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政策と活動

自民党・公明党による
約束破りの正副議長職「たらい回し」に抗議する

2021年6月23日 日本共産党福岡市議団

6月議会の最終日、阿部真之助議長(自民党)と楠正信副議長(公明党)が任期半ばで辞任し、議長選挙の結果、伊藤嘉人議員(自民党)が議長に、山口剛司議員(公明党)が副議長に選出されました。

地方自治法には、正副議長を議員の中から選挙し、その任期を議員の任期(4年)とすることが定められています。福岡市議会では、最大会派の自民党とそれに次ぐ公明党の票が集中し、議長職は自民党議員、副議長職は公明党議員が就任することが続いてきました。結果的に独占状態になっています。

ところが、自民党の議長が任期途中で議長職を辞し、別の自民党議員がそのポストに選出されるという、実質的に「短期交代制」ともいうべき事態が、これまで頻繁に繰り返されてきました。このため「できるだけ多くの自民党議員が『議長経験者』という肩書きや名声を得んがために、談合して議長職のたらい回しをしているのではないか」という疑問・批判が市民の中から上がっていました。

議会の様々な役職については全ての会派や議員の合意のもとに慣例的な運用をすることはあり得ますが、正副議長職については「短期交代制は法の趣旨からして適当ではない」(『逐条地方自治法』)「議長交代制をとっている例がみられるが、法定どおり四年とすべきである」(『議員必携』)と言われるように、大会派の思惑だけでポストを私し、法律の規定をねじまげることは許されません。

わが党は、議長職の任期途中での辞任が起きるたびに、この立場から対応し、任期を全うするよう粘り強く働きかけてきました。

そうした中で、2009年に「正副議長は任期を全うする」「市民の信頼と議会の権威を高めるために今回のような行為は二度としないことに努力する」「以上の2項を確認事項として各派遵守する」という3点での申し合わせが代表者会議で成立しました。2017年にもこの合意は再確認され、これが福岡市議会での全会派が合意した基本ルールになっています。

今回、このルールをまたしても破る事態となりました。しかも今度は公明党までがこれに加わり、同時に辞任を言い出したのです。

任期の途中で正副議長職を辞する場合、地方自治法上、議会の許可が必要であり、正当な理由がなければなりません。わが党は阿部議員と楠議員が全く同時期に辞任する理由について具体的にただし、それぞれ「家族の介護」「心身の限界」などをあげたものの、議員を続けながら正副議長職のみを辞すほどの根拠として到底納得できるものではありませんでした。また、両議員が所属する自民党・公明党も「本人が辞めると言っている以上仕方がない」と述べるなど、両議員が任期を全うするための具体的なサポートに努力した形跡は見当たりませんでした。

結局、「正当な理由」に相当するものは見出せず、ポストの「たらい回し」であると断ぜざるをえなかったため、わが党は本会議で正副議長の辞任に反対しました。

わが党は代表者会議で、基本ルールについての認識を問いただし各会派は「重く受け止めている」と回答して、再確認されました。今後どの党であれ約束破りを繰り返すことは許されません。

日本共産党市議団は、自民党・公明党による正副議長職の「たらい回し」に厳しく抗議するとともに、代表者会議の確認事項に基づいて正副議長が任期を全うするよう強く要求し、議会に対する市民の信頼回復と議会の公正で民主的な運営を実現するため、ひきつづき全力を尽くすものです。


以上



2021年6月議会「6月議会を終えて」(2021年6月23日)

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