2007年10月19日
厚生労働省に「国保行政の抜本的見直し」を求めて交渉
日本共産党福岡市議団は11月14日上京し、厚生労働省に対し、国民健康保険行政の抜本的見直しを求める舛添要一大臣あての要望書を提出し、担当官と交渉しました。仁比聡平参院議員、田村貴昭・九州沖縄ブロック国政対策委員長らが同席しました。
要望は、(1)国保料引き下げのための国庫負担金の大幅増額、(2)国保料の収納率低下に対するペナルティの補助金カットの中止、(3)不法な資格証明書発行(保険証とりあげ)の実態把握と是正指導、の3点。
党市議団は、福岡市の国保料が高すぎて、多くの高齢者や自営業者、若者が払いたくても払えず、保険証をとりあげられて病院にかかれない深刻な実態を事例を挙げて詳しく紹介。無慈悲な国保行政の抜本的改善のために、国としての対応を求めました。
不法な保険証とりあげについて、厚生労働省の担当官は「福岡市に電話して確認したが明らかに法律違反の事例だ。適切な指導をしていく」と答弁。仁比議員が「例外的な話ではなく恒常化している。福岡市で何が行われているか実態調査を」と要求すると、担当官は「ヒアリングはありうること」答えました。
また、国保料引き下げを求める署名が短期間で10万人分を超えたことを示すビラを手渡すと、担当官は見入っていましたが、「必要な財政負担はしている」「ペナルティは必要だ」と冷たい答弁を繰り返しました。
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厚生労働大臣 舛添要一様
要 望 書
福岡市の国民健康保険は、加入者のうち年所得200万円以下という低所得者が8割以上を占めており、公的支えなしには維持できない仕組みとなっています。ところが、一人当たりの保険料は95,591円(2006年度)と政令市で3番目に高く、高すぎて払えないという人が増え(例えば、年所得200万円の3人世帯の場合の保険料は43万7,600円と所得の2割)、滞納世帯が56,000世帯と加入世帯の2割に達しています。しかも、滞納者に対する資格証明書発行による保険証取り上げが14,000世帯にのぼっていますが、収納率は低下の一途をたどっています。一方、病気になっても医者にかかれない事態が広がり、医療費高騰と国保会計の悪化という悪循環に陥っています。今こそ、払える保険料に引き下げることなど、国保行政の抜本的な見直しが強く求められています。
- 国民健康保険料を払える水準まで引き下げることが急務となっているが、福岡市の一般会計からの国保会計への繰入金は183億円に上っており、国による一層の支援が必要である。国庫負担を1983年の水準、50%に戻すなど大幅に増額すること。
- 福岡市の収納率低下による国からの普通調整交付金のカット(ペナルティ)の額は2002年からの5年間で33億円にものぼっているが、この分が保険料に上乗せされているため、保険料が高くなっている。補助金カットのペナルティはやめること。
- 福岡市は保険料が払えない人に対して、一方的に「悪質滞納者」と決めつけて、老人保健法適用の人や病気の人、被爆者など、保険証を交付しなければならない人にも国保法に反して資格証明書を発行している。福岡市の国保行政の実態を調査・把握するとともに、不法な資格証明書発行を是正するよう指導すること。