議会報告
2026年9月議会
福岡県政に対する信頼の回復を求める決議案に対する賛成討論
2026年9月2日 中山郁美議員
私は日本共産党市議団を代表して、決議案第5号「福岡県政に対する信頼の回復を求める決議案」に対する討論を行います。
本決議案は福岡県議会及び福岡県知事が県政に対する信頼の失墜を招いた結果を重く受け止め、その責任を明確にするとともに、悪しき慣行を徹底的に排除し、信頼の回復に努めることを求める決議であります。
現在、県政及び県議会のあり方に関する県民の怒りはかつてなかったほど高まり、大きく広がっております。
まず1つ目は一部の県議会議員が「海外視察」で多額の税金を私物化し豪遊していたという問題です。日本共産党としんぶん赤旗の調査により3年間で予算の3倍に及ぶ約3億円もの税金を使い、実態は観光旅行まがいの行程、高級ホテルの連泊、航空チケットはぜいたくなビジネスクラスという内容が明らかになったのがことの発端です。先日議員辞職をした蔵内勇夫元議長は自らが会長を務める世界獣医師会の海外活動に合わせて「ワンヘルス公務」と称して、県議会の「海外視察」を専決し、多額の公費を使っていた事実も明るみに出ました。この問題の記者会見の席で、蔵内氏は、「今後も海外旅行は続ける」という発言をし、後に訂正したものの県民の怒りに火をつける結果となりました。
2つ目は議長及び副議長ポストをめぐって数100万及び1000万円規模の現金授受が行われたという疑惑です。この問題は、県議会の議長・副議長を経験した県議会議員らが、そのポストを巡り、自民党県議団幹部から多額の金銭を要求されて支払い、就任パーティーで回収していたなどと相次いで証言した問題です。名指しされた蔵内氏や中尾正幸元副議長は「事実無根」と真っ向から否定し続けたものの、2人とも議員辞職に追い込まれる事態となりました。これが事実であるならば、公職のポストを金で売り買いしていたという大問題です。
3つ目は、福岡県の幹部職員の親睦団体が、長年にわたり給与天引きの会費から、地元の県議会議長らの政治資金パーティー券を組織的に一括購入していた問題並びに県職員が議員の議会質問を作成していたなどの問題です。議会からチェックを受ける側の県幹部がチケット購入という形で議員に便宜を図っていた、あるいは本来行政をチェックすべき県議会議員がチェックされる側から質問を作ってもらっていたという問題は、議会制民主主義の根幹に関わる極めて重大な問題です。
以上の3つの問題を中心として、明らかになった県と県議会をめぐる問題は、曖昧にすることは許されず、当事者が自浄能力を発揮し、徹底解明の上公表するとともに、二度と繰り返さない厳格な対策を取ることが求められており、本決議案は重要な提起をしております。しかし、一方で、この決議案には不十分な点があることを指摘しなければなりません。
福岡市議会においても1人80万円を上限とする海外視察が現在も続けられており、市民からはやめるべきだとの強い批判の声があります。海外視察だけではなく、姉妹都市との周年行事等への議員派遣についても、昨年8月のアメリカアトランタ市への訪問は一人当たり200万円もの多額の経費を費やした等、市民の理解を得られないものとなっています。
共産党市議団は毎年公費を使った海外視察制度の廃止を求め、姉妹都市への友好訪問団についてもあり方を見直すことを提起してきましたが、他の会派は背を向け、今日まで続けてきたのであります。県政の問題を受けて、私は改めて代表者会議の場で海外視察の廃止と友好訪問の見直しを求めましたが、賛同する会派はありませんでした。これで良いのかが福岡市議会にも厳しく問われています。
また高島市長がこのほど課長級以上の幹部職員に行った「議会対応に関する職員アンケート」の結果では、2023年度以降で議員の質問原稿等を作成し提供したことがあるという回答を61人が行っています。提供先の内訳は自民党51人、自民党新福岡25人、公明党6人、新しい風ふくおか2人、福岡市民クラブ1人、無所属3人となっています。このアンケートは記名式であり、信憑性が高いものと言わなければなりません。事実であるならば、議員が自らの職責を放棄したと言われかねない重大な問題であります。この問題については、市長がアンケートに着手すると発表した直後に行われた代表者会議で、私は各会派が自ら調査をし、内容を公表するべきではないかと提起しましたが、この問題でも各会派の見るべき動きはありませんでした。そして市長側からアンケート結果が公表された以降も名指しされた会派からは市民や議会に対する正式な説明は未だ行われておりません。まさにこの問題は、福岡市議会自身の自浄能力を問う問題となっています。
共産党市議団は福岡市議会としても本決議文の中にこれらの問題と自らの改革の意思を具体的に入れるべきだと提起し、これを受け末尾に「福岡県政における諸問題を他山の石として、公費に対する認識を常に正し、議員と職員の馴れ合いを廃し、議会運営の不断の改善に取り組むことを決意する」との3行の文章が追加されました。しかし残念ながら具体性のないこの抽象的な表現では市民にその意味が伝わらず、「自らの問題は棚に上げている」との批判さえ受けかねない不十分なものとなっています。
今回、県政に対する県民の厳しい怒りを踏まえるならば、福岡市民から選ばれた市議会議員として、早急な改革を求める決議をあげることが必要だと判断し、本決議案には賛成するものの、福岡市議会自身の改革については多くの課題があり、各会派にも改善すべきは改善する真摯な取り組みを求めるとともに、共産党市議団は、幅広い市民の皆さんとともに、引き続き議会改革に取り組む決意を述べ、討論といたします。