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しんぶん赤旗 2003年6月6日

福岡市のケヤキ・庭石疑惑 背任で3セク捜索

福岡市の人工島事業をすすめる第3セクター「博多港開発」が利用計画もないのにケヤキ・庭石を約10億円かけて購入した事件で、福岡県警捜査二課は五日、志岐真一前社長(65)らが同社に損害をあたえた疑いが強まったとして、商法の特別背任容疑で同社など関係先約50カ所を家宅捜索しました。福岡・東署に捜査本部を設置しました。

福岡市の告発状では、志岐前社長が在任中の1999年から2000年にかけてケヤキ400本、庭石1万トンを約7億7千万円で購入した件に限定して、購入の際、西田藤二元福岡市議(51)のファミリー企業3社を介在させ、約3億9千万円の不当な利益を与え、同社に同額の損害を与えたとしています。

志岐前社長は同市の元助役で、西田元市議と親しかったとされています。西田元市議は自民党から2回、衆院選に出馬して落選しており、転売益がその選挙資金に使われたとする疑惑もうまれています。

この事件は昨年10月、日本共産党市議団が市議会で取り上げて明るみに出たものです。市当局は、当初調査すら拒否していましたが、党市議団は不透明な購入ルートを追って九州一円で調査。次々に発覚する不審な点を市議会で徹底して追及するとともに、市民に広く知らせてきました。

市民の怒りが沸騰するなかで、市議会では党が求めていた百条委員会が設置され、今年2月には関係者を初めて証人として尋問。3セクを食い物にした利権あさりの構図が浮き彫りになっていました。

その後、市民団体「許さんばいケヤキ・庭石疑惑!徹底究明の会」や市議会が関係者を告発するなかで、市当局も告発にいたりました。

日本共産党の宮本秀国市議団長の話

今回の捜索は、市民の勇気ある告発の手紙と、日本共産党福岡市議団の議会内外の積極的な取り組みの成果です。厳正な捜査が求められているとともに、市議会は市民に対し、市政をめぐる政・官・業の癒着、腐敗構造を徹底的に解明する責任を負っています。党市議団は、腐敗構造の一掃のため、6月議会で引き続き、ケヤキ・庭石事件を取り上げ、真相究明のために全力をつくします。

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