2010年5月3日
米海軍第7艦隊旗艦「ブルーリッジ」が博多港に入港
米海軍第7艦隊の旗艦「ブルーリッジ」(1万9200トン)が5月1日、博多港に入港し、同4日まで箱崎ふ頭に着岸しました。
同艦は、横須賀基地を拠点とする第7艦隊の全体を指揮する揚陸指揮艦。「殴り込み部隊」の海兵隊員700人を含む2000人が乗船しています。博多港への入港は1981年以来29年ぶり。
博多港の管理責任者である吉田宏・福岡市長は、同艦の入港を「友好親善が目的」として許可しました。
博多港への米艦の入港は2008年以来7回と、吉田市政のもとで増加傾向にあります。米軍が博多港を佐世保基地と一体的に利用できるよう、調査と実績作りを強めているものと思われます。なかでも旗艦の入港は軍事利用の地ならしにさらに踏み込んだものに他なりません。福岡の港と街と市民を危険にさらす暴挙です。
緊急抗議集会ひらかれる
米艦「ブルーリッジ」の博多港入港に抗議する集会が5月3日、箱崎ふ頭で開かれました。地区労連や市職労、平和委員会などが呼びかけ、60人が参加。日本共産党市議団のひえじま俊和、中山いくみ両市議が参加しました。
集会では、博多港への米艦入港を繰り返す米国と、それを容認してきた吉田市長に抗議する決議を採択。「アメリカの軍艦は博多港から出て行け」とシュプレヒコールをあげました。
市当局が異例の対応
日本共産党市議団は4月30日、福岡市平和委員会や福岡地区労連、福岡市職労など民主団体といっしょに、吉田市長に対し、ブルーリッジ入港を許可しないよう要請しました。
この場で福岡市当局は、米領事館に対して「米艦が使用可能な岸壁は限られており、商船の利用に支障が出かねない」「寄港に反対する市民感情を抑えがたい」として、入港抑制を要請したことを明らかにしました。これは前例のない対応です。また、3月の米艦ラシュモア入港の際に続いて、核搭載について外務省に照会したこともわかりました。
「博多港の軍事利用許すな」「米艦入港やめよ」という市民の声が市を動かしています。
米軍音楽隊のどんたく参加に市民から怒りの声
米艦ブルーリッジの音楽隊は5月3日、「博多どんたく港まつり」のどんたくパレードに参加しました。報道によると、米軍楽隊が参加したのは「安保改定50年を祝うもの」とされています。
どんたくは、戦後の再開のさい、憲法記念日にあわせて5月3日、4日に開かれるようになったように、市民の平和の祭りです。市民からは「平和の祭りに血塗られた米軍が堂々と参加するとは許されない。きっぱりと拒否すべきだ」との声があがっています。