2003年6月23日
福岡市長 山崎広太郎 殿
日本共産党福岡市議団
団 長 宮本 秀国
福岡市葬祭場新築工事の随意契約に関する申し入れ
葬祭場新築工事の発注をめぐり、福岡市くらしの環境財団(市が100パーセント出資)は6月20日、入札参加有資格が1共同企業体となったことを理由に、市の指導にもとづいて競争入札を中止し、淺沼組を中心とする共同企業体と約53億円で工事請負の随意契約を行った。
しかし、入札参加資格をもつものが1共同体になった経過は極めて不透明であり、談合や不正がなかったか、市による厳しい調査が求められる。応募した5共同企業体のうち、2つが選定委員会の審査によってはずれ、残る3つのうち大成建設を中心とする共同企業体が、構成員である橋詰工務店が民事再生手続きの申し立てを行ったことから参加資格の取り消しとなった。さらに、清水建設を中心とする共同企業体が、構成員である安藤建設が指名停止になったことから入札を辞退した。こうして入札参加資格をもつものは淺沼組を中心とする共同企業体だけになった。この経過の中で特に、入札予定の前日に談合情報が提供されたこと、再度予定された入札の前日に提供された情報に基づいて、入札予定当日に安藤建設を市が指名停止し、翌日、清水建設を中心とする共同体の入札辞退届が出されたことなどを見ると、今回の技術提案価格競争入札のあり方に応じた、従来とは形を変えた談合が行われた可能性を排除することはできない。随意契約方式への変更が決められた前日には、この入札に暴力団がかかわっているとの告発の手紙まで、多くの市議会議員に届いた。
市には本来、少なくとも入札参加有資格が1共同体となった段階において、調査を行うとともに公募と入札のやり直しを含めて、再検討が求められたはずである。にもかかわらず、市がくらしの環境財団に対し随意契約を行うよう指導した背景に、何らかの不正の意図がなかったか指摘を受けるのは当然であり、山崎市長には、調査とそれに基づく適正な処置をとる責任がある。
今日、ケヤキ・庭石事件の究明が進展しつつあり、第3セクターや外郭団体に対して市民の厳しい目が向けられている。わが党は、公共事業をめぐる利権あさりを許さず、清潔な市政運営を取り戻す立場から、市長に対し次のとおり強く求めるものである。
記
- 今回の随意契約を破棄し、談合と不正がなかったか、すべての段階について行政監察を含めて徹底的に調査を行うこと。
- 葬祭場の再整備そのもの、及び入札のあり方を見直すこと。
以上