2008年7月9日
西日本鉄道株式会社
代表取締役社長 竹島和幸様
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
要 請 書
貴社におかれましては、市民の交通確保等のためご尽力いただいていることに感謝申し上げます。
さて、貴社が、福岡市東区香住ヶ丘において計画されていますマンション建設のため、「香椎花園前駅の森」の伐採を進めようとされていますが、貴社及び松本組が住民への説明も不十分なまま着工を強行しようとしていると聞き及んでおり、私たちも大変憂慮しております。
ご承知のように、「香椎花園前駅の森」の保全につきましては、周辺住民によって組織された「香椎花園前駅の森を守る会」が福岡市議会に2度にわたり請願を提出されています。
2月7日の市議会第4委員会における請願審査では、私たち日本共産党はもちろん、紹介議員である自民党をはじめほとんどすべての会派の議員から「福岡市にとって大切な緑であり、西鉄あるいは市の責任でぜひ保全を」との強い要望が出されました。
また先月6月議会に提出されました、自然環境保護推進のため当該樹林地の保全を求める請願によると、「香椎花園前駅の森」において「福岡県の希少野生生物—福岡県レッドデータブック2001」で絶滅危惧種 II 類に指定されている陸貝「キュウシュウナミコギセル」が生息していることが確認され、さらに貴重な生物(カクレミノなど)の生息の可能性も指摘されているとのことです。生態学的な現況調査を行うとともに、森の保全をはかる必要性がいっそう高まっていると思われます。
今日、日本でも世界でも、自然環境の保全はもとより、地域社会への貢献や顧客への説明責任など、企業の社会的責任が強く求められています。貴社におかれましても「事業活動に伴う環境負荷を認識し環境と調和ある事業活動を継続的に目指す」ことが謳われております。折りしも今、北海道洞爺湖サミットが開催され、地球温暖化対策など自然環境の悪化をどうくいとめるか、真剣な論議が行われています。このようなときに、貴社の手によって二酸化炭素の吸収源である森林を消失させることがあって良いでしょうか。
福岡市では、緑地保全に対する市民の要望は強く、本市の重要な政策課題でもあります。これまでも住民と市議会そして進藤元市長をはじめ、桑原元市長、山崎前市長と一緒に、マンション業者の方たちのご協力も得て、鴻巣山やふくろうの森、長尾の里山等々の緑地の保全が実現してきました。
よって、私たちは、「香椎花園前駅の森」の伐採作業の速やかな中止及び開発計画の断念、緑地保全への協力を求め、貴殿が英断を下されるよう強く要請致します。
以上