2004年11月30日
福岡市長 山崎 広太郎 殿
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
幹事長 原田 祥一
星野美恵子
比江嶋俊和
倉元 達朗
中山 郁美
人工島「直轄化」をやめるよう求める申し入れ
新聞報道によると、福岡市は、人工島事業で第三セクター「博多港開発」から二工区の埋め立て事業を譲り受ける「直轄化」について、譲渡に係る約三百九十九億円の起債に関する議案を十二月議会に提出する方針を決めたとのことである。
そもそも人工島事業は、必要性も緊急性も全くない埋め立て事業を継続してきた結果、土地処分計画も資金計画も完全な破たんに陥っている。市長は二千億円を超す公金投入による破たん救済策を続け、さらにこんどは博多港開発二工区の埋め立てを市の直轄事業として継続しようとしている。「直轄化」は少なくとも七百億円もの新たな借金によって行うものであり、市財政への悪影響は計り知れないが、人工島事業の破たん救済を最優先する全く異常な市政運営である。人工島事業は現状で凍結する以外にない。
わが党は、かねてより「直轄化」による破たん救済をやめるよう要求してきたが、市が十二月議会への関連議案の提出を準備するなか、国土交通省及び総務省に対し、「直轄化」を許可しないよう要望したところである。そして国側との交渉のなかで新たな問題が明らかになった。
国土交通省、総務省とも、市側と八月以降一切協議していないこと、今回市が議員に示した埋立権譲り受けの計画を承知していないことを明らかにした。
総務省の担当官は、「直轄化」に係る起債について、総務省として市に対し認可も内諾もしていないと述べた。たとえ議会が予算を議決しても国が認可しなければ起債はできない。こうした行政運営は極めて異常であり、十二月議会への「直轄化」関連議案の提出は問題がある。
また、国土交通省の担当官は、国として「直轄化」を了解していないし後押しもしていないと述べた。さらに埋め立て免許の保有者である博多港開発社長、免許の譲渡先である福岡市長並びに許認可権を持つ博多港港湾管理者が、同一の山崎市長であることに関して、慎重な判断を行うべきだとの考えを示した。これらは、「基本的には国の理解を得た」としてきた市の説明と食い違うものであり、市民と議会を欺くものである。
よって、日本共産党福岡市議団は、以下の点を山崎広太郎市長に対し、要求するものである。
記
- 約三百九十九億円にのぼる「直轄化」関連の補正予算議案の十二月議会への提出をやめること。
- 「直轄化」に関する国との協議内容の詳細を明らかにすること。
- 「直轄化」方針を撤回し、博多港開発工区及び市工区の埋め立て工事を即時凍結すること。
以上
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