2008年11月8日
米軍艦カーティス・ウィルバーの博多港入港に抗議
米海軍イージスミサイル艦「カーティス・ウィルバー」が11月6日朝、博多港に入港しました。
日本共産党福岡市議団は、革新懇や平和委員会、原水協、福岡市職労、新婦人、地区労連、民医連、民青同盟などとともに、入港を許可した吉田市長に対する抗議申し入れ(7日)、緊急抗議集会(8日)など抗議行動に取り組みました。
集会では日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員が情勢報告を行い、「アメリカの対テロ戦争は泥沼だ。それでも麻生首相は対米支援をやめようとしない。田母神前航空幕僚長の発言は自衛隊の中に憲法を否定する流れがあることを示している。憲法9条の旗を掲げてがんばりぬこう」と話しました。さいごに「米軍艦は博多港から出て行け!」「博多港の軍事利用は許さないぞ!」とシュプレヒコールを行いました。
今年3回目の米艦入港
カーティス・ウィルバーは、横須賀を母港にする第七艦隊所属で、核搭載可能なトマホークを装備、劣化ウラン弾も常備している危険な軍艦。報道によると、13日からの日米合同演習に参加するとのこと。
米イージス艦の博多港入港は、2月のプリンストン、7月のグリッドレイに続き今年3回目。米軍による博多港の軍事利用が拡大されつつあります。博多港は、米国が原子力空母の準母港化を狙う佐世保港に近く、その延長港として米軍による軍港化が企まれているものと思われます。福岡の街と市民を危険にさらし、北東アジアの緊張を強める博多港の軍事利用は許されません。
米軍側は入港の目的を「友好・親善」とし、福岡市もそれを認めていますが、軍艦を入港させる必要性も具体的な親善行事もなく、真の目的は軍事利用のための調査と地ならしに他なりません。繁華街では米兵らが騒いだり若い女性に声をかけたりする様子が目撃され、市民からは「米兵による犯罪・事件が次々起きているのに無神経すぎる」「イラクやアフガンで多くの一般市民を殺した米兵との“友好”などあり得ない」など不安と怒りの声があがっています。
米軍にノーと言えない市長
福岡市の「博多港港湾施設管理条例」は、爆発物など危険物を積載した船の施設利用を認めないと規定しており、軍艦の入港を許可した市長は条例違反に問われます。これに対し、市の港湾局課長は7日の申し入れの際、「米軍の入港許可は外交に関わる国の専管事項だ。日米安保条約に基づいている」などと、あたかも市に入港許可の権限がないかのような説明をしました。しかしこれは、港湾が戦争に利用された戦前の反省の上に港湾管理を地方自治体の責任とした港湾法の理念に反する態度であり、地域住民の命と安全を守る地方自治体の役割を放棄するものに他なりません。
イラク戦争を推進したブッシュ路線に米大統領選挙でノーの審判が下されたように、アメリカの軍事・外交政策は根本からの転換が迫られています。ところが、米軍には逆らえないと言わんばかりの市長の態度はまったくの時代遅れです。