しんぶん赤旗 2004年10月29日
ケヤキ・庭石事件 初公判 2被告、起訴事実認める
不正な転売益を自民選挙資金に
福岡市の人工島事業で、同市が出資する第3セクター博多港開発のケヤキ・庭石購入事件で、商法の特別背任罪に問われた同社前社長で元助役の志岐眞一(66)、同社元常務大庭樹(65)、元福岡市議西田藤二(53)の3被告に対する初公判が27日、福岡地裁(谷敏行裁判長)でありました。
検察側冒頭陳述で、西田被告が不正に得た転売益を選挙資金にあて、それを可能にした志岐被告が多額の現金を手にする政治家と官僚の腐敗構図が明らかになりました。
冒頭陳述によると、志岐被告が社長在任中の1999−2001年にかけて、具体的な利用計画や必要性がないのに、自己らの利益をはかるために、西田被告のファミリー企業を介して、ケヤキ400本と庭石1万トンを計約7億7000万円で購入し、同額の損害を博多港開発に及ぼしました。
西田被告は、約3億8000万円の転売益を得て、自民党公認で立候補した衆院選挙の資金に使ったと指摘されました。志岐被告が受け取った謝礼は約1500万円であることが明らかにされました。
志岐被告は起訴事実をおおむね認め、西田被告は全面的に認めました。
市政腐敗 徹底追及へ
日本共産党 原田祥一議員の話
私たちの議会での追及を発端に、事実を否定していた志岐、西田両被告が公訴事実を認めるところまで追い詰めた。私たちに寄せられた告発にこたえられたと思う。政治とカネ、官僚の腐敗という問題をあらためて突きつけている。
検察側の冒頭陳述は、西田被告がケヤキ・庭石の転売益を自民党公認で立候補した衆院選挙の資金に使ったと明確にのべた。選挙活動の表の金ではなく、裏金だった。自民党公認候補がこういう裏金を使って選挙をおこなっていることは厳しく批判されるべきだ。
志岐被告は、謝礼として転売益から一千数百万円を受け取っていたことを認めた。官僚の腐敗のひどさを痛感した。市議会の公共工事不正再発防止調査特別委員会で、行政の腐敗を徹底的にただしていきたい。