政策と活動
2020年4月10日
緊急事態宣言を受けての
新型コロナウイルス問題での申入れ
教育長 星子明夫殿
日本共産党福岡市議団
団長 中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議 綿貫英彦
市議 堀内徹夫
市議 松尾りつ子
市議 山口湧人
新型コロナウイルスの感染拡大にともない福岡県などを対象にした緊急事態宣言が発令されました。感染の爆発的拡大を抑えるために外出自粛の要請などをとることは当然であり、その実効性を最大限に高めながら、社会・経済生活への影響を最小限にすることが求められます。そのために、この新しい事態のもとで、わが党として調査などにもとづいて、貴職に以下の点を要請します。
1教職員の自宅勤務を奨励すること。
学校の臨時休業が延長されましたが、教職員は学校に出勤することがあいかわらず「原則」になっているところが少なくありません。中には、非常勤講師に対しても、自宅勤務にせずに出勤を求める事例もあります。
緊急事態宣言を受けた文部科学省のガイドラインでは、臨時休業中の教職員の勤務について「児童生徒等の学習の保障の見地から必要な業務を継続」としつつ「在宅勤務…の工夫」を求めています。
授業という「必要な業務」の中核がなくなった以上、臨時休業期間は非正規もふくめ有給での自宅勤務を原則とし、出勤は最小限にすべきです。
2学校の学級数を確定して対処し、子どもが減っても学級数を減らさないようにすること。
学校の始業式が行われないために学級数を確定できず、そのために児童・生徒にたいする教育・指導の方針が定まらないという声が寄せられています。現時点での状況で学級数を確定して対処するとともに、仮に今後再開され学級数を変動させる際にも、児童・生徒が転居等であと1~2人減って学級編成基準以下になったとしても、少人数での学級を奨励する立場から、学級数は減らさないようにすべきです。
3教科書を早く確実に給与すること。
緊急事態宣言を受けた文部科学省のガイドラインでは、教科書の配布について「例えば保護者のみを対象とした学校説明会等の場を活用して給与する等、主たる教材である教科書が、臨時休業期間中における家庭学習にも用いられるよう、各学校に納入された教科書について遅滞なく児童生徒に給与すること」としており、一刻も早く児童生徒の手に渡るように手立てを取るべきです。
4新型コロナウイルスの影響による所得減少などで就学援助が受けられる事実を周知すること。
新型コロナウイルス感染症の影響で家計が急変する世帯が増えており、これらの世帯は本市でも就学援助の対象となりますが、この事実を知らない家庭も少なくありません。また、市のホームページなどでの案内も必ずしもわかりやすいものではありません。工夫をして制度の周知を徹底すべきです。
5図書館の予約貸出を再開すること。
緊急事態宣言をうけて図書館が完全休館となり、これまで行われていた予約貸出の業務も休止しています。
読書は「知的で心豊かな国民生活と活力ある社会の実現に欠くことのできないもの」(「国民の読書推進に関する協力者会議」報告書)であり、とりわけ子どもの読書活動は推進法が制定され、特別に位置付けられています。
いわゆる「3つの密」を避け外出自粛をするうえで図書館自体の休館はやむをえませんが、あらかじめ本を予約してそれを受け取るだけであれば、「生活の維持に必要な場合」とみなせるものであり、また、自宅での読書によってより効果的に外出時間を削減することができます。
したがって、予約貸出業務だけは再開すべきです。
6現場の声を聞いた決定、決定事項のすみやかな伝達をすること。
市立学校の臨時休業をゴールデンウィークまで延長することが決められましたが、この決定について感染症の学識経験者はもとより、学校現場からの聞き取りや実態の調査はまともに行われておりません。また、決定後も学校関係者に連絡がなく、先に髙島市長のブログで知った市民から問い合わせが殺到するなど、現場に困難がもたらされています。
トップダウンで重要な決定を行うのでなく、専門家や現場の声をきき、よく実態をつかむとともに、決定をした場合は速やかに学校現場に伝え、準備ができるようにすべきです。
以上
(市長宛)緊急事態宣言を受けての新型コロナウイルス問題での申入れ