2011年10月30日
玄海原発にかかわる請願の審査をおこないました
九州電力玄海原子力発電所にかかわる福岡市議会への請願の審査が、10月31日、福岡市議会の第一委員会で行われました。日本共産党からは熊谷敦子市議が、審査に参加。審査は、玄海原発の2・3号機の再稼働の中止、1号機の廃炉、関係8県での対策協議会や避難訓練の実施、住民説明会開催などを求めた請願3件を一括して行われました。
熊谷市議は、まず事故の規模想定を具体的にしなければ、避難計画は具体的にならないとして、福島では過小な想定が住民避難の混乱をまねき、避けられたはずの住民への被曝を与えたと発言。佐賀県が「福島第一原子力発電所における事故と同様の事故が発生した場合」とする暫定計画を作っている例を紹介し、福岡市の想定を質問しました。市側は「いま正確に言えない」として具体的に答えられませんでした。
次に、市側が、再稼働や廃炉について「国の責任において判断されるもの」としていることを追及。九電の「やらせメール」事件をどう見てるかと尋ねると市側は「言語道断」「腹立たしい」と述べたのに、再稼働については「国がしっかり判断する」ので何も九電には求めない姿勢を表明しました。熊谷市議は、市が判断を委ねる国については保安院などが「やらせ動員」をおこない、電力会社べったりの推進機関に成り果てていることをとりあげ、「国も九電同様に言語道断ではないのか」と質すと「国は(適正に)やってくれると思っている」と苦しい答弁をしました。熊谷市議が「九電に何も言わない市に市民は怒っている」とのべると、拍手がおこりました。
1号機の廃炉などについても「市は安全か安全でないか判断できる能力がない」と答弁。熊谷市議は「能力がないとあきらめるのではなく、市民の安全を考えるなら能力をもつべきだ」と批判しました。原子力安全協定について、事故後の情報伝達体制だけでなく、安全確保のための立ち入り調査や計画変更の事前了解などを柱とする佐賀県の協定を紹介。もっとふみこんだ協定にすべきだとただすと、「立地県の協定をベースにしたものを検討している」と重要な答弁をしました。
熊谷市議は請願の採択を主張しましたが、他会派が同意せず、3件とも継続審査となりました。