2009年2月4日
福岡市議会議長 川口 浩 様
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 中山いくみ
星野美恵子
ひえじま俊和
倉元 達朗
熊谷 敦子
こども病院人工島移転「検証」に関する
調査特別委員会設置の申し入れ
こども病院の人工島移転の「検証・検討」について、わが党市議団が指摘してきたコンサルタント会社「PwCアドバイザリー」への委託問題や、現地建て替え試算の上乗せ問題が改めて指摘されています。市民から「始めから人工島ありきのでたらめなやり方だ」「吉田市長は責任を取れ」など怒りの声があがっています。
病院移転事業検証・検討チームが現地建て替え費用を128.3億円と試算した際、PwC報告書で85.5億円だったものをゼネコンの意見をふまえて1.5倍にした問題について、2008年10月9日の決算特別委員会総会において、吉田市長は、わが党の質問に対し「非常に経験の豊かなゼネコンの専門家に現地を見てもらい、参考になるご意見をいただいたものであるが、企業名を出さないという条件のもとにヒアリングを行っているので、企業名の公表については控えさせていただきたい」と答弁し、検証チーム責任者だった靏川副市長は「昨年8 月10日前後にゼネコン3社を訪問」と答弁しました。後日当局が市議会に提出した資料には「委託報告書をもとに、現地も確認いただいたうえで、意見を求めた」「担当者がヒアリング相手先企業を訪問」「1.5倍は費用を見込むべきとの意見を頂戴した」と明記されていました。
しかしながら、今回の報道によると、ゼネコン側から「電話で聞かれ、更地に新築するより現在地での建て替えの方が高いと答えただけ」「1.5倍など具体的な数字は言っていない」「コンサルの報告書や図面も見せられていない。現地には行っておらず、広さが何平方メートルかも知らなかった」(読売1月25日)という証言が出されています。これは議会答弁と食い違うものです。
聞き取りの時期についても「約2週間前の7月27日にあった庁内会議で、既に128億円と書き換えた資料を配布」(毎日1月27日)と報道されています。議会答弁が虚偽だったことは明らかです。
この証拠となる、ゼネコンからの聞き取りに関する文書がすでに破棄されたことも問題です。人工島移転決定の根拠となる重要な証拠書類であり、「公文書毀棄罪に当たる可能性は十分にある」とも指摘されており、市長の責任は重大です。都合の悪い証拠を隠蔽した疑いもあります。
さらに吉田市長が1月27日の記者会見で、聞き取り先のゼネコン社名について「知らない。作業内容のすべてが報告されるわけではない」(読売1月27日夕刊)と述べ、現地建て替え試算をおこなった2007年7月のPwC報告書についても「こんな文書みたことない。初めて見た」(朝日1月27日)と述べたと報じられています。
こうした吉田市長の態度は、議会と市民を侮辱するものに他ならず、議会としてその政治責任を追及する必要があります。吉田市長がこれまで議会に説明してきた「検証」の正当性そのものが揺らいでおり、議会として早急に徹底調査にとりくむべきです。「検証」に基づいて策定された「新病院基本構想」を具体化する議案が予算議会に提案されようとしており、急を要します。今こそ行政をチェックする議会の使命を果たす時です。
わが党市議団は昨年8月に設置を申し入れた「特別委員会」は、代表者会議で合意されなかったものの、新たな事態が生じた場合に再検討する旨確認されています。
したがって、日本共産党市議団は、議長に対し、こども病院人工島移転の「検証・検討」に関して、市長出席のもとで、虚偽答弁や証拠隠ぺいの疑惑などの調査を行うため、全議員で構成する特別委員会を早急に設置するよう申し入れるものです。
以上