2001年10月5日
浜田雅之副議長の議員辞職で
あっせん収賄事件を闇に葬ることは許されない
日本共産党福岡市議団
福岡市の公共事業をめぐるあっせん収賄の容疑で逮捕された浜田雅之副議長は、昨日(7日)、議員辞職願いを提出し、稲員大三郎議長はこれを受理するとともに、辞職をただちに許可した。
市政の監視役として、公共の利益を守り、市民の福祉向上に力を尽くすべき市会議員が、自らの利益のために、法を犯して市職員から秘密の情報をとり、業者に教えて、その謝礼として現金を受け取るなど、政治家として断じて許されない行為である。すでに贈賄側は謝礼を支払ったことを認め、市職員も設計金額を同容疑者に漏洩したことを認めていると伝えられている。議員辞職は当然のことである。
しかしながら、これで事件を闇に葬り、うやむやにすることは絶対に許されない。同容疑者の容疑はあっせん収賄であり、しかも、福岡市の公共事業に係わっての事件である。今、河本建設の談合・贈収賄事件をめぐって市議会には調査特別委員会が設置され、市当局とともに入札制度の改善や職員倫理条例の検討、また、事件の真相解明にとりくんでいるところであり、一方では裁判も継続中である。
本市ではこれまで、業者と市幹部との平日ゴルフ事件、自民党パーティ券事件、河本建設談合・贈収賄事件、土木局部長への便宜供与事件などなど、公共事業をめぐる談合や汚職腐敗事件が相次いで発覚し、何度となく市庁舎が家宅捜索を受ける事態が続いてきた。長く続く開発優先の市政の下でつくりだされた政・官・業、構造癒着がこの根底にあることは明らかである。
今回事件もそうした数々の癒着、腐敗のまさに氷山の一角である。「ある市議は「自分も設計価格を聞き出したことはある。謝礼はパーティ券の大口購入や選挙の応援」と告白」(10月7日「西日本」)という証言も報道されており、今や市議会そのものが問われる状況となっている。したがって、さらに他の議員の関与も含め、本市公共事業全体について、改めて総点検する必要がある。これは決して過去の事ではない。
日本共産党市議団は、企業団体献金を受け取らず、業界と何の腐れ縁もない清潔な党として、市民の税金をくいものにするこれらの事件の真相解明と、再発防止に全力をあげる決意をこめ、市議会にたいして次の要求を行うものである。
記
- 「公共工事不正再発防止等調査特別委員会」に地方自治法百条の権限を付与し、浜田雅之前副議長のあっせん収賄事件を追加付議すること。
- 今回事件に関して浜田雅之前副議長と事件関係者、河本建設事件に係わって木山光蔵前総務企画局長、談合に関与した業者、志岐眞一元助役を喚問すること。
- 政治倫理条例を見直し、強化をはかること。
- 市議会にたいする市民の信頼回復へ、政・官・業の構造的癒着に徹底的にメスを入れるために、あらゆる手立てを取ること。
以上
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