に進め、昇給、昇任などの差別を一掃すること。また、政策、方針決定への女性の参画を促進するために、各種審議会の女性登用率を大きく引き上げること。

(2)市職員の育児・介護休業取得状況は、男女ともに取りたくても取れないというのが実態である。給与保障など経済的支援、人的支援、昇任昇格制度の改善などを行うこと。

(3)ヨーロッパなどでは自営業・農業の女性の働き分を経費に認めることが主流であるが、わが国では、所得税法第56条でそれを必要経費として認めないとしている。これは事業継承の障害にもなっている。この廃止を求める国会請願署名は71万人にも上り、全国で129自治体が廃止を求める意見書を採択した。所得税法56条を廃止し、家族従業者の労賃を正当に評価する税制に改善するよう国に要求すること。

(4)国連からのくりかえしの改善勧告や国民要求にもとづき、選択的夫婦別姓制度の導入、再婚禁止期間の撤廃、婚外子差別禁止、「離婚後300日」規定の改善など民法の改正を速やかに行うよう国に求めること。

(5)男女雇用機会均等法では、事業主はセクハラ被害者が不利益な取扱いを受けることがないように「留意」すべきとあるが、相談をきっかけに退職に追い込まれるなど防止対策としては不十分であり、被害者への解雇や不利益扱いの禁止を明記するよう国に要求すること。本市でも「セクシャルハラスメント防止条例」をつくり、その一掃に努めること。当面、セクハラや女性労働者の様々な訴えに対し、被害者の保護、助言・指導・勧告が効果的に行えるよう、相談・苦情処理・紛争解決のできる専門の窓口を各区に設置すること。

(6)2008年度アミカス等に寄せられたDV相談は2725件と4年前の1.8倍にものぼっており、市として「配偶者からの暴力防止及び被害者の保護のための施策に関する基本計画」を早急に策定し、休日・夜間の相談体制を整え、心理療法担当職員、子ども連れの被害者のための保育士や学習援助者など、相談・一時保護・自立支援の施策を拡充すること。自立に要する費用の補助などをすすめ、不足している母子寮の増設、民間シェルターへの補助金など支援の拡充、一時保護から自立に向う中間的施設(ステップハウス)の開設・運営への助成を図ること。また、更生と再発防止のために加害者へのカウンセリング、教育などを行うこと。併せて、増加するDV被害の訴えに対し、必要な体制が追いついておらず、国に対し実効ある救済策を確立するための予算の増額を要望するとともに、加害者の犯罪対応と、加害者更正プログラムに関する規定を盛り込むよう求めること。

(7)男女共同参画推進の拠点施設であるセンターはアミカスに限るのではなく、各区1ヵ所ずつ、低料金で気軽に利用できる便利な場所に建設すること。

(8)いわゆる「慰安婦」問題は、かつての戦争において日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与え、その子孫も親世代が傷つき癒されていないことで傷ついている。国連人権委員会は「慰安婦が自由を奪われた事実上の奴隷であったことは日本政府も認めて」いると指摘し、戦後64年経た現在でも国の賠償義務と加害者個人の刑事責任は免れないとのべた。1993年の河野内閣官房長官談話に基づき、責任を認めて公的に謝罪すること、問題解決のために被害者の名誉回復を図ることを政府に要求すること。

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9 汚職腐敗を正し、清潔、公正、平和、市民参加の市政を

(1)本市行政をめぐっては、開発優先の市政運営の下で人工島をめぐるケヤキ・庭石事件をはじめ政官業の構造的癒着が横行してきた。市役所から汚職腐敗を一掃するとともに、市長は市政を歪めかねない財界との不適切な関係をやめること。

(2)企業献金について、現行政治資金規正法は問題があり、新政権でも見直しの動きがある。これまで汚職腐敗が横行してきた本市においては、国に先がけて企業・団体献金の全面禁止及び、本市発注公共事業の受注企業や下請け企業への政治資金パーティー券販売を禁止すること。

(3)内部告発制度については、調査主体を第三者機関など外部とし、外郭団体・第三セクター内部からの告発も調査対象とし、告発者の保護についても匿名通報、不利益取扱の禁止などを盛り込んだ条例を制定すること。

(4)94に及ぶ外郭団体・第三セクターについては、その必要性が厳しく問われている。特に問題がある株式会社については出資を止めること。また、博多港開発や都市未来ふくおかなど、無駄な開発を進める第三セクターは廃止、縮小を行い、その他の団体についてはその運営、事業及び予算の執行について厳正な監査、指導を行い、そのあり方について抜本的に見直すこと。

(5)外郭団体や利害関係のある民間企業への市退職幹部の天下りを禁止すること。口利き斡旋については規制措置を強化すること。また(株)博多座への高額の役員報酬をもらう高級幹部の天下りは直ちに止めること。

(6)桑原敬一元市長の銅像建立計画を市当局と自民党などが推進している。桑原元市長は、人工島など大型開発推進と借金膨張、政官業癒着と汚職、福祉切捨ての結果、市民から見放されて市長選挙で落選した人物であり、その銅像を市民の大事な税金を使って公共施設内に建てることは不当極まりないことであり止めること。

(7)入札制度の改革について

  • 一般競争入札の運用にあたっては、等級(ランク制)を厳格に適用すること。また地元中小企業・業者の仕事確保の観点から、工事規模に対応して入札参加資格を限定する「条件付き一般競争入札」とするとともに、一定額以下は大企業を排除する逆ランク制度を採用すること。
  • 談合を排除するために、一定数の入札参加業者の排除や予定価格の決定に抽選くじを導入すること。また、談合情報が寄せられた場合、入札の延期を行うとともに、疑惑企業を入札から排除したうえで参加業者をくじ引きで半数に減らすなどの措置をとること。

(8)特命随意契約や委託契約及び、プロポーザル方式の在り方については、今回の「新西冷蔵庫整備事業契約」に見られるように特定業者との癒着構造によって入札の公正・公平さが失われており、制度の総点検を行い抜本的な見直しを行うこと。

(9)ごみ清掃や下水道などの委託人件費が年々下がっており、積算に当たっては、委託労働者の基本給や各種手当を増額し、労働条件の改善を図るよう市が責任を持って委託企業を指導すること。

(10)消費者の権利を守るため、消費者行政の拡充と財源措置を国に要求すること。増加・多様化する相談に対応できるよう消費生活センターの相談員の体制を強化するとともに、相談員が職務に専念できるよう、専門職にふさわしい賃金を保障することや、任期付き雇用を改めることなど待遇改善を図ること。

(11)市長はこの間、市民意見募集やパブリックコメントを行ってきたが、反対意見をまったく無視しており許されない。こうした態度を改め、市民からの要望を政策決定に取り入れること。「聞きたかけん」の対象から請願団体を排除することはやめること。各種審議会等委員の市民公募枠を新設・拡大すること。また、市政の重要事項に関する「住民投票条例」を新設すること。

(12)特定非営利活動(NPO)は、福祉や社会教育、文化・芸術、環境保全などの分野で社会貢献の重要な役割を果たしているものの、人材や資金の確保に苦労している。NPO法人への支援をさらに充実するとともに、NPO 法人の優遇税制を法人市民税減免だけでなく拡充すること。

(13)本市では、全国の同和事業終息の流れに反し、2009年度も1億3,600万円の予算を計上するなど、いまだに同和対策を特別扱いしているが、一般対策の事業も含め「同和」を要件とする特別な施策は直ちに終結するとともに、「福岡市人権・同和行政基本方針」は撤回すること。事実上、市の丸抱えとなっている部落解放同盟福岡市協議会への補助金2,780万円は直ちに全額打ち切ること。「校区人権尊重推進協議会」への「同和研修」を強制する市の指導や補助金支出をやめること。

(14)自治協議会との「共働」と称して、行政が補助金をテコに仕事を押し付けたり、介入したりするやり方は、本来の自治会活動に支障を来たすなど、様々な矛盾を生んでおり、こうした住民自治組織の自主性を壊すやり方はやめること。コミュニティー推進員制度と称して地域自治の侵害をしないこと。

(15)市民の平和と安全を守るために

  • 板付基地は、かつて朝鮮戦争やベトナム戦争で米軍基地化され、市民に痛ましい犠牲を強いて来た。現在でも米軍輸送機の飛来が相次ぎ市民に大きな不安を与えており、市長は、今回の米軍専用区域内倉庫の一部解体を機に、その即時全面返還を国と米軍に対して強く要求するとともに、福岡空港の軍事利用に反対すること。
  • 市長は、米軍艦の博多港入港を「親善・友好」「休養」などとして、この1年間余で4回も許可したが、博多港の軍港化の企てに屈する米軍いいなりの卑屈な姿勢は許されない。「核密約」が明らかになりつつある中、核搭載の疑いのある軍艦をノーチェックで入港させたことは無責任極まりない。港湾管理責任者としての権限と責任を明確にし、市民の安全確保の立場から、博多港への米軍及び自衛鑑の入港をいかなる名目であれ拒否するとともに、「非核神戸方式」を導入すること。
  • 公共施設を軍隊に提供したり、市民の土地や物資を強制使用・収用したりすることを盛り込み市民を戦争準備体制づくりに強制動員する本市国民保護計画を破棄すること。明白な憲法違反である自衛隊の海外派兵をやめるよう政府に要求すること。また、本市の防災訓練における自衛隊の関与は最小限にとどめ、自衛隊車両の子どもの体験試乗などはやめさせること。
  • 新政府に対して、「核密約」問題の徹底調査を求め、真に「非核三原則」の法制化を要求すること。「核兵器のない世界を求める」市議会意見書採択に呼応して、市長は、非核自治体宣言を行い、「福岡市非核平和条例」を制定するとともに、他政令市に比べて極めて少ない平和事業予算を大幅に増やして、博多港引揚記念展示など独立した平和資料館を設置すること。

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