政策と活動
2020年2月4日
個人情報保護審議会の開催中止を求める申入れ
福岡市個人情報保護審議会会長 村上裕章 殿
日本共産党福岡市議団
団長 中山郁美
幹事長 倉元達朗
市議 堀内徹夫
市議 綿貫英彦
市議 松尾りつ子
市議 山口湧人
日頃の活動に敬意を表します。
福岡市の髙島宗一郎市長は自衛官の新規募集をめぐって防衛省に対象者名簿の一括提供を行うことについて、市個人情報保護審議会に諮問しました。これを受け、貴職は2月3日付で第2回福岡市個人情報保護審議会目的外利用等審査部会を招集しました。
しかし、今回の目的外利用の是非を判断する上で個人情報保護条例第10条において非常に重要な位置付けを与えられている同審議会の開催決定過程がまことに異常な状態になっていることは看過できません。
第一に、同審議会の開催日程が本市の「附属機関等の設置及び運営に関する要綱」と「附属機関等の会議の開催に関する要領」をふみにじっていることです。今回2月7日に開催を予定しているのに、その決定を同月3日に行っています。同要領第2条では会議日程などを「当該会議の開催日の前の週の月曜日から…ホームページに掲載する」と定めており、この規定にのっとれば1月30日に掲載しなければなりません。この規定は十分な期間をもうけて市民に周知することによって行政の「透明性及び公平性を高め」(要綱)ようとするもので、民主政治にとって欠かせないプロセスです。こうした日程の規定について、要綱の第7条では「緊急の会議を開催するときは、この限りでない」としていますが、今回についてはこの規定に該当するような「緊急」性は全く見当たりません。市長側に言われるがまま規定違反の日程を性急に決めることは、同審議会の公平・公正性を市民に疑わせるものとなりかねません。
第二に、審議会の傍聴席があまりに少ないことです。わが党をはじめ複数の市議会会派・市議はもとより多くの市民が反対や疑問の声を上げており、今月2日には当事者の若い人たちが反対の集会を博多区で開くなど市民の関心が高まっている問題であることは周知のところです。ところが今回たった5席の傍聴席しか用意されておらず、庁舎外をふくめた会場については照会すらかけていないことが審議会の庶務を務める市の情報公開室からの聞き取りで判明しています。これでは市民をしめだそうとしていると言われても仕方がありません。
このように自衛隊への名簿提供という今回の目的外利用については、市民の強い関心が寄せられている問題であるにもかかわらず、開催日程の規定違反、傍聴席の異常な少なさなど、民主主義的手続きにおいて重大な瑕疵があると言わざるをえず、このまま審議会を開催することは認められません。
よって、今回の目的外利用について、貴職に対し、同審議会の開催を中止するよう強く要請します。
以上