2004年4月27日
市民犠牲・責任放棄の「市政経営戦略プラン(原案)」についての
日本共産党の声明
日本共産党福岡市議団
山崎広太郎・福岡市長は4月6日、「財政健全化プラン」「政策推進プラン」「行政経営改革プラン」の3つからなる「市政経営戦略プラン」の原案を公表しました。これは、負担増など市民に大きな影響を与える一方、自ら作りだした深刻な借金財政には何の反省もなく、人工島など大型開発のムダづかいを続けるという重大な内容となっています。
公共料金値上げなど次々に
「財政健全化プラン」は、福岡市の現在の財政状況を「危機的」と認めながらも、そうした事態を招いた反省の言葉はなく、今後3年間の200億円の財源不足を市民サービスの切り捨てと市民負担増で補おうとするものです。その主な内容は、▼家庭ごみの有料化▼下水道使用料の市民負担を増やす見直し▼公立保育所の民営化▼留守家庭子ども会の新たな父母負担▼就学援助の削減(辞書・水着購入費など)▼福祉や文化活動など各種団体や事業に対する補助金の廃止・縮減▼体育館や市民プールの料金値上げ▼道路や市営住宅など生活関連公共事業の縮小、などが挙げられています。いずれも、住民の福祉と生活を守るべき自治体の責任を投げ捨て、市民に重い負担を押し付けるものです。
人工島などムダな大型開発は推進
一方、ムダと浪費の人工島事業は、市民の批判が高まっているにもかかわらず、「政策推進プラン」の中で重点事業と位置づけられ、港湾、住宅、学校、産業集積、市立病院、中央公園、鉄道導入などを推進するとしていますが、博多港開発工区、市工区とも完全に破たんした人工島事業を税金投入で穴埋めするものです。経済情勢も市民世論も無視して人工島開発に突き進む市長には、もはや、経営者としても市長としても資格も能力もないと言わざるを得ません。
深刻な借金財政
市の借金については「市債の発行を計画的に抑制してきた」などとごまかしていますが、一般会計では10年前の約2倍となり、市債残高は市長就任以来年々増加しています。また、市の外郭団体等の「隠れ借金」が706億9千万円余にのぼることも明らかにされました。
今日の危機的な財政状況を生み出した原因は、山崎市長が大型公共事業の推進という前市長の政策を受け継ぎ、さらにその上に借金をいっそう増やし続けていることにあるのは明らかです。「財政健全化」というなら、その自己分析と反省を真摯に行い、開発優先の市政運営に厳しいメスを入れるべきであり、市民に責任と負担を押し付けるべきではありません。
行政責任を放棄
「行政経営改革プラン」は、民間でできることは行政はしないという立場を鮮明にしたもので、もともと市に役割と責任がある福祉や教育などの住民サービスを徹底して切り捨て、民営化や民間委託とすることで民間営利企業に新たな儲け口を作るものです。これは、国民犠牲と大企業奉仕の小泉「構造改革」路線に追随し、財界・大企業がねらう規制緩和策、社会保障切り捨ての「小さな政府」論と軌を一にするものです。自治体が行政責任を放棄し、営利企業と化すことは許されないものです。
求められるのは住民の福祉を守る役割
こうしたプランに、市民と市職員から大きな怒りと不安の声があがっているのも当然です。しかも137万市民に大きな影響を与えるにもかかわらず、策定過程に市民意見を反映させることもなく、十分周知もしないままたった1ヶ月間の意見募集で決定しようとする手法は極めて非民主的、強権的だと言わざるを得ません。
いま市に求められるのは、市民犠牲と責任放棄ではなく、住民の福祉を守るという自治体本来の役割を果たす立場で、大型開発優先の行財政運営を根本から改め、人工島などムダな大型開発をきっぱり中止し、市民生活と地域経済を支える施策を充実させながら、独自財源の確保なども含め財政再建をすすめることです。わが党市議団は、市民本位の行財政運営へ転換するため、引き続き、市民のみなさんと力をあわせて奮闘する決意を表明するものです。
以上
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