2012年10月30日
保育士たちが市に切実な要求。懇談に同席しました
福祉保育労働組合福岡地本・福岡支部が10月30日に行った、保育分野に関する市こども未来局との懇談に、宮本秀国、中山いくみ、綿貫英彦各市議が同席しました。
仕事を終えてかけつけた保育士ら約40人が参加、市側は保育課・保育所指導課・子育て支援課が応対しました。
労組は8月に保育に関する要求書を提出していました(①児童福祉法第24条に基づく公的保育制度の堅持・拡充、②保育士配置や面積、看護師配置、給食の自園方式などの最低基準の策定、③障害児保育の充実、④保育所整備による待機児解消、⑤保育の人材確保・待遇改善)。
懇談では、保育の現場から切実な声が次々出されました。
0歳児3人に保育士1人となっている現行配置基準について、ある女性保育士は「すべての子どもの気持ちに寄り添った保育ができません。国の基準でいいというのではなく市として2対1にしてほしい」と要望しました。
11時間開所が一般化されたもとで保育士の配置が問題になっていますが、市側は保育所に十分な運営費を支払っていると回答。労組側から「実際には正規の保育士の超過勤務で対応している。現場をもっと見てほしい」との声があがりました。
保育士の増員について、市側は「保育士養成校卒業の50%しか保育士にならない。園長会と協議し、研修会やあっせんなどしているがなかなか増えない」と報告。これに対し、別の女性保育士は「好きな仕事なのにコンビニのアルバイトのほうが給料が高いと思うと続けられないと言って、同期も先輩も保育士を辞めてしまう。非正規は本当にワーキングプア状態」と訴え、正規・非正規とも抜本的な賃上げを要求しました。
給食について市の担当者は「給食の外部搬入は他市では認められているが、本市では認めない。自園で調理することが子どもの発達上も大切」と述べました。
中山市議は「深刻な待機児増加のもと市内の認可保育所は基準ぎりぎりまで詰め込まざるを得ないのが現状だが、重大な事故が起きていないのは現場での保育士さんたちの必死の努力のおかげ。そうした責任と労働実態に見合うしっかりとした賃金を保障する必要があり、そうしてこそ保育士のなり手も確保できる。市として予算を確保し手を打つべきだ」と発言しました。